樹 全 体 を 被 覆 す る 施 設 栽 培 ( ハ ウ ス ) あ る い は 袋 掛 け に よ り 果 実 を 保 護 す る 。 袋 掛 け に は 枝 単 位 の 袋 掛 け 法 ( 網 、 紙 袋 、
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重 紙 袋 ) と 果 実1
個 づ つ を 袋 掛 けする法(紙袋、 2重 紙 袋 ) と が あ り 、 枝 単 位 の 袋 掛 吋 法 は 処 理 能 力 が 大 き く 袋 掛 け の 労 力 は 少 な く 簡 単 に 処 理 す る こ と が で き る 。 し た が っ て 、 通 常 の 収 穫 期 に 袋 掛 げ す る 早 生 ウ ン シ ュ ウ で は 枝 単 位 の 袋 掛 吋 法 が 、 ウ ン シ ュ ウ ミ カ ン の 収 穫 期 の 前 後 に 行 う 中 ・ 晩 柑 類 ( 伊 予 柑 、 清見' セミノール)では1
個 づ つ を 袋 掛 け す る 方 法 が 主 涜 と な る 。芸高
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主主 来念 幸商 喜要カ ン キ ツ 類 の 果 実 品 質 の 向 上 を 目 的 と し て 、 越 年 着 果 栽 培 に 適 応 す る 種 類 、 栽 培 の 方 法 及 び 品 質 的 特 性 な ど を 明 ら か に す る と と も に 、 食 味 評 価 の ひ と つ で あ
る じ よ う の う 膜 の 脆 弱 化 の 要 因 に つ い て 検 討 し た 。
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) 和 歌 山 県 有 田 地 方 の 平 坦 な 丘 陵 地 に 栽 培 さ れ て い る カ ン キ ツ 類105
種類を 越 年 着 果 裁 培 し た と こ ろ 、 す べ て の 種 類 の 果 実 に 、 す 上 が り ー 落 果 , す 上 が り ー 浮 き 皮 の 生 理 的 な 内 的 障 害 と 霜 害 ー 落 果 、 霜 害 ー 腐 敗 の 外 的 障 害 な ら び に 霜 害 ー す 上 が り ー 落 果 の 複 合 的 障 害 な ど が 発 生 し た 。 発 生 の 時 期 は 早 熟 系 は 晩 熟 系 よ り 早 い 傾 向 に あ り 、 障 害 の 種 類 は 分 類 上 の 位 置 に よ っ て 類 似 し 、 ま た 、 閉 じ 種 類 で あ っ て も 果 皮 の 状 態 に よ っ て 発 生 の 様 相 が 異 な っ た 。2 ) 越 年 着 果 期 間 中 の 果 実 に 糖 が 蓄 積 す る パ タ ー ン か ら 、 全 精 含 量 が11%以 上 を 示 す 種 類 を グ ル ー プ
A
とし、1 0
完 前 後 を 示 す 種 類 を グ ル ー プB、8%
以 下 を 示 す 種 類 を グ ル ー プ C、 日 以 下 の さ ら に 低 位 を 示 す 種 類 を グ ル ー プ D とした。なかで も 、 グ ル ー プA
に 分 別 さ れ た . 宮 川 早 生 ' 、 キ シ ュ ウ ミ カ ン 及 び 高 し よ う 系 ポ ン カ ン は 全 糖 含 量 が3月上旬には15%
以上となった。 ま た 、 障 害 の 発 生 し た 果 実 は 果 汁 の 減 少 と 果 汁 中 の 全 精 含 量 が 減 少 す る か 、 も し く は シ ョ 糖 、 ブ ド ウ 槍 及 び 果 糖 の 含 有 比 率 に 変 化 が 見 ら れ 、 な か で も 、 シ ョ 糖 が 急 減 し た 。3
) 以 上 の 結 果 か ら 当 地 で の 樹 上 越 年 栽 培 に は 早 熟 系 で は 早 生 ウ ン シ ュ ウ が 、 中 晩 柑 系 で は 宮 内 伊 予 相 ' 及 び . 清 見 ' な ど が 適 合 す る 品 種 で あ る と と が 明 ら か と な っ た が 、 外 的 要 因 に よ る 障 害 を 防 止 す る な ん ら か の 保 護 手 段 の 必 要 が あ っ た。4)樹 上 で 越 年 着 果 さ せ た ウ ン シ ュ ウ ミ カ ン 宮 川 早 生 ' 果 実 、 水 回 転 換 園 の 果 実 及 び 同 貯 蔵 果 、 無 加 温 ハ ウ ス 栽 培 の 果 実 と 有 田 地 方 で 評 価 の 高 い 銘 柄 産 地 及 び そ の 他 の 標 準 的 な 園 で 栽 培 し た . 向 山 温 州 ' の 果 実 を 比 較 し そ の 特 徴 を 明 ら か にした。 宮 川 早 生 . の 全 糖 含 量 は 樹 上 越 年 果 実 及 び ハ ウ ス 裁 培 果 実 に お い て 水
回転換園及び同貯蔵果実よりも高く、 向山温州・の全塘含量は銘柄産地の果実
に お い て 一 般 栽 培 園 の 果 実 よ り 高 か っ た 。 食 味 検 査 で 高 い 評 価 を 得 た 銘 柄 産 地 産 の 向 山 温 州 ' は ア ミ ノ 酸 総 合 量 が 高 か っ た 。 一 方 、 .宮川早生.ではハウス果 実 の ア ミ ノ 酸 総 合 量 が 最 も 高 か っ た が 、 樹 上 越 年 果 実 で は 低 か っ た 。
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) 以 上 の 結 果 か ら 早 生 ウ ン シ ュ ウ の 樹 上 越 年 裁 培 の 果 実 は 甘 味 、 酸 味 と も に 強 く 、 銘 柄 産 地 の 向 山 温 州 ' 果 実 に 近 い 品 質 を 示 し 、 樹 上 越 年 裁 培 が 優 れ た 果 実 を 容 易 に 生 産 で き る 方 法 で あ る 乙 と を 明 ら か に し た 。6
) 早 生 ウ ン シ ュ ウ . 宮 川 早 生 ' の 樹 上 越 年 完 熟 栽 培 で は 、 処 理 開 始 時 点 で の 成 分 含 量 の 差 が 最 終 的 に 果 実 品 質 の 差 と な っ て 現 れ 、 園 地 の 適 、 不 適 の 差 が あ っ た 。 果 実 の 大 き さ で は い ず れ の 時 期 に お い て も 上 枝 成 り の 大 果 よ り 下 枝 成 り の 小 果 の 全 精 含 量 が 高 く 、 熟 期 が 進 む ほ ど そ の 差 は 拡 大 し た 。 ま た 、 越 年 着 果 期 間 中 の 果 実 の 横 径 、 縦 径 及 び 果 実 重 に は ほ と ん ど 増 減 が 認 め ら れ な か っ た 。 し か し 、 大 果 で は 浮 き 皮 や す 上 が り な ど の 障 害 果 の 発 生 が 多 か っ た 。7
) 越 年 着 果 期 間 中 に 行 っ た 果 実 保 護 の た め の 被 覆 資 材 の 保 温 効 果 は 、2
重 紙 袋 、 紙 袋 、 ポ リ エ チ レ ン 網 袋 の 順 で 、 光 の 透 過 率 は 網 袋 、 紙 袋 、2
重 紙 袋 の 顕 で あ っ た 。 品 質 に 及 ぼ す 影 響 は1
月 中 旬 を 境 に 短 期 間 で は 紙 袋 が 、 長 期 間 で は 網 袋 が 勝 り 、 腐 敗 果 実 の 発 生 率 も 保 温 効 果 に 準 じ て2
重 紙 袋 で 最 も 低 く 、 袋 内 の 最 高 温 度 の 傾 向 と 良 く 似 た 変 化 を 示 し 袋 内 の 温 度 の 影 響 の 大 き い こ と が 明 ら か と な っ た。8
) 樹 上 越 年 完 熟 栽 培 し た 早 生 ウ ン シ ュ ウ 宮 川 早 生 ' の 翌 年 度 の 着 花 量 へ の 影 響 は 、 そ の 着 果 さ せ た 枝 で は 極 端 に 減 少 し た が 、 樹 全 体 と し て 大 き な 減 少 は 見 ら れ な か っ た 。 そ の 他 の カ ン キ ツ 類 に お い て も 着 果 期 間 の 長 短 の 影 響 は 小 さ か っ た。 と れ に 対 し 、 翌 年 度 の 着 花 量 は 前 年 の 着 果 量 の 多 い 区 で 減 少 を 示 し 、 前 年 の 担 果 密 度 が 直 接 影 響 す る と と が 明 ら か と な っ た 。9
) ウ ン シ ュ ウ ミ カ ン 果 実 の 食 昧 に 影 響 す る じ よ う の う 膜 の 厚 さ と 果 実 の 大 き さ 、 果 皮 の 厚 さ 及 び 果 梗 径 と の 聞 に は 高 い 正 の 相 関 関 係 を 認 め た 。 越 年 着 果 期 間 中 の じ よ う の う 膜 の 厚 さ は ・ 宮 川 早 生 ' で は 減 少 傾 向 を 示 し 、 林温州.では1 2
月 を 最 高 に そ の 後 減 少 し た 。 ま た 、 じ よ う の う 膜 の 脆 弱 化 の 指 標 と し て の 貫 入 抵 抗値は果実の大きさに比例し、 宮 川 早 生 ' で は 熟 度 が 進 む ほ ど 膜 の 貫 入 抵 抗 値 は小さくなったが、 . 林 温 州 ' で は 成 熟 と と も に 横 ば い か 僅 か に 増 大 す る 傾 向 を 示した。1 0) ウ ン シ ュ ウ ミ カ ン の じ よ う の う 膜 の 表 面 構 造 を 見 る と 、 宮川早生'の内 側 の 細 臨 に は 亀 裂 が 見 ら れ 、 外 側 の 細 胞 で は . 宮 川 早 生 ' の ほ う が 、 ・林温州' よ り 大 き く 、 さ ら に 細 胞 壁 に は 崩 壊 を 観 察 し た . じ よ う の う 膜 に お け る セ ル ラ ー
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ゼ 及 び ボ リ ガ ラ ク チ ュ ロ ナ ー ゼ 活 性 は
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月 以 降 急 激 に 上 昇 し 、 そ の 程 度 は . 宮 川 早 生 . が ・ 林 温 州 . に お け る よ り 強 か っ た 。 そ の 結 果 と し て 、 じ よ う の う 膜 中 の セ ル ロ ー ス 含 量 及 び 全 ベ ク チ ン 含 量 が 急 激 に 減 少 し た 。 と り わ け 宮 川 早 生 ' の 小 果 で そ の 程 度 が 著 し く 、 じ よ う の う 膜 の ア ル コ ー ル 不 溶 性 物 質 に 占 め る セ ル ロ ー ス 含 量 も 最 も 低 か っ た 。 し た が っ て 、 じ よ う の う 膜 の 脆 弱 化 に は セ ル ロ ー ス 及 び 全 ベ ク チ ン 質 の 減 少 に 見 ら れ る じ よ う の う 膜 の 消 化 、 及 び ア ル コ ー ル 不 溶 性 物 質 に 占 め る セ ル ロ ー ス 含 量 の 低 下 に 見 ら れ る 膜 の 質 的 変 化 が 主 に 関 与 し て い る と 思われた。‑86‑
、
点
謝 辞
本 論 文 の 取 り ま と め に 当 た り 、 御 懇 篤 な る 御 指 導 と 御 助 言 を い た だ き 、 さ ら に 御 校 閲 の 労 を 賜 っ た 京 都 大 学 教 授 杉 浦 明 博 士 に 対 し 衷 心 よ り 感 謝 の 意 を 表 す る。 ま た 、 本 研 究 を 行 う に 当 た っ て は 、 終 始 懇 篤 な る 御 指 導 と 御 助 言 を 賜 っ た 京 都 大 学 教 授 行 永 寿 二 郎 博 士 に 対 し 、 絶 え ず あ た た か い 御 激 励 と 御 鞭 提 を 賜 っ た 京 都 大 学 名 誉 教 授 苫 名 孝 博 士 並 び に 近 畿 大 学 教 授 吉 田 保 治 博 士 に 衷 心 よ
り 感 謝 の 意 を 表 す る 。
本 研 究 の 遂 行 に 際 し 、 終 始 有 益 な 御 助 言 と 御 協 力 を い た だ い た 京 都 府 立 大 学 片 岡 丈 彦 氏 並 び に 近 畿 大 学 附 属 農 場 教 職 員 の 諸 氏 、 ま た 、 試 料 の 提 供 と 調 査 の 御 協 力 を い た だ い た 御 前 房 央 氏 に 対 し 厚 く 感 謝 の 意 を 表 す る 。