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ジョブの異常終了時に自動でリトライする

2.4  さまざまなジョブネット定義

2.4.10  ジョブの異常終了時に自動でリトライする

ジョブに定義した実行ファイルが異常終了した場合に,ジョブをリトライすることで一時的なエラーを回 復できることがあります。リトライによって回復できるジョブには,ジョブの異常終了時に自動的にジョ ブをリトライさせるように定義することで,実行ファイルに一時的なエラーが発生しても業務を継続でき ます。

ジョブに指定した実行ファイルが異常終了したときに,自動的にリトライすることを自動リトライといい,

自動リトライによってジョブを実行することをリトライ実行といいます。

自動リトライした場合の,ジョブの動作を次の図に示します。

図 2‒98 自動リトライした場合のジョブの動作

自動リトライする場合,ジョブに定義した実行ファイルが異常終了しても,ジョブは「異常検出終了」状 態になりません。一定の間隔を待ってから,ジョブが自動リトライされます。

(1) 自動リトライの概要

自動リトライの概要について説明します。

(a) 自動リトライの条件

次の条件を満たすジョブの実行ファイルがエラーになった場合,ジョブは「異常検出終了」状態にならな いで,自動リトライします。

•[終了判定]に[しきい値による判定]を指定している。

•[異常終了時リトライ]に[する]を指定している。

[異常終了時リトライ]を指定できるのは,次のジョブです。

• UNIX ジョブ

• PC ジョブ

• QUEUE ジョブ

• 標準カスタムジョブ

• カスタム PC ジョブ

• カスタム UNIX ジョブ

• オペレーションジョブ 注意事項

自動リトライに関する設定は,JP1/AJS3 - View および JP1/AJS3 - Manager のバージョンが 10-00 以降の場合に使用できます。ただし,10-00 以降の JP1/AJS3 - Manager を使用していても,データ ベース構成が互換用 ISAM 構成の場合は使用できません。

(b) 自動リトライの実行方法に関する設定

自動リトライの実行方法に関する設定を,リトライ設定と呼びます。

リトライ設定の各項目について,次に示します。

表 2‒31 自動リトライの実行方法に関する設定項目

項番 設定項目 設定内容

1 異常終了時リトライ ジョブに指定した実行ファイルがエラーになったときに,自動リトライす るかどうかを指定します。

2 終了コード リトライ実行する終了コードの範囲を指定します。

項番 設定項目 設定内容

4 リトライ間隔 ジョブの実行ファイルがエラーになってから,リトライ実行するまでの間

隔を指定します。

注意事項

終了コードは,必要最低限の範囲を設定してください。自動リトライする終了コードの範囲を必要以上 に広く設定すると,リトライ実行しても回復する見込みのない終了コードもリトライ実行し,ジョブの 実行数が増加してジョブ実行性能に影響を与えるおそれがあります。

リトライ設定をしているジョブが異常終了したときの動作を,次の図に示します。

図 2‒99 リトライ設定をしているジョブが異常終了したときの動作

リトライ設定をしているジョブに指定した実行ファイルが異常終了すると,リトライ間隔で設定した時間 が経過してから,リトライ実行されます。リトライ実行は,ジョブが正常終了または警告終了するか,も しくはリトライ実行回数が最大リトライ回数に達するまで繰り返されます。

リトライ設定の内容は,JP1/AJS3 - View の画面およびコマンドで確認できます。確認できる JP1/AJS3 - View の画面およびコマンドと,確認できるリトライ設定を次に示します。

表 2‒32 リトライ設定を確認できる JP1/AJS3 - View の画面およびコマンド

項番 確認できる JP1/AJS3 - View の画面およびコマンド 確認できるリトライ設定

1 [ジョブネットエディタ]ウィンドウ 異常終了時リトライ

2 [検索]ウィンドウ • 最大リトライ回数

• リトライ間隔

3 ajsprintコマンド すべてのリトライ設定

(c) 自動リトライの実行状況に関する情報

自動リトライの実行状況に関する次の情報を,リトライ情報と呼びます。

• リトライ状態

• リトライ実行回数

• リトライ登録日時

• リトライ開始日時

リトライ情報について,次に説明します。

リトライ状態

自動リトライが実行された場合の,自動リトライの進行状況です。

リトライ状態を次に示します。

表 2‒33 リトライ状態一覧

項番 リトライ状態 リトライ状態の意味 対応するジョブの状態

1 リトライ待ち ジョブの実行ファイルがエラーになって,

リトライ間隔に設定した時間が経過するの を待っている。

• 先行終了待ち

• 保留中

2 リトライ実行中 自動リトライによって,ジョブが「実行待 ち」,「キューイング」,または「実行中」

状態である。

• 実行待ち

• キューイング

• 実行中

3 リトライ終了 自動リトライが終了した。 • 正常終了

• 警告検出終了

• 異常検出終了

• 起動失敗

• 終了状態不明

• 計画未実行 など終了している状態

「リトライ待ち」,および「リトライ実行中」の状態をまとめてリトライ中といいます。

自動リトライが実行されたときの,状態遷移の例を次の図に示します。

図 2‒100 自動リトライが実行されたときの状態遷移

リトライ設定をしているジョブに指定した実行ファイルが異常終了すると,リトライ間隔で設定した時 間,リトライ状態は「リトライ待ち」になります。このとき,ジョブは「先行終了待ち」状態になり,

「異常検出終了」状態にはなりません。リトライ間隔で設定した時間が経過したら,リトライ状態は「リ トライ実行中」になります。

リトライ実行回数が最大リトライ回数で設定した回数に達する前に,ジョブに指定した実行ファイルが 正常終了または警告終了した場合,ジョブは「正常終了」または「警告検出終了」状態になります。

なお,最大リトライ回数で設定した回数まで実行しても,ジョブに指定した実行ファイルが正常終了ま たは警告終了しない場合は,ジョブは「異常検出終了」状態になります。

ジョブが「正常終了」,「警告検出終了」,または「異常検出終了」状態になると,リトライ状態は「リ トライ終了」になります。

リトライ実行回数

リトライ実行した回数です。

リトライ実行回数がカウントされるタイミングを,次の図に示します。

図 2‒101 リトライ実行回数のカウント

リトライ登録日時

リトライ実行して,ジョブが「実行待ち」状態になった日時です。

リトライ登録日時は,ジョブに指定した実行ファイルが異常終了して「先行終了待ち」状態になると いったんクリアされ,「実行待ち」状態になるとその日時に更新されます。複数回リトライ実行された 場合は,最後にジョブが「実行待ち」状態になった日時に更新されます。

リトライ登録日時が更新されるタイミングを,次の図に示します。

図 2‒102 リトライ登録日時の更新

リトライ開始日時

リトライ実行して,ジョブが「実行中」状態になった日時です。

リトライ開始日時は,ジョブに指定した実行ファイルが異常終了して「先行終了待ち」状態になると いったんクリアされ,「実行中」状態になるとその日時に更新されます。複数回リトライ実行された場 合は,最後にジョブが「実行中」状態になった日時に更新されます。

リトライ開始日時が更新されるタイミングを,次の図に示します。

図 2‒103 リトライ開始日時の更新

リトライ情報は,JP1/AJS3 - View の画面およびコマンドで確認できます。確認できる JP1/AJS3 - View の画面およびコマンドと,確認できるリトライ情報を次に示します。

表 2‒34 リトライ情報を確認できる JP1/AJS3 - View の画面およびコマンド

項番 確認できる JP1/AJS3 - View の画面およびコマンド 確認できるリトライ情報 1 •[モニタ詳細]ダイアログボックス

•[詳細スケジュール]ダイアログボックス

• ajsshowコマンド

すべてのリトライ情報

2 •[デイリースケジュール]ウィンドウ

•[マンスリースケジュール]ウィンドウ

•[ジョブネットモニタ]ウィンドウ

• リトライ状態

• リトライ実行回数

3 [検索]ウィンドウ リトライ実行回数

複数回リトライ実行された場合,JP1/AJS3 - View の画面および

ajsshow

コマンドで確認できるのは,最 後のリトライ実行の結果です。リトライ実行ごとの結果を知りたい場合は,JP1 イベント,スケジューラー ログ,または[実行結果詳細]ダイアログボックスで確認してください。

(2) リトライ設定のあるジョブの監視

ここでは,リトライ設定のあるジョブの,打ち切り時間および終了遅延監視について説明します。

(a) リトライ中の打ち切り時間

打ち切り時間とリトライ設定の両方を設定した場合,打ち切り時間を監視するための経過時間は,リトラ イ実行ごとにカウントし直されます。

複数回のリトライ実行を含む,ジョブ全体の経過時間を監視したい場合は,ジョブネットの実行所要時間 による終了遅延監視で監視してください。

リトライ中の打ち切り時間の監視を,次の図に示します。

図 2‒104 リトライ中の打ち切り時間監視

この例では,1 回目のリトライ実行中に,ジョブの実行開始から 20 分が経過しています。しかし,打ち切 り時間を監視するための経過時間は,リトライ実行開始時点からカウントし直されるため,「強制終了」状 態にはなりません。2 回目のリトライ実行中にリトライ実行開始から 20 分が経過すると,「強制終了」状 態になります。

なお,打ち切り時間が経過してジョブが「強制終了」状態になった場合,最大リトライ回数に達していな くても,それ以降はリトライ実行しません。

(b) リトライ中の終了遅延監視

終了遅延監視とリトライ設定の両方を設定した場合,終了遅延を監視するための経過時間はリトライ実行 ごとにカウントし直されます。

複数回のリトライ実行を含む,ジョブ全体の経過時間を監視したい場合は,ジョブネットの実行所要時間 による終了遅延監視で監視してください。

リトライ中の終了遅延監視を,次の図に示します。