4. 等価有効応力解析による液状化地盤の応答について
4.2 等価有効応力解析による液状化地盤の応答挙動
4.2.1 サイト 4 における液状化地盤の応答挙動 ( 三角州 )
4.2.1.1地下水位をG.L-1.8mと設定したケースの液状化地盤の応答挙動
本節では,想定单海地震波(50332475NS)に対して液状化する危険性が高いサイト4 において,地下水位をG.L-1.8mと仮定したケースの等価有効応力解析結果を示す.また,
過剰間隙水圧の影響を考慮しない,すなわち全応力の時刻歴非線形解析,等価線形解析 (SHAKE)による解析結果についても参考までに示し,液状化が地盤の地震応答挙動にど のような影響をもたらすかについて,設計・安全の観点から検討を行う.
図4-2に,地盤応答の深さ方向分布図を示す.図4-2(a)(b)(c)から地表面の最大加速度は,
各解析手法ともに大した差異は生じておらず,また,最大せん断ひずみについて液状化対 象層で各全応力解析結果よりもやや大きな値となっているが,最大相対変位について水圧 上昇による大きな影響は見られない.このように,水圧上昇(剛性低下)による影響は等価有 効応力解析結果にあまり表れていないが,これは,図4-2(d)に示してあるように,液状化対 象層の水圧上昇は約0.7で液状化に至っておらず,また,水圧を考慮する対象層の層厚が薄 いためと考えられる.
図4-2 最大応答の深さ方向分布
次に,図4-3の加速度応答スペクト(減衰定数5%)からは,周期0.5~2s間で全応力等価 線形解析,等価有効応力解析結果は,全応力の時刻歴非線形解析結果を概ね包絡している.
なお,工学的基盤における加速度応答スペクトル(2E)と比較して,各解析手法ともに周期 0.6sまでの短周期側で加速度成分が減尐しており,長周期側で増幅していることが確認で きる.また,当然ながら,図4-4の速度応答スペクト(減衰定数5%)についてもこの傾向が 見られる.このように,サイト4では,加速度・速度ともに長周期側で増幅することが分 かるが,これは,サイト3ほどではないものの工学的基盤までの深度が深いこと,及び軟 弱層である沖積層がG.L-22mと厚く堆積していることに起因すると考えられる.
24
図4-3 加速度応答スペクトル(減衰定数5%)
図4-4 速度応答スペクトル(減衰定数5%)
4.2.1.2地下水位をG.L0mと設定したケースの液状化地盤の応答挙動
弾性波速度(疎密波)Vpは,間隙比や水の弾性波速度と関係しており,この値は地下水位 の有無により大きく左右される.表4-2から,G.L-5.6m以浅の各層において,P波速度は
約1500m/sと大きな値であり,地表面まで飽和土層が堆積している可能性が高いと考えら
れる.したがって,設計・安全の観点から危険側を考慮し,地下水位をG.L0mと仮定した 場合の検討を行う.なお,地下水位以外の解析条件について4.2.1.1と同条件とし,過剰間 隙水圧の影響を考慮しない,すなわち全応力の時刻歴非線形解析,等価線形解析(SHAKE) による解析の結果についても参考までに示す.
図4-5に地盤応答の深さ方向分布図を示す.等価有効応力解析(1層目液状化あり)による 結果は,図4-5(b)(d)からG.L.0~3,-15.5~16.1mで過剰間隙比が1に達し,液状化に至り,
25
最大せん断ひずみが,4%程度となっている層が見られ,図4-5(c)から,大きな地表変位が 生じたことが確認できる.また,図4-5(a)から,地表面からG.L-3mまでの液状化層で加速 度が大きく増幅している.これは,地表面でせん断波速度が全反射していることに起因し たと考えられ,さらに,図(b)(c)の最大せん断ひずみ,最大相対変位から確認できるように,
液状化層に地震エネルギーが集中していることを確認できる.つまり,液状化層の剛性は 低く,その下層との波動インピーダンスのコントラストが大きくなったことで,加速度振 幅が大きくなったと考えられる.
図4-5 最大応答の深さ方向分布
次に,図4-6の加速度応答スペクト(減衰定数5%)から,等価有効応力解析(1層目液状 化あり)による結果は,周期0.7sより長周期側で加速度を大きく増幅しており,各解析結果 を包絡している.また,図の速度応答スペクト(減衰定数5%)からも同じことが確認でき,
等価有効応力解析結果は周期0.7sより長周期側で速度を大きく増幅している.これらのこ とから,液状化層の非線形化(剛性低下)に伴い地盤の固有周期が長周期化すると,加速度,
速度ともに長周期側で大きく増幅することが分かる.
図4-6 加速度応答スペクトル(減衰定数5%)
26
図4-7 速度応答スペクトル(減衰定数5%)