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ドキュメント内 日本語教育のための文法用語 (ページ 86-89)

 「あげる/さしあげる」「もらう/いただく」「くれる/くださる」の使い 分けは,敬語の使い方と同じで,地位や年齢,親疎関係,会話場面などに影 響される。地位や年齢が上の人に対して,また,知らない人に対しては,「さ

しあげる」「いただく」「くださる」が用いられる。

 次の図は,話し手の「私」が与え手・受け手になる場合をもとに,「やる

/あげる/さしあげる」「もらう/いただく」「くれる/くださる」の使い分 けを図式化したものである。(矢印はものの移動の方向を表す。また,地位 や年齢が上の場合,および親密度の度合いが低い場合を「上の人」とし,地 位や年齢が下,あるいは親密さの度合いが高い場合を「下の人」とする。そ の中間を「対等の人」とする。)

さしあげる あげる

やる

上の人 対等の三 下の人

いただく

もらう

もらう

上の人 対等の人 下の人

上の人 対等の人 下の人

くださる くれる

くれる

家族,仲間など

上の図式は,次に述べる「動作のやりもらい」の場合にもあてはまる。

6.5.2動作のやりもらい

「あげる」ヂもらう」「くれる」が補助動詞として用いられた場合(「てあげ       一81一

る」「てもらう」「てくれる」),動作や受益・恩恵のやりとりを表す表現にな

る。

 ⑬ 森さんはりーさんにB本語を教えてあげた。

 勧 り一さんは森さんに(から)日本語を教えてもらった。

㈱ 張さんが私に中国語を教えてくれた。

 「てあげる/てもらう/てくれる」の敬語形が「てさしあげる/ていただ く/てくださる」になるのは,もののやりとりの場合と同じである。

 ドあげる」「くれる」と同様に,学習者は,「てあげる/てさしあげる」と

「てくれる/てくださる」を混同することが多い。

⑯*会社の課長さんは私達に少しずつ教えてあげました。(→くださいま  した)

「てやる/てあげる/てさしあげる」

1)受益・恩恵の与え手が主語であり,かっ与え手の立場にたって述べると きに用いる。上の人に対しては「てさしあげる」,下の人に対しては「てや る」を使う。近頃は「てあげる」の使用範囲が広がり,下の人に対しても

「てあげる」が使われることが多い。

 場合によっては,「てあげる/てさしあげる」は押しつけがましく聞こえ ることがあるので,注意が必要である。

働 駅まで送ってさしあげましょう。→駅までお送りしましよう。

㈱ お金を貸してあげます。→お金をお貸しします。

2)「てやる/てあげる/てさしあげる」をつけても,動詞がとる補語は基 本的にかわらない。ただし,⑳のように,単独では二格をとりにくい動詞が,

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「てやる/てあげる/てさしあげる」をつけることによって,二格をとるよ うになることがある。

(19)a.森さんがりーさんに日本語を教えた。

  b.森さんがりーさんに日本語を教えてあげた。

lle)a.森さんがり一さんを役所へ連れて行った。

  b.森さんはり一さんを役所へ連れて行ってあげた。

⑳ a.?森さんがりーさんにふとんをしいた。

  b.森さんがりーさんにふとんをしいてあげた。

学習者は,二格が使えないところで二格を使う間違いをしばしばする。

 ⑳*私はり一さんにいっしょに行ってあげました。(→と)

3)ヂ本を買ってあげます。」を「本を買って,そして本をあげる。」という ふうに誤解する学習者がいるので,注意が必要である。この場合,「あげる」

が「恩恵を与える」という抽象的な意味の補助動詞であることを理解させる 必要がある。

「てくれる/てくださる」

1)話し手以外の第三者(聞き手を含む)が,話し手や話し手の側に属する 人物に利益・恩恵を与えるときに用いる。

㈱ 事務の人が私達に説明してくれた◎

⑳ 先生が私にカタカナ語を教えてくださいました。

 fてくれる/くださる1を用いた文では,利益・愚恵の受け手(受益者)

が話し手の場合は,受益者は雀略されることが多い。また,「てくれるか/

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