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久山町における栄養疫学研究

-半定量的頻度調査法の妥当性研究と、栄養素等摂取量の 50 年間の変化について-

A nutritional epidemiological study in Hisayama:The Hisayama Study

研究グループ代表者

内田 和宏(UCHIDA KAZUHIRO)短期大学部食物栄養学科・講師

共同研究者

森脇 千夏(MORIWAKI CHINATSU)短期大学部食物栄養学科・准教授

研究協力者

柴田 好視(SHIBATA KONOMI)短期大学部食物栄養学科・常勤助手(平成 25 年度)

川原 愛弓(KAWAHARA AYUMI)短期大学部食物栄養学科・常勤助手

吉永 伊織(YOSHINAGA IORI)短期大学部食物栄養学科・常勤助手(平成 26 年度)

城田 知子(SHIROTA TOMOKO)中村学園大学・名誉教授

※単年度のみの参加者については、括弧内に参加年度を示す。

研究成果の概要

 平成 25 年度、平成 26 年度は、当初の年度計画に基づいて成人健診に参加し、食習慣調査および骨密度に関する簡 易アンケート調査を実施した。また、平成 26 年度においては、秤量記録法による世帯調査を実施した。以下に要約する。

1) 平成 25 年度の住民健診は、6 月 25 日から 8 月 7 日までの 25 日間実施された。生活習慣に関するアンケート調 査を実施し、骨密度(音響的骨評価値:OSI)の測定も担当した。

2) 平成 26 年度の住民健診は、6 月 27 日から 9 月 27 日までの 26 日間実施された。平成 25 年度同様に生活習慣に 関するアンケート調査を実施し、骨密度(OSI)の測定も担当した。

3) 久山町コホートの第 4 集団(2002 年度)の解析を実施した。

a) 「地域在宅高齢者の認知機能とビタミン B6、B12 および葉酸摂取量との関連について」:性、年齢、BMI、喫煙習慣、

飲酒習慣、身体活動量、脳卒中既往、高血圧既往、糖尿病既往を調整した後の、摂取量の最も低い群に対する、最 も高い群のオッズ比(OR)は、葉酸については有意なリスク低下がみられた。

b) 「地域在宅高齢者の認知機能と脂溶性ビタミン摂取量との関連について」:ビタミン E 摂取量の増加に伴い認知 機能低下に対するオッズ比は有意に低下した。ビタミン A、D、K と有意な関連は示さなかった。

c) 「地域在宅高齢者の認知機能とコーヒー摂取頻度との関連について」:コーヒー摂取が週に 1 回未満である「ほ とんど飲まない」群に対し、コーヒーの摂取が「1 日 2 杯以上」群におけるオッズ比は、HDS-R および MMSE と もに有意に低下し、認知機能低下リスクに対し予防的に働くことが示唆された。

4) 通常の成人健診とは別に、11 月に 1 日間の栄養調査を実施し、50 年間の栄養素等摂取量、食品群別摂取量の変 化について検討した。

研究分野:公衆栄養学、栄養疫学

キーワード:久山町研究、栄養疫学研究、生活習慣病、食習慣調査、食物消費構造

1.研究開始当初の背景

 久山町研究は、久山町住民を対象として 1961 年に始 まった心血管病とその危険因子の疫学研究である。中村 学園大学は、1985 年の調査から参加して栄養調査を実

施している。栄養調査の方法は、半定量的頻度法である 簡便法を用いている。その妥当性、再現性については すでに報告している。また、2002 年には、佐々木敏ら が開発した 400 項目にも及ぶ食習慣調査の方法(DHQ)

を用いた。DHQ については、1 週間あたりの頻度、1

日の食事回数、食事内容、1 回当たりに摂取するポーショ ンサイズ、欠食習慣,外食習慣、飲酒習慣などを網羅し ており、再現性や妥当性が十分に検討されている。

 近年、わが国では生活習慣病とくに肥満、糖尿病、脂 質異常症など代謝異常が増加しており、久山町において も同様である。また最近では、メタボリックシンドロー ムという概念が取り入れられようになり、日本内科学会 など関連 8 学会が合同で 2005 年にその診断基準を発 表した。その発症基盤は、インスリン抵抗性や内蔵脂肪 蓄積であり、遺伝、肥満、運動不足に加え、食事性因子 が大きく関与していると考えられている。

 さらに、わが国では高齢者人口の増加に伴い認知症患 者が急速に増えている。近年、アルツハイマー病などの 脳の疾患にも栄養・食事が関係していることが報告され るようになり、認知症発症における食事性因子の予防効 果が注目されるようになってきたが、まだ十分な検討が なされていない。

2.研究目的

 2002 年に開始された生活習慣病予防のためのゲノム 疫学研究(久山町第 4 コホート集団)の追跡調査として、

毎年実施されている住民健診に参加し、データの収集を 行い、生活習慣病と環境的要因(食事性因子、身体活動 等)との関連を検討することである。

3.研究実施計画・方法

⑴ 住民健診(平成 25 年度、平成 26 年度)

 健診の内容は、血液検査(遺伝子含む)、糖負荷試 験、検尿、計測(身長、体重、腹囲、腰囲、体組成)、

血圧測定、眼科検査、歯科検査、心電図、問診、内科 診察、食習慣調査、身体活動調査、骨密度測定などで ある。食習慣調査、骨密度測定については、中村学園 大学が担当し、その他の健診項目は久山町健康福祉課 および九州大学が担当した。

⑵ 骨密度測定(音響的骨評価値)

 骨密度の指標には、超音波骨密度測定装置 AOS-100(アロカ社製)を用いて、右足中踵骨の骨内伝導 速度と透過指標から音響的骨評価値(OSI)を算出し た。

⑶ 食習慣調査(平成 14 年度)

  食 事 歴 法 質 問 票(self-administered diet history questionnaire; DHQ)を用いて調査し、およそ過去 1 か月間の習慣的な摂取量(栄養素等摂取量および食品 群別摂取量)について推定した。久山町健康福祉課よ り事前に各個人へ調査票を郵送し、健診時に記入した

ものを管理栄養士・栄養士が面接し、内容の確認を行っ た。

⑷ 食習慣調査(平成 24 年度)

 半定量的食物摂取頻度調査法(城田ら)を用いて調 査し、食品の 1 週間当たりの摂取頻度および 1 回あ たりの摂取量を調査し、栄養素等摂取量および食品群 別摂取量を推定した。久山町健康福祉課より事前に各 個人へ調査票を郵送し、健診時に記入したものを管理 栄養士・栄養士が面接し、内容の確認を行った。

⑸ 世帯調査(秤量記録法による栄養調査)(平成 26 年度)

 久山町住民の中から無作為に抽出し同意の得られた 世帯を対象に、国民健康・栄養調査の方法に準拠し、

個人別に秤量記録法(1 日間)にて実施した。調査は、

管理栄養士・栄養士が戸別に訪問し、聞き取りを行い 記入内容の確認等を行った。栄養素等の計算は「日本 食品標準成分表 2010」を用いた。

4.研究成果

⑴ 平成 25 年度健診結果

 平成 25 年度の住民健診は、6 月 25 日から8月7 日までの 25 日間実施された。生活習慣に関するアン ケート調査および骨密度(OSI)測定は、男性 1,062 名、

女性 1,418 名の合計 2,480 名が受診した(表 1)。

 骨粗鬆症財団の判定基準による OSI の判定した結 果、精密検査の必要なもの(要精検)と判定される ものは、男性 4.4%、女性 30.7%と女性が多かった。

健診参加者で OSI の正常者は、男性 75.1%、女性 32.6%であった(表 2)。

久山町健康福祉課より事前に各個人へ調査票を郵送し、健診時に記入したものを管理栄養 士・栄養士が面接し、内容の確認を行った。

()世帯調査(秤量記録法による栄養調査)(平成 年度)

久山町住民の中から無作為に抽出し同意の得られた世帯を対象に、国民健康・栄養調査 の方法に準拠し、個人別に秤量記録法( 日間)にて実施した。調査は、管理栄養士・栄 養士が戸別に訪問し、聞き取りを行い記入内容の確認等を行った。栄養素等の計算は「日 本食品標準成分表 」を用いた。

4.研究成果

()平成 年度健診結果

平成 年度の住民健診は、 月 日から 月 日までの 日間実施された。生活習 慣に関するアンケート調査および骨密度(26,)測定は、男性 名、女性 名の 合計 名が受診した(表 )。

40歳未満 40~79歳 80歳以上 合計

男性 19 477 566 1062

( 1.8% ) ( 44.9% ) ( 53.3% ) ( 100% )

女性 24 693 701 1418

( 1.7% ) ( 48.9% ) ( 49.4% ) ( 100% )

合計 43 1170 1267 2480

( 1.7% ) ( 47.2% ) ( 51.1% ) ( 100% )

人数(%)

骨粗鬆症財団の判定基準による 26, の判定した結果、精密検査の必要なもの(要精検)

と判定されるものは、男性 %、女性 %と女性が多かった。健診参加者で 26, の正 常者は、男性 %、女性 %であった(表 )。

要精検 要指導 正常 合計

男性 47 217 798 1062

( 4.4% ) ( 20.4% ) ( 75.1% ) ( 100% )

女性 435 521 462 1418

( 30.7% ) ( 36.7% ) ( 32.6% ) ( 100% )

合計 482 738 1260 2480

( 19.4% ) ( 29.8% ) ( 50.8% ) ( 100% ) 人数(%)

()平成 年度健診結果

平成 年度の住民健診は、 月 日から 月 日までの 日間実施された。生活習 表 1 生活習慣アンケート対象者および OSI 測定者(健診受診者)

表 2 OSI の判定状況

久山町健康福祉課より事前に各個人へ調査票を郵送し、健診時に記入したものを管理栄養 士・栄養士が面接し、内容の確認を行った。

()世帯調査(秤量記録法による栄養調査)(平成 年度)

久山町住民の中から無作為に抽出し同意の得られた世帯を対象に、国民健康・栄養調査 の方法に準拠し、個人別に秤量記録法( 日間)にて実施した。調査は、管理栄養士・栄 養士が戸別に訪問し、聞き取りを行い記入内容の確認等を行った。栄養素等の計算は「日 本食品標準成分表 」を用いた。

4.研究成果

()平成 年度健診結果

平成 年度の住民健診は、 月 日から 月 日までの 日間実施された。生活習 慣に関するアンケート調査および骨密度(26,)測定は、男性 名、女性 名の 合計 名が受診した(表 )。

40歳未満 40~79歳 80歳以上 合計

男性 19 477 566 1062

( 1.8% ) ( 44.9% ) ( 53.3% ) ( 100% )

女性 24 693 701 1418

( 1.7% ) ( 48.9% ) ( 49.4% ) ( 100% )

合計 43 1170 1267 2480

( 1.7% ) ( 47.2% ) ( 51.1% ) ( 100% )

人数(%)

骨粗鬆症財団の判定基準による 26, の判定した結果、精密検査の必要なもの(要精検)

と判定されるものは、男性 %、女性 %と女性が多かった。健診参加者で 26, の正 常者は、男性 %、女性 %であった(表 )。

要精検 要指導 正常 合計

男性 47 217 798 1062

( 4.4% ) ( 20.4% ) ( 75.1% ) ( 100% )

女性 435 521 462 1418

( 30.7% ) ( 36.7% ) ( 32.6% ) ( 100% )

合計 482 738 1260 2480

( 19.4% ) ( 29.8% ) ( 50.8% ) ( 100% ) 人数(%)

表 1 生活習慣アンケート対象者および OSI 測定者(健診受診者)

表 2 OSI の判定状況