7. サンプル間隔が 0.002 秒より長い場合、データは実験間に転送できます。最大 64 K のデータポ イントは各ステップで許容されます。サンプル間隔は自動的に最適範囲のデータポイントに調
4.13 インピーダンス(IMP)
84
インピーダンス測定の最も難しい面の1つは実験データの解釈です。 基本的な考え方は電気化学セ ルを電子回路の等価回路でおきかえられるというところにあります。 例えば、界面領域は静電容量
C
dl のコンデンサーに似ています。また作用電極と比較電極間の未補償溶液抵抗R
uがあります。モデル化 した電気化学セルの他の構成要素には電子移動(ファラディーインピーダンス)と拡散物質移動(Warburg インピーダンス)を含みます。ファラディーインピーダンスの理論的裏づけは次のようになります。 もし印加電圧(A.C振幅)が小
さい(約
5/n mV,
nは移動電子数)ならば、印加電圧と電流応答間は直線関係です。即ち、I=E/Rfとなり、Rfはファラディーインピーダンスです。Rfは電子移動速度の逆数に比例します。の小さい方の切片 は
Z'=R
u 、大きい方の切片はZ'= R
u+R
fになります。半円形の最大-Z"
値に対応する周波数は1/R
uC
dlに 等しくなります。従って、この簡単なRC
回路の3つの構成要素はインピーダンス測定から算出されます。右図のモデルは電気化学の挙動が電子移動速度によって支配される(即ち、電子移動速度が遅い)場合 に対応します。電気化学反応が拡散支配されている
もう一方の極端な場合、Nyquistプロットは勾配
1
の直線になります。中間の場合はNyquist
プロット 高周波数で半円(反応速度支配)に 、 低周波数にお いて直線(拡散支配)に変化します。即ち、異なる 支配過程が1回の実験で検出されます。Nyquist
プロットは一般的に最も多くのデータ表示に使われる方法です。Bodeプロットは Nyquist プ ロットより分解能が良いので、もし系を支配する過 程が
1
つ以上ならば、有用です。インピーダンスプロットは多くの情報が得られますが、非常に複雑であり、説明するのが難しいことがあります。例えば、
Nyquist プロットでは、1つ以上の半円が存在することがありますし、正の象限にないことが多いのです
。インピーダンス測定は広く電子移動速度の研究、例えば、腐食やバッテリーの研究に使用されてきま した。また 、 電極表面上の電気化学活性ポリマーフィルムを流れる電子の移動速度を測定するために使 用されています。
図4-45.典型的なNyquistプロット
4.13.1 交流インピーダンスパラメータ
交流インピーダンスパラメータダイアログボックスを示します。
実験パラメータ、範囲、詳細は次の通り
パラメータ 範囲 内容
初期電位 (V) -10 〜 +10 初期ポテンシャル 高周波数 (Hz) 0.001 〜 100,000 高周波数リミット 低周波数 (Hz) 0.0001 〜 10,000 低周波数リミット 振幅 (V) 0.00001 〜 0.7 交流振幅
静止時間 (Sec) 0 〜 100,000 ポテンシャルスキャン開始前の静止時間 自動感度スケール設定 Select 自動またはマニュアル
測定モード FT-Single-Galv 100 Hz以上での測定モードの選択
Avrg( 1K 〜 1 MHz) 0.1 〜 4 平均ファクター
Avrg( 1 〜 999 Hz) 1 〜 256 平均ファクター
サイクル(0.1 〜 1 Hz) 1 〜 25 各周波数でのサイクル数
サイクル (0.01 〜 0.1 Hz) 1 〜 25 各周波数でのサイクル数
86
注
:
1. 100 Hz
以上の場合, 電流と電圧はインピーダンスを計算するために測定します。10
倍単位当りの12
周波数成分を測定します。フーリェ変換の場合、各測定は周波数範囲の10
倍をカバーします。100 Hz
以下の場合、電流のみ測定されます。印加電圧は予備の位相シフトはなく、正確と考えられます。
2.
直流電流が高く、交流電流が低い場合、直流電流のオーバーフローにより感度は増加しません。周波数が低い場合、問題は深刻です。直流電流バイアスを適用し、高交流信号増幅を行います。
この目的のために
16 bit DAC
が用いられます。直流電流が大きくなく、周波数が高い場合、バイ アス直流電流を使用する必要はありません。3.
電源周波数は測定に干渉します。1〜100 Hz
間で長い測定を行う場合、任意の周波数範囲のデー タ品質を向上します。4.
感度スケールのデフォルト設定は自動になります。計測中、システムは電流サイズを試験し、最 適な感度スケールを調べます。それは通常良く働きます。感度スケール設定はマニュアルに設定 できます。特定の状況で、良い結果を与えることがあります。この場合、感度スケールは各10
倍数の周波数範囲においてセットできます。システムはマニュアル感度設定ダイアログボックス を表示し、マニュアルで感度スケールを設定できます。4.13.2 インピーダンスータイムパラメータ
インピーダンスータイムパラメータダイアログボックスを示します。
注
:
1.
サンプル間隔がサンプリングに必要な実際の時間より小さい場合、サンプリング間隔を自動的 に調整します2.
サイクル数が多くなれば、S/N比は向上しますが、測定時間も長くなります。3.
直流電流が高く、交流電流が低い場合、直流電流のオーバーフローにより感度は増加しません。周波数が低い場合、問題は深刻です。直流電流バイアスを適用し、高交流信号増幅を行います。
この目的のために
16 bit DAC
が用いられます。直流電流が大きくなく、周波数が高い場合、バ イアス直流電流を使用する必要はありません。4.
感度スケール設定はデフォルトで自動になります。測定中、システムは電流サイズを試験し、最適な感度スケールを調べます。通常上手く作動します。感度スケール設定はマニュアル設定 実験パラメータ、範囲、詳細は次の通り
パラメータ 範囲 内容
初期電位(V) -10 〜 +10 初期電位
振幅 (V) 0.0001 〜 1.5 交流振幅 周波数 (Hz) 10-4 〜 106 交流周波数
サンプル間隔 (Sec) 1 〜 20,000 データサンプリング間隔 測定時間 (Sec) 1 〜 500,000 総測定時間
サイクル (10 Hz以下) 1 〜 100 各周波数での繰り返しサイクル数 静止時間 (Sec) 0 〜 100,000 データサンプリング前の静止時間 測定中のバイアス直流電流 offーrange-on 測定中の直流電流バイアスを有効にする 感度 (A/V) 1×10-12 〜 0.1 感度スケール
88
4.13.3 インピーダンスー電位パラメータ
インピーダンスー電位パラメータダイアログボックスを示します。
注
:
1.
直流電流が高く、交流電流が低い場合、直流電流のオーバーフローにより感度は増加しません。周波数が低い場合、問題は深刻です。直流電流バイアスを適用し、高交流信号増幅を行います。
この目的のために
16 bit DAC
が用いられます。直流電流が大きくなく、周波数が高い場合、バ イアス直流電流を使用する必要はありません。2..
感度スケール設定はデフォルトで自動になります。測定中、システムは電流サイズを試験し、最適な感度スケールを調べます。通常上手く作動します。感度スケール設定はマニュアル設定 に変更できます。
実験パラメータ、範囲、詳細は次の通り
パラメータ 範囲 内容
初期電位(V) -10 〜 +10 初期電位
最終電位 (V) -10 〜 +10 最終電位 電位増加分 (V) 0.001 〜 0.25 電位増加分 振幅 (V) 0.001 〜 1.5 交流振幅 周波数 (Hz) 0.0001〜100,000 交流周波数
サイクル (10 Hz以下) 1 〜 100 各周波数での繰り返しサイクル数
静止時間(Sec) 0 〜 100,000 データサンプリング前の静止時間
測定中のバイアス直流電流 offーrange-on 測定中の直流電流バイアスを有効にする 感度 (A/V) 1×10-12 〜 0.1 感度スケール