第 2 章 モンゴル国の現状と問題の把握
5 フライアッシュ
5.8 フライアッシュをコンクリート混和材として使用した場合の利点と課題
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使用しないコンクリートと比較し、約半分近くの二酸化炭素量を削減することが可能とな る。
5.8.2 フライアッシュを混和材として使用したコンクリートの長期強度の向上
図2.37 にフライアッシュを混和材として使用したコンクリートの長期強度を示した 130 。
横軸が材齢、縦軸が圧縮強度を表しており,青がフライアッシュを混和材として使用してい ないコンクリート,赤がフライアッシュを混和材として使用したコンクリートである。材齢 28 日までの初期の段階ではフライアッシュを混和材として使用したコンクリートはフラ イアッシュを混和材として使用しないコンクリートと比較し、圧縮強度は低くなる傾向を
130 日本フライアッシュ協会ホームページ, 入手先〈http://www.japan-flyash.com/images/fconcrete_06.gif〉, 参 照 2015-11-13
出典) 日本フライアッシュ協会 HP,入手先〈http://www.japan-flyash.com/images/fconcrete_06.gif〉より著者作成
図2.37 フライアッシュを混和材として使用したコンクリートの長期強度の違い
10 20 30 40 50
0 100 200 300
Compressive strength (MPa)
Age (day)
Normal FA cement
・水セメント比(50 %)
・スランプ5cm
・水中養生
28 日
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示したが,材齢 28 日以降ではフライアッシュを混和材として使用したコンクリートの強 度が高くなっていることがわかる。
5.8.3 膨張・ひび割れの抑制効果
図2.38 に膨張,ひび割れ抑制のメカニズムについて示した 131 。まず,簡単にアルカリ
骨材反応について紹介する。アルカリ骨材反応とはコンクリート中でアルカリと骨材が化 学反応することにより発生する膨張性のゲルが生成し,ひび割れ等に繋がる反応である。
しかし,フライアッシュを混和材として使用することで,ポゾラン反応により水酸化カル
131 A. M. Neville, 前掲載書,p.184
出典) A. M. Neville,『ネビルのコンクリートバイブル』より著者作成
図2.38 膨張,ひび割れ抑制のメカニズム
Na2O, K2O
膨張
ひび割れ
骨材中の弱い面 や空間にアルカ リ-シリカゲルが生成する これが骨材とまわりを取
り囲む水和セメントペー ストを破壊する
Ca(OH)2の影響で高pH
Ca(OH)2と反応 (Ca(OH)2 を 消費)
FA
CSH 生成
pH の 低下により,反応性骨材の減少
膨張,ひび割れの抑制
骨材
セメント中のアルカリ類が骨材粒
子表面 (ケイ酸質鉱物など) に作用
する
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シウムが消費され、pHの低下が起こる。その結果、反応性骨材量が減少し、アルカリ骨材 反応の抑制につながり,膨張・ひび割れの抑制に繋がる。
5.8.4 コンクリートの流動性,化学抵抗性の向上効果
フライアッシュ粒子は球形であるため,ボールベアリング効果による摩擦の低下による 流動性の向上効果,さらに,流動性の向上により単位水量を減らすことが可能となり,コン クリートの強度の向上が可能となる。また「5.7フライアッシュとセメントの化学反応」で 述べたポゾラン反応によって安定な化合物が生成し,コンクリート内の空隙を埋め,緻密な 組織を形成することによる収縮率の低下,水密性や化学抵抗性の向上効果がある 132 。 しかし,フライアッシュを混和材として使用する際の課題も存在する。
5.8.5 コンクリートの初期強度の低下
図2.34, 図2.35 に示したように,ポゾラン反応はフライアッシュとセメントの水和反応
で生成した水酸化カルシウムとの反応であるため,セメントの水和反応が進行し,水酸化カ ルシウムが生成しない限り、反応は進行しない。さらに,フライアッシュを添加することに よりセメント量も低下するため,初期強度が低下する。
5.8.6 フライアッシュの特性変動の影響
表2.19 に示したようにモンゴル産フライアッシュの特性の変動は大きく,同じ炭鉱の石
炭,発電所から発生したフライアッシュを混和材として使用し,コンクリートを製造した場 合においても強度は様々な値を示す。図2.39 に採取日の異なるフライアッシュを混和材と して使用したコンクリートの圧縮強度試験結果を示した。横軸が材齢、縦軸が圧縮強度であ
り,SV 1,SV 2は同じShivee ovoo フライアッシュであるが,採取日が異なるフライアッシ
ュである。
図2.39 の結果からも明らかなように混和材として使用するフライアッシュにより,コン
クリートの圧縮強度は異なる値を示す。さらに,Shivee ovoo フライアッシュのように同一 の炭鉱の石炭からのフライアッシュであっても採取する日時によって化学成分等に違いが 生じるため,コンクリートの圧縮強度も異なる値を示す。
132 日本フライアッシュ協会 HP,入手先〈http://www.japan-flyash.com/fconcrete.html〉,参照2015-11-13
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