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中国での調査の結果と考察

第4章  保護者への質問紙調査

第3節  中国での調査の結果と考察

本節では,中国で行った調査の結果をまとめて考察する。

 1,幼児の性別と年齢について

 2010年3月に回収した143人のアンケートの中で男児が81人,女児が62人いる。幼児 の最小年齢は2歳3ヶ月,最大年齢が6歳11ヶ,月,平均年齢は45歳である。

2,アンケートを回答する人について(問1)

調査項目の回答者の中に母親は103人で,一番多く,72%を占めている。

 3,幼児の箸使いの経験について(問2)

 今までに箸を使う経験がない幼児は10人おり,この10人の中で女児が2人,男児が8 人であった。93%の幼児は箸を使う経験があることが分かった。他の133人の幼児が初め て箸を使った年齢分布を図4−8に示す。2歳と3歳の幼児が8割以上に達する。

割合(%)

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図4−8 初めて箸を使う年齢

 4,箸の使い方を教えられたことがあるかという項目について(問3)

 箸の使い方を教えられたことがない幼児は26人おり,その割合はおよそ18.2%である。

多数の子どもが家庭で箸の使い方を教えられていることが分かった。誰に教えてもらった かという項目の結果を図4−9に示す。

その他

三等

祖2

母酬 團母

■父

□祖母 ロ祖父

■その他.

父協

 2

図4−9誰に教えられたのか

 図4−9から見ると,母が43%と最も多く,次いで父・祖母・祖父の順となる。それぞれ の割合は父が25%,祖母が23%,祖父が8%である。その他を答えた2人は,同じおばさ んを述べている。やはり,中国でも日本のように子どもの家庭でのしつけ・教育において は母親が重要な役割を果たしていることが分かる。中国では共働きの家庭が多いため,祖 父母が子どもの世話やしつけする場合も少なくない。

 5,箸使いを教える方法について(問4)

 今回の調査の中に「言葉で教える」,「親が模範を示す」,「教材補助」と,「幼児が自分で 模倣する」という4つの項目を設けた。この中で「教材補助」の答えが一番少なく,2%し かいない。次いでは「言葉で教える」を答えたのが9%を占めている。「親が模範を示す」,

「幼児が自分で模倣する」を答えた人数はほぼ同じで,それぞれ44%と45%である。この 結果を見ると,中国の幼児は自身に箸使いの意欲がある,あるいは大人の箸使いに興味が あるから自発的に箸の使い方を学ぶことが多い。「親が模範を示す」と「幼児が自分で模倣

する」ということは中国の幼児の箸使いの習得するためによく使っている方法であるとい うことがわかる。

 6,幼児期から箸を使わせる必要について(問5)

 必要がないと答えた人は1人しかない。ほぼ100%の保護者は,幼児期から箸使いを習得 する必要があると答えている。そのことから,中国の保護者は家庭において,幼児に箸の 持ち方を教えることに対してとても重視していると考えられる。必要があるを選んだ理由 として,主に指,脳の協調性を促進できること,中国の伝統文化だから,自分でする能力 を鍛えること,中国人の食事用具だから,知恵の発達を促進すること,基本的な生活能力 等が述べられている。一方,必要がないと答えた理由は幼児の手がまだ小さいからであっ

た。

 7,何歳頃から箸を使うことについて(問6)

 幼児に何等頃から箸を使ってほしいかを聞くと,3歳と答える保護者がもっとも多く,68 人(48%)に達している。中国の幼児たちは,そのほとんどが2歳〜5歳の問に箸使いを身 につけている。このことから見ると,現在の中国の保護者は箸の使い方を教える時期につ いて幼児期が最適だと考えていることが分かる。具体的なデータを図4−10に示す。

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20   40 人数(人)

60 80

図4−10 何歳頃から箸を使う

 8,箸使いと大脳の発達について(問7)

 幼児期から箸を使うことは幼児の大脳と協調性の発達に促進できると思いますかという 項目の答えについて,無回答が3人おり,答えた人の全てが促進できると答えた。

 9,幼児の箸使いに気が付いたことについて(問8)

 94人(66%)の保護者は,幼児の箸使いに対する考えを書いている。全体から見ると,

保護者たちは,幼児期から幼児に箸使いを習得することに対して賛成の意見を持っている。

保護者は,箸を使うことが中国の伝統的な食文化として次の世代に伝承されていくはずで,

中国では基本な生活習慣なので小さい頃から習得すべきであり,できるだけ幼児に箸を使 わせる,と述べている。また,手先が器用になり,幼児の脳の発達によい影響があると考 える保護者も多い。

 幼稚園でも幼児たちに箸使いの機会を与えたいと述べた保護者もいる。幼稚園の保育者 が幼児に箸の持ち方や箸使いのマナー等を伝えてほしい。家庭でも幼稚園でも一緒に箸使 いを促すなら,幼児は速く習得できると考える。

 また,保護者たちはいろいろな意見を述べた。例えば,練習箸やキャラクターがある箸 を幼児に買ったら,幼児が箸使いに興味を持つようになる,練習箸を使えば普通の箸が使 いにくくなる,幼児専用の箸があったらいい,大人が正しい模範を示せば,幼児によい影 響を与える,家庭で箸使いを習ったことがあるが,諦めた等である。

 一方,安全面の配慮による,幼児が好きになる時使わせればいいという意見もあった。