年度ごとに計画し実行する取組、日々の運用における取組、外部発 注等における取組、外部サービスを活用した情報発信における取組 を解説しています。
運用ガイドラインが求める取組を確認し計画したい場合、
取組を計画し実行する際の注意事項を確認したい場合、
他団体の取組事例について確認したい場合は、
この章を読んでください。
6. 取組の実行
作成し公開した「ウェブアクセシビリティ方針」を実現するための取組について解説し ます。全体像は下図のとおりです。本章において「6.取組の実行」の個々の取組を解説 します。
取組の全体像(図内の番号は本書内の章・節・項の番号)と本章の内容
ウェブアクセシビリティ方針の策定と公開 [5] 取組対象の把握と設定 [5.1]
ウェブアクセシビリティ対応状況の確認 [5.2]
ウェブアクセシビリティ方針の策定と公開 [5.3]
取組の実行 [6]
団体内で使用するガイドラインの策定 [6.1]
ページ作成時の対応
[6.3.1]
公開前のチェック [6.3.2] 利用者の意見収集と対応
[6.3.3]
検証 [6.2.3] ユーザー評価 [6.2.4] ガイドラインの更新
[6.2.1]
日々の運用における取組
[6.3]
職員研修 [6.2.2]
外部発注等に おける取組
[6.4]
取組内容及び実現内容の確認と公開 [7]
ウェブアクセシビリティの実現内容の確認(試験)と公開 [7.2] 運用ガイドラインに基づいた取組内容の確認と公開 [7.1]
ウェブアクセシビリティ方針の見直しと公開 [8] 対象範囲の再設定 [8.1]
目標とする適合レベルと対応度、期限の再設定 [8.2] 見直し後のウェブアクセシビリティ方針の公開 [8.3]
1年に1回 実施
計画期間に 応じて実施 改善 [6.2.5]
年度ごとに計画し実行 する取組 [6.2]
外部サービス を活用した情 報発信におけ る取組 [6.5]
6.1. 団体内で使用するガイドラインの策定
「5.3.ウェブアクセシビリティ方針の策定と公開」で作成し公開したウェブアクセシビ リティ方針を各団体のホームページ等で実現するため、JIS X 8341-3:2016に基づく各 団体のホームページ等の作成のルールをガイドラインとして文書化します。
既にガイドラインを策定し取り組んでいるホームページ等については、「6.2.年度ごと に計画する取組」に示すとおり、1年に1回程度を目安にガイドラインの見直しを行っ てください。(「6.2.1ガイドラインの更新」(P.67)参照)
(1)ガイドラインの策定
各団体の掲載コンテンツの特徴やページ作成ソフトなど運用の条件に基づき、ウェブア クセシビリティ対応の方針や対応の重要性、作成のルールなどをガイドラインにまとめ ます。
ホームページ等の作成のルールについて、自らがウェブアクセシビリティ方針で対応す ることと決定したJIS X 8341-3:2016の達成基準を網羅するように作成します。具体的 な方法、基準をWCAG 2.0達成方法集に基づき設定し記載します。
【ガイドラインに記載が必要な項目の例】
ガイドラインにおいて、JIS X 8341-3:2016の達成基準に関し以下のような内容を記載 することが有効と考えられます。
a) 対応が必要な背景の解説
どのような利用者にとっての配慮か、対応を行わない場合にどのような問題が生 じるかを解説します。
b) ページ作成時に対応すべきルール
行うべきこと、行ってはいけないことについて、各団体のページ作成の方法(ソ フトウェアやシステム等)の特定を踏まえて記載します。
c) 事例紹介
良い例、悪い例について、できるだけイメージしやすいように、各団体の実際の ページを題材にするなどして図示します。
基本的対応の徹底
ポイント!
各団体の職員が理解できるよう、分かりやすい内容、表現にします。
必要に応じて、各団体の掲載コンテンツ等を例に、良い対応の例、悪い対応の例を 図示します。
【参照】
ウェブアクセシビリティ基盤委員会「WCAG 2.0 解説書」
(http://waic.jp/docs/wcag2/understanding.html)
→JIS X 8341-3:2016の達成基準について、背景や目的の解説、事例、達成方法及
び不適合事例が示されています。
【参照】
ウェブアクセシビリティ基盤委員会「WCAG 2.0 達成方法集」
(http://waic.jp/docs/wcag2/techs.html)
→JIS X 8341-3:2016の達成基準を実現するための個別の達成方法について、具体
的な解説、事例、検証方法が示されています。
(2)団体内での周知
策定したガイドラインは、団体内でのホームページ等の作成のルールと位置付け運用し ます。
原稿の作成、ページの作成・更新、公開承認などホームページ等の運用に携わる職員に、
職員研修等を通じてガイドラインの内容を周知します。なお、職員研修等を実施する場 合は、人事異動直後のタイミング等を勘案し、年1回以上実施します。
(3)ガイドラインの見直し
ホームページ等の閲覧環境やページ作成の技術が変化することを踏まえ、1年に1回程 度を目安に、ガイドラインの見直しを行うことについて、ガイドラインに明記し運用し ます。
6.2. 年度ごとに計画し実行する取組
年度ごとに取組を計画し、体制の整備、ウェブアクセシビリティの検証及び改善等を継 続的に実行します。
次ページ以降に解説する取組は以下の5項目です。
ガイドラインの更新[6.2.1]
1年に1回程度を目安に、ガイドラインの内容に変更の必要がないか確認し、必要 に応じて見直しを行います。
職員研修[6.2.2]
職員研修を実施し、ウェブアクセシビリティ対応の必要性、対応方法等について周 知します。日々のページ作成・更新において適切な対応を促すとともに、過去に作 成し公開したページの改善の取組につなげます。
検証[6.2.3]
各団体で作成し公開しているページについて、定期的にウェブアクセシビリティの 問題の有無を確認し改善につなげます。
ユーザー評価[6.2.4]
高齢者や障害者をはじめとする利用者に実際にホームページ等を使ってもらうこと により、ホームページ等の問題点を把握し改善につなげます。
改善[6.2.5]
検証、ユーザー評価で確認できた問題点に基づき、各団体で作成し公開しているペ ージのウェブアクセシビリティを改善します。
取組の実行 [6]
団体内で使用するガイドラインの策定 [6.1]
ページ作成時の対応
[6.3.1]
公開前のチェック [6.3.2] 利用者の意見収集と対応
[6.3.3] 検証 [6.2.3]
ユーザー評価 [6.2.4] ガイドラインの更新
[6.2.1]
日々の運用における取組
[6.3]
職員研修 [6.2.2]
外部発注等に おける取組
[6.4]
改善 [6.2.5] 年度ごとに計画し実行 する取組 [6.2]
外部サービス を活用した情 報発信におけ る取組 [6.5] 継続性
6.2.1. ガイドラインの更新
1年に1回程度を目安に、ガイドラインの内容に変更の必要がないか確認し、必要に応 じて見直しを行います。
(1)閲覧環境や作成技術等の変化への対応
ホームページ等の閲覧環境やページ作成の技術等が変化することを踏まえ、ガイドライ ンの解説の内容、対応方法等に、見直すべき点がないかを確認し、必要に応じて内容を 更新します。
(2)各団体ホームページ等の変化への対応
リニューアルによりデザインやHTMLのひな形に変更が行われた場合、ガイドライン 内で示している例示や解説等に、見直すべき点がないかを確認し、必要に応じて内容を 更新します。
(3)拠り所となる規格等の変化への対応
ガイドラインの拠り所となる法律や指針、JIS X 8341-3及びWCAG 2.0達成方法集の 改正(改定)が行われた際には、それらの改正(改定)にしたがってガイドラインを見 直します。
ポイント!
障害者差別解消法が2016年4月に施行されました。
例:ガイドライン内において、対応が求められる背景として、障害者差別解消法等 についての解説が必要ないか確認する。