3. 中国政府が講じている違法伐採対策
3.2 森林認証における進展
3.2.1 中国森林認証制度開発の歴史
3.2.1.1 制度開発段階
2001 年:多方面の関係者が参加する非公式の中国森林認証に関するワーキング グループが5月に設置された。森林認証に関するあらゆる問題について広範囲に わたる議論が行われ、中国森林認証制度の開発が始まった。9月には国家林業局
(SFA)が中国森林認証作業指導グループ(Leading Group on Forest Certification Work in China)を設け、「国の条件および森林の条件に適合した国家森林認証制 度を設けて」、中国でのすべての森林認証作業を監視する森林認証の管理機関を 設置することをはっきりと決めた。この機関とは、SFAの科学技術開発センター
(Science and Technology Development Centre)の下にある森林認証部(Division of Forest Certification)である(現在は認証管理部(Division of Certification
Management))。これが中国森林認証制度開発の始まりであった。同年末、SFA
は CAF に森林管理認証基準の開発を正式に委託し、森林認証に関する能力構築 の作業も開始した。同年末には認証認可監督管理委員会(Certification and Accreditation Administration:CNCA)も正式に設置され、中国における一元的な 統一された認証および認定メカニズムの構築を示すものとなった。
2002年:SFAはCNCAによって始められた認証認可全国合同閣僚会議(National Joint Ministerial Conference on Certification and Accreditation)に参加し、中国森 林認証制度の開発が正式に国家的な統一認証・認定メカニズムに組み込まれるこ とになった。
2003年:6月、中国共産党中央委員会と国務院による林業開発促進決定(Decision to Accelerate Forestry Development)において、「森林認証作業を積極的に進め、
できる限り早めに国際慣行に従うよう努力する」ことが明確に定められた。これ は中国政府が森林認証作業を非常に重視していることを反映したものだった。同 年、SFAはCAFに加工・流通過程の管理認証基準の開発を委託した。
2004 年:森林認証作業は中央政府の財務予算に組み込まれた。森林認証作業に 対する中国政府の受諾と支援を示すものとなった。これと同時に森林認証に関す
る国際交流や協力も行われ始めた。
2005年および2006年:様々な森林所有形態、様々な森林経営モデル、様々な森 林気候をもつ、20 以上の省の代表的な森林経営体および林産物加工販売企業に おいて、森林認証に関する試験的作業が行われた。2つの森林認証基準について 試験し、森林認証に携わる人材を育成し、森林認証に関する経験を蓄積すること を目的としていた。
2007 年:SFA は 2 つの林業部門基準、「中国森林認証-森林管理(LY/T 1714-2007)」と「中国森林認証―加工・流通過程の管理(LY/ 1715-2007)」を 発表した。これは中国森林認証制度の開発と持続可能な森林管理の取組みが新た な科学的かつ標準化された開発の段階に入ったことを示すものであった。また同 年には、PEFCがPEFC中国オフィスを設置し、それ以来ずっと、中国の政府機 関と良好な協力関係を続けている。PEFC中国オフィスの主な機能と任務は以下 のとおりである。中国において持続可能な森林管理を支援し、促進すること。中 国市場においてPEFC認証に対する認識を高めること。PEFCの加工・流通過程 の管理認証を市場でのプロモーションおよびアクセスの効果的なツールとして 推進すること。中国の林業・林産業界との協力を強化すること。そして市場に PEFC認証の情報サービスおよび技術支援を提供することである。
2008 年:CNCA と SFA は共同で「森林認証作業遂行に対する見解(View of Carrying Out Forest Certification Work)」という政策文書を発表し、中国におけ る森林認証作業はCNCAとSFAの指導監督の下に行われることを明確にした。
これが中国森林認証制度の開始・正式運用を示すものとなった。同年、SFAは持 続可能な森林管理および森林認証標準化国家技術委員会(National Technical Committee of Standardization of Sustainable Forest Management and Forest Certification)を設置した。この委員会は、世界の主な標準化機関の森林認証標準 化の流れを追うことや森林認証の様々な基準開発の委託を始めとした、森林認証 に関する標準化の一元管理を主な役目とする。
2009年:CNCAとSFAは共同で「中国における森林認証実施規則(試行的実施)
(Implementation Rules for Forest Certification in China (Trial Implementation))」
という政策文書を発表し、中国での森林認証活動を正規のものにした。同年に最 初の森林認証団体、「Zhonglin Tianhe(北京)森林認証センター(Zhonglin Tianhe (Beijing) Forest Certification Centre)」が設立され、中国森林認証制度は正式に 運用開始した。同年にはこのほか、中国森林認証制度においてPEFCによる承認 作業も正式に開始した。
3.2.1.2 制度の運用段階
2010年:中国における森林認証作業に対する監督をさらに強化するために、SFA は中国森林認証作業指導グループを改めて設置し、同時に中国森林認証協議会
(China Forest Certification Council:CFCC)も設置した。同グループは運用お よび管理、広報宣伝、基準開発・承認、ならびにCFCCに代わっての国際交流や 協力への参加という役目を負う。「中国森林認証―森林管理認証に関する監査指 令 (Forest certification in China --- Audit directive on forest management
certification)」という森林部門基準が発表され、中国での森林管理認証の監査に
中国での森林認証の監査に当たる人材を育成するもので、中国における森林認証 にとって非常に重要なものである。SFAは「森林認証作業を迅速に進めるための 指針(Guidance to Rapidly Promote Forest Certification Work)」という政策文書 を発表し、森林認証作業の指針となる価値体系、基本原則、主要任務および開発 目標を明確に定義した。森林管理認証監査の試験的作業が実施されたのであるが、
森林管理認証基準の中国での適応性および実現可能性を試験することによって 改訂案や意見を出すことが狙いであった。
2011 年:「森林認証の積極的な実施と現代的な林業開発の促進」をテーマにし た展示会が SFA のオフィスビルで開かれ、中国の森林認証が広く宣伝広告され た。CFCCは PEFC のメンバーとなった。これは CFCC が国際的に承認される 重要な節目となるものである。CFCCは外部との窓口にもなる公式ウェブサイト を正式に立ち上げた。
3.2.1.3 制度の改善段階
2012 年:中国国家標準化管理委員会(SAC)は 2 種類の国家基準、「中国森林 認証-森林管理(GB/T 28951-2012)」および「中国森林認証―加工・流通過程
の管理(GB/T 28952-2012)」を発表した。中国森林認証ロゴの使用法を規則化
した、中国森林認証ロゴの使用ガイドラインが策定された。CFCCはPEFCに相 互承認申請文書を正式に提出した。森林認証監査人向けの2回目の研修が行われ、
森林認証監査人チームにさらに人材が投入された。
2013年:CFCCの利害関係者フォーラム会合が2回、それぞれ1月と7月に北 京と上海で開かれた。5月と8月には森林認証監査人向け第3回および第4回研 修が山東省と黒竜江省でそれぞれ行われた。7月には、森林認証研究や情報相談 サービスを担当するSFAの森林認証研究センター(Forest Certification Research
Centre)が中国林業科学研究院内に設置された。10月には2つの林業部門基準、
「中国森林認証-森林エコ・環境サービス―自然保護区(Forest certification in China --- Forest eco-environment services --- Nature reserve)(LY/T 2239-2013)」
と「中国森林認証-森林エコ・環境サービス―自然保護区監査指令(Forest certification in China --- Forest eco-environment services --- Audit directive for nature reserve)(LY/T 2240-2013)」が発表された。
2014 年:2 月 5 日、中国森林認証制度は PEFC から正式に承認された。CFCC にとっても中国森林認証制度にとっても最も重要な節目となった。8月には森林 認証に関する 12 の林業部門基準が発表された。「中国森林認証-非木材林産物 管理(Forest certification in China --- Non-timber forest products management)
(LY/T 2273-2014)」や「中国森林認証―竹材管理認証に関する手引き(Forest certification in China --- Guidance on bamboo management certification)(LY/T
2515-2015)」などである。中国森林認証制度の標準システムが基本的に構築さ
れた。
2015年:6月、CNCAとSFAは共同で「森林認証規則(Forest Certification Rules)」 という新たな政策文書を発表し、中国で森林認証を行うときの基準となるのは中 国森林認証の国家基準と森林部門基準であることを明確に定めた。また森林認証 機関の監督改善や森林認証市場の規制も強調している。この政策文書に基づいて、
中 国 合 格 評 定 国 家 認 可 委 員 会 (China National Accreditation Service for
Conformity Assessment:CNAS) は 改 訂 版 の 「 森 林 認 証 機 関 認 定 制 度
(Accreditation Scheme for Forest Certification Bodies)(CNAS-SC23:2015)」
を発表し、中国認証認可協会(China Certification and Accreditation Association: CCAA)」は改訂版の「管理システム監査人登録基準(Registration Criteria for Management System Auditors)(森林認証監査人を含む)」を発表した。これ ら2文書の発行は森林認証作業について科学的に指導し、森林認証活動を規制す る上で有効な役割を果たす。同年、CFCCは、中国がPEFCメンバーの中で2015 年に認証森林地域が最大に増加した国であることを確認する証明書を付与され た。
2016 年:CFCCは、中国が PEFC メンバーの中で 2016 年に加工・流通過程の 管理認証増加において第3位の国であることを確認する証明書を付与された。
ボックス3-2: CNCAおよびSFAによる「森林認証規則」
2.1 適用範囲:すべての森林認証機関および中華人民共和 国領土において森林認証活動を行うことを希望するその 他の組織は本規則に従うものとする。
3. 認証基準:森林認証は関係国家基準または森林部門基 準に基づくものとする。