600. 総則
601. 呪文を唱えること
601.1. かつて、呪文を唱えること、あるいはカードを呪文として唱えることを、その呪文やカードを「プレイする/
playing」と表記していた。そのように記載されているカードは、オラクルで訂正され、呪文やカードを「唱える/
casting」となっている。
601.1a 効果の一部は、カードを「プレイする/playing」となったままである。カードをプレイするとは、そのカー ドを土地としてプレイするか、呪文として唱えるか、該当する方のことを指す。
601.2. 呪文を唱えるとは、やがて解決されてその効果が発生するよう、それを現在ある場所(通常は手札)から
取り、スタックに積み、コストを支払うことである。呪文を唱える、という中には、その呪文を示す(rule 601.2a-d)こ
とと、コストの決定と支払い(rule 601.2f-h)が含まれる。呪文を唱えることは、以下の手順を踏む。その呪文を示 している間に決定される情報に基づいて唱えられなくする効果(そのような効果はrule 601.2e に示すチェック
の際に考慮される)以外に、その呪文を適正に唱えられなくするものがあるなら、この手順を始めることはできな
い(rule 601.3 参照)。。呪文を唱える途中のどこかの時点でプレイヤーが手順を完了できなくなったら、その呪
文を唱えることは不正である。ゲームはその呪文が示される直前の瞬間まで巻き戻される(rule 720〔不正な処
理の扱い〕参照)。
601.2a 呪文を唱えることを示す場合、プレイヤーはまずそのカード(あるいはそのカードのコピー)を元の領域か
らスタックへと動かす。それはスタックの一番上にあるオブジェクトとなる。これはそのカード(あるいはそのカード のコピー)のすべての特性を持ち、そのプレイヤーがそのコントローラーとなる。呪文は、打ち消されるか解決さ れるか、あるいは効果によって他の領域に動かされるまでスタックにとどまる。
601.2b 呪文がモードを持つ場合、プレイヤーはモードの選択を宣言する(rule 700.2 参照)。プレイヤーがその 呪文に他のカードを連繋(rule 702.46 参照)したい場合、そのカードを手札から公開する。その呪文が、バイ バックやキッカーと言った、代替コストや追加コスト(rule 117.8、rule 117.9 参照)を持っている場合、プレイ ヤーはそのコストのうちどれを払うかを宣言する(rule 601.2f 参照)。単一の呪文に対し、複数の代替法で唱え たり、あるいは代替コストを支払ったりすることはできない。その呪文が、唱える間に支払う可変のコスト(マナ・コ
ストに含まれる{X}など。rule 107.3 参照)を持つ場合、プレイヤーはその値を宣言する。その数字が、そのプレ
イヤーが後でその呪文の宣言中あるいは解決中に行なう選択によってその呪文の文章中で定義されている場 合、プレイヤーはその選択をこの時点で行なう。その呪文を唱える間に支払う コストに混成マナ・シンボルが含 まれている場合、プレイヤーは混成でないマナでどう支払うかを宣言する。その呪文を唱える間に支払う コスト にファイレクシア・マナが含まれている場合、プレイヤーはそれらの各シンボルごとに2点のライフを支払うかそ の色のマナを支払うかを宣言する。前段階での選択(墓地からフラッシュバックで呪文を唱えることを選んだ、変 異つきクリーチャーを裏向きに唱えることを選んだなど)は、それ以降の選択を制約する。
601.2c プレイヤーは、その呪文の求める対象それぞれについて、適正なプレイヤー、オブジェクト、領域を選ん
で宣言する。代替コストや追加コスト(バイバック・コストやキッカー・コストなど)を支払ったとき、あるいは特定の モードを選んだときにのみ対象を必要とする呪文は、それ以外の場合には対象を必要としないものとして唱えら れる。呪文が可変の数の対象を取る場合、プレイヤーは対象を宣言する前にいくつの対象を取るのかを宣言す る。対象の数が、呪文の文章によって定められていることがある。呪文の定める対象の数が決定されたら、その 対象の数を決定するために参照された情報が変わったとしても、その数は変わらない。同じ「target」の語で示さ れる中で(日本語版では、「[性質]N個」」「[性質]N個または[別の性質]M個」としてまとめられている中で)、同 じ対象を複数回選ぶことはできない。複数の対象群がある場合、同一のプレイヤー、オブジェクト、あるいは領域 を(条件を満たしているなら)それぞれで1回ずつ対象に取ることができる。あるオブジェクトやプレイヤーが対象 として選ばれなければならないという効果がある場合、対象を選ぶプレイヤーは、オブジェクトやプレイヤーを対 象にできないとするルールや効果に反しない限りにおいて最大の数のその種の効果に従うように対象を選ぶ。
選ばれたプレイヤー、オブジェクト、領域はその呪文の対象となる。(それらが呪文の対象となったときに誘発す る能力はこの時点で誘発する。この呪文が唱えられ終わるまで、その能力はスタックには積まれない。)
例:「クリーチャー 2体を対象とし、それらをタップする。」という能力があった場合、同じクリーチャーを2回対象
にすることはできず、適正な対象 2つが必要である。一方、「アーティファクト 1つと土地 1つを対象とし、それら を破壊する。」という能力があった場合、対象群は2つあるので、アーティファクト・土地 1つを2回対象にするこ
とができる。
601.2d 呪文によって、プレイヤーが1つ以上の対象を含む複数のオブジェクトやプレイヤーに効果(ダメージ
やカウンターなど)を分配したり割り振って置いたりするとき、プレイヤーはどう分配するかを宣言する。その各個 の対象に、最低限(ダメージやカウンターなどを)1つは分配しなければならない。
601.2e ゲームはその示された呪文が適正に唱えられるかどうかを見る。示された呪文が不正だった場合、ゲー
ムはその呪文を唱えることが示される直前の瞬間に戻る(rule 720〔不正な処理の扱い〕参照)。
601.2f プレイヤーはその呪文の総コストを決定する。通常、そのマナ・コストだけである。追加コストや代替コスト
を持つ呪文や、支払うべきコストを増減させる効果、あるいは他の代替コストを使えるようにする効果も存在する。
コストには、マナの支払い、パーマネントのタップ、パーマネントの生け贄、手札のカードを捨てる、などが含まれ る。総コストとは、マナ・コストまたは代替コスト(rule 601.2b で決定したもの)に、すべての追加コストやコストの 増加分を加え、コストの減少分を引いたものである。複数のコスト減少が適用される場合、そのプレイヤーは任 意の順番でそれらを適用する。コストの増減を計算した結果として総コストのマナ部分がなくなった場合、それは
{0}として扱う。{0}未満に減少することはない。この計算後、総コストを直接変更する効果が適用され、総コスト が「固定」される。この後で効果が総コストを変更しようとしても、何の効果もない。
601.2g 総コストの中にマナの支払いが含まれる場合、そのプレイヤーはマナ能力を起動する機会(rule
605〔マナ能力〕参照)を得る。マナ能力はコストを支払う前に起動する必要がある。
601.2h プレイヤーは全てのコストを任意の順に支払う。一部分だけ支払うことは許されない。支払うことのできな いコストは支払えない。
例:マナ・コストが{1}{B}でクリーチャーを1体生け贄に捧げる追加コストを持つ《祭壇の刈り取り》を唱える。こ こで、あなたの黒の呪文を唱えるためのコストを{1}減らす効果を持つ《雷景学院の使い魔》をこの追加コストとし て生け贄に捧げた場合、呪文の総コストは実際に支払いが行われる前に「固定」されているので、《祭壇の刈り 取り》のコストは{1}{B}になることはなく、{B}となったままである。
601.2i rule 601.2a-h で示された手順が完了したら、その呪文が唱えられるに際してその呪文の特性を変更す
る効果が適用される。その後、その呪文は唱えられたことになる。呪文が唱えられたこと、あるいはスタックに積ま れたことによる誘発型能力は、この時点で誘発する。その呪文のコントローラーがそれを唱える前に優先権を 持っていた場合、そのプレイヤーは優先権を得る。
601.3. プレイヤーは、ルールや効果によって唱えることが認められていない限り、呪文を唱え始めることはでき
ない。呪文を示し終わったあとで唱えることが認められなくなった場合、その呪文を唱えることは不正であり、
ゲームはその呪文を唱えることを示す直前の瞬間に戻る(rule 720〔不正な処理の扱い〕参照)。
601.3a 効果によって、プレイヤーが代替コストや追加コストを支払った場合に呪文を瞬速を持つかのように唱え
ることが認められている場合、そのプレイヤーはその呪文が瞬速を持つかのように唱え始めることができる。
601.3b 効果によって、プレイヤーが特定の特性を持つ呪文を瞬速を持つかのように唱えることが認められてい
る場合、そのプレイヤーはその呪文を示している間にその特性を持たせるための選択をしてもよい。選択によっ てその特性を満たせる場合、そのプレイヤーはその呪文を唱え始めることができる。
例:オーラ・呪文を瞬速を持つかのように唱えてもよい、という効果があるときに、授与を持つクリーチャー・カード を手札に持っていた場合、授与 能力の代替コストによってその呪文はオーラ・呪文になるので、この呪文を瞬速 を持つかのように唱え始めることは適正である。
601.4. 呪文の中には、唱えるときに通常そのコントローラーが行なうこと、つまりモードや対象の選択などを、そ
のコントローラーの対戦相手に行なうように指定するものがある。こういった場合、対戦相手はその呪文のコント ローラーが通常行なうのと同じタイミングでその選択を行なう。
601.4a 選択を行なえる対戦相手が複数いる場合、その呪文のコントローラーがどちらの対戦相手に選択を行
わせるかを決める。
601.4b その呪文が唱えられるときに、そのコントローラーと他のプレイヤーに同時に何らかの行動をさせる場合、
呪文のコントローラーが先に行い、その後で他方のプレイヤーが行なう。これは rule 101.4 の例外である。
601.5. コストを変える呪文を唱えても、既にスタックにある呪文や能力には影響しない。
602.
起動型能力の起動
602.1. 起動型能力は、コストと効果を持ち、「[コスト]:[効果。][(あるなら)起動指示。]」という書式で書かれてい る。
602.1a コロン(:)の前に書かれているものすべてが起動コストである。能力を起動するプレイヤーは、その起動
コストを支払わなければならない。
例:「{2}, {T}:あなたは1点のライフを得る」という能力の起動コストは、任意のタイプのマナ 2点に加えて、そ
の能力を持つパーマネントをタップすることである。