7. サンプル間隔が 0.002 秒より長い場合、データは実験間に転送できます。最大 64 K のデータポ イントは各ステップで許容されます。サンプル間隔は自動的に最適範囲のデータポイントに調
4.6 ノーマルパルスボルタンメトリー (NPV)
これらパルステクニックのポテンシャル波形は図
4-12
に 示します。これはパルス間での初期値に戻る電位と振幅が増 加する一連のパルスから構成されます。もし初期電位が酸化 還元電位より十分正であるなら、小さい振幅パルスの印加で はファラディー反応を起こせず、電流応答がありません。パ ルスポテンシャルが酸化還元電位付近にくるくらい、パルス 振幅が十分に大きい時、パルスに対応したファラディー 反応(適度に速い電子移動速度を仮定して)が起きます。そしてこ のファラディー電流の大きさは拡散速度と電子移動速度の両 方に依存します。パルスポテンシャルが酸化還元電位より十 分負になり電子移動が速く起こるとき、ファラディー電流は
拡散速度だけに依存するようになります。 即ち、限界電流に達します。この電流応答を図
4-13
に示し ます。シグモイド波形は古典的なポーラログラフィー実験で得られる波形曲線に類似しています。この 方法に対してノーマルパルス法と呼ぶのはそのためです。NPVの限界電流はSCV
より大きく、より高 感度なテクニック(30μA/ mM)であり、低い検出下限(10
-6M)が得られます。
微分パルスボルタンメトリー (DPV)
DPV
テクニックは先の2
つのテクニックと異なり、電流 は各パルス間隔で二度サンプリングされます。ポテンシャル 波形は図4-14
に示します。パルス振幅は一定であり、ベー スポテンシャルが小さなステップで増加します。即ち、階段 状波形に小さい振幅パルスを重畳しています。電流はパルス前(i)とパルスの終了時(i)でサンプリ
図4-13. NPV /Pの典型的な電流応答
図4-12. NPV /Pのポテンシャル波形
NPV では、初期電位はファラディー反応が起こらない値に設定します。
52
状の出力が得られます(図
4-15
参照)。DPVの感度はNPV
とSCV
の中間です(20μA / mM)。しかしDPV
の検出下限はバックグラウンド(容量性)は10
-7M
以下になります。図4-13. DPV の典型的な電流応答
4.6.1 階段波ボルタンメトリーパラメータ
階段波ボルタンメトリーパラメータのダイアログボックスを示します。
実験パラメータ、範囲、詳細は次の通り
注
:
1.
初期電位と最終電位は少なくとも0.01 V
離して下さい。2.
サンプリング幅はステップ期間の1/2
以下です、さもなければシステムは自動的にサンプリ ング幅を再調整します。3.
データサンプリングは各ステップの終了時に行います。4.
第2電極をスキャンに設定した場合、電位は第一電極と同じになります。独立していません。パラメータ 範囲 内容
初期電位 (V) -10 〜 +10 初期電位 最終電位 (V) -10 〜 +10 最終電位
電位増加分 (V) 1×10-3 〜 0.05 各ステップの増加分電位 セグメント 1 〜 10,000 スキャンセグメントの数
サンプリング幅 (Sec) 1×10-4 〜 50 各ポイントのデータサンプリング幅 ステップ期間 (Sec) 0.001 〜 50 ポテンシャルステップ期間または滴下時間 静止時間 (Sec) 0 〜 100,000 ポテンシャルスキャン開始前の静止時間 感度 (A/V) 1×10-12 〜 0.1 感度スケール
電極2:
電位 (V) -10 〜 +10 第2作用電極の電位 感度 (A/V) 1×10-12 〜 0.001 第2電極の感度スケール
ON チェックまたは未チェック セカンド作用電極を定電位にする Scan チェックまたは未チェック 第二電極をスキャンする
54
4.6.2 微分パルスボルタンメトリーパラメータ
実験パラメータ、範囲、詳細は次の通り
注
:
1.
初期電位と最終電位は少なくとも 0.01 V離して下さい。2.
パルス幅はパルス期間の1/2
以下にします。さもなければ、システムは自動的にパルス幅を再 調整します。3.
サンプリング幅はパルス幅の1/2
以下にします。さもなければ、システムは自動的にサンプリ ング幅を再調整します。4.
パルス方向が電位スキャン方向と異なった場合、振幅がマイナスになります。5.
第2電極をスキャンに設定した場合、電位は第一電極と同じになります。独立していません。6.
チャンネル1、2
は同時に電流サンプリングを行いません。電流1
は最初のサンプリング幅の1/2
をサンプリングし、電流2
は後半のサンプリング幅の1/2
をサンプリングします。微分パルスボルタンメトリーパラメータダイアログボックスを示します。
パラメータ 範囲 内容
初期電位 (V) -10 〜 +10 初期電位 最終電位 (V) -10 〜 +10 最終電位
電位増加分 (V) ±0.001 〜 ±0.05 各ポイントの電位増加分 振幅 (V) 0.001 〜 0.5 ポテンシャルパルス振幅 パルス幅 (Sec) 0.001 〜 10 ポテンシャルパルス幅 サンプリング幅 (Sec) 1×10-4 〜 10 データサンプリング幅
パルス期間 (Sec) 0.01 〜 50 ポテンシャルパルス期間または滴下時間 静止時間 (Sec) 0 〜 100,000 ポテンシャルスキャン開始絵の静止時間 感度 (A/V) 1×10-12 〜 0.1 感度スケール
電極2:
電位 (V) -10 〜 +10 スキャンしない場合、第2作用電極の電位 感度 (A/V) 1×10-12 〜 0.001 第2電極の感度スケール
ON チェックまたは未チェック セカンド作用電極を定電位にする Scan チェックまたは未チェック 第二電極をスキャンする
4.6.3 ノーマルパルスボルタンメトリーパラメータ
ノーマルパルスボルタンメトリーパラメータダイアログボックスを示します。
実験パラメータ、範囲、詳細は次の通り
:
注
:
1.
初期電位と最終電位は少なくとも 0.01 V離して下さい。2.
パルス幅はパルス期間の1/2
以下にします。さもなければ、システムは自動的にパルス幅を再 調整します。3.
サンプリング幅はパルス幅の1/2
以下にします。さもなければ、システムは自動的にサンプリ ング幅を再調整します。4.
第2電極をスキャンに設定した場合、電位は第一電極と同じになります。独立していません。5.
チャンネル1、2
は同時に電流サンプリングを行いません。電流1
は最初のサンプリング幅のパラメータ 範囲 内容
初期電位 (V) -10 〜 +10 初期電位 最終電位 (V) -10 〜 +10 最終電位
電位増加分 (V) 0.001 〜 0.05 各ポイントの電位増加分 パルス幅 (Sec) 0.001 〜 10 ポテンシャルパルス幅 サンプリング幅 (Sec) 1×10-4 〜 10 データサンプリング幅
パルス期間 (Sec) 0.01 〜 50 ポテンシャルパルス期間または滴下時間 静止時間 (Sec) 0 〜 100,000 ポテンシャルスキャン開始絵の静止時間 感度 (A/V) 1×10-12 〜 0.1 感度スケール
電極2:
電位 (V) -10 〜 +10 スキャンしない場合、第2作用電極の電位 感度 (A/V) 1×10-12 〜 0.001 第2電極の感度スケール
ON チェックまたは未チェック セカンド作用電極を定電位にする Scan チェックまたは未チェック 第二電極をスキャンする
56
4.6.4 微分ノーマルパルスボルタンメトリーパラメータ
システムは微分ノーマルパルスボルタンメトリーパラメータを表示します。
実験パラメータ、範囲、詳細は次の通り
:
パラメータ 範囲 内容
初期電位 (V) -10 〜 +10 初期電位 最終電位 (V) -10 〜 +10 最終電位
電位増加分 (V) 0.001 〜 0.05 各ポイントの電位増加分 振幅 (V) 0.001 〜 0.5 ポテンシャルパルス振幅 1次 パルス幅(Sec) 0.001 〜 0.02 第一次パルス幅
2次 パルス幅 (Sec) 0.001 〜 0.02 第ニ次パルス幅 サンプリング幅(Sec) 0.001 〜 5 データサンプリング幅
パルス期間 (Sec) 0.05 〜 50 ポテンシャルパルス期間または滴下時間 静止時間 (Sec) 0 〜 100,000 ポテンシャルスキャン開始前の静止時間
感度(A/V) 1×10-12 〜 0.1 感度スケール
初期電位でのオープン回路 チェックまたは未チェック ステップ1は一定電位または静止電位に保持
注
:
1.
初期電位と最終電位は少なくとも 0.01 V離して下さい。2.
微分ノーマルパルスボルタンメトリーの場合、第一次ステップのパルスは電気化学反応が起こ らない、通常初期電位に保持します。第二次ステップがサイクル毎に増加されます。電流サン プルは期間の後半部分で行われます。三度目の電位が第二ステップのように増加されますが、一定強度