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吸収層の構造比較

ドキュメント内 学位論文 Experimental Particle Physicsyushu University (ページ 57-62)

第 5 章 ハイブリッド電磁カロリ メータの性能評価メータの性能評価

5.4 吸収層の構造比較

RMS90 / Mean 45GeV 100GeV 180GeV 250GeV SiECAL[30] 3.70% 2.94% 2.98% 3.09%

Hybrid[Si16+Sc14] 3.66% 2.94% 3.00% 3.20%

2層交互[Si16+Sc14] 3.67% 2.95% 3.01% 3.16%

1層交互[Si16+Sc14] 3.74% 2.96% 2.98% 3.17%

ScECAL[30] 3.70% 3.03% 3.11% 3.24%

表 5.4: 交互構造と前後構造の性能比較。両者の間に有意な差は見られ ない。

影響が出ていると考えられるので、前半のシンチレータ層のSSAの不確 定性か、もしくは交互構造にすること自体がPFAに対して何らかの悪影 響を与えている可能性がある。今後はゴーストヒットの発生量とその影 響を定量的に評価し、どの領域でどのような理由により性能が左右され るのかを評価していく必要がある。

Configuration Si層 Sc層 吸収層の厚み 全放射長 1層交互➀ 16 14 1.4mm×29 11.6X0

1層交互➁ 16 14 2.1mm×29 17.4X0

1層交互➂ 16 14 2.8mm×29 23.2X0

1層交互➃ 16 14 3.5mm×29 29.0X0

1層交互➄ 16 14 4.2mm×29 34.8X0

表 5.5: 全ての吸収層の厚みを均一にした場合の構造

図5.11に示す。吸収層全体の放射長は10.9X0から38.0X0となっている。

Configuration Si層 Sc層 吸収層の厚み 全放射長 1層交互➅ 16 14 1.0mm×20/2.0mm×9 10.9X0

1層交互➆ 16 14 1.4mm×20/2.8mm×9 15.2X0

1層交互➇ 16 14 2.1mm×20/4.2mm×9 22.8X0

1層交互➈ 16 14 2.8mm×20/5.6mm×9 30.4X0

1層交互➉ 16 14 3.5mm×20/7.0mm×9 38.0X0

表 5.6: 吸収層の厚みを内側:外側=1:2にした場合の構造

それぞれの場合のジェットエネルギー分解能の変化を図5.12及び図5.13 に示す。エネルギー依存性の図では青の点が➀及び➅の構造、赤の点が➁及 び➆、緑の点が➂及び➇、肌色の点が➃及び➈、水色の点が➄及び➉の構造 を表しており、放射長依存性の図では青の点が45GeV、緑の点が100GeV、

桃色の点が180GeV、赤の点が250GeVのジェットをそれぞれ表している。

どちらのエネルギー依存性の図においても、10X0前後の構造は全てのエ ネルギーで15X0の構造より劣っている。また各層の厚みが増えるにつ れて高いエネルギーでの性能が良くなっているが、20X0以上の厚みでは どの構造でもあまり差がないことが分かる。放射長依存性の図を見ると、

45GeVのエネルギーのジェットに対しては25X0以上の構造では吸収層 が厚くなるほどエネルギー分解能が悪くなっている事が分かる。そこで、

光子を用いてそれぞれの構造の単独粒子に対するエネルギー分解能を調 べた。図 と表 はそれぞれの構造のエネルギー分解能を示してい

Energy of One Jet [GeV]

0 50 100 150 200 250 300 ) [%] j) / Mean(E jRMS90(E

2.5 3 3.5 4 4.5

Hybrid Single Alt., W=1.4x29 Hybrid Single Alt., W=2.1x29 Hybrid Single Alt., W=2.8x29 Hybrid Single Alt., W=3.5x29 Hybrid Single Alt., W=4.2x29

0] Radiation Length [X

10 20 30 40

) [%] j) / Mean(E jRMS90(E

2.5 3 3.5 4 4.5

uds91GeV uds200GeV uds360GeV uds500GeV

図 5.12: 各層均一の場合のジェットエネルギー分解能のエネルギー依存性

(左)と放射長依存性(右)

てのエネルギー分解能が悪くなり、低エネルギーのジェットに対するエネ ルギー分解能を悪化させているものと考えられる。また、高エネルギー のジェットに対しては各層の厚みが薄くなるほどエネルギー分解能が悪く なっている。これに対しては放射長が十分でないのではと考え、HCAL で測定された電磁シャワーのエネルギーについて調べた。図5.15の通り、

吸収層が薄くなり全放射長が短くなるほど電磁シャワーがHCALに漏れ ており、これが原因であると考えられる。

各層の厚み 1.4mm 2.1mm 2.8mm 3.5mm 4.2mm σstat 15.15% 17.58% 19.30% 21.06% 22.98%

σconst 2.83% 0.00% 1.63% 2.19% 2.16%

表 5.7: 各層均一の場合の光子に対するエネルギー分解能

これらをふまえて総合的に判断すると、各層均一の場合では➂(2.8mm×29 層、23.2X0)の構造が、内外比1:2の構造では➇(2.1mm×20層/4.2mm×9 層、22.8X0)の構造がどのエネルギーに対しても極端にエネルギー分解 能が悪い部分がなく最適であると判断した。今後はより細かい領域で性 能を調べ、また検出層と併せて様々な構造でシミュレーションを行って 最適な構造を決定する予定である。

Energy of One Jet [GeV]

0 50 100 150 200 250 300 ) [%] j) / Mean(E jRMS90(E

2.5 3 3.5 4 4.5

Hybrid Single Alt., W=1.0x20/2.0x9 Hybrid Single Alt., W=1.4x20/2.8x9 Hybrid Single Alt., W=2.1x20/4.2x9 Hybrid Single Alt., W=2.8x20/5.6x9 Hybrid Single Alt., W=3.5x20/7.0x9

0] Radiation Length [X

10 20 30 40

) j) / Mean(E jRMS90(E

2.5 3 3.5 4 4.5

uds91GeV uds200GeV uds360GeV uds500GeV

図 5.13: 内外比が1:2の場合のジェットエネルギー分解能のエネルギー依 存性(左)と放射長依存性(右)

Photon Energy [GeV]

0 10 20 30 40 50

Energy Reolustion [%] 0.05 0.1

0.15 Single Alt., W=1.4mmx29

Single Alt., W=2.1mmx29 Single Alt., W=2.8mmx29 Single Alt., W=3.5mmx29 Single Alt., W=4.2mmx29

図 5.14: 各層均一の場合の光子に対するエネルギー分解能。横軸は光子

のエネルギー、縦軸はガウス分布でフィットした際のσである。

吸収層の厚みが厚くなるに従ってエネルギー分解能は悪くなる。

0

] Radiation Length [X

10 15 20 25 30 35 40

Hcal EM Energy [GeV]

0 2 4 6 8 10

uds91GeV uds200GeV uds360GeV uds500GeV

図 5.15: 各層均一の場合のハドロンカロリメータへの電磁シャワーの漏

れの平均値。横軸は吸収層全体での放射長、縦軸はHCALで検 出された電磁シャワーのエネルギーの平均値である。

第 6 章 モンテカルロ情報を用い

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