6月20日から22日の3日間にわたり、ブラジル・リオデジャネイロで「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」が開催。1992 年に同地で開催された「国連環境開発会議(地球サミット)」から20年、2002年の「持続可能な開発に関する首脳会議(ヨハネス ブルグ地球サミット)」から10年を経て、環境保全と持続可能な開発を実現するための、世界各地での取り組みの成果や課題 が討議されました。
日伯のセミナー関係者
特
集
活動 報告 事業 の目 的と 概況
協力 の形 態
運営
・管 理・ 評価
資料 編
活動報告:様々な事業の取り組み
近年の課題
日本をはじめ各国ドナーおよび国際機関(以下、ド ナー)は、MDGsという枠組みで貧困削減への取り組 みを強化し、「モンテレー開発資金国際会議」(2002年)
や「ドーハ開発資金国際会議フォローアップ会合」
(2008年)ではMDGs達成に必要な開発資金の確保が 国際的に確認されてきました。また、援助の質を高め ることも求められ、「援助効果向上にかかるパリ宣言」
(2005年)によって援助効果の議論が高まり、「アクラ 行動計画」(2008年、ガーナ)を経て、「第4回援助効 果向上に関するハイレベル・フォーラム」(2011年、
韓国)でその成果が総括されました。
しかし、全ての人が恩恵を受けられる格差無き成長、
紛争・脆弱国支援、気候変動、食糧安全保障、アラブ の春を契機とした雇用の創出、防災の取り組みなど、
開発課題はグローバル化、多様化しています。また、
リーマン・ショック以降、OECD/DAC加盟国の援助額 はほぼ横ばいであり、限られた資金をさまざまな開発 課題に充てるため、ドナーは開発成果そのものへの重 視や投下資金に対する開発効果など説明責任への取り 組みがより一層求められています。
近年、民間企業や財団、NGO、新興国の開発にお ける役割は欠かせない存在となっており、開発援助に 参画する主体の多様化や援助のあり方がG20など国 際会議でも頻繁に取り上げられています。援助を取り 巻く世界的な環境の変化を把握し、国際的な議論への 発信を強化すること、また他のドナーや開発協力主体 と事業連携を進めることは、開発援助を進めるうえで とても重要です。
開発課題におけるドナー連携
JICAは従来から欧州や米国、国際開発機関と緊密 なパートナーシップを構築しており、開発援助の現場 ではこれらドナーと協調融資や技術協力の連携などを 実施しています。開発規模が大きい案件、ドナーごと に得意な分野・技術に特化する場合や、単独では対応 が難しい課題に対しては、協調することで、より効果的・
効率的な支援が可能になります。また、日頃から援助 の潮流を把握し、そこにJICAの考えを発信しフィード バックを得ることは、現場のニーズを理解し、JICAの
援助方針を策定するうえで欠かせません。世界銀行(世 銀)、アジア開発銀行(ADB)、米州開発銀行、アフリ カ開発銀行、欧州復興開発銀行の年次総会に積極的 に参画し、ドナー幹部の相互訪問を通じて、開発課題 や地域別・国別の援助戦略の共有など包括的な協議 を実施しています。
ADB総会(5月、マニラ)や国際通貨基金(IMF)・世 銀総会(10月、東京)では役員が最近の開発課題に関 する多数のセミナーに基調講演やパネリストとして登 壇し、JICAの考えや取り組み実績・方針などの発信 を積極的に行いました。」
[
コラムを参照ください]
また、理事長はワシントンDC、ニューヨーク、ブリュッセル、
ロンドンにおける開発シンクタンクやDAC、国連本部 などと関係構築を図ると同時に講演会を行い、ここで もTICAD、ポスト2015年開発アジェンダ、特定の人々 が疎外されない(インクルーシブである)成長、人間の 安全保障などをテーマに、JICAの開発理念に対する 理解向上に努めています。
世銀が毎年発刊する世界開発報告書にも積極的に 関わっています。同報告書2013年(雇用)の執筆に際 してはJICA研究所が事例研究報告書を共著していま す。また同報告書2014年(開発におけるリスク管理)
についても作成段階から意見交換を行い、また複数の バックグラウンド・ペーパーを提供するなど、質の高 い議論に貢献しています。
理事長は国連開発計画(UNDP)が毎年発刊する人 間開発報告書(HDR)のアドバイザリー・パネルのメン バーに就任しました。同報告書は国際開発の分野で最 も大きな影響力を持つ報告書の一つです。ノーベル 賞受賞者など、世界の著名な学者や政治家、開発専 門家に並んで、アドバイザリー・パネル会合において 来年の発刊に向けた論点の形成に貢献しています。
IMFとは昨年度に引き続き、第2回目の合同セミ ナーをバンコクで開催しました。経済構造転換とイン クルーシブ成長をテーマにIMFとJICAが実証分析的 な研究調査を持ち寄り発表し、アジアの11カ国の低 所得国の財務省、中央銀行、開発省の政策当局者の 幹部等約100名と討論を行いました。各国が自由に意 見交換を行う機会の提供に貢献するのみならず、
JICAが主張する包摂成長の実現に向けて理解を深め
─ 世界中の援助機関と協調し、
開発効果のスケールアップを目指す
開発パートナーシップ
るとともに、IMFとの対話と情報共有は事業戦略強化 にもつながります。
国連は2008年以来、 毎年「南南協力エキスポ
(Global South-South Development Expo)」を開 催しており、JICAはこの中で南南協力局長級会議を 共催し、ドナー国・新興国・途上国とともに、南南協力・
三角協力に関する知見の共有と途上国の発展に資する 南南協力・三角協力の促進を支援しています。 今年 のエキスポではJICAの南南協力の実施支援、優良事 例や教訓の共有など40年近くの長きにわたる取り組 みが評価されました。
一部のドナーとは戦略的開発パートナーとして連携 に向けた定期協議を行っています。 世銀、ADB、
UNDPのほか、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
(難民支援)、欧州連合(EU)(アフリカ開発支援)、仏 国開発庁(AFD)(アジア・アフリカ・中東開発支援・
気候変動対策)、独国国際協力公社(GIZ)(アフリカの 水分野)、独国復興金融公社開発銀行(KfW)(環境)、
オーストラリア国際開発庁(AusAID)(アフリカ、大洋 州支援)と実施しました。イスラム開発銀行を含むアラ ブ・コーディネーション・グループと初となる連携協 議も実施しました。欧州での情報収集やJICAに関す る情報発信を強化するとともに、EUとの連携を強化 するため、新たに首席駐在員をEUの拠点であるブリュ ッセルに派遣しました。
ここ数年で連携協力協定(MOU)を多く締結してい ます。2012年度はアガハーン財団、国際赤十字・赤 新月社連盟、アジア財団と新たに連携協力協定を締結 しました。ゲイツ財団、コンラッド・アデナウアー財団
とも定期協議を行い、組織間の共通の関心分野に相 互補完的に協力することで、より質の高い支援を実現 していきます。
JICAは2011年9月に発足した先進国・新興国を含 む19の二国間・地域開発金融機関による相互協力の ためのネットワーク国際開発金融クラブの副議長・運 営委員を務めています。2012年度は第一回年次総 会をJICAが東京でホストし、日本の民間企業にも広 く声をかけ、セミナーを開催し、気候変動対策ファイ ナンスの議論をリードしました。
新興国とのパートナーシップ
近年、中国、韓国、タイ、ブラジルなどの新興国 は援助提供国としての姿勢が明らかになっており、こ れらの動向を抜きに援助の議論はできなくなりつつあ ります。長くアジア唯一のDACドナーであった日本の 経済発展と援助国としての経験を背景に、JICAは新興 国との対話を通じ、さまざまな援助アプローチや開発 課題への取り組みの共有を進めています。2012年度 はタイ(第3回)とインドネシア(第4回)で開催されたア ジア開発フォーラムに参画し、アジアの新興国を含め たアジア諸国や国際機関とグリーン成長、包摂的成長、
防災主流化、ポスト2015開発課題など、アジア開発 課題の解決に向けた取り組みや知見を共有しました。
他方、中国・韓国・タイの援助機関との定期協議や 合同協議、相互訪問の機会を通じて、昨今の開発課 題への取り組みや日本の援助経験の共有を行い、これ までの関係を維持し、深化させています。
48年ぶりに東京で開催されたIMF・
世銀総会(10月)は、世界中から1万人か ら2万人が集まるとされ、4月に就任した 理事長が国際社会でJICAの強いコミット メントとリーダーシップを示す好機となり ました。全体会合と並行して、IMFと世 界銀行が主催する多数の公式セミナー では世界の政財界関係者や有識者らが 経済・開発課題を議論します。このうち、
JICAが提案したテーマも含め4件(ポス ト2015年開発枠組み、雇用と開発、ア フリカのエネルギー開発(TICADⅤ)、グ ローバル・ヘルス)について、田中理事 長が登壇しました。JICAの開発課題ア
プローチや開発理念について発 信し、国際社会における開発議 論の形成に貢献しました。
JICAは総会期間を通じて、他にもさ まざまなセミナーを主催・共催しました。
成長を続けるASEAN地域における食糧 安全保障の展望と必要な施策、グリーン 成長促進に向けた官民連携、イスラム圏 におけるJICAと開発金融機関との新た な連携、「アラブの春」以降の中東・北ア フリカ支援など、多様化・複雑化の進む 国際社会の抱える課題に対し、国際的な 議論をリードし、積極的に知的貢献に取 り組んでいます。またこの機会に訪日し
た各国政府・国際機関の要人との対話 を100件以上実施するなど、国内外のメ ディアを含め多くの注目を集めました。
今後も、世界最大規模の二国間援助 機関として、世界銀行やIMFをはじめと する国際機関、二国間援助機関や地域 開発金融機関との連携を強め、ますます 多様化する開発課題の解決に向けた議 論に知的貢献を行いつつ、世界に向け て発信していきます。
IMF・世界銀行年次総会の機会をとらえて世界へ発信
IMF・世界銀行年次総会のセミナーで発言する理事長(右から2人目)
特
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活動 報告 事業 の目 的と 概況
協力 の形 態
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