第4章 参照対象
第 2 節 取得資産の参照
とおおむね同様であろう。
るため、当該犠牲資産を即時に売却したとすれば生じるであろう差異(経営の巧拙)に関 する情報を得られるかもしれない。
3. 現在入口価格
取得資産の現在入口価格は、「現在、資産を購入したときに支払った価格(実際価格)」 または「現在、取得資産を購入するならば支払わなければならないであろう価格(擬制価 格)」である。その測定値の表現するものは、実際価格であれば文字通り実際に支払った 価格であり、擬制価格であれば当該取得資産を購入したならば支払わなければならないで あろう市場平均の支出額である。また、取引費用を考慮外に置けば、当該実際価格は、1 節の4. 犠牲資産の現在出口価格と一致することになる。
4. 現在出口価格または現在出口価格類似額
取得資産の現在出口価格は、「現在、取得資産を売却するならば受取るであろう価格」
であり、いわゆる時価会計や公正価値会計とよばれる会計システムのもとでは、この測定 値が採用されることになる。また、歴史的原価会計においても、原価即価値説を採用した 場合の歴史的原価の意義がこの現在出口価格の近似値を表現することであるのは、第2章 において述べたとおりである。
取得資産の現在出口価格類似額とは、「信用リスクの変動を加味しない等、市場参加者 が考慮するであろう1またはそれ以上の要因を無視して算定された取得資産の現在出口価 格」である。その測定値の表現するものは、現在出口価格とおおむね同様であろう。
5. 使用価値、その他の一定の現在価値の算定数値または割引前将来キ ャッシュフロー
取得資産の使用価値とは、「確率で加重平均され、現在へ割引かれた、取得資産の使用 によって生成されるであろう将来キャッシュフロー」である。この測定値が意味をもつ場 合には、たとえば、3. 現在入口価格と併せて利用する場合が考えられる。取得資産の現在 入口価格(すなわち、取得価額)と使用価値を比較することで、情報の利用者は、当該企
業がその資産の使用から期待する超過収益力に関する情報を得ることができるだろう。
取得資産のその他の一定の現在価値の算定数値とは、「確率で加重平均された、または 最も生起しやすい、特定の利子率で割引かれた、取得資産から生じるであろう将来キャッ シュフロー」であり、取得資産の割引前将来キャッシュフローとは、「確率で加重平均さ れた、または最も生起しやすい、現在へ割引かれていない、取得資産から生じるであろう 将来キャッシュフロー」である。これらの測定値が表現するものおよび意味をもちうる場 合は、使用価値とおおむね同様であろう。
6. 将来入口価格
将来入口価格とは、「将来、取得資産を購入するならば支払わなければならないであろ う価格」である。この測定値が意味をもちうる場合には、たとえば、3. 現在入口価格と併 せて利用される場合が考えられる。情報の利用者は、現在入口価格と将来入口価格との比 較をつうじて機会費用を知ることができるため、当該資産の取得にかかる経営の巧拙に関 する情報を得られるかもしれない。
7. 将来出口価格または修正将来価格
将来出口価格とは、「将来、取得資産を売却するならば受取るであろう価格」である。
この測定値が意味をもちうる場合は想定し難いものではあるが、たとえば、4. 現在出口価 格と併せて利用される場合が考えられる。情報の利用者は、現在出口価格と将来出口価格 との比較をつうじて予想される機会利得または損失を知ることができるため、資産の売却 にかかる、予想される経営の巧拙に関する情報を得られるかもしれない。
取得資産の将来修正価格とは、「取得資産の将来価格から見積追加製造費用および見積 追加販売費用を控除した額」である。この測定値が意味をもちうる場合は、将来出口価格 とおおむね同様であろう。