2)外国人学習者は形容詞(特にイ形容詞)が活用することがなかなか理解 できない。ナ形容詞は「名詞+だ」と同じ活用であるが,陪詞+だ」では ヂだ」のみが活用するのと異なり,ナ形容詞では「親切だ」「きれいだ」が一 語として活用する。
英語の形容詞文は「be牽形容調」の形をとるが,次のように, be動詞は変 化するが,形容詞は変化しない。《→形容詞文,形容詞の活用》
This ball is big. このボールは大きい。
This ball is not big. このボールは大きくない。
The ball was big, このボールは大きかった。
The ball was not big. このボールは大きくなかった。
She is kind. 彼女は親切だ。
She is not kind. 彼女は親切ではない。
She was kind. 彼女は親切だった。
She was not kind. 彼女は親切ではなかった。
一一方,比較表現において,英語では形容詞が変化するが,日本語の形容詞 は変化しない。
This ball is bigger than that one. このボールはあのボール より大きい。
This ball is the biggest among three. このボールは3っの中で 一番大きい。
She is kinder than he. 彼女は彼より親切だ。
She is the kindest of three. 彼女は3人の中で一番親 切だ。
これらの日本譲と英語の形容詞の違いは,特に欧米系の学習者には留意し
一6e一
ておきたい点であるQ
3)形容詞と名詞,そして,イ形容詞,ナ形容詞,「名詞」は異なるものであ るが,連続的な部分も持つ。次の語は名詞だろうか形容詞だろうか。
【問題】次の語は名詞,イ形容詞,ナ形容詞のいずれかを考えてください。
!.健康 2.病気 3。禿気 4.味 5.きれい
躍:鍵須ぞ 9
門出 セ聖呈最須手 鴎駐 e
座窃 ビ匡曇昆須4題呈野 マ1
【剥
その語が名詞としての資格を備えているか否かは,その語が単独で主語に なりうるかによる。ザ健康」は,「健康な体に健全な心が宿る。」のようにナ 形容詞である一方で,「健康が一番ですね。」のように主語になることができ
る。「元気」は「健康」と同じで,「もう続ける元気がない。」「元気な子供」
のように,名詞とナ形容詞の働きを持つ。
ヂ病気」は,「変な病気がはやっている。」のように主語になることはでき るが,「病気な人」とは言えないので,名詞である。
「味」は,「この料理は味がいい。」として使われることからもわかるよう に,名詞である。コマーシャルで「味なことやる…jとナ形容詞的に使われ,
一61一
それが新鮮に聞こえ,一時期流行ったことがある。「きれい」は「味」とちょ うど逆でナ形容詞であるのに,「きれいが一番。」のように名詞として使われ,
それがまたコマーシャルやコピーでしゃれた雷い方として使われている。
次のAは,イ形容詞であるのに連体修飾形で「一い」「一な」両方を持つ もの,Bは「名詞+の」であったものがイ形容詞として使われているもので あるQ
A 大きい声
大きな声 B 茶色の鞄 茶色い鞄小さい赤ちゃん 小さな赤ちゃん 黄色のハンカチ 黄色いハンカチ
暖かいストーーブ 暖かな雰囲気
ピンクのリボン
*ピンクいリボン
「ピンクい」は若い女性が使っているのを時々聞くが,限られた使い方で
ある。
複数の形容詞を用いて,あるもの・ことを述べるとき,それらの形容詞の 順序に一定の決まりがあるのだろうか。
【問題】次の六つの中でどれが一番自然に感じるか考えてください。
1.このりんごはおいしくて,大きくて,赤い。
2.このりんごは大きくて,おいしくて,赤い。
3.このりんごは大きくて,赤くて,おいしい。
4.このりんごは赤くて,大きくて,おいしい。
5.このりんごは赤くて,おいしくて,大きい。
6.このりんごはおいしくて,赤くて,大きい。