6.2 自動的に作成される仮想コンピュータへの変換
6.2.2 仮想コンピュータへの定期的な変換の設定
バックアップ計画を作成 『39ページ 』する際に、ディスクまたはボリューム バックアップの仮想コン ピュータへの定期的な変換を設定できます。定期的な変換を設定することによって、仮想コンピュー タのサーバーまたはワークステーションのコピーを取得できます。元のコンピュータに障害が発生し た場合、このコピーを直ちに使用できます。
制限事項
次の場所からのバックアップの変換は設定できません。CD、DVD、Blu-Ray ディスク、テープ デバイス、Acronis オンライン バックアップ ストレージ
Citrix XenServer 仮想コンピュータへの変換を、バックアップ計画の一部にすることはできませ
ん。また、「変換手順 『155ページ 』」に記載されている手順(b)および(c)を実行することもで きます。
Microsoft Virtual PC では、127 GB より大きい仮想ディスクはサポートされません。仮想 PC
コンピュータへの変換中に、127 GB を超えるすべてのディスクのサイズは、この値まで縮小さ れます。ディスクのサイズ変更ができない場合、変換は失敗します。Hyper-V コンピュータに接 続させるためにより大きな仮想ディスクが必要な場合、「変換方法」 『155ページ 』で説明した 方法(b)と(c)を使用します。
6.2.2.1 変換の設定
このセクションでは、適切な変換設定を行うのに役立つ情報を示します。
設定は、[バックアップ計画の作成] ページの [仮想コンピュータへの変換] セクションで指定しま す。
仮想コンピュータへの変換
変換元
バックアップを他の場所にコピーまたは移動する 『82ページ 』場合、バックアップの変換元 を選択します。Acronis Online Backup Storage などの使用不可能な 『157ページ 』変換 場所は表示されません。
デフォルトでは、プライマリの場所から変換が実行されます。
変換の実行時期
選択したバックアップ スキームに基づいて、すべての完全バックアップ、増分バックアップ、
または差分バックアップを変換するのか、スケジュールに従って最後に作成されたバック アップを変換するのかを指定します。必要に応じて変換スケジュール 『158ページ 』を指定 します。
ターゲット ホスト... 『159ページ 』
作成する仮想コンピュータの種類とロケーションを選択します。使用可能なオプションは、変 換を実行するエージェントによって異なります。このエージェントは、バックアップを実行する エージェントの場合(デフォルト)もあれば、別のコンピュータにインストールされたエージェン トの場合もあります。後者の場合は、ネットワーク フォルダや管理対象の格納域などの共 有のロケーションにアーカイブを保存して、他のコンピュータからアーカイブにアクセスでき るようにする必要があります。
別のエージェントを指定するには、[変更] をクリックして、エージェント for ESX(i)、エージェ ント for Hyper-V、エージェント for Windows、またはエージェント for Linux がインストー ルされているコンピュータを選択します。
ストレージ
仮想コンピュータ ファイルの保存先としてフォルダか仮想サーバー上のストレージを選択し ます。
作成される仮想コンピュータ
仮想コンピュータの名前を指定します。デフォルト名は Backup_of_[コンピュータ名] です。
この名前に対してさらに変数を追加することが可能です。次のテンプレートがサポートされ ています。
[計画名]
[コンピュータ名] [仮想ホスト名] [仮想コンピュータ名] [仮想サーバーの種類] VMware vCenter のフォルダ
管理サーバーが vCenter Server と統合されている場合は、作成される仮想コンピュータ
は vCenter の Acronis Backups フォルダに表示されます。計画の実行によって作成さ
れるコンピュータのサブフォルダを指定できます。
6.2.2.2 変換スケジュールの設定
バックアップ計画の実行中に作成されたディスクのバックアップ 『297ページ 』は、すぐに、または スケジュールに従って、仮想コンピュータに変換することができます。その両方の方法を組み合わ せて変換することもできます。
変換タスクは、バックアップされるコンピュータで作成され、このコンピュータの日時を使用します。コ ンピュータをバックアップするエージェントがコンピュータの外部にインストールされている場合
(ESX(i) または Hyper-V 仮想コンピュータがハイパーバイザ レベルでバックアップされる場合な ど)、タスクはエージェントが存在しているコンピュータで作成されます。
変換時には、ターゲット仮想コンピュータの電源がオフである必要があります。オフでない場合、変 換タスクは失敗します。このような場合は、コンピュータの電源をオフにしてから、変換タスクを手動 で再開します。電源がオンのときにコンピュータに加えられた変更は、上書きされます。
6.2.2.3 変換を実行するコンピュータの選択
次の項目について考慮する必要があります。
コンピュータにインストールされているエージェントの種類。
最終的な仮想コンピュータの種類とロケーションは、選択したコンピュータに存在するエージェントに よって異なります。
エージェント for ESX(i) がコンピュータにインストールされている場合
エージェントが複数の ESX(i) ホストを管理している場合は、仮想コンピュータを作成するホスト を選択できます。
ストレージ手順では、仮想コンピュータを作成するストレージを選択できます。
バックアップの結果として作成された仮想コンピュータをバックアップ計画に追加することはでき ません。それらの仮想コンピュータは、管理サーバー上で、管理不可として表示されるか、まっ たく表示されません(vCenter サーバーとの統合が有効になっていない場合)。
エージェント for Hyper-V がコンピュータにインストールされている場合 仮想コンピュータは Hyper-V サーバー上にのみ作成できます。
ストレージの手順で、仮想コンピュータのパスを選択できます。
バックアップの結果としてサーバー上に作成された仮想コンピュータはバックアップ対象ではな いため、管理サーバーに表示されません。
エージェント for Windows またはエージェント for Linux がコンピュータにインストールされ ている場合
仮想コンピュータの種類として VMware Workstation、Microsoft Virtual PC、Red Hat Kernel-based Virtual Machine(KVM)、Red Hat Enterprise Virtualization(RHEV)のいずれ かを選択できます。
ストレージの手順で、仮想コンピュータのパスを選択できます。
コンピュータの処理能力
変換は選択したコンピュータの CPU リソースを使用して実行されます。変換タスクが複数ある場 合は、コンピュータのキューに登録されるため、すべてのタスクを完了するには、かなりの時間がか かることがあります。複数のコンピュータの変換を伴う集中管理用バックアップ計画を作成する場合、
または変換に同じコンピュータを使用する複数のローカル バックアップ計画を作成する場合は、こ のことを考慮してください。
仮想コンピュータで使用されるストレージの種類
ネットワーク使用率通常のバックアップ(TIB ファイル)とは異なり、仮想コンピュータのファイルは圧縮されずにネット ワーク経由で転送されます。そのため、ネットワーク使用率の観点から見て、SAN または変換を実 行するコンピュータのローカル ストレージを使用するのが最善の選択肢です。ただし、バックアップ
されるコンピュータと同じコンピュータで変換を実行する場合、ローカル ディスクは選択しないでくだ さい。NAS を使用するのも効果的です。
ストレージ領域
VMware、Hyper-V および Virtual PC の場合、作成される仮想コンピュータのディスクは、元の
データが占有していた領域と同じ量のストレージ領域を占有します。元のディスク サイズが 100 GB で、ディスクに 10 GB のデータが格納されていると過程すると、対応する仮想ディスクは約
10 GB を占有します。このような形式を、VMware では「シン プロビジョニング」と呼び、Microsoft
では「容量可変の拡張ディスク」と呼びます。領域は事前に割り当てられるものではないので、物理 ストレージには、仮想ディスクのサイズを増加させるための空き領域が十分に確保してください。
KVM または RHEV の場合、作成される仮想コンピュータのディスクは、Raw フォーマットになり
ます。つまり、仮想ディスクのサイズは常に元のディスク領域と等しくなります。元のディスク サイズ
が 100 GB だと仮定すると、ディスクに 10 GB のデータが格納されている場合でも、対応する仮
想ディスクは 100 GB を占有します。
6.2.2.4 VM への定期的な変換の動作
繰り返して実行される変換の動作は、仮想コンピュータの作成場所によって異なります。
仮想コンピュータを一連のファイルとして保存する場合: 変換が行われるたびに、仮想コン ピュータが新しく再作成されます。
仮想サーバー上に仮想コンピュータを作成する場合: 増分または差分バックアップが変換され ると、新しい仮想コンピュータが再作成される代わりに、既存の仮想コンピュータが更新されま す。通常、こちらの変換の方が高速です。ネットワーク トラフィックと、変換を実行するホストの CPU リソースが節約されます。仮想コンピュータのアップデートができない場合は、仮想コン ピュータが新しく再作成されます。
次に、両方の動作について詳しく説明します。
仮想コンピュータを一連のファイルとして保存する場合
最初の変換の結果、新しい仮想コンピュータが作成されます。その後に変換するごとに、このコン ピュータが最初から作成されます。最初に、古いコンピュータの名前が一時的に変更されます。次 に、新しい仮想コンピュータが、古いコンピュータの変更前の名前で作成されます。この処理が成功 すると、古いコンピュータが削除されます。この処理が失敗すると、新しいコンピュータは削除され、
古いコンピュータの名前が変更前に戻されます。このように、変換処理は常に 1 台のコンピュータ で実行されますが、変換中は、古いコンピュータを保持するための追加のストレージ領域が必要に なります。
仮想サーバー上に仮想コンピュータを作成する場合
最初の変換では、新しい仮想コンピュータが作成されます。その後の変換の動作は次のとおりで す。
本セクションで既に説明したとおり、最後の変換以降の完全バックアップが存在する場合、仮想 コンピュータが新しく再作成されます。
完全バックアップが存在しない場合、既存の仮想コンピュータが、最後の変換以降に行われた 変更内容を反映するようにアップデートされます。アップデートができない場合(中間スナップ ショットを削除した場合など。以下を参照してください)、仮想コンピュータが新しく再作成されま す。