2.2 ジョブネットの構築のための検討
2.2.4 ジョブネットコネクタを使用したルートジョブネットの実行順序制御
ルートジョブネットは,ジョブやネストジョブネットのようにユニットを並べて実行づけすることはでき ませんが,ジョブネットコネクタというユニットを使用することで,ルートジョブネット同士の実行順序 を制御できます。
(1) ジョブネットコネクタを使ったルートジョブネット実行順序制御の概要
ジョブネットコネクタは,実行順序を制御するルートジョブネットと接続関係を持つことで,ルートジョ ブネットの終了を待ち合わせたり,ルートジョブネットの開始を同期させたりして,実行のタイミングや 順序を制御できます。
ジョブネットコネクタと実行順序を制御するルートジョブネットの関係を,次の図に示します。
図 2‒14 ジョブネットコネクタと実行順序を制御するルートジョブネットの関係
ジョブネットコネクタは,ジョブネット配下にユニットの一つとして定義できます。
ジョブネットコネクタを使って実行順序を制御できる対象は,ルートジョブネットまたはプランニンググ ループ直下のルートジョブネットです。異なるスケジューラーサービス間でもルートジョブネットの実行
順序を制御できます。異なるスケジューラーサービス間のルートジョブネットの実行順序制御について,
次の図に示します。
図 2‒15 異なるスケジューラーサービス間のルートジョブネットの実行順序制御
なお,ジョブネットコネクタと接続関係を持つルートジョブネットを接続先のジョブネットといいます。
ジョブネットコネクタを使ったルートジョブネットの実行順序制御は,次の流れで行います。
1. ジョブネットを作成し,ジョブネットコネクタを定義する。
2. ジョブネットコネクタと実行順序制御の対象との接続関係を定義する。
ジョブネットコネクタ側に,接続先のジョブネット名を指定します。実行順序制御の対象がルートジョ ブネットの場合はルートジョブネット名を,プランニンググループ直下のルートジョブネットの場合は プランニンググループ名を指定します。
接続先のジョブネット側には,対応するジョブネットコネクタ名を指定します。
補足事項
JP1/AJS3 - View のメニューコマンド[ジョブネットコネクタとして記憶][ジョブネットコネク タの自動生成]を使用すると,定義を手入力する手間が省けます。ただし,異なるスケジューラー サービス間で実行順序制御をする場合は使用できません。この場合は手入力で定義してください。
3. それぞれのジョブネットを実行登録する。
ジョブネットおよびジョブネットコネクタの定義方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 5. ジョブネットの定義」を参照してください。ジョブネットの実行 登録方法については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 操作ガイド 7. ジョブ ネットの実行」を参照してください。
注意事項
• JP1/AJS - View および接続先の JP1/AJS - Manager が 08-10 より前のバージョンでは,ジョブ ネットコネクタを使用できません。
• JP1/AJS - View および接続先の JP1/AJS - Manager のバージョンが 08-10 のジョブネットコネ クタでは,異なるスケジューラーサービス間のルートジョブネットの実行順序を制御できません。
異なるスケジューラーサービス間でジョブネットコネクタを使用できるのは,08-50 以降の JP1/AJS - View および JP1/AJS - Manager です。
• ジョブネットコネクタは,ルートジョブネットおよびネストジョブネット以外のユニット配下に定 義できません。
• ジョブネットコネクタの接続先のジョブネットとして,ルートジョブネットおよびプランニンググ ループ以外のユニット種別を指定できません。
• オペレーションネット用スケジューラーサービス配下(JP1/IM - Planning Operation で管理して いるユニット)には,ジョブネットコネクタを定義できません。また,ジョブネットコネクタの接 続先のジョブネットとして指定することもできません。
• 接続先のジョブネット配下には,ジョブネットコネクタを定義しないでください。接続先のジョブ ネット配下にジョブネットコネクタを定義した場合,ジョブネットの実行登録時にエラーになります。
• ジョブネットコネクタを定義するジョブネットおよび接続先のジョブネットには,起動条件を設定 しないでください。ジョブネットコネクタを定義したジョブネットおよび接続先のジョブネットに 起動条件を設定した場合,ジョブネットの実行登録時にエラーになります。
• ジョブネットコネクタは,従属ユニットおよびリカバリーユニットとしては定義できません。
• ジョブネットコネクタは,従属ジョブネットおよびリカバリージョブネット配下に定義できますが,
接続関係が複雑になるため,これらの配下には定義しないことを推奨します。
• サスペンド中は,ジョブネットコネクタを新規作成および削除できません。
(2) ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットの接続ルール
ジョブネットコネクタが定義されたジョブネットと接続先のジョブネットは,それぞれの実行登録後,同 じ実行日の世代同士が接続関係を結びます。接続関係を結んだ世代間でルートジョブネットの終了を待ち 合わせたり,ルートジョブネットの開始を同期させたりできます。
(a) 接続ルール
ジョブネットコネクタが定義されたジョブネットと接続先のジョブネットの世代について,次の条件が重 なる場合に接続関係が成立します。
• 実行日が同じ
• 別の世代との接続関係が確定していない世代※ 注※
ジョブネットコネクタが定義されたジョブネットと接続先のジョブネットとの接続関係は,どちらか一 方がまだ実行を開始していないときには確定していません。両方が実行を開始したとき,または繰り越 し未実行など実行しないで終了したときに確定します。
実行予定が 1 日に複数回ある場合は,これらの条件を満たす世代のうち開始予定日時が最も早い世代同士 で接続関係が成立します。ただし,擬似予定の段階では接続関係は成立しません。
ジョブネットコネクタを定義したルートジョブネット(jobnetS)と接続先のジョブネット(jobnetA)を 実行登録した場合の接続例を,次の図に示します。
図 2‒16 ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットの接続例
jobnetS の世代「@A103」と jobnetA の世代「@A101」は,同一実行日の世代であるため接続関係が成 立します。jobnetS の世代「@A104」および jobnetA の世代「@A102」は,ともに同一実行日に対応す る世代がないため接続されません。4/20(金)には jobnetS および jobnetA ともに擬似予定があります が,擬似予定の段階では接続関係は成立しません。
(b) 48 時間制の場合
48 時間制を採用している場合でも,同一実行日の世代であれば接続関係が成立します。
48 時間制の場合の接続例を,次の図に示します。
図 2‒17 ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットの接続例(48 時間制の場合)
jobnetS の世代「@A103」と jobnetA の世代「@A102」は,暦日では実行日が異なりますが,48 時間 制の場合は同一実行日となるため,接続関係が成立します。
(c) 基準時刻が異なる場合
ジョブネットコネクタを定義したルートジョブネットと接続先のジョブネットの基準時刻が異なる場合で も,同一実行日の世代であれば接続関係が成立します。
ジョブネットコネクタを定義したルートジョブネットと接続先のジョブネットの基準時刻が異なる場合の 接続例を,次の図に示します。
図 2‒18 ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットの接続例(基準時刻が異なる場合)
jobnetS の世代「@A103」と jobnetA の世代「@A101」は,暦日では実行日が異なりますが,それぞれ の基準時刻で見るとどちらも同じ 4/17 であるため,接続関係が成立します。ただし,基準時刻が異なる ルートジョブネットの実行順序を制御しようとした場合,この例のように暦日では実行日が異なる世代が 接続されることがあるため,ジョブネットコネクタと接続先のジョブネットでは,基準時刻を合わせて運 用してください。
(d) 世代の実行日を変更した場合
世代が接続されても,ジョブネットコネクタを定義したルートジョブネット,または接続先のジョブネッ トの世代が実行される前に,どちらかの世代を登録解除または実行中止した場合,接続関係が成立しなく なります。
また,計画一時変更やスケジュール定義変更によって世代の実行日が変わった場合は,接続関係も変わり ます。実行予定日を変更した場合の接続関係を,次の図に示します。