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出入り口空間における支援

ドキュメント内 コラボレーション支援に関する研究 (ページ 59-62)

の外から見えない空間内部の状況の推移を,色表現や3次元表現を用いてCollaboGateの 表示インタフェース上に提示し,グループにおけるインタラクションの支援を行った.ま ず,映像と音声をもとに雰囲気を検知するプロトタイプシステムTS-Gate(ThermoSpheric

Gate)の設計と実装,評価結果を行った.その結果必要と考えられたユーザの行動履歴や

属性等の情報を追加し,雰囲気情報を伝達するシステムAS-Gate(AtmoSpheric Gate)を 提案する.

これらのシステムを用いた評価実験から,ユーザが作業空間に入る前に内部の雰囲気を 察知できるようになることで,グループの作業効率化やコミュニケーションの活発化を促 進する可能性を見出した.

以下,まず4.2 節において,出入り口空間と雰囲気情報について詳述する.4.3節で 出入り口空間におけるグループ支援環境CollaboGateについて述べ,4.4 節に実装した CollaboGateのシステムを説明する.

次に,4.5節で対象とする作業空間と,その雰囲気を決定する要素について議論する.ア ウェアネス情報の収集と雰囲気情報の算出ならびに効果的な提示手法について検討し,4.6 節で,カメラ・マイクと色相を用いたプロトタイプシステムの実装について説明する.4.7 節で述べた評価実験の内容と結果から,雰囲気の伝達に必要なアウェアネス情報にユーザ の行動履歴や属性等の要素を追加した.4.9節で雰囲気の伝達に必要なアウェアネス情報 を収集・提示するアプリケーションAS-Gateの詳細を述べるとともに,4.10節において 実際の作業空間での評価実験と,その結果明らかになった事項の検討を行い,4.11節でま とめとする.

表 4.1: 出入り口空間の特徴 協調作業空間 出入り口空間 利用方式 滞在 通過または滞在 利用時間 日常的 短い

または一定時間

利用者 一定のメンバー 多数

作業内容 一定量の仕事 すぐ解決する 軽微なもの

を要する協調作業を行うのではなく,軽微な連絡や在室者の確認等の作業が短時間で立ち 話的に行われている.個々のタスクは対面・口頭で解決できる簡単なものが多く,複数の 人を対象としたタスクが一括して行われることもある.また,訪問や配達などを目的とし た対象空間を日常的に利用しない者も出入り口空間を訪れる等の特徴がある.

また,出入り口空間は建物と外の敷地,教室と廊下等のように,社会的意味をもって区 切られた空間と空間を接続するものである.接続されている空間のうち,どちらかがより プライベートな空間であることが多い.例えば廊下から既に会議が行われている部屋に入 る等の場合には,中で行われている会議に参加する,あるいは会議の参加者への伝言を伝 えに来る等の意思があると考えられる.利用者や対象空間に応じた様々なサービスが考え られる.

軽微な用事のために出入り口空間に滞在する際,もしくは出入り口空間を通過して移動 対象とする空間に入る場面などにおいて,コラボレーションのための「場」としての出入 り口空間を支援することを本研究の目的とする.

本研究が対象とする出入り口空間と,従来の協調作業空間との違いを表4.1に示す.ま た,出入り口空間における支援のイメージを図4.1に示す.

4.2.2 雰囲気情報の提示

次に,出入り口空間に接近したユーザへの支援として,空間内外のセンサによってア ウェアネス情報を収集・蓄積し,直感的表現を用いて出入り口空間のユーザに提示する手 法を検討する.

多くの会議室やオフィス等の作業空間は部屋という形で閉じられており,部屋の外から その場の状況を認識することは難しい.作業空間内に移動することや,映像や音声の外部 への配信などで現在の場の状況をある程度認識することはできる.しかし,会議室での議 論に途中から参加する,あるいはオフィスに遅刻してきたといった場合に,現在まで作業

図 4.1: 出入り口空間における支援

空間内の雰囲気がどのような推移を経て,その結果現在の場の雰囲気に至ったかを把握す ることは困難である.

不可視範囲の情報獲得および獲得情報の解析の一部をコンピュータが担うことにより,

ユーザの意思決定とそれに続く行為実行を支援できると考えた.例えば,遅刻して会議室 に入る際,外部からは認識できない室内のアウェアネス情報を獲得できれば,自分がこれ までに取得したことがある「情報」とその時の「状況」の相関から,内部の「雰囲気」を 予測できる.そういった情報の解析結果から,遅刻者はドアを開けるタイミング,会議室 に入ってからの第一声などの意思を無意識的に決定し,よりスムーズに会議に参加するこ とができる.

雰囲気は多元的情報から構成されており,人間は様々な感覚的情報をもとに場の雰囲気 を判断している.そこで,場の雰囲気を構成する要因のひとつとして,場の活動度に着目 する.ある作業空間における人間の活動を認識する際,人は視覚的・聴覚的情報などに基 づき活発さを判断している.我々は作業空間における協調作業へのスムーズな参加のため に,このようなアウェアネス情報を直感的に認識できる方法で提示する必要があると考え た[65].そのために,まず作業空間における様々なアウェアネス情報を収集する.これら の情報をもとに,現在の場の活動度情報を算出し,空間の活動度情報として蓄積する.作 業空間にアプローチしてくるユーザに対して,出入り口空間において直感的に理解できる 形で活動度情報を提示する.この一連の過程におけるデータの収集・算出・提示手法につ いて議論し,実際に空間内部のアウェアネス情報を提供するシステムの提案と実装を行っ たうえで,内部情報の提示手法に関する評価を行う.

Sensor

Displays / Terminals

6

?

CollaboGate Server

Application A

Application B

Application C

6

?

6

?

6

?

図 4.2: CollaboGateの構成

活動度の推移を収集し直感的にユーザに提示することにより,作業空間への参加が促 されることはもとより,長期的な活動度情報の蓄積により会議室やオフィス等の空間的リ ソースのマネジメントへの応用が可能であると考えられる.

ドキュメント内 コラボレーション支援に関する研究 (ページ 59-62)