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パドル展開を模したモデル

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8. 実際の展開宇宙構造物を模したシミュレーション例

8.1. パドル展開を模したモデル

Fig. 8-1に示す形状の三角形パドルを,Fig. 8-2のように収納した状態から展開させる解析を行った.

節点①は完全拘束し,節点②と③をz方向に強制変位させる展開方法とした.詳細な解析条件はTable 8-1 に示す.展開を行った結果の応答コンター図をFig. 8-3に示す.最終的にはFig. 8-4に示す形となった.

また,運動中に現れた座屈モードの個数をFig. 8-5に示した.全部で21自由度の系であるが,座屈モー ドは最大で4個表れるにとどまった.DF値はそれぞれの座屈モードに対して計算されるが,そのうち最 小の値を見ることによって最も座屈しやすい状況を観察することができる.そのDF値に対応するBD値 は各節点に対して値を持つベクトル量であるが,その成分のうち最大の値を見ることによって最も大き な節点変位を観察することができる.これに基づき,最小DF値の推移をFig. 8-6,Fig. 8-7に,最大BD 値の推移をFig. 8-8に示した.Fig. 8-7は,Fig. 8-6の縦軸の最大値を1.4×10-3[N]とした拡大図である.

Fig. 8-3,Fig. 8-5から見られるように,座屈モードはずっと出続けるのではなく,時折現れてまた出なく

なる,というものであった. Fig. 8-6,Fig. 8-7を見ると,DF値は概ね0.7×10-3[N]までの値で分布してい

るが,Step3700を超えたあたりから急激に大きな値を取っている.Fig. 8-8を見ると,Step3700以降は比

較的小さい値を取りつづけている.即ち,Step3700 以降,展張に近づくほど構造形状が安定化していく という傾向が得られた.Step3700 以降の応答形状は,展開後のフラットな形状に近くなっており,いわ ば全てのヒンジが開いた状態に近いため,大変位が生じにくい.よってこの結果は妥当なものであると 考えられる.Step3700 より前は,一部のヒンジが閉じた状態に近く,それらのヒンジが開くことに伴う 節点変位が,既に開いた状態に近いヒンジに飛び移り座屈を起こさせるような現象が起こり得ることが 考えられる.即ち,展開中の至る所でヒンジがばたつくような振動を起こし得ると考えられる.しかし,

Fig. 8-8から分かる通り,剛なパドルでは座屈変位が小さい.また,実機のヒンジにはガタや摩擦力が存

在するため,飛び移り座屈を起こさない場合もあると考えられる.よって剛なパドル展開は構造座屈が 起こったとしても,それが短時間で大きく構造形状を変えるような影響は及ぼさないと言える.

Fig. 8-1 パドルの形状モデル

Fig. 8-2 収納時と展開後

Stored Deployed

Table 8-1 パドルの解析条件

パラメータ 記号 数値 単位

時間刻み幅 dt 5×10-4 [s]

ヤング率 E 70 [GPa]

密度 ρ 2.7 [g/cm3]

部材断面積 A 4×10-8 [m2] 強制変位の増加率 ⊿z 1.5×10-2 [m/s]

圧縮剛性係数 α 1 [-]

展開条件

1ステップあたり⊿zずつ、

節点②と③をz方向に 強制変位させる

Step 4

Step 600

Step 1200

Step 1816

Step 2680

Step 2976

Step 4000 Step 3600

Fig. 8-4 パドル展開後の形状

Fig. 8-5 出現した座屈モードの数

0 1 2 3 4 5

0 1000 2000 3000 4000

座屈モ ードの個数

Step

Fig. 8-6 最小DF値の推移

Fig. 8-7 最小DF値の推移の拡大図

0 50 100 150 200 250 300 350

0 1000 2000 3000 4000

最小 DF 値 [N ]

Step

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4

0 1000 2000 3000 4000

最小 DF 値 [ × 10 -3 N]

Step

Fig. 8-8 最大BD値の推移

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