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下 水

別表 8 S-4 から比準する場合

5 個別的要因の比較項目及び格差率

商業地の個別的要因は、地域要因と同様に、当該商業地についての収益性を高め、

あるいは低める要因となるものであり、これらの個別的要因を分析して対象地の最有 効使用を判定して相互の格差を求めることとなる。

商業地は、接面街路との関係、間口、奥行等の画地の状況によっては、顧客の出入 の便、商品宣伝効果など収益に直接影響を与え、住宅地、工業地など他の種別の土地 に比べ個別性が強く働き、価格の格差が大きくなる傾向がある。商業地の収益性に個 別的な差異を生じさせる要因として次の項目があげられるが、各地域について交通・

接近条件の項目である「商業地域の中心への接近性等」環境条件の項目である「客足 の流動の状態との適合性」及び行政的条件の項目である「公法上の規制」に大きな格 差が付されている。

(1) 街路条件

この条件における項目は、 「接面街路の系統構造等の状態」であり、細項目は「街路 の系統連続性」 「幅員」 「舗装」 「歩道」 「構造」及び「勾配・カーブ」に区分される。

ア 接面街路の系統構造等の状態

(ア)街路の系統、連続性

接面街路の地域の中心への客足の流れの性格等の地域の中心との連絡の程度につ いて比較を行うこととなるが、この場合の地域の中心とは、地域要因の項でのべた ように近隣地域における商業上の中心地であり、この中心地への街路の系統、連続 性の状態を、近隣地域内における標準的な関係位置にある画地と対象地とについて 比較を行い格差を求めるものとする。

(イ)幅員

近隣地域における標準的な画地に接面すると認められる街路との幅員の比較を行 うものであるが、単にその広狭の比較のみでなく、地域の特性に適合した幅員との 適合の度合いを判定して格差を求めるものとする。

(ウ)構造

道路の構造が中央帯、植樹帯等により整備されていることにより、対面車両の進 入を防ぐ等車の流れが維持されるが、中央分離帯に適当な間隔に切れ込みがあれば 対面車両の進入が可能であるため減価要因とならないことに注意する必要がある。

(エ)勾配・カーブ

道路の勾配、カーブにより店舗への進入の難易、衝突の危険性等を考慮し、格差 を求めるものとする。

(2) 交通・接近条件

この条件における項目は「商業地域の中心への接近性等」であり、細項目は「商業 地域の中心への接近性」及び「最寄駅への接近性」に区分される。

ア 商業地域の中心への接近性等 (ア)商業地域の中心への接近性

近隣地域の商業上の中心地点は、通行者が合流して収益力も高く、ここに近いほ どその影響を強く受けることとなる。比較にあたっては、単に距離的な遠近のみで なく、さらに、当該中心との共同活動などの集結の程度等を併せて考慮した位置関 係をもって判定することが必要であろう。

(イ)最寄駅への接近性

交通機関へ近いほど流入する通行量も多く、収益力も高いのが通常であり、地域

要因でとらえた最寄駅のなかで標準的な関係位置にあると認められる画地との比較

を行って判定することとなる。地域要因でとらえた最寄駅は、地域全体に関連する

交通機関を総合的に考慮して決定しているが、個別の画地については全く同様とは

限らないので、例えば、鉄道駅の出入口、バス停等が対象地の前面あるいは隣接地 に設置されるなどある特定の位置によって個別の収益をもたらす場合もある。

比較にあたっては、相互に共通する単一の最寄駅のみの判定でなく地域要因と同 様、通行者の流入に係る最寄駅を総合的に考慮することが必要であることはいうま でもない。

(3) 環境条件

この条件における項目は「客足の流動の状態との適合性」及び「隣接不動産等周囲 の状態」であり、細項目は「客足の流動性」及び「隣接不動産等周囲の状態」にそれ ぞれ区分される。

ア 客足の流動の状態との適合性 (ア)客足の流動性

商業地の収益力は、前面道路の通行者の量と性格に左右される。商業施設と交通 機関等との関連によって、商業施設と通行者の流れには一定の方向性が生ずるのが 一般的であり、この流れに適合して立地しているかどうかは、当該画地の収益力に 重要な影響を与えることとなる。

客足の流れは、全体としては最短距離の歩行を好み、無意味な往復を嫌う傾向が ある。

なお、通行者の性格についても地域要因と同様に季節的または時間帯別に流れの 変動があるか、また通行者は単に通過する者かそうでないか、その割合はどうか等 通行量と併せて地域の実態を通じて判定することが望ましい。

イ 隣接不動産等周囲の状態 (ア)隣接不動産等周囲の状態

隣接する不動産等には、減価要因となる施設と増価要因となる施設があるが、減 価となる施設については地域要因の不適合施設が個別的要因として作用する場合が ある。増価要因となる場合は、例えば、次のような施設があってそれによって個別 的に収益性が高められている場合が考えられる。

a.対象地の隣接地または周囲に次のような顧客等を誘引する施設等がありその影

響を受けて特に顧客の流入等収益性が高められている場合 (a)デパート、著名な老舗等の店舗

(b)学校、官公署、公民館、公園等の公共用の施設

(c)レジャー、レクリエーション施設

(d)著名な神社、仏閣、旧跡、名勝等の特殊な誘引施設

b.対象土地が顧客の通行街路が特定される横断歩道、地下道等の施設の近くにあ

って顧客等の流入等収益性が高められている場合

(4) 画地条件

この条件には、「間口、形状及び地積」「接面街路との関係」及び「その他」の項目 があるが、内容的には住宅地域の適用の場合と同様であるので、住宅地域で述べられ た事項に準じて判定するものとする。

ア 間口、形状及び地積 (ア)間口狭小

間口は商業地の場合顧客の流入、商品の宣伝効果等との関連で価格形成要因と してとくに重要であり、したがって近隣地域の標準的使用と認められる画地の間 口よりも狭小になると減価要素となる。

(イ)不整形地、三角地

近隣地域の標準的使用と認められる画地の形状と異なり、それだけ利用効率が 低くなることによる減価であるが、地域によっては建物の建築方法等によって軽 減されることもあるので、これらの地域の実態及び画地の面積等を考慮して有効 利用度を判定して行うものとする。

(ウ)地積過大

一般的には、標準的な画地の地積より過大であれば標準的な地積に分割するた めの減歩や費用を要することとなり、それだけ減価することとなるが、画地の規 模が大きくなりつつある地域、あるいは画地の規模が混在している地域では必ず しも減価するとは限らないので、地域の実態に即して適用すべきであろう。

(エ)面大増価

面大地とは、地域の標準的画地規模と比較して相対的に大きいと認められる面

積を有する土地をいう。本来、地域の標準的な画地が最有効の画地であり、面大

地は、商業地として効率の劣る部分が生ずること又は標準的な地積に分割して使

用すると減歩や分割の費用を要することとなるため、一般的には、減価すること

となる。しかしながら、地域の利用状況の変化等により標準的な面積より大きい

面積の画地の方が容積率等から高度利用が可能となり、かつ、高度利用を図った

場合には、これに対応した需要が十分に見込まれる地域及び 1 フロアー当たりの 床面積の大きいほうが単位面積当たりの賃料が高くなると認められる地域があり、

これらの地域においては、標準的な画地より面大地のほうが収益が高くなる場合 が認められる。

そこで、面大増価の適用に当たっては、単に標準的な画地に比較して面積が大 きいだけではなく、対象地の一体利用が可能であり、かつ効用又は収益の増加が 明らかな場合、すなわち、①実効容積率の拡大となり、かつ、高度利用に応じた 需要が十分に見込まれる場合、②高度商業地、準高度商業地ではビルを建築した 場合に 1 フロアー当たりの面積規模が大きくなることにより地域の平均的な賃料 水準より高い単価の賃料が見込まれる場合又は普通商業地域については、店舗が 駐車場スペースを確保することにより、効用又は収益の増加が見込まれる場合に のみ適用するべきである。

格差率の適用に当たっては、効用の増加が最も大きい場合を前提として設定し ているので、効用増加の程度を十分に勘案して運用する必要がる。なお、面大増 価を採用した場合には、地積過大と奥行逓減は適用しないこととなる。

イ 接面街路との関係 (ア)高低

画地が接している街路との高低差は出入に不便を生ずるためとくに商業地にお ては減価の要因とされているが、景観、眺望を要する旅館、店舗を中心とする地 域等においては、減価要因をならない場合があることに留意する必要がある。

(5) 行政的条件

この条件における項目は「公法上の規制」であり、細項目は「用途地域等の地域地 区等」である。公法上の規制は地域要因で掲げた地域地区に関する規制であり、これ らの規制が地域の標準的画地と異なることにより格差が生じることはもちろんだが、

同一の地域地区の規制であっても画地の接面道路の幅員の広狭等及び隣地に公園、広

場等の空地があるか否か等の個別的な相違によっては、それから受ける影響の度合い

が異なってくることに留意しなければならない。