至る所にリボンをあしらった光沢のある様々な色の厚地のカーテン、天井にはピンクが かったブルーの補助照明、壁には仏教のイコンやタイ風のレリーフ、中国の彫像などが掛 かっている。逆にソファーはヨーロッパ風で、革の代替品の張られた端正な木製テーブル は、西側の雰囲気を醸し出している。2008 年 7 月にオープン。
2009 年の見通し
モスクワでは 2009 年は、国際的なホテル・チェーンによる新規ホテルの建設開始予定は ない。2008 年 9 月以降、新規ホテル事業は停滞し、多くの資金があると語っていたデベロ ッパーたちでさえ活動を休止した。経済が回復する時期まで棚上げされたのである。した がって、2009 年中に、尐なくとも国際的なホテル・チェーンの管理のもとで新規ホテルの 建設を開始することは考え難い。しかし、既に着工されたホテル建設事業に深刻な影響を 与えていない。
3) ハイランクホテル及びレストランのインテリア(ハウスウェアを含む)の傾向
や質、デザインによる。
ホテル用の家具は、家庭用の家具と特質が異なる。ホテル向け家具の生産している企業 も多い。ホテル用家具は堅固で耐久性があり、衛生的でなければならず、その構造は客室 のメンテナンスを妨げるものであってはならない。表面は汚れや湿気がたまるのを防ぐよ うに滑らかで、脚は高く、ほこりのたまるような細かい部品がついていてはならない。
一部の家具工場は、ホテル用家具の生産を始めた企業がある。例えば、 Samarskaya Mebelinaya Kompaniya は、2 年前にはオフィス用家具に特化していたが、今では 1~3 つ星 クラスのホテルの家具を生産している。Rolat (www.rolat.ru) は、ホテル・レストラン用 の家具の生産、リフォームや取り付けを行っている。同社の製品は、端正でエレガントな ライン、落ち着いたトーンが特徴的である。これまでに Radisson Slavyanskaya、Mariott Tverskaya、Grand Hotel Mariott、Belgrad、Moskva などのホテルを手がけた。ホテル用家 具分野でも大手の Feliks は、顧客にホテル用家具一式で多様なバージョンを提案している。
同社は Berlin や Moskva(以上モスクワ)、Sovetskaya(サンクトペテルブルク)などを手 掛けた。
家具会社は提供するサービス分野を拡大している。ホテル用家具メーカーの大部分は、
発注者の希望に応じて客室ないしはホテル全体に家具を取り付け、完成した状態で引き渡 すこともしている。つまり、生地や付属品、照明を含む内装をセットで施す。そのために 関連製品メーカーとのパートナー関係が強化されている。
最高クラス
ロシアと西側諸国における 5 つ星ホテルの内装のアプローチは同じではない。歴史的場 所、城や宮殿に立地する一流のヨーロッパホテルは具体的時代の様式(ゴシック、ルネッ サンス、バロック、ロココ)で内装が行われている。しかし 5 つ星ホテルが現代的建物に 入っていれば、その家具はごくシンプルなものになりうる。
ロシアの高級ホテルは、高価で独創的な家具(輸入物が多い)を強調しようとする。現 在イタリアとスペインが家具デザイン分野のリーダーとして見なされているほか、ドイツ とオーストリアの製品の需要がある。しかし最も厳しい要求に応える製品を生産する国内 メーカーもある。
高級ホテル用の家具は、貴重な種類の木、薄い化粧版から作られている。繊細なデザイ ンに彫刻、はめ込み細工などの家具はしばしばオーダーメードで作られている。高級ホテ ルは、自らの個別の様式を表現しようと努めており、大量生産される家具はふさわしくな い。5 つ星・4 つ星ホテルはクラシックなデザインを好む。この様式は時代遅れになること はなく、宿泊客の大部分の好みを満足させることができ、奇をてらった潮流のように不快 感を呼び起こすこともない。逆に、エキゾティックなデザインは信頼されていない。
ビジネスクラスのホテルは、主に出張のビジネスマンのためのホテルである。家具は多 機能で、1 つの部屋が寝室とキャビネット、客間の役割を果たしている。端正な幾何学ライ ンの落ち着いた卖純なデザインが多い。こうしたホテル向けの家具は、メラミン、ラミネ ート、プラスチック、PVX(プラスチック)や DSP(木材チップ)、MDS から作られている。
多くの点で素材がデザインを決める。耐久性や機能性と並び、ホテルの家具にはもう 1 つ 重要な要素がある。特にリーズナブルなホテルには重要な点で、コンパクト性である。客 室に家具を備えるだけでなく、宿泊客が移動するための空間を残しておくように配慮しな ければならない。自由な空間は、必要不可欠な快適さの一要素である。
ホテル用家具を製造する会社は、普通、在庫方式とオーダーメードの発注という 2 つの 方面で活動している。在庫方式はいくつかの家具のコレクションの設計と製造を前提とし ており、顧客はその中から自分に必要なものを選ぶことができる。倉庫から既製の家具を 買い付けるのは通常 3 つ星かそれ以下のホテルである。ハイクラスのホテルは、自前の下 絵に基づいて家具を発注することが珍しくない。もっともメーカーは、既製のコレクショ ンのユニットを各ホテルの具体的ニーズに合わせることができる。在庫にある要素が顧客 に提案され、発注者はそれらを価格の目安にすることができる。通常 70%が倉庫から納品 され、個別ユニット、特に周辺ユニットは、サイズに応じて作り直される。このため、一 般的に組み合わせで発注が行われる。
ホテル用家具を生産するどの工場も、自社製品に保証をつけている。保証期間は様々で あるが、多いのは 2~3 年、最低 1 年、最高 10 年である。
4) モスクワの高級日本食レストランのハウスウェア及び家具の傾向
当然のことながら日本の雰囲気を感じることができる用品が使用される。日本風のイン テリアの特徴は洗練さと簡素さを兼ね備えた家具で、自然な素材が使われている。衝立て や畳は、レストランの空間を区分けし、また装飾としても使われる。日本風のインテリア デザインは、簡素さと非対称が特徴である。モスクワでレストラン用の設備を供給する主 要 な 会 社 は Dzhap-Ay ( モ ス ク ワ 、 www.japanichiban.ru) と TAKARA Moskva (www.takarafish.ru) である。
大型レストランでは、しばしば複数のスタイルがゾーンごとに使われていることがある。
ロビーはあるスタイルで内装され、ホールは(ホールが複数ある場合)、それぞれのスタイ ルで内装されるといった具合だ。これは潜在顧客層の幅の拡大を可能にする(通常ホール のオリジナルのデザインは、そこで出される料理でサポートされる)。個別の材料と装飾の 対象が幅広く選択できることになる。
和風スタイルに特有のインテリアの基本ルールとして挙げられているのは、
1. 形の卖純さ。インテリアの全ての要素は幾何学的な形を持つが、ミニマリズムの特徴は 装飾や余分な飾りがないことである。
2. モノトーン。ミニマリズムの様式で内装を行う場合には 1 つの色を使うことが必要だ。
このスタイルで最も多いのが白、黒、グレーで、時々クリーム色やそれを基調とした色調 も見られる。現在ミニマリズムは変化しており、厳格な規則はなくなりつつあり、何らか の明るい要素を用いることも許されている。
3. レンガ、コンクリート、木や漆喰などのありふれた天然素材の使用。またガラス製品も インテリアの中によく調和する。装飾が全くないことから素材が吟味されることになる。
本質的にあらゆる家具そのものが装飾になるからだ。鉄鋼やクロムと軽い木材の組み合わ せなどの材質の遊びもすぐれた処理法となるだろう。