320(60)群:
2.7.6.17 国内第Ⅰ相継続試験[CS11A] (添付資料番号 5.3.5.2-12)
2.7.6.17.1 試験方法の概略
治験の標題:
前立腺癌患者を対象にFE200486反復皮下投与時の長期安全性を検討する多施設共同,非盲検,
継続投与試験
治験責任医師名: 他
治験実施施設: 他 日本の計9施設 公表論文:なし
治験期間:
治験開始日:20 年 月 日 治験終了日:20 年 月 日 開発のフェーズ:第I相試験
目的:
主要目的:
● 前立腺癌患者を対象に,ASP3550の反復皮下投与時の長期安全性を評価する。
副次目的:
● ASP3550反復投与による血清テストステロン値,血清前立腺特異抗原(PSA)値,血清
5α-dihydrotestosterone(DHT)値,血清黄体形成ホルモン(LH)値,血清卵胞刺激ホルモ ン(FSH)値の長期の変化を検討する。
試験方法:
本試験は,日本人の前立腺癌患者を対象に,ASP3550を反復皮下投与したときの安全性を検 討する非盲検,多施設共同の継続投与試験である。本報告書には,本継続試験に参加した患者 を対象に実施した結果を示す。
本試験参加の選択基準として,国内第Ⅰ相試験[CS11](以下[CS11]と略す)に参加した 患者18例のうち,先行試験で28日間以上血清テストステロンを抑制し,試験終了のための検 査を終えている患者のみが本継続試験に参加できることとした。
患者を,[CS11]の投与量により160 mg群,200 mg群及び240 mg群の3群に分け,それぞ
安全性を評価するため,患者は4週間ごとに来院した。また,血清テストステロン値,血清 PSA値,血清DHT値,血清LH値,血清FSH値及び血清性ホルモン結合グロブリン(SHBG) 値の測定を行った。
患者は,テストステロンに関する中止基準に基づき,テストステロン抑制不十分と判断され るまで観察を行った。患者は,中止基準に該当して中止するか,ASP3550が日本で輸入承認さ れるか,開発終了が決定されるまで投与を継続することとした。
被験者数(計画時及び解析時): 計画時:18例
解析時:6例(160 mg群:1例,200 mg群:3例,240 mg群:2例)
被験者数設定の根拠:
本試験は[CS11]の継続投与試験であるため,最大患者数は18例である。統計学的な症例 数の算出は実施しなかった。
診断及び主要な組入れ基準:
選択基準
1. 治験に関連するすべての行為を実施する前に,文書による同意が得られている患者 2. [CS11]を終了した患者,すなわち単回投与試験において28日間以上血清テストステロ
ンを抑制し[CS11]の試験終了のための検査を終えている患者
3. 治験責任(分担)医師が[CS11]の結果から安全性及び有効性を勘案し,ASP3550の継 続投与が必要あるいは適切と判断した患者
除外基準
1. 血清テストステロン値は継続的に抑制されている(<0.5 ng/mL)ものの,何らかの理由で
[CS11]を中止した患者
2. [CS11]の試験期間中又は試験後に,前立腺癌の内分泌療法[除睾術又は性腺刺激ホル モン放出ホルモン(GnRH)アゴニスト,GnRHアンタゴニスト,抗アンドロゲン剤やエ ストロゲン剤等]を受けた又は現在受けている患者
3. [CS11]の試験期間中又は試験後に,前立腺摘除術もしくは放射線療法を行った患者 4. [CS11]の試験期間中又は試験後に,血清テストステロン値に影響を及ぼす他の薬剤を
使用している患者
5. 重度な喘息(例えば発作を抑えるため,毎日吸入ステロイドを使用する必要があるものと する)を合併している患者
6. マンニトール又はASP3550に対する過敏症のある患者
7. [CS11]の試験期間中(最終検査時に継続投与試験に入る場合にはその前の検査まで)
8. 肝疾患(肝炎,脂肪肝,肝硬変等)を合併している患者 9. 挙児希望のある患者
10. その他の理由で,治験責任(分担)医師が参加を不適格と判断した患者
被験薬,用量及び投与方法,ロット番号:
被験薬:
ASP3550バイアル:1バイアル中にASP3550を88.0 mg又は128.0 mg含有する注射用凍結乾 燥製剤
滅菌水で溶解し,投与液濃度40 mg/mLの懸濁液として使用する。
用量及び投与方法:
[CS11]で投与された用量と同じ用量で継続投与を行うこととした。投与液濃度40 mg/mL に調製したASP3550を,160 mg群では2.0 mL,200 mg群では2.5 mL,240 mg群では3.0 mL ずつ,それぞれ2カ所に皮下注射した(表2.7.6.17- 1)。投与回数は4週間に1回又は12週間に 1回とし,[CS11]での各患者の単回投与時の結果に基づき決定した。[CS11]でDay 28から Day 84までテストステロン値の抑制を維持(<0.5 ng/mL)した患者では4週に1回の投与とし,
84日を超えて血清テストステロン値の抑制を維持(<0.5 ng/mL)した患者では12週に1回の 投与とした。
表2.7.6.17- 1 投与群と投与方法
投与群 用量
(mg)
投与液濃度 (mg/mL)
投与液量 (mL)
160 mg群 160 40 2カ所 × 2.0 mL
200 mg群 200 40 2カ所 × 2.5 mL
240 mg群 240 40 2カ所 × 3.0 mL
Source:CS11A総括報告書,Table 5-1(5.3.5.2-12)
ロット番号:
ASP3550 88 mg:04B16-01
ASP3550 128 mg:04C15-01,04M20-01,07038B,07038C
治験実施計画書で規定された治験薬投与期間:
患者は,あらかじめ規定した中止基準に該当するか,ASP3550が日本で輸入承認されるか,
又は本薬の開発終了が決定されるかいずれかの場合まで試験を継続可能とした。
対照治療,用量及び投与方法,ロット番号:
前治療・併用療法:
試験期間中,以下の薬剤による前治療・併用療法は禁止とした。
● 前立腺癌の内分泌療法(除睾術又はGnRHアゴニスト,GnRHアンタゴニスト,抗アン ドロゲン剤,エストロゲン剤による内分泌療法等)
テストステロン値又はテストステロンの作用に影響を与える他の薬剤
● その他の治験薬 評価スケジュール:
評価スケジュールを表2.7.6.17- 2に示した。
表2.7.6.17- 2 評価スケジュール
Visit 1a 2,3,4...b 試験終了時 追跡調査c
Weeks 0 4週間
ごと
12週間 ごとに実 施する項
目d
投与ごとに 実施する項
目
試験終了後 できるだけ 速やかに
試験終了 日 +28~42
日後
同意取得 ●
選択基準/除外基準 ●
体重 ●e ● ●
身体所見 ●e ●
12誘導心電図 ●e ● ●
バイタルサイン ●e ● ● ●
併用薬 ●f ● ●g ●g
有害事象 ●f ● ● ●
注射部位評価 ●h ● ● ●
治験薬の投与 ● ●
採尿
安全性のパラメータ ●e ● ●i
採血(血液検体)
血液学的検査 ●e ● ●i
血液生化学的検査 ●e ● ●i
テストステロン ●e ● ● ●
PSA ●e ● ● ●
DHT / LH / FSH / SHBG ●e ● ● ●
血漿中ASP3550 ●e ● ● ●
抗ASP3550抗体 ●e ● ● ●
a:Day 0は,先行試験である[CS11]の治験終了の来院日と同じでよいこととした。
b:試験終了まで4週間ごとに来院した。ただしDay 0の来院日を基準として前後7日のずれは許容された。
c:試験を終了した患者には,追跡調査のための来院を依頼した。
d:Day 0から12週ごと。
e:[CS11]のデータを,本試験のDay 0のデータとしてもよいこととした。ただし,本試験開始前に採血及び採
尿を済ませることとした。
f:[CS11]からの有害事象,ベースライン時の症状,併用薬を記録した。
g:試験後の前立腺癌治療情報を記録した。
h:投与前及び投与3時間後の注射部位を観察した。
i:試験終了時の来院前4日以内に尿検査,血液生化学的検査及び血液学的検査を実施していた場合には,再検査
を行う必要はないとした。
Source:CS11A総括報告書,Table 5-2(5.3.5.2-12)
評価基準:
主要評価項目:
安全性
● 有害事象の発現頻度と重症度
● 安全性パラメータである臨床検査値(血液学的検査,血液生化学的検査,尿検査)の変 化
● 注射部位の局所反応
● バイタルサイン及び12誘導心電図
有害事象の程度及び関連性を以下のように定義した。
程度
各有害事象の程度は,以下の3段階で評価した。
● 軽度:兆候又は症状が認められるが,日常生活に支障なし
● 中等度:日常生活に影響を及ぼす事象(支障あり)
● 高度:仕事や日常生活が行えない(耐え難い)
関連性
有害事象と治験薬との関連性を,以下の4分類で判定した。
● なし:明らかに治験薬投与とは別の原因によるものである。関連情報が治験薬との因果 関係と矛盾する。「多分なし」,「可能性あり」又は「あり」の基準に合致しない。
● 多分なし:治験薬投与と妥当な時間的関係がない。患者の臨床状態あるいは他の治療や 環境因子によるものである可能性が高い。
● 可能性あり:治験薬投与と妥当な時間的関係がある。治験薬に対する既知の反応に基づ くものであるが,患者の臨床状態あるいは他の治療や環境因子による可能性もある。治 験薬投与中止後の転帰などの情報が不十分または不明瞭である。
● あり:治験薬投与と明確な時間的関連性がある。治験薬に対する薬理学的に妥当な反応 に基づいたものであり,患者の臨床状態あるいは他の治療薬や環境因子によるものでは ない。治験薬の投与中止又は投与量の減量により改善がみられる。治験薬を再投与した 場合に再発が認められる。種々の検査を実施した結果,関連性が確認されている。
副次評価項目:
有効性及びPK/PD
● テストステロンが抑制不十分(テストステロン値が1.0 ng/mL以上になるか又は連続する 2回の来院時のテストステロン値が0.5 ng/mL以上であった場合の最初の来院)に至るま での時間
● 血清テストステロン値,血清PSA値,血清LH値,血清FSH値,血清DHT値及び血清 SHBG値の経時変化
● 前立腺癌進行までの時間[血清PSA値が,本試験で測定された最低値(nadir)の1.5倍 を超え,かつ5 ng/mL以上となるまでの時間,Day 28から適用する]
統計手法:
1. 解析対象集団
(1) 安全性解析対象集団
ASP3550の投与を1回以上受けた患者を安全性解析対象集団とした。
(2) PK/PD解析対象集団
ASP3550の投与を1回以上受けた患者で,治験実施計画書からの重要な逸脱が認められ
なかった患者をPK/PD解析対象集団とした。
2. 患者背景及びその他の基準値
患者の年齢は,本試験のDay 0時点での年齢を示すこととした。先行試験[CS11]のスク リーニング時に収集された人種,身長及び生年月日のデータは本試験でも用いた。体重は,
[CS11]の最終来院時又は本試験のDay 0に計測された値とした。
患者背景,人口統計学的特性,Day 0及び試験中の入院状況を要約した。
3. 安全性 (1) 有害事象
治験薬の初回投与から試験終了時の来院前までに発現した有害事象を示した。
発現した有害事象は,ICH国際医薬品用語集(MedDRA)version 8.1を用い,器官別大分類 と基本語に従って分類した。
有害事象は,治験薬との関連性別(「あり」又は「可能性あり」を関連性ありとし,「多分 なし」又は「なし」を関連性なしとした)に投与群ごとに要約した。
(2) 臨床検査値
臨床検査値の測定値を,正常範囲を基に以下のように分類した。
低値:正常範囲下限値よりも低い値 正常値:正常範囲内の値
高値:正常範囲上限値よりも高い値
−:陰性(尿検査のみ)
+:陽性(尿検査のみ)