F127 thermal
4.6.5 バイオセンサーへの応用としての ELISA 法
作製した各MPS薄膜におけるELISA反応の感度の違いをFig.4.6に示す.
P123VUV処理膜が最も高い感度を示した.一方,P123熱処理膜は,メソ細孔を有し
ていないSiO2薄膜と同程度の感度を示した.
VUV処理膜において,最も高いELISA感度を示した.このELISA感度は,均一細孔 配列に起因しているものと考えられる.4.6.4の結果から,Protein Aがメソ細孔内に捕 捉さえているため,均一細孔配列を有するVUV処理膜においては,Protein Aが均一に 配列していると考えられる.Protein Aが均一に配列することにおって,一次抗体である IgGも均一に配列することになる.このProtein A及びIgGが均一に配列することによ って,一次抗体吸着後に行った抗原との反応において,一次抗体と抗原の間で起きる抗 原抗体反応が効率的に行うことができたために,高い ELISA 感度に寄与していると考 えられるからである.一方,熱処理膜においては,メソ細孔を有してはいるが,Protein A がメソ細孔以外の SiO2膜状に吸着し固定化されているために,一次抗体が均一に配 列することがなく,効率的な抗原抗体反応を行うことができずに SiO2薄膜と同程度の 感度を示す結果になったと考えられる.
4.6.6 DFM による薄膜表面でのタンパク質吸着状態の検討
SiO2薄膜及び P123VUV 処理膜に対する DFM によるタンパク質吸着状態の結果を
Fig.4.7に示す.また,RMS及び高低差をTable 4.4にまとめる.
タンパク質吸着状態でのSiO2薄膜のRMS及び高低差は,それぞれ4.7 nm及び17.5 nm であった.一方で,タンパク質吸着状態でのP123VUV処理膜の RMS及び高低差は,
それぞれ3.5 nm及び19.5 nmであった.また,SiO2薄膜と比較してP123VUV処理膜は,
一定間隔で凹凸が観察された.
DFM によるタンパク質吸着状態の確認において,SiO2薄膜及び P123VUV 処理膜 のRMS及び高低差は,ほぼ同程度の値を示した.RMS及び高低差がほぼ一致している ことから,SiO2薄膜及びP123VUV処理膜の両薄膜上においてProtein A-IgG結合が起 きていると考えられる.しかしながら,SiO2薄膜と比較してP123VUV処理膜は,一定 間隔で凹凸が観察された.これは,IgGが均一に配列していることに起因すると考えら れる.IgGが均一に配列することによって,一次抗体と抗原の間での抗原抗体反応が効 率的に起きたために,高いELISA感度に起因したと考えられる.
0
0.05 0.1
0.15 0.2 0 20 40 60 80 100 120 Antig en c onc entra ti on (n g )
Absorba nce
S iO2 薄膜 P 123VU V 処理膜 P 123 熱処理膜
Fig.4.6 MPS薄膜上でのELISA感度の違いFig.4.7 DFMによるタンパク質吸着の確認の結果を示す.
(a) SiO2薄膜(a) P123VUV処理膜.
SiO2薄膜 P123VUV処理膜
RMS (nm) 4.7 nm 3.5 nm
高低差 (nm) 17.53 nm 19.48 nm