〈医療提供体制の展望〉
今、民間病院は生き残りをかけています。一方で 公立病院はというと、生き残れる条件は限られてき ます。今の病院の概況はというと、国立病院の大学 法人は、経営が好転してきました。つまり、経営戦 略を抜本的に変えたところだけは好転していて、負 け組がはっきりしてきたと思います。公立病院は指 定管理者制度、PFI、独法等の方策で混乱中であり、
診療報酬で経営を改善中です。
基本的に一般病院は、経営が成り立たなければ廃 止するしかありません。そしてはっきりしているの は、病院完結型は負けやすいということです。地域 での連携が必須ということだと思います。
高度急性期を担う包括的な脳卒中センターという のを、私はぜひ日本につくってもらいたいと思って います。日本では年間 30 万人の人が脳卒中を発症し ています。うち 20%が再発管理で、国際的な動向か らみるとおおよそ 3 倍強と、非常に高い状況です。
それはどうしてかというと、脳卒中を集中的に診 療し、治療するセンターというものをつくれないからです。医師が散在していること、救急のシ ステムをつくれていないというのがその背景にあります。TPA をできる医師がいても、患者の搬 送が間に合わないという非常に悲惨な状況になっているのです。
〈認知症ケアの展望〉
認知症はスクリーニング、
モニタリング、ケアシステ ムの構築という、3つのこ とが重要です。日本では、
発見はもうできていて、ケ アシステムもそれなりにで きている。欠けているのは モニタリングです。すなわ ち、症状別、ステージ別に 効果があるサービスは何な のか、ということが示され ていないということです。
これらに関するエビデンスが求められていると思います。
〈介護・看護・福祉人材養成の展望〉
今、厚生労働省では、プロフェショナルキ ャリア段位制度というものを実施していて、
ケアの質保証のためのケアワークのマネジメ ントと、ケアワーカーのキャリア構築とを、
一体的に展開できる制度的な基盤の構築が進 みつつあります。
これができてくると、どういう状態の人に、
どういう技術を提供すると、結果的に介護技 術はどういう技術がいいかという標準化がで きるはずです。そもそもサービ スは人間がつくるものですから、
こういった専門職の教育研修機 能は必要なのですが、OJT を指 導していくような機能を持って いませんでした。サービス提供 の質の向上は喫緊の課題です。
ぜひ、こういった OJT の仕組み をわが国に定着させないといけ ないと思います。
倉敷中央病院の相田俊夫先生 は、人の能力とコストを考えた ときには、能力、モチベーショ ン、従事環境といったさまざまな変数があると言っています。これらを数量化して、「顕在能力の 総計」と「人員コスト」というのがきちんと合うような経営展開を倉敷中央病院では試みている ということでした。これはおそらく自治体も同じで、この顕在能力の中に、利用者や住民も入れ ていくということが、今後は必要になってくるのだろうと思います。
〈大都市のケア提供システムとは〉
私は、大都市のケア提供システムには王道 はないと思っています。要は、一つひとつ積 み重ねていくしかない。そのベースになるよ うな community based のシステムをどうつく るかが大事で、基礎がなければ上に何を乗せ ても同じです。その基礎の部分で一番大事な のは、「人」です。この人の中に、専門職だけ でな、利用者本人、そして住民も入れていか ないと、この大都市モデルというのは絶対にできないだろうと考えます。
第 13 回「大都市における地域包括ケアをつくる政策研究会」
『東京 23 区における自宅での死亡事例や一人暮らしにおける
「異状死」の実際』
話 題 提 供 : 金涌佳雅 氏
日本医科大学 法医学教室 講師
※講演内容の掲載はございません
日 時 : 2015 年 12 月 17 日(木)19:00~21:00
場 所 : 東京都千代田区丸の内 1-7-12 サピアタワー6F ステーションコンファレンス東京 605A 会議室
第 14 回「大都市における地域包括ケアをつくる政策研究会」
『地域包括ケアシステムの構築と自治体の役割』
~広島県 23 市町への 3 年間の支援をもとに~
話 題 提 供 :
岩名 礼介 氏
三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社 経済・社会政策部社会政策グループ主任研究員
日 時 : 2016 年 1 月 21 日(木)19:00~21:00
場 所 : 東京都千代田区丸の内 1-7-12 サピアタワー6F ステーションコンファレンス東京 605A 会議室
◆第 14 回
「地域包括ケアシステムの構築と自治体の役割」
~広島県 23 市町への 3 年間の支援をもとに~
【話題提供】
岩名礼介氏
(三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング株式会社 経済・社会政策部社会政策グループ主任研究員)