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刺激タイミングを保存する神経回路網

4.3 実験結果

4.3.3 刺激タイミングを保存する神経回路網

コンディショニング時の 2 発の電気刺激の間隔を 800 ms とした場合,その前後にお いて刺激応答性が大きく変化した.特に,コンディショニング後はコンディショニング 時の 2 発目刺激タイミングである 800 ms 周辺で活動が多くなった.この結果は全試行 を平均して解析した結果であるが,個々の試行に着目して神経活動スパイク頻度の時間 推移を解析すると,興味深いことに,コンディショニング時の 2 発目刺激タイミングに

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おける神経活動数の変化は,1 発目の電気刺激直後の応答と関連して試行ごとに大きく ばらついていた(図 4.11).コンディショニング時に単発刺激が印加されていた時刻を t1,2 発目の刺激が印加されていた時刻を t2 とすると,ある試行において t1 直後に神 経活動スパイク頻度が大きい場合,t2 直後の時間ドメインの神経活動スパイク頻度は 抑制される傾向が確認され,逆に t1 直後の刺激に対する神経活動スパイク頻度が小さ い場合,t2 の直後の時間ドメインの神経活動スパイク頻度は増加する傾向があった(図 4.12).

図 4.11 1 試行ごとの神経活動スパイク頻度の時間推移の例(28 DIV).

刺激直後の神経活動スパイク頻度とコンディショニングされていた時間ドメ インにおける神経活動スパイク頻度には関係性が見られる.橙矢印はコンディ ショニングされていた時間ドメインに神経活動スパイクが集中していること を示す.

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図 4.12 図 4.11 の線グラフのオーバーレイ表示.

t1 と t2 の時間ドメインにおける神経活動スパイク頻度の関係性に着目して解析を行っ た(図 4.13).各試行における t1 後 500 ms 以内の神経活動スパイク頻度と時刻 t2 前 後 200 ms(計 400 ms)以内の神経活動スパイク頻度を個別に算出した.t1 の活動が大 きい時の t2 の活動傾向を解析するため,t1 の活動スパイク頻度の大きい順に各試行を ソーティングした.コンディショニング前においては,t1 における神経活動スパイク 頻度の順位 1 番から 30 番目までの試行のスパイク頻度は 307.30 ± 11.69(平均±標 準誤差,N=30),31 番目から 60 番目までの試行の t1におけるスパイク頻度は 151.92 ± 7.40(平均±標準誤差,N=30)で,これは t1 におけるスパイク頻度でソートして分割し たため当然であるが P<0.01(Mann-Whitney U-test)で有意差が認められた.他方,t2 におけるスパイク頻度は,t1 における神経活動スパイク頻度の順位 1 番から 30 番目ま での試行では 205.0 0± 18.65 (平均±標準誤差,N=30),31 番目から 60 番目までの 試行では 250.82 ± 15.50 (平均±標準誤差,N=30)となり,有意差は認められなかっ た.すなわち,コンディショニング前においては t1 における活動頻度と t2 における活 動頻度に明確な関係性が確認できなかった(図 4.14).これに対して,コンディショニ ング後では,t1 における神経活動スパイク頻度の順位 1 番から 60 番目までの試行の t 1におけるスパイク頻度は 480.4 ± 11.25(平均±標準誤差,N=60), 61 番目から 120 番目までの試行の t1におけるスパイク頻度は 216.1 ± 10.06(平均±標準誤差,N=60) で,この場合も P<0.01(Mann-Whitney U-test)で有意差が認められた.さらに,t2 に

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おけるスパイク頻度は,t1 における神経活動スパイク頻度の順位 1 番 から 60 番目ま での試行では 209.9 ± 22.58(平均±標準誤差,N=60),61 番目から 120 番目までの試 行では 337.0 ± 19.07(平均±標準誤差,N=60)で, P<0.01(Mann-Whitney U-test)

で有意差が認められた.この結果はコンディショニングにより,t1 と t2 における神経 活動スパイクの頻度に逆相関が形成されたということを示唆する(図 4.15).

図 4.13 t1 における神経活動スパイク頻度でソートした全試行における神経活動スパ イク頻度の例(単一の実験の結果,28 DIV).上図はコンディショニング前,

下図はコンディショニング後の神経活動スパイク数を示している.

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図 4.14 コンディショニング前の t1,t2 における活動スパイク頻度の関係性.

t1 における神経活動スパイク頻度の順位 1 番から 30 番目までの試行のデータ が青で,31 番目から 60 番目までの試行の平均スパイク頻度が赤で示されてい る.**は有意差を示す(p<0.01,マンホイットニーの U 検定).

図 4.15 コンディショニング後の t1,t2 における活動スパイク頻度の関係性.

t1 における神経活動スパイク頻度の順位 1 番から 60 番目までの試行のデータ が青で,61 番目から 120 番目までの試行の平均スパイク頻度が赤で示されてい る.コンディショニング後は t2 における平均スパイク頻度に優位な差がある.

**は有意差を示す(p<0.01,マンホイットニーの U 検定).

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