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躍層は,大体水深約10〜15m付近に周足されてくる。やがて:秋季に至り流入水温の低下や逐次流入混さが深くなるに   つれ,第1次躍闇は貯水位低下ともに降下して再び第2次躍層と融合して,その下層に主躍層を形成するに至る。こ   の第1次躍層の降下またほ第2次躍層の上昇による躍眉融合の様相は,前述8月24日(Fig∴仁一36)および9月24日  

(Fig.7M43)のdataから明らかとなる。この際秋季に至り第1次躍層のStabilityが次卸こ・弱くなるのに・対−L   第2次躍層のそれほ強くなり,第1次躍層が押下げられてくる。かくして水面から籍2次躍屑範囲に湿度の均一イヒが   みられ,さらに夜間に起る表層水の過冷却のために鉛直面内の循環が活発化し,その水瓶均一イヒの傾向がますます助   長されるわけで,湖沼学でいう秋季の部分循環期にあたる。かくして融合した主躍層は,やがて循環混合し,それに   伴う熱の伝導拡散のため,躍層のStabilityが漸次弱くなり,その位置がhf降し,遂に・池底に・消滅するに至る。こ.  

の頃はすでに完全循環期に藩することになり,11月1日(Fig。7−50)のdataは,融合した主躍層が下方に押下げ   られて,やがて消滅し完全循環期匿入らんとする様相を示すものといえ.る。   

つぎに冬季停滞期は,一般に結氷をみない風当りの湖沼では存在しないのが普通とされているが,この場合も40c   以下の水温は観測されなかったので,冬季停滞期ほ存在しなく,1958年2月3日のdata(Fig\.7〜58)でわかるよ  

うに,全層を通じて循環し,水温は5〜70c程度で全層ほぼ均一である。この際冬季に.おける等温線の特長は,流   入口付近において密であること,夏季等温線が水平であるのに対して,地底やdam内法にそって平行となっている   ノ計であり,この他内水混分布から温暖な混濁流入水が池内縦断面内大循環を・なしている様相もうかがえる。   

さらに春季の部分循環期に.該当するdataほ,1957年4月30日(Fig7−9)および1958年3月31日(Fig7M   67)であり,この時期の流入水ほ表層水湿にひとしいので,表層に.stratified flowが生じ,日中の日光照射や外   一気の影響またほ流入水との混合によって,その表層部に傾度の小さい第1次躍層を生ずるに至る。この交換混合によ   る熱補給ほ,表層範囲で活発に行われるため,第1次躍層が押下げられて,次第にその厚みが増大してくる。やがて   初夏に入り表層水混も急に.上昇してくるので,流入水の深度も深くなり,相当厚みのある第一・次躍層内に流入して起こ  

る混合と,それiこ伴う熱の伝導拡散のため,主躍屑が分灘して,下方に第2次躍層を生じ,これほ次妻郎こ降下し夏季   成層期に至りて水面下約10〜15m付近に落着き,それ以下の水塩は10〜120c以下の表層に㌧比して約150cも較差を有   する冷水を示すようになる。  

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1958   t  2   ち   4   

Fig・7■79神内上図   Fig・7 ̄80神変化囲   

いま第1次,第2次両躍層の生ずる位置や傾度変化について,各躍層中のinflexionlayer・(最大傾度1mの位   置)と,水温較差(円の直径として表示)の関係を示すと,Fig7−79,7−80となる。ここで万一ig.7−79は地面を   基準にしたものでFig7A80は逆に地底を基準に・して,それぞれ測点No.ユ,No2に潤するdataを・示したもので   ある。これによると,春先表層に生じた第1次躍層は,次掛こ厚さや傾度を増して下方に移行し,やがて夏季表層水   温の上昇,流入探度の降下,または貯水位変動の影響などにより,主躍屑が上下に分離して第2次躍層を生じ,やが   て下カに押げ下られた第2次躍層は夏季停滞期に至りその傾度を増し,水面 ̄開机0〜15m範囲に止まるが,第1次躍   層は貯水位変動の影響をうけながら表層に止まり,やがて秋季に至り水温低下や貯水位変動の影轡をうけて,第1次   第2次両躍層が融合し,下層に強い主旺層を形成,これがやがて底部に消滅し,秋季から冬季にかけては,池内全層   にわたり循環混合するという,季節的消長が明瞭となる。   

−厳に湖沼や人工貯水池における躍屑ほ1ってあるが,前述のごとく天然湖沼ではULE,HERGESELL,LANGEN−  

BECK(132)またはRAWSON(19¢)なとによる2次的絆層の発見があり,わが国ても青木湖や池郎郡42)野尻湖(243)などで  

−138一   

第2次躍屑の存在が認められている。これらに対し,人工貯水池における第2次膵屑の存在も,山口貯水池(243),千   苅貯水池(26),三浦貯水池(244)などで確認されており,その位置変化は湖沼のそれと著るしく異なっている。たとえ 

ば山口貯水池でほ,表層に生じた躍層が下層に移行して消失するという移行過程が何回か反復されるのに対し千苅貯   水池では第2次躍層の生じる位置ほ,夏季位置を原点とすると,一・種の周期関数として表わされるという。   

以上のごとき湖沼や貯水池における第2次躍層の発生,消滅現象と本例を比較すると,その主躍周の分離,融合現   象を示す面で大いに異なることがうかがえるが,第1次,第2次両躍層の位置変化が,合田に.よる千苅貯水池(28)の   例のごとく,1年周期をなすことは,おなじく水没成層変化が亜熱帯型の深湖のそれに該当するという点で興味ぶか   い。   

以上要するに人工貯水池の水温変動にほ,流入水や流入流出による貯水位変動の影響が相当大きな役割を演ずるこ   とが痛感される。   

3い 濁度および透明度分布   

従来湖沼や人工的な上水源貯水池,沈殿他などを対象にした濁度(また措澄度)や透明度の測定結果が多々報儀さ   れているが,かんがい水源貯水池に、ついて,とくに池内の流動,沈殿作用と結びつけて詳細にわたって調査されたも   のはほとんど見当らない。さて−上水源としての貯水池、では,濁度(また清澄度)分布ほ目的とする浄水作業にとって  

極めて重要な意義を・もつもので,その沈殿作用にいよる浄水効果や取水gateの位置決定と関連づけた調査研究が必要   となってくるが,著名らの対象とするかんがい用貯水池面から考えると,滞砂による埋没問題と関連づけた混濁流入   水の流動,拡散状態や沈殿符節現象について−検討することが妥当であろう。すなわち,かんがい用貯水池でほ,上水   用の場合とほ逆に,流入濁質をなるべく池内に・沈殿させなくてそのままdensity curr・entを利用して放出する斉   が,沈殿阻止率の軽減による貯水池寿命の助長あるいほ放出混濁水  

を農耕地に直接かんがいすることによるcolmatageとしての効果   など,⊥挙両得の目的にかなうことになろう。   

さて,これまでの濁度鉛直分布の年変化についてまとめたのが,  

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Fi乳7−82 神内上他における流入濁質放と等濁度   探線変化図(測点No.1)  

Fig・7−81であり,これまでの各回濁度の等値分布図は,  

Fig7−8]濁度鉛直分布とその周年変化  

(測点No.1)  

この鉛直分布図をもとに作製したものである。またFig…  

7−82は流入濁質量と等濁度探線周年変化を示すものであり,これは前掲(Fig.フープ8)の水温鉛直分布の場合と   は異なり,貯水位変化を水深の変化として表わし,地底の上昇は,貯水位がそれだけ下降したことを表示している。  

またこの図で流入濁質の周年変化は,川添鼻水堰における流入濁度(1957年7月〜1958年3月)資料をもとにして求   めた日流入濁賀遅(kg/day)の旬別平均値Qs(kg/day)を縦軸にlog scaleとして表わし,その変化を示した  

ものである。   

一般に湖沼における濁度(清澄度)の鉛直分布をみると,停滞期にその中屑が最も濁って,それより上下周  

一139−   

はかえって清澄であったり(たとえば香木湖(250261),木崎軌(262)野尻湖,(251・253、264)河口湖や西湖な(255)どで観測さ   れている), また表層のみ清澄で中層以Lfの水が急に濁ったりする(Mendota湖の部分循環期の例)ことが報告さ   れてい。たとえば向井に.よると青木湖や野尻湖の夏季の躍層内に認められるturbidlayerは,他の層よりpH高  

く,電気伝導度が最大値を示すといい,竹村(258)は実験を試み,Stabilityの強い躍層上部で混濁粒子が阻JJ=減速さ   れて,蓄積され,いわゆるturbidlayerができることを指摘している。   

また仙般湖沼においては循環期に際して,湖水の鉛睡分布浪合により湖底や湖岸の濁質を池内山様に散布して全水   域を混濁させると考えられているが,神内上他における今期問の観測を総括してみると,混濁流入水やそれに伴う密   度流の影響がむしろ支配的であり,この点天然湖沼における生水域混濁過程の場合と大いに趣を異にしている。   

まず春先の4〜6月頃に.はたいした混濁流入がなく,またこの頃ほ半停滞期で部分的循環により池水濁度は全域   にわたって約10ppmで均一であるが,本格的な夏季停滞期に入ってほ,梅雨前線の活発な張出しが強雨をもたらし   異常な流出による混濁水が貯水池に流入後いわゆるtusbidity density under董10Wとして流動し,濁質の沈殿滞   掛こより貯水池の寿命短縮というtIOubleを助長したことが,各濁度分布図から了解できる。   

すなわち,Fig.7−23(7月1日),Figい7−30(8月7日),Fig。.7−37(8月24日)などの濁度分布図では,  

高速高濁流入水が水温成層と関係なく,地底をほう density underflow として流下し,dam 内法尻に達して   dam up現象を起している。この際のはい上りは,Stabilityの高い,第1次,第2次躍層の抵抗により若干凹凸を   示す上向の混濁成層流として地表までほい上り,満水状態の場合はそのまま余水吐から放流されるが,もし満水面以   下であれば,吹送流などの影響をうけて上流側に向う逆向流となり,demarcation zone に達して再び density   underflowの随伴流として潜行流下するような,いわゆる縦断面内の大循環によって清澄池水との混合拡散が行わ   れることを明示している。   

この事実は,神内上他におけるtr・ap efficiencyを軽減し,その寿命を助長する手段としてdensity curTent   でdamまで運はれた高濁流動水を,dam付近に沈殿して半浮遊状態に・あるdensity current beds とともに,  

そのまま底樋管を通じて放流する方法の可能性を示しているものといえよう。   

さらに循環期(とくに冬季に.おける完全循環期)における池水の濁度分布は,他の理化学的性督と同様に全層ほぼ   均一・であることが常態であるが,この頃は池水の密度が上下層ほぼ均一で,密度勾配(鉛直安定度属=♂8/dg)が棲   めて小さく不安定な状態にあり,しかも水温憤度が小さくて僅かの濁度差で密度のbalanceが破れる状態にある  

(たとえば,2月3日の場合,水温傾度が平均0り160cで小さく,密度pの差が10 ̄6のOrderであるが,濁度差約   8 ppm以上で密度差が10−5のOrder となって直ちにbalanceが破れる不安定状態を示している)から,流入高   濁水ほ,池内全滅にわたって循環,混合しながら流下して,池内の混濁化にあづかっている。また2月3日の例で,  

中流部左折攣曲点から下流側で,混濁流の右偏流(Figい7−59,7−60,7−61)が確認されたが,これほ主として   慣性力や地球自転に】もとづくみかけ上の偏向力(北半球だから石偏向のCoRIOLISの力となる)よるものであり,こ  

のような流動状態は貯水池形態の滞砂分布におよほす影響を決定す−るfactor となる。   

水の濁っている度合が濁度、turbidity,澄んでいる度合が透明度transparencyと呼ばれているが,この際測定   したSecchis・discによる透明度は比較的の値であり,直線的に比例する是でない。−L般に透明度は,観測日時の天   侯,すなわち日射品,雲弘,雲形(257),あるいほ波浪の有無,太陽の  

高度など気象要素による変化,水温や塩分による変化(258),水深の昇   降や貯水池環境による変化(259),観測者の視力その他による変化など   各種の原因による変化が考えられるが,貯水池の透明度でほ,とくに   池水中のseston(水中浮遊物のことで,粘土,hunusなどのcol.  

loidからなる無生物seston と,planktonからなる生物seston   とがある)の影響が著るしいはずである。   

いま,これまで観測した透明度rγ(m)と濁度r(ppm)に・関する   70資料について,log−1og graphにplptするとFig.7u83のご  

rγ=8.27971−0785い   (7−19)  

とくほぼ1inear・な関係がえられる。すなわちプ=−0..722***で有意   な逆相関が認められ,Eq.7−19のごとき実験式がえられる。この際   透明度観測時の定測点濁度ほ,その際の水深(m)で示した透明度範  

−140−  

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2  :1 4 5 6アポ910    2(〉  SO・l(l川副方○測こ(○  

TuTb;dity(ppnl)−1  

Fig7−83 濁度と透明度の関係  

(n=70)