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原子炉動特性解析コードの HTTR 炉心モデル構築

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 56-61)

第3章 HTTR LOFC 試験データを用いた原子炉動特性評価手法の検証及び

3.4 原子炉動特性解析コードの HTTR 炉心モデル構築

ここでは、原子炉動特性解析コードRELAP5-3Dのために構築したHTTR炉心 モデルの概要を説明する。原子炉動特性の解析にはRELAP5-3Dコードに組み込 まれた遅発中性子6群の1点炉動特性方程式を用いる。即発中性子寿命、実効遅 発中性子割合、ドップラー係数 、減速材温度係数、スクラム反応度曲線及び出 力分布はHTTR炉心体系を対象とした、連続モンテカルロコードMVP29)により 得られた値を用いる。

3.4.1 原子炉動特性解析コードでの HTTR 炉心モデル

従来のHTTR 炉心モデル30)においては、炉心はホットチャンネルおよび平均 チャンネルから構成され、それぞれ冷却材流路、燃料及び黒鉛ブロックから構成 されていた。さらに、炉心における径方向の熱伝導および輻射伝熱については、

平均チャンネルの燃料から圧力容器方向への熱移動が考慮されていた。また、従 来モデルは安全解析を目的としており、燃料温度等の注目パラメータを保守的 に評価する観点から炉床部や炉側部等の黒鉛構造物を簡略化していた。

本論文では、従来モデルでは模擬できなかった径方向の熱移動を詳細に考慮 できるよう、ブロック毎にモデル化を行う。

径方向の熱移動を詳細に評価できるよう改良を行った原子炉モデルのノード

図をFig. 3.6に、伝熱モデルの概要をFig. 3.7に示す。

ノードは、上部プレナム、炉側部流路、固定反射体、側部遮へい体、原子炉圧 力容器、炉容器冷却設備、炉心バイパス流路、シール用ブロック部流路、キー結 合用ブロック部流路、高温プレナム、炉床部断熱層及び炉心支持板、炉心支持板 冷却流路、下部プレナム及び炉心で構成する。改良モデルでは、炉側部及び炉床 部モデルを新たに追加した。また、従来モデルではVCSの表面を温度境界条件 としていたが、本モデルでは原子炉建屋体積の空気(初期条件を室温に設定)を RPV外側表面と接触させこれを境界条件として設定した。

伝熱モデルは炉内外で異なる2種類のモデルに改良した。側部可動反射体よ り内側は、C制御棒案内ブロック、R1 燃料ブロック、R2 燃料ブロック、R2 制 御棒案内ブロック、R3燃料ブロック及び可動反射体ブロックのユニットセルモ デル 31)で構成されている。側部可動反射体より外側は、径方向の熱移動を考慮 するため、固定反射対、側部遮へい体、圧力容器をそれぞれリング状にモデル化 している

改良モデルにより、従来均質化していた燃料ブロックと制御棒案内ブロック を分割することで、より詳細なブロック間の伝熱評価を可能とした。さらに、従

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来は均質化しチャンネルモデルとしていた燃料体をユニットセルモデルとする ことで、燃料から黒鉛ブロックまでの径方向の詳細な伝熱評価を可能にする。

また、温度係数について、従来は等温温度係数と燃料ブロックの平均温度を使 用していたが、ドップラー反応度と減速材温度反応度を分けて考慮できるよう にした。このことにより、燃料及び減速材毎の温度係数及び温度を使用した反応 度評価が可能となった。

ユニットセルモデルは、ブロック毎に燃料コンパクト、ヘリウムギャップ、黒 鉛スリーブ、冷却材流路、黒鉛ブロックで構成されるチャンネルモデルである。

なお、被覆燃料粒子を含む燃料コンパクトは1つの均質領域としてモデル化し ている。

燃料領域及び制御棒案内ブロックのユニットセルモデルは以下のようにモデ ル化している。

・各ユニットセルの軸方向の高さは実機の形状に従い、軸方向に等間隔で 15 分割とし、そのうち燃料領域は1燃料体を2分割として10分割とする。

・黒鉛ブロック領域の体積が保存されるようにユニットセルモデルの黒鉛領 域の直径を決める。

・熱移動については、軸方向の熱伝導、構造材間の径方向の輻射、構造材と冷 却材間の熱伝達を考慮する。

・燃料コンパクト、ヘリウムギャップ及び黒鉛スリーブ間の距離は実際の HTTRの設計データを用いており、熱移動距離が保存されるようにモデル化 する。

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Fig. 3.6 HTTRモデルのノード図

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Fig. 3.7 HTT原子炉モデル概要

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3.4.2 物性値

ヘリウムの物性値はRELAP5-3Dコード内蔵の物性値を使用する。黒鉛の熱 伝導率にはIG-110のデータベース32)を、体積熱容量にはIG-110のカタログ値 に各黒鉛ブロック中の冷却材流路空間等の空隙率を考慮した値を、輻射率には HTTRの安全審査において使用されたデータを用いる。なお、黒鉛熱伝導率の 計算には照射効果を考慮しており、照射温度には定常計算での黒鉛ブロック温 度を使用する。燃料コンパクト、原子炉圧力容器などの金属材料の熱伝導率及 び体積熱容量には照射試験等の経験を元に作成されたデータベース及び評価式

33)を用いる。

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