い配管の保全や熱搬送による周辺機器の劣化等がなく、さらに想定されている耐用年数も10年と 短いため、本研究では蓄電池やPCSの維持、保全によるCO2排出量は非常に少ないと考え、計算 に含めていない。
蓄熱槽は参考値を建築学会出版のLCA資料4-12)から、蓄熱槽を構成する設備機器の値を基に蓄 熱槽のLCCO2排出原単位を計算した。水蓄熱槽(防水・保温)と空調用ポンプ+架台+基礎と水-
水熱交換器システムの値をそれぞれ用いて、実際の温度成層型蓄熱槽を有する熱源システム 4-13) の各容量を基にLCCO2排出量を計算した。さらに熱源の合計冷却能力に対する蓄熱槽の出力割合 および蓄熱槽と空調設備の耐用年数の比から、熱交換器およびポンプにおける蓄熱槽負担分の LCCO2排出原単位を作成し、それらを蓄熱槽の容量と耐用年数で割った値を蓄熱槽のLCCO2排出 年間原単位とした。表 4.3および表 4.4に蓄熱槽の建設におけるCO2排出年間原単位の計算に使 用した値をまとめたものを示す。なお、蓄熱槽における維持・保全および解体によるCO2排出量 については、CGSと同様に維持・保全によるCO2排出量を1年当たり建設CO2排出量の2%、解 体によるCO2排出量を建設CO2排出量の1%とした。
表 4.3 蓄熱槽の建設におけるCO2排出年間原単位の計算に使用した値-1
表 4.4 蓄熱槽の建設におけるCO2排出年間原単位の計算に使用した値-2
CGSや蓄熱槽といった中央式熱源システムにおける二次側のAHU、FCUのLCCO2排出年間原 単位についても建築学会出版の LCA 資料を基に作成した。計算の簡易化のため、AHU、FCU は それぞれ半分ずつ熱需要を負担すると想定し、建物用途ごとの冷房ピーク需要原単位の半分の値
をAHU、FCUの出力値とした。なお、本研究では二次側の温冷水配管のLCCO2排出量は計算に
含めていない。なお、AHU、FCU における維持・保全および解体によるCO2排出量については、
CGSおよび蓄熱槽と同様に維持・保全によるCO2排出量を1年当たり建設CO2排出量の2%、解 体によるCO2排出量を建設CO2排出量の1%とした。
中央式熱源システムと比較対象とするビル用マルチ空調の LCCO2排出年間原単位についても
単位 量 単位 変数
[kg-CO2 / 単位]
定数 [kg-CO2]
水蓄熱槽 1,095 体積[m2] 43.334 4419.7
ヒートポンプ 1,564
熱回収ヒートポンプ 580
ターボ冷凍機 910
交換熱[kW] 12,800 交換熱[kW] 5.504 501.1 流量[L/min] 32,200 流量[L/min] 0.148 277.0 設備機器
建設におけるCO2排出原単位
計算に使用しない ため省略 熱
源
熱交換器 温冷水ポンプ
冷熱 出力[RT]
能力
変数分 定数分 変数
[kg-CO2 /MJ・年]
定数 [kg-CO2/年]
3700 124,535 0.03 0.26 52,936.38 547.61 0.043 124.183 熱交換器&ポンプの
40年間における 蓄熱槽負担分建設 CO2排出量[kg-CO2]
水蓄熱槽システムの 建設における CO2排出年間原単位 体積
/容量 [m2/MJ]
容量 [MJ]
体積 [m2]
熱源の総冷却 能力に対する 蓄熱槽の冷却
能力割合[-]
建築学会出版のLCA資料を基に作成した。建物用途ごとの冷房ピーク需要原単位を定格能力とし て建設におけるCO2排出原単位を求め、維持・保全によるCO2排出量を1年当たり建設CO2排出
量の2%、解体によるCO2排出量を建設CO2排出量の1%とした。
DHCのLCCO2排出量については、CGSやジェネリンクのLCCO2排出量に加えて、プラント建 屋、地域熱搬送ポンプおよび地域熱導管のLCCO2排出量も計算した。これらの計算には既往文献
4-14)の計算方法を参考にした。プラント建屋は、地域冷暖房技術手引書の熱源システム冷熱最大供
給能力とプラント床面積の関係式4-15) (式(4.1))を基に面積を計算し、これにSRC事務所の建設CO2
排出原単位958.2 kg-CO2/m2を乗じてCO2排出量を計算した。なお、熱源システム冷熱最大供給能 力にはジェネリンクの定格出力値[MJ/h]を用いた。地域熱搬送ポンプの建設 CO2排出原単位は、
各建物用途のピーク冷房負荷原単位[MJ/m2]から、各建物用途における冷水の最大流量原単位
[L/min・m2]を求め、これに建築学会出版の LCA 資料に記載されている、空調用ポンプ+架台+基
礎の建設におけるCO2排出原単位[kg-CO2/ (L/min)]を紐づけて作成した。地域熱導管の建設原単位 は各建物用途における冷水の最大流量原単位[L/min・m2]から、流速が2.5[m/s] 4-15)程度になるよう に流量線図から管径[A]を設定し、既往文献 4-16)に記載されている管径別単位長さ当たりの建設 CO2排出量から作成した近似式(4.2)に当てはめて作成した。
𝑆𝑝𝑙𝑎𝑛𝑡= 0.0315𝑃𝑐𝑜𝑜𝑙
𝐶𝐼𝑝𝑦𝑝𝑒 = 0.0043𝐷𝑝𝑦𝑝𝑒2+ 0.9032𝐷𝑝𝑦𝑝𝑒+ 867.96
ここで、Splant:プラント床面積[m2], Pcool:熱源システムの冷熱最大供給能力[MJ/h], CIpypet:地域熱 供給配管1mあたりのCO2排出原単位[kg-CO2/m], Dpype:地域熱供給配管の管径[φ],
表 4.5、表 4.6および表 4.7に各供給設備のLCCO2排出年間原単位のまとめを示す。
表 4.5 供給設備のLCCO2排出年間原単位のまとめ-1
表 4.6 供給設備のLCCO2排出年間原単位のまとめ-2
単位 変数
[kg-CO2 / 単位・年]
定数 [kg-CO2/年]
kW 39.845
-m2 13.151
-kWh 27.337
-MJ 0.072 224.771
CGS kW 39.845
-プラント建屋 MJ/h 1.366
-DHC CGS
PV 蓄電池 蓄熱槽
事務 医療 商業 宿泊 飲食 教育
AHU&FCU 0.142 0.161 0.172 0.130 0.220 0.129 72.15 ビル用マルチ空調 0.339 0.386 0.411 0.311 0.528 0.310 -地域熱搬送ポンプ 0.001 0.002 0.002 0.001 0.005 0.001 24.19
定数 [kg-CO2/年]
変数 [kg-CO2 /単位・年]
単位 延床面積
[m2]
(4.1) (4.2)
表 4.7 地域熱供給配管のLCCO2排出年間原単位のまとめ