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口は達者なフリーザ様

ドキュメント内 『ドラゴンボールの贈りもの』 (ページ 40-43)

51) 知らないキャラクター:幼い私にとって、ミスターポポは本当に謎めいたキャラク ターであった。コミックを読めば正体が分かると思い、全巻読破したが、結局よく 分からなかった。どうやらあの世から派遣されてきている人らしい。

←皆さんもこの男に見覚えあるだろうか。

52) 水戸黄門:徳川光圀さんが世直しをするテレビドラマ。現在は里見浩太朗が担当。

は、圧倒的な悪のカリスマである。彼らは読者、特に子供を絶望させることに関してはプ ロフェッショナルなのである。ヒーローを際立たせる“絶望”について詳しく見ていこう。

悪の変身

ドラゴンボールの悪役は結構な頻度で変身する。フリーザ様は第一形態・第二形態・第 三形態を経て、最終形態へと変身する。セルもまた、2段階の変身を可能としている。魔人 ブウに至っては誰かを吸収するたびに変身するので、6~7段階ぐらいの姿を有している。

この変身というものが重要なカギになっているのではと感じる。それまで互角に戦って いた戦士ですら、変身されるとかなわないのだ。“変身”には、勝てるかもしれないという 希望を、諦めさせる力を持っているのだ。

劇場版のキャラクターも、クウラ 55)はフリーザをも上回る変身を可能とし、ブロリーも 二段階の変身を行う。ボージャック56)や人造人間13号57)、いずれの悪も変身をするのだ。

悪の変身には、もう勝てないと子供たちを納得させ、絶望を見せつける力を持っているの だ。

集大成魔人ブウ

現在週刊尐年ジャンプにて連載をされている久保帯人先生 58)。彼はドラゴンボールと言 う作品について面白いコメントを残している。それは、「悪の集大成が魔人ブウだ」という ものである。 (「DRAGONBALL LANDMARK」 鳥山明 2003年 172ページ)

魔人ブウといえば、これといった自我を持たない悪である。言葉らしい言葉も話さず、

獣のようにとにかく色んなものを壊していく。目的もなく迷いもなく考えも作戦もなにも ない。ただただ破壊するのだ。

それまでの悪役は、何かしろ目的があったように感じる(大体がろくでもない目的だっ たが)。フリーザ様は永遠の命を手にし、全宇宙を支配するという立派な目標があった。セ ルは、孫悟空を殺し、あとは破壊を楽しむとか言っていた気がする。

そんな魔人ブウと戦う悟空に対して、ライバルのベジータは「絶対に負けないために悟 空は戦う」とのコメントを残している59)。ただひたすら破壊する悪に絶対に負けない。

鳥山先生は最後に、ヒーローとは「絶対に負けない」という姿を示し、「純粋に破壊を求 める」悪を示した。

絶対的なヒーローをどこまでも追いつめる究極の悪、子供を震え上がらせる悪(私も小 さい頃魔人ブウが怖かった)。影が濃いほど、光のかっこよさが際立つ。この光と影のバラ ンスこそがドラゴンボールの魅力なのだ。

[注]

53) 孫悟飯:孫悟空の長男。父親とは違ってまともな性格をしている。センスのダサさ は受け継いでしまったようだ。

←ヒーローになりすまし、元気に登校する孫悟飯。

54) かませ犬になり下がったフリーザ様:機械化して復活するも…。

←残念!

←映画にて復活するも…残念!!

55) クウラ:フリーザ様の兄上。一度やられたが、ピッカピカになって蘇った。

←兄弟そろって体を改造するのが好きなようである。

56) ボージャック:劇場版に登場する悪役。青い。

(「銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴」 鳥山明 1994年)

←青い。

57) 人造人間13号:地球の半分を破壊するほどの必殺技「SSデッドリィボンバー」を 使用可能。でも地球の半分ってあんまり大したことない…?

(「極限バトル!!三大超サイヤ人」 鳥山明 1992年)

←ベジータですら地球を壊せるのに…。

58) 久保帯人先生:1977年生まれの日本のマンガ家である。代表作は「BLEACH」。

ドラゴンチルドレンとしてドラゴンボールにコメントを寄せた。

59) 絶対に負けないために戦う:ベジータの名シーンである。

←やっとライバルが自分より上だと認めた。おせーよ。

ドキュメント内 『ドラゴンボールの贈りもの』 (ページ 40-43)