第 2章 凸多角形の三角形へ分割 した ときの座標
2.1 問題提起 と主定理
以 下、凸多角形 は頂 点 、辺 と内部 を合 わせ た平 面上 の集 合 と考 え る。
定義 2.1。
1座
標 平 面Nに
お いて 、″座標 、ν座標 が共 に有 理数 の 点 を有 理 点 とい う。 また 、頂 点 が有理 点 の凸多角形 を有 理 凸 多角 形 とい う。定義 2。
1.2凸
多角形P,三
角形 △1.̲△ Nに
対 して 、Pが
△1.… △Ⅳに分 割 され る とは、以下 の2つ
の条件 が成 り立 つ こ とと定義す る。1,P=△
1∪ …・∪△N
2.1≦ を
<ノ≦Ⅳ の任意の △を
,△」に対 して、△を∩△′は △を
,△プの境 界に含まれる。つま り、2つ の三角形は辺、頂点の一部 しか共有し ない。│
今回は「 Pが △
1,…△Ⅳに分害
1される」 とい うとき、「 Pや △をどうし
で辺を共有 しなければいけない」とは仮定 しない。だから例えば、図
2,1の △
1,△2の ように辺の言部のみを共有 しているものも許容 される
̀
図 2.1:辺 を共有 しない例
1987年 L,Pogaに
よつて 「正方形 は有限個 の30° ‑60° ‑90° の直角三角形 に分害Jできるか」 とい う問題 が提案 され た。直角 を挟む2辺
の比 が無理 数 √ であることか ら、直観 的に不可能であると感 じるか もしれ ないが、その推論 は間違 ってい る。実際、半角公式 か ら、
l l cos30°
cos2 15° == sin2 15°
=ギ
よ り、
であ り、
2
ν写十 νり 桁 ― ψ
cos 15°
=
sin 15°=
=2‑ν ξ
4
tan 15°
=
sin 15°cos 15°
となる。つ ま り、15°‑75° ‑90° の直角三角形 でも直角 を挟 む
2辺
の比 は無 理数2‑√
であるが、図2.2の よ うに、この三角形 の斜辺 を底辺 におき、斜辺 の長 さを1と した ときの高 さは、面積のう考察か ら、cos 15° sin 15°
=:
である。 よって、図2.3の よ うに直角三角形 を配置す ると、正方形 は15°―
75°‑90° の互 い に相似 な直角三角形 に分割 で きるこ とがわか る。つ ま り、
正方形 を互い に相似 な直角三角形 に分割す るとき、直角 を挟 む
2辺
の比 が満 たすべ き条件 は無理数性 よ りも弱い条件 のはず であ る。本論文 のテーマは、有理 凸多角形
Pが
互いに相似 な直角 三角形 に分害1で きるとき、直角 を挟む
2辺
の比が満たすべ き条件 を調べ ることである。つま り、有理凸多角形
Pと
正 の実数 αに対 して、直角 を挟 む2辺
の比が αとなる有 限個 の直角三角形 にPを
分割 できるとき、αの満 たす 条件 を 調べ た。 自然 に考 えれ ば、αの条件 はPに
依存す る と思 われ るが、実はPに
依 らない条件 を αは満 たす必要がある。つま り、次が成 り立つ。第
2章
凸多角形 の三角'形へ分割 した ときの座標sin 15。
図 2.2:15°‑75° ‑90° の直 角三角形
図 2.3:正方形 の15°‑75° ‑90° の直 角三角形 へ の分割
31
定理
2.1.3有
理 凸多角形Pが
直角三角形 △ と相似 な三角形 に分害1でき るな らば、△ の直角 でない内角 αについてcot αがQ上
代数的かつcot αの最小多項式 の実根がすべて正 となる。
cot 30°
=√
であ り、√ の共役 な数 は 一√ で あるこ とか ら、 この定理 に依れ ば次の結果 が得 られ る。
系
2.1.4正
方形 は30°‑60° ‑90° の互いに相似 な有限個の直角三角形 に分害1 できない。以下 、定理 2.1.3の 証 明 を行 うこ とが本論 文 の 目的 であ る。証明 はFlの もの を参考 に したが 、その内容 は とて も一般化 され た内容 となってお り、
初 学者 に向 けた書 き方 とはなって い ない。 ここで は頂 点 の座標 が有理数 の凸多角形 を相似 な直角三角形 に分割す る場 合 に限定 して整理す る。 尚、
問題 提 起 自体 は幾何 学 的 な もので あ るが 、結論 を見れ ばわ か るよ うに体 の拡 大 とい う代数 的 な内容 と密接 に関係 してい る。