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国際開発機関の制度との調和化

ドキュメント内 JICA at a Glance (ページ 145-149)

「外貨返済型円借款」、 「災害復旧スタンド・バイ借款」を創設

6.  国際開発機関の制度との調和化

 ガイドラインでは、JICAの事業における環境社会配 慮について、世界銀行のセーフガードポリシー(世界 銀行が借入人に遵守を求める環境社会配慮の要件を 示した業務政策)から大きな乖離がないことを確認し、

また、適切と認める場合には、他の国際金融機関が定

めた基準やその他の国際的に認知された基準、およ びグッドプラクティス(優れた取り組み)を参照すること と定めています。そのためにJICAは、世界銀行やア ジア開発銀行などの国際援助機関と緊密に連携し、協 調案件については合同で環境社会配慮の調査・確認 を行うなどして、調和化を図っています。また、環境 社会配慮に関する国際会議等に参加し、世界的な動向 を把握するとともにJICAの取り組みを発信して、より よい環境社会配慮の実現に貢献しています。

ウェブサイトで公開 ウェブサイトで公開 異議申立審査役 事業担当部署

申立書を受領

申立などへの受理の通知

申立書受領後原則5営業日以内

予備調査

手続開始・却下を決定

調査および対話の促進の実施

手続開始・却下決定を申立人、理事長などに通知 手続開始の場合

受領後1カ月程度(関係者へのヒアリング含む)

報告書を理事長に提出

手続開始後2カ月以内(2カ月まで延長可)

事業担当部署による意見書を理事長に提出

事業担当部署によるフォローアップ

報告書提出後1カ月以内

 

活動 報告 事業 の目 的と 概況

協力 の形 態

運営

・管 理・ 評価

資料 編

運営・管理・評価

 金融業務を行うに当たっては、信用リス ク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショ ナルリスクなどの様々なリスクを伴います。

JICAは開発援助機関として有償資金協力 業務を行っており、リスクの内容や大きさ、

あるいは対処の方法は一般の金融機関と は異なりますが、国際的潮流も踏まえ、金 融機関のリスク管理手法を援用しつつ、円 借款債権等を適切に管理することが重要と 考えます。

 具体的には、有償資金協力業務におけ るリスク管理を組織的に対応すべき経営課 題と位置づけ、「独立行政法人国際協力機 構有償資金協力勘定統合的リスク管理規 程」を策定し、同規程のなかで、JICAの有 償資金協力勘定が業務の過程でさらされ ているさまざまなリスクを識別、測定およ びモニタリングし、業務の適切性の確保お よび適正な損益水準の確保を図ることを目 的と定め、その目的に資するため有償資金 協力勘定リスク管理委員会を設置し、統合 的リスク管理に関する重要事項を審議して います。

 有償資金協力業務に付随する直接的・間 接的なさまざまなリスクの把握、 分析およ び管理の状況については以下に示します。

● 信用リスク

 信用リスクとは、 与信先の信用状態の 悪化などにより債権の回収が不可能また は困難になり、損失を被るリスクです。有 償資金協力業務には、円借款と海外投融 資がありますが、その主たる業務は融資 業務であり、信用リスク管理はJICAのリ スク管理において重要な位置を占めます。

与信の大半を占める外国政府・政府機関向 け円借款に伴うソブリンリスク(外国政府 等与信に伴うリスク)については、公的機 関として相手国政府関係当局やIMF(国際 通貨基金)・世界銀行などの国際機関ある いは地域開発金融機関、先進国の類似機 関や民間金融機関との意見交換を通じて、

融資先となる外国政府・政府機関や相手 国の政治経済に関する情報を幅広く収集 し、評価しています。 本年度に本格再開 された海外投融資においては、企業向け 与信に伴うコーポレートリスクおよび企業 所在国に起因するカントリーリスクの管理 を行っております。

①信用格付

  JICAでは、信用格付を制度化しており、

原則としてすべての与信先に対して信用格 付を付与しています。 信用格付は、個別 与信の判断の参考とするほか、貸倒引当 金の算出、信用リスク計量化にも活用する など、信用リスク管理の基礎をなすもので す。 信用格付においては、債務者の種類 に応じてソブリン債務者、非ソブリン債務 者に分け、それぞれの信用格付体系を適 応して格付付与し、随時見直しを行ってい ます。

②資産自己査定

 JICAでは信用リスクを管理し、償却・引 当を適時適切に実施するため、金融検査 マニュアルを参照し、JICAの資産の特徴 を適切に査定結果に反映させるよう、資産 自己査定を行っています。資産自己査定に 当たっては、適切な牽制機能を維持するた め、与信担当部門による第一次査定、審 査管理部門による第二次査定を行うという 体制を取っています。 資産自己査定の結 果は、当機構における与信状況の不断の 見直しを行うため内部活用するに留まらず、

JICAの財務内容の透明性向上のため、資 産内容の開示に積極的に利用しています。

③信用リスク計量化

 有償資金協力勘定では、前述の個別与 信管理に加えて、ポートフォリオ全体のリ スク量把握のため、信用リスクの計量化に も取り組んでいます。信用リスクの計量化 に当たっては、長期の貸出や、ソブリンリ スクを伴った融資が大半という、民間金融 機関には例を見ないJICAのローン・ポート フォリオの特徴、さらには公的債権者固有 のパリクラブ等国際的支援の枠組みなどに よる債権保全メカニズムを織り込むことが 適切であり、これらの諸要素を考慮した独 自の信用リスク計量化パラメータを適用の うえ、信用リスク量の計測を行っています。

● 市場リスク

 市場リスクとは、 為替、金利などの変動 により保有する資産の価値が変動し損失を 被るリスクです。

 このうち市場金利の変動により損失を被 る金利リスクについて、有償資金協力業 務においては融資期間が最長で40年に及

ぶという融資の特性に応じた金利リスクを 負っていますが、資金調達において一般会 計出資金を受け入れること等により金利リ スク吸収力を高めています。さらに、ヘッ ジ目的に限定した金利スワップ取引を行い、

金利変動による不利な影響の軽減に取り組 んでいます。 金利スワップ取引の取引相 手先にかかる市場性信用リスクについては、

取引相手先ごとの取引時価および信用状 態を常時把握し、必要に応じて担保を徴求 することによって管理しています。

 為替リスクについては、JICAは外貨貸 付を行っておりませんが、 本年度に制度 導入された外貨返済型円借款においては、

融資先の求めに応じ円建て融資が外貨建 てに変換されるため、為替リスクが発生し ます。このリスクは、通貨スワップを利用 することでヘッジします。また、海外投融 資において、外貨建て出資を行っており、

出資先の評価額に関して為替リスクを負っ ています。このリスクについては、出資先 所在国通貨の為替変動を常時把握し、管 理しています。

● 流動性リスク

 流動性リスクとは、JICAの信用力の低 下による資金調達力の低下、想定外の支 出の増加もしくは収入の減少により、資金 繰りが困難になるリスクを意味します。

 有償資金協力業務では財政投融資資金 借入、財投機関債発行等の多様な資金調 達手段を確保することに加え、資金繰りの 管理を十分に行うことによって流動性リス ク回避に万全を期しています。

● オペレーショナルリスク

 オペレーショナルリスクとは、業務の過 程、役職員の活動もしくはシステムが不適 切であること、または外生的な事象により 損失を被るリスクをいいます。JICAにおい てオペレーショナルリスクは事務にかかわ ること、システムにかかわること、内外の 不正などにより発生するものとしています。

オペレーショナルリスクについては、コン プライアンス推進の一環として管理してい ます。

金融リスク管理

運営・管理・評価

 開発途上国の多くは貧困問題を抱え、そ こから多くの一般犯罪が発生しています。

また、政情が不安定でクーデターの可能 性がある国や、長年、国の一部で内戦が 続いている場合もあります。

 内戦終結後も、政情が安定せず、治安 上の問題の多い国で平和構築のために活 動することが求められるケースがあります。

さらに世界各地にはテロの危険性も現存し ています。また、日本とは異なる交通習慣 のなか、未整備な交通インフラや未熟な 現地運転者による交通事故のリスクが高い 国も多くあります。

 JICAは、こうした状況下で活動を続ける 関係者が、安全に生活し仕事ができるよう、

安全対策と危機管理に力を入れています。

● 研修やセミナーの実施

 JICAは、出発前の専門家やボランティ ア、随伴家族を含めた関係者に対し、安 全対策に関する研修を実施しています。研 修では、地域ごとの犯罪の特徴、住居の 選び方、現地の人との接し方、貴重品の 保管方法、ホールドアップやカージャック、

銃器犯罪などに関し、防犯と有事の対応の 観点から具体的・実践的な指導・助言を行 います。

 また、任地に到着した時点で、JICA海 外拠点より、最新の現地治安状況や防犯 対策について国別の事情に特化したオリ エンテーションを行っています。 加えて、

JICA海外拠点が中心になって、活動中の 全JICA関係者による安全対策連絡協議会 を年1 回の頻度で開催しています。この協 議会では、JICAからの現地安全情報の提 供、関係者間の体験や情報の共有がなさ れ、同じ環境のもとに暮らし、仕事をする 関係者同士が、日々工夫している安全対 策の具体的なノウハウを交換して安全に対 する意識を高めています。

● 専門的な安全対策アドバイザー の配置

 JICAは、現地での安全対策を強化する ため、その国の治安や安全管理に詳しい 専門人材を「安全対策アドバイザー」として 活用しています。 安全対策アドバイザー は、日々の治安情報の収集とJICA関係者 への発信、住居防犯から交通事故対策ま で、広範囲の安全対策を実施しています。

現地の犯罪傾向を熟知した安全対策アドバ イザーは、過去の日本人の犯罪被害の具 体例も踏まえて、適切な安全指導を行って います。

 また、JICA海外拠点のない国でも、現 地の治安情報を収集するための人材を配 置している場合があります。

● 緊急連絡網の構築

 JICAは、各国で全関係者を網羅した緊 急時の連絡体制を構築しています。 連絡 手段は、固定電話、地上波携帯電話、衛 星携帯電話や無線があり、有事の際の迅 速な情報伝達・安否確認などを想定して連 絡体制を整備することを、安全対策の重要 な柱にしています。

● 安全対策のための調査団派遣

 JICAは、安全上特に懸念がある国に対 しては、JICA本部や海外拠点から安全確 認調査団を派遣して現地の安全状況を確 認しています。この現地調査の結果に基づ き、国別の細かな安全対策措置を講じて います。例えば、ひとつの国に対しても地 域ごとの治安状況を分析して、JICA関係 者の活動範囲を決定し、援助ニーズに応え るようにしています。

 一般犯罪の多発している国へは、住居 防犯、 銃器犯罪対策などの指導のため、

JICA本部から巡回指導調査団を派遣して、

関係者への直接的な安全指導を行ってい ます。

 交通安全対策については、各種の指導 マニュアルを作成してJICA関係者に配布 するとともに、各国の交通事故発生状況を 定期的に周知し、安全意識の醸成に努め ています。また、現地からの要望などに応 じて、交通安全指導のための調査団も派 遣しています。

●  防犯設備設置や警備員傭上 経費の負担

 専門家やボランティアなどの住居の防犯 設備の設置や警備員の傭上、アラーム警 備体制に関しては、JICAが経費を負担し ています。 例えば、防犯設備では、塀の かさ上げ、ドアや窓枠の補強、鉄格子の 設置、鍵の付け替え、補助錠の取り付け などの工事を必要に応じて実施しています。

● 24時間危機管理体制の実施

 JICA本部は、通常の業務時間外となる 平日の夜間や休日も、海外からの緊急連 絡を確実に受け付け、対応できるよう待機 体制を整え、365日24時間の緊急対応体 制を取っています。

● テロ対策

 最近の懸念は、テロの可能性がある国・

地域が増加してきていることです。また、

近年の特徴は、国際テロ組織が起こす大 規模な事件が増えていることです。これま で、中東・南アジア・アフリカなどで欧米 権益などを狙ったテロが発生してきました が、今後は日本人をターゲットにテロが起 きる可能性も否定できません。リスクの高 い地域で勤務するJICA関係者には、テロ に巻き込まれないための具体的な注意事 項を赴任前研修や到着後のオリエンテー ションなどの機会にブリーフィングするな ど、関係者の意識を高めてリスクを回避す る努力を行っています。

● 復興支援地域などにおける安全 対策

 アフガニスタン、イラク、コンゴ民主 共和国東部、スーダン(ダルフール地方)、

南スーダン、パキスタンなどの紛争終結 国、紛争が継続している地域でも、多く のJICA関係者が活動しています。JICAは、

そうした地域で活動する他の援助機関や国 連機関の対応を参考に、流動的な政情や 治安状況を日々監視しつつ、行動地域の 安全状況を精査し、無線や防弾車両など の必要な安全対策措置を施して事業を行っ ています。今後、JICAが平和構築分野や 復興支援業務を増やしていくうえで、こう した安全対策のさらなる整備が不可欠です。

 また、そうした活動では、誘拐、政変 や暴動、 テロなど予想不可能な事態も あり得ることから、 潜在的な危機にいか に対処するかといった現場のノウハウが 重要となります。 そのため2003年から、

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

e-Centre(イーセンター)との連携により、

国内・海外で「安全管理研修」(Security  Risk Management Training)を実施し ています。

海外での安全管理

 

活動 報告 事業 の目 的と 概況

協力 の形 態

運営

・管 理・ 評価

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