第 6 章 ソリューション検証の方法論
この章は、次のトピックで構成されています。
概要 ... 72 ベースラインハードウェア検証の方法論 ... 72 アプリケーション検証の方法論 ... 72 バックアップ/リカバリ検証の方法論 ... 77 テストツール ... 77
概要
この章では、仮想化SharePoint 2013向けVSPEXソリューションの検証に使用され る次の方法について説明します。
• ベースラインハードウェア検証の方法論
• アプリケーション検証の方法論
• バックアップ/リカバリ検証の方法論
ベースライン ハードウェア検証の方法論
ハードウェアはコンピュータの物理リソース(プロセッサ、メモリ、ストレージなど)で 構成されています。また、ハードウェアには、NIC、ケーブル、スイッチ、ルータ、ハー ドウェア ロードバランサなどの物理ネットワーク コンポーネントも含まれます。仮想
化SharePoint 2013向けVSPEXソリューション用に正しいハードウェアを使用すれば、
パフォーマンスや容量の問題の多くを避けることができます。逆に、サーバ上のメモ リが不十分であるなど、ハードウェア リソースの不備が1か所でもあれば、ファーム 全体のパフォーマンスが影響を受ける可能性があります。
ソリューション コンポーネントの冗長性を検証する手順の詳細については、「VSPEX 導入ガイド」を参照してください。
アプリケーション検証の方法論
ソリューション コンポーネントのハードウェアと冗長性を検証したら、次のステップと
して、SharePoint アプリケーションのテストと最適化を行います。これもまた、仮想化
SharePoint 2013向けVSPEXソリューションの重要なステップです。新しいVSPEX実
証済みインフラストラクチャを本番導入前にテストし、設計したアーキテクチャによっ て必要なパフォーマンス目標と容量目標が達成されていることを確認します。この 確認によって、潜在的なボトルネックを明らかにして最適化し、本番の導入環境で ユーザーへの悪影響を防ぐことができます。
VSPEX実証済みインフラストラクチャでSharePointのパフォーマンスの検証を始める
前に、「VSPEX導入ガイド」に基づいて、SharePoint 2013をVSPEX実証済みインフラ
ストラクチャに導入したことを確認します。
表 25SharePoint環境を本番に移す前に実行するステップの概要を示します。
表 25. アプリケーション検証手順の概要
ステップ 説明 リファレンス
1 実際のビジネス ワークロードを再現するテス ト シナリオを(VSPEXサイジング ツールで示 されているとおりに)定義します。
テスト シナリオの定義
2 SharePoint環境の主要なメトリックを把握し、
ビジネス要件を満たすパフォーマンスと容 量を達成します。
主要なメトリックの把握 概要
第 6 章:ソリューション検証の方法論
ステップ 説明 リファレンス
3 SharePoint用VSPEXサイジング ツールを使
用し、VSPEX実証済みインフラストラクチャの アーキテクチャとリソースを決定します。
4 VSPEX実証済みインフラストラクチャ上で
SharePointソリューションの設計と構築を行
います。
VSPEX導入ガイド
5 Microsoft VSTS(Visual Studio Team
System)を使用してテスト環境を作成します。
6 実際の環境を再現するために、データを古 い本番環境から移行またはコピーします。
テスト ツール(データベー ス設定用)
7 テストを実行し、結果を解析して、VSPEXアー キテクチャを最適化します。
テスト ツール(データベー ス設定用)
SharePointのテストを実行する前に、ビジネス要件に従ってテストシナリオを定義す
ることが重要です。独自のテスト シナリオやテスト計画を作成する作業はVSPEXサ イジングツールで簡単に行えます。
当社は、仮想化SharePoint 2013向けVSPEXのテストシナリオで次の要素を考慮し ました。
• 操作:エンド ユーザーがSharePoint Webサイトで実行するさまざまな操作を 定義します。これらの主要な操作を理解することは、実際の環境のテストを再 現するのに役立ちます。表 26当社が仮想化SharePoint 2013向けVSPEXソ リューションで考慮した一般的な操作をいくつか示します。
表 26. 一般的な操作 オペレーション 説明
参照 • SharePointページ(ホーム ページを含む)を参照します。
• ドキュメント ライブラリのリスト ビュー ページにアクセスし ます。
変更 • SharePointでランダム ドキュメント(DOC、DOCX、PPT、
XLSなど)をダウンロードします。
• ドキュメントのプロパティを編集および更新します。
検索 SharePoint検索ポータルでキーワードを検索します。
ドキュメントのアップ ロード
ドキュメントをSharePointにアップロードします。
• ワークロード:ファームの主要な運用特性(ユーザー ベース、同時使用率、使 用されている機能、ファームへの接続に使用されているユーザーエージェント やクライアント アプリケーションなど)を定義します。予想されるニーズや使用 特性を理解することで、より正確に環境を検証することができ、本番環境で連 続的にシステムを稼動するというリスクを軽減できます。表 27 に、仮想化
SharePoint 2013向けVSPEXソリューションで考慮したワークロードの組み合
わせをいくつか示します。
テストシナリオの 定義
表 27. ワークロードの組み合わせ
ワークロードの組み合わせ シナリオ 組み合わせに占め る割合(%)
公開ポータル:
操作の中心は主に ページ参照。
参照 80 変更 10 検索 10 ドキュメント管理ポータル:
ドキュメントのアクティビティは通常は 30%。
参照 50 変更 20 検索 20 ドキュメントのアッ
プロード
10
• 操作状態:本番システムの負荷は、主に「グリーン ゾーン」状態と「レッド ゾーン」状態の 2 種類の操作状態になります。前者の場合、システムは想定 内の正常な負荷範囲で稼動しています。後者の場合、ファームでは一時的に リソースのニーズが大幅に高まりますが、その状態は限られた時間しか持続 できません。仮想化SharePoint 2013向けVSPEXソリューションでは、当社は グリーン ゾーンとレッド ゾーンを次の基準で列挙しました。
グリーンゾーン:
− すべての操作が3秒以内に完了しました。
− すべての SharePoint サーバで CPU 使用率が 70%未満、すべての
SQLサーバでCPU使用率が50%未満です。
− 失敗率が0.01%未満です。
レッドゾーン:
− すべての操作が3秒以内に完了しました。
− すべての SharePoint サーバで CPU 使用率が 90%未満、すべての
SQL ServerインスタンスでCPU使用率が70%未満です。
− 失敗率が0.1%未満です。
注:検索クロールの実行中、CPU使用率とディスクのレスポンス タイムが一 時的にSLAの規定を超えることは許容範囲内です。
テスト シナリオに加えて、SharePoint のテストの目標を知ることが重要です。そうす ることで、SharePoint テストを行う際に、どのメトリックを把握する必要があり、各メト リックについてどの閾値を満たす必要があるのかを決めやすくなります。仮想化
SharePoint 2013向け VSPEXソリューションの妥当性検査を行うため、当社は次の
主要なメトリックについて考慮しました。
主要なメトリックの 把握
第 6 章:ソリューション検証の方法論
• 1秒あたりの要求数(RPS):これはVSTSテストでは1秒あたりのテスト合格数 とも呼ばれています。RPS は、ファームやサーバが 1 秒間に受信する操作の 数です。ほとんどのテストは RPSに基づいており、SharePointファームが与え られた時間内にいくつのリクエストを処理できるのかがわかります。RPS を使 用して、いくつのページやドキュメントを配信、アップロード、変更できるのかや、
いくつのクエリーが実行されるのかを測定できます。
RPSは、サーバやファームの負荷を測る一般的な測定項目です。RPSの計算 方法の詳細については、「付録 C:RPSの計算方法」を参照してください。
• 動作時間:ユーザー リクエスト(SharePointの動作)が完了するまでにかかる 時間の長さ。組織ごとに、ビジネス要件やユーザーのニーズに基づいてさま ざまな目標を定めています。数秒のレーテンシーが許容される組織もあれば、
非 常 に 高 速 な ト ラ ン ザ ク シ ョ ン が 求 め ら れ る 組 織 も あ り ま す 。 仮 想 化
SharePoint 2013向けVSPEXソリューションでは、デフォルトのレスポンスタイ
ムとして、SharePointの個々の一般的なユーザー操作が3秒以内に完了する 必要があるとしています。
注:Microsoftでは、SharePointの個々のユーザー操作についてSLAレスポンス タイムを 公開しています。一般的な操作(参照や検索など)は3秒以内に完了する必要があり、一 般的でない操作(変更など)は5秒以内に完了する必要があるとしています。レスポンス タ イムに関するこれらのSLAは、十分に、または余裕を持って満たされました。
VSPEX サイジング ツールは、お客様のビジネス要件を満たすための基本的なメト
リックや閾値を理解するのに役立ちます。
テストの目標を決め、測定項目を定めて、ファームの容量要件をどのようにするの かを決定したら、次のステップとして、仮想化SharePoint向けVSPEXソリューション のテスト環境を設計し作成します。テストファームでは、本番環境をできるだけ正確 に再現します。ここまで説明したすべての機能を考慮する必要があります。たとえば、
ストレージレイアウト、ネットワークロードバランス、ネットワーキングなどです。
仮想化SharePoint 2013向けVSPEXソリューションでは、当社はVSTSとコードを一
緒に使用して実際のSharePointユーザーアクティビティをシミュレートしました。パ フォーマンステストのサンプルコードの詳細については、「SharePointパフォーマン ステスト用サンプルコード」を参照してください。テスト環境を準備したら、
SharePoint Server 2013ファーム内のサーバについてテスト計画を立て、テストの実
行に必要なマシンについても計画を立てる必要があります。通常は、より多くのマ シンをロードテストエージェントとして使用します。これらのエージェントは、何をテス トするのかを示す命令をテストコントローラから受け取ってSharePoint Server 2013 ファームにリクエストを発行するマシンです。テスト結果そのものはSQL Serverベー スのコンピュータに格納されます。VSTSの詳細については、MSDNライブラリの
場合によっては、テスト環境やテストツールに加えて、SharePoint用のテスト環境全 体を準備するための他のツールも使用する必要があります。ツールの詳細につい ては、「EMC Backup and Recovery Options for VSPEX for Virtualized Microsoft SharePoint 2013 Design and Implementation Guide」を参照してください。また、
SharePointのテスト環境の構築に関する詳細について
サイトを参照してください。
テスト環境の作成