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 また、数直線は、図2−9のように問の数を略して書くなど、略記を行うこと ができる。これらのことから、数直線は縮約性をもっていることがわかる。

 線分図も、図2−10のように略記などの縮約性をもっている。しかし、数直線 とは略記のしかたに違いがみられる。

10 10 6 10 10 6

【図2−10】

④対象性

次のような例を考えてみよう。

31

       160

       −

      100 ?

      【図2−11】

 図2−11の線分図を見ると、線分と「160、100、?」という数と記号が書かれ ている。しかし、これだけでは、何を示し、どんな問題を表しているのかわから ない。つまり線分図は、それ自体では意味をもたない。線分図は、問題文などが あってはじめて意味をもつ表現なのである。

①〜⑤は、それぞれ、どんな数をあらわしているでしょうか。

O 100000 200000

LLLLLLLLLLLu−LLLu−u.LumLLLL

6

6

      【図2−12】

 しかし、図2−12を見てもわかるように、数直線は、文章題のような問題文が なくても、それ自体で意味をもち、また数学の学習の対象になる。

 この意味において、数直線は対象性をもつが、線分図は対象性をもたないとい

える。

3tS:LEge3paeXELmo1±th

 Bright,G.W.,Behr,M.J.,Post,T.R.とWachsmuth,L(1988)は、分数を表現する ためのモデルとして、数直線が他のモデルと異なる点について、下記の3点をあ げている。

・数直線のある長さは単位を表現するとともに、数直線は細分化を示す。

・数直線では連続的な単位の間に視覚的な分割はない。

・数直線は記号の使用を必要とする。

(p. 215)

 ここでは、数直線と三図を比較しながら、上記のBright,G.W.ら(1988)の研究 をもとに、二二と数直線の特徴の違いを述べる。

o o m

0

1(m)

【図2−13.数直線と帯図の例】

S[1)IIIII1Qila

Bright,G.W,ら(1988)は、単位の表現について次のように述べている。

<< First,a length represents the unit,and the number line model suggests not only iteration of the unit but also simultaneous subdivisions of all iterated units . That is,the number 1ine can be treated as a ruler >> (p.215)

(まず第一に、ある長さは単位を表現する。そして数直線のモデルは、

単位の繰り返しだけでなく、繰り返した単位全体を同時に細分化するこ とも提案する。つまり、数直線は定規のように扱うことができる。)

【図2−14】

匿ヨ=〔璽=コ=コ→5っのますの

一     うちの3っ

      3/i5

【図2−15】

 図2−14の2つの数直線でもわかるように、数直線は、0から1までの長さを いろいろに変えることができる。つまり、数直線上では1単位の長さは任意であ る。しかし、帯図の場合は、図2−15をみてもわかるように、特に数が示されて いなければ、全体を1として取り扱う。したがって、帯図と数直線との間には、

1単位量が任意量であるかどうかの違いがある。

33

②連続性

Bright,G.W.ら(1988)は、連続性について次のよう.に述べている。

<< Second, on a number line there is no visual separation between consecutive units . That is , the model is totally continuous . Both sets and regions as models

possess visual discreteness.When regions are used,for example,space is

typically left between copies of the unit.>> (p.215)

(第二に、数直線上では、連続する単位の間に視覚的な分割はない。つ まり、モデルはまったく切れ目なく続いている。モデルとしての集合と 領域の両方は、視覚的には不連続である。例えば、領域が使われるとき、

単位の写しどうしの間には、すき間がおかれるのが普通である。)

0      1 5/4       2

,……,…、…、………、,、…、1…liii………l!…毒≡蝿

      【図2−16】

 図2−16を見てもわかるように、分数を表す数直線と帯図を比較した場合、帯 図は切って表現することができるが、数直線は切って表現することができない。

glvegL!zijsgEe

Bright,G.W.ら(1988)は、記号の使用について次のように述べている。

<< Third,the number line requires the use of symbols to convey part of the intended meaning.......The signhicant issue is that the number 1ine requires an integration of two forms of information,visual and symbolic; >>

      (p.215)

(第三に、数直線は、意図した意味を伝えるために記号の使用を必要と する。..,...重要な点は、数直線が視覚的情報と記号的情報という2つ の情報形態を統合する必要がある、ということである。)

A

・トートー一 o I A

bトー十一十一一一一1一一

。 藻

      【図2−17】

E−M

 ある線分が、数直線として意味をもつためには、その線分の中に最低2つ以上 の数字が書かれていなければなければならない。図2−17aの線分の中のAは、

aの線分の中に数字が書かれていないために数としての意味をもたない。図2−

17bは、0と1が線分の中に書かれているために、その中のAは数として意味を もつことができる。しかしながら、図2−17cの帯図はいくつかの数を添えなく ても、数の意味を伝えることができる。つまり、数直線の中のある点が数として の意味をもつためには、線分の中に数字が添えられていなければならないのであ

る。

4.世図、線分図、数直線の特性の関係

 これまで述べてきた帯図、線分図、数直線の主な特性の違いを抜き出し、まと め、図示してみると図2−18のようになる。

帯図 線分図 数直線

1似1 規雛

i土性

レ..一.・一・一・一膨 e一

斗← →抽象的

【図2−18】

35

 この図から、帯図→線分図→数直線と表現が移っていくに従って、類似性が徐 々に減り、代わりに規約性が増えていることがわかる。自由性も帯図から数直線 に移っていくに従って徐々に減っていく。つまり、数直線は規約性の高い表現で あることがわかる。また、数直線は厳密性、客観性をもった表現である。しかし、

この数直線の厳密性、客観性が、かえって、児童に対する困難性を高めてしまう ことも考えられる。

ドキュメント内 算数学習における図的表現についての研究 (ページ 35-41)

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