4. 等価有効応力解析による液状化地盤の応答について
4.2 等価有効応力解析による液状化地盤の応答挙動
4.2.2 サイト 5 における液状化地盤の地震応答挙動 ( 自然堤防 )
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図4-7 速度応答スペクトル(減衰定数5%)
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図4-8 最大応答の深さ方向分布
図4-9,10に加速度応答スペクト(減衰定数5%),速度応答スペクトル(減衰定数5%)を示
す.5%加速度応答スペクトルから等価有効応力解析による結果は,各全応力解析結果と比 較して,加速度成分が短周期側で減尐し長周期側で増幅している.これは,地盤の液状化 発生に伴う非線形化(剛性低下)によって,地盤の等価固有周期が長周期化するためと考えら れる.このことは,5%速度応答スペクトルにも表れており,周期1sより短周期側で速度成 分が消えて,それより長周期側で増幅している.
図4-9 加速度応答スペクトル(減衰定数5%)
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図4-10 速度応答スペクトル(減衰定数5%)
図4-11に線形解析(弾性),全応力等価線形解析,等価有効応力解析による増幅率(加速度 伝達関数),及び等価固有周期を示す.図4-11から,初期の1次固有周期及び増幅率と比較 して,非線形化(剛性低下)に伴い等価固有周期が長周期側に移行し,増幅率が減尐している.
また,この傾向は液状化が発生した場合について顕著に見られる.ここで,液状化が発生 した場合に増幅率の減尐が見られるのは,液状発生に伴うせん断ひずみの進行により,履 歴減衰が増加するためと考えられる.
図4-11 増幅率(加速度伝達関数)および等価固有周期
4.2.2.2 4層目の水圧上昇を考慮した場合の液状化地盤の応答
想定单海地震波(50332452NS)に対して,液状化する危険性が高いサイト5において4 層目を液状化対象層とした場合の等価有効応力解析結果を示す.ここで,4層目は泥質層で
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ありシルト質砂は粘性土に分類されており,4層目で液状化が発生するかについて判断が難 しい.この層は,細粒分含有率Fcは高い値を示しているが,塑性指数Ipの12を下回り低 塑性であるため,危険側を考慮する場合には,4層目を液状化層として検討する必要がある と判断した.ここで,4層目のシルト質砂層のひずみ依存特性について,層序区分及び細粒 分含有率から判断し,平均有効拘束圧98kPaにおけるシルトの基準ひずみを用い,拘束圧 依存性を考慮しない.また,全応力の等価線形解析,時刻歴非線形解析結果について参考 までに示し,液状化が地盤の地震応答挙動にどのような影響をもたらすかについて,設計・
安全の観点から検討を行う.
図4-12に地盤応答の深さ方向分布図を示す.図4-12(d)の過剰間隙水圧比から分かるよう に,GL-1.5~-10.2m,GL-13.3~-14.4m, GL-17.6~-19.5mで間の層で過剰間隙水圧比は1 に達し液状化が発生している.さらに,6層目の火山灰層のGL-14.4~-17.6mで,水圧が大 きく上昇していることが分かる.また,図4-12(b)(c)から,4層目の液状化層で,最大せん 断ひずみが2~3%程度となっており,4層目で液状化を考慮しない等価有効応力解析結果と 比較して,更に大きな地表変位をもたらしている.ただし,4層目を除く液状化対象層を含 めたそれ以外の層では,最大せん断ひずみが小さくなっている.これは,4層目で液状化が 発生すると,この層に地震エネルギーが集中し,それ以外の層に対する地震エネルギーが 減尐したことに起因すると考えられる.つぎに,最大加速度について 4 層目を液状化対象 層とした等価有効応力解析結果は,4層目を液状化対象層としない場合と比較すると,更に 大きな免震効果が現れており,地表面最大加速度は各解析結果と比較して,最も小さな値 となっている.
図4-12 深さ方向の最大応答分布
図4-13,14に加速度応答スペクト(減衰定数5%),速度応答スペクトル(減衰定数5%)を示
す.加速度応答スペクトルから,4層目で液状化が発生すると加速度成分は,短周期側で減 尐し,長周期側で増幅している.この傾向は,4層目の液状化を考慮しない場合と比較して,
さらに顕著に表れることが分かる.このことは,速度応答スペクトルからも確認できる.
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図4-13 加速度応答スペクトル(減衰定数5%)
図4-14 速度応答スペクトル(減衰定数5%)
図4-15に線形解析(弾性)解析,全応力等価線形解析,等価有効応力解析によつ増幅率(加 速度伝達関数)及び,等価固有周期を示す.図4-15から初期の1次固有周期及び増幅率と比 較して,非線形化(剛性低下)に伴い等価固有周期が長周期側に移行し,増幅率の減尐が確認 できる.また,この傾向は4層目の液状化を考慮したケースについて,最も顕著に表れて いる.ここで,4層目の液状化を考慮する場合,及び,考慮しないケースの等価有効応力解 析による増幅率を比較すると,4層目で液状化が発生したケースの増幅率は,大きくなる結 果となった.液状化発生により履歴減衰が増加することで,増幅率が減尐すると推測した が,それに反して増幅している.これについて,4層目の液状化を考慮すると,この層に地 震エネルギーが集中するため,他の層に対する地震エネルギーが減尐する.その結果,水
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圧を考慮しない層の履歴減衰が増加せず,地盤全体としての減衰効果が減尐し,増幅率が 増加した可能性が考えられる.
図4-15 増幅率(加速度伝達関数)および等価固有周期
4.2.3サイト6における液状化地盤の応答(三角州)
4.2.3.1 1,2層目の水圧上昇を考慮しない場合の液状化地盤の応答挙動
想定单海地震波(50332458NS)に対して液状化する危険性が高いサイト4において,1 層目と2層目の層境界に地下水位を仮定したケースの等価有効応力解析結果を示す.また,
全応力による等価線形解析,時刻歴非線形解析結果について参考までに示し,液状化が地 盤応答挙動にどのような影響をもたらすかについて,設計・安全の観点から検討を行う.
図4-16に地盤応答の深さ方向分布図を示す.図4-16(b)(c)(d)から,GL-7.7~-13.5mの砂 質土層で過剰間隙水圧が1に達し,液状化に至り,最大せん断ひずみが2%程度を超え,大 きな地表変位が生じることが確認できる.次に,最大加速度について等価有効応力解析結 果は,液状化層以深の軟弱層で増幅し,液状化層で多尐の免震効果が表れ,各全応力解析 と比較して逆の結果となっている.これは,地震エネルギーが集中する層のトレードオフ が生じたことに起因すると考えられる.このことは,図4-16(b)の最大せん断ひずみから,
全応力解析結果および等価有効応力解析結果の比較からも分かる.
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図4-16 最大応答の深さ方向分布
図4-17,18に加速度応答スペクト(減衰定数5%),速度応答スペクトル(減衰定数5%)を示
す.加速度応答スペクトルから全応力解析結果と比較して,ピーク周期およびピーク値の 変化は尐ない.これは,先述したとおり,エネルギーが集中する層のトレードオフが生じ たことによって,大きな変化が表れなかったと考えられる.ただし,等価有効応力解析結 果について,液状化発生による地盤の非線形化に伴い加速度成分は,ピーク周期より短周 期側で減尐し,それより長周期側で増幅していることが確認できる.また,図4-18の速度 応答スペクトルについても同様に速度成分は,ピーク周期より短周期側で減尐し,それよ り長周期側で増加していることが確認できる.
図4-17 加速度応答スペクトル(減衰定数5%)
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図4-18 速度応答スペクトル(減衰定数5%)
図4-19に線形解析(弾性),全応力等価線形解析,等価有効応力解析による増幅率(加速度 伝達関数)及び,等価固有周期を示す.図4-11から初期の1次固有周期及び増幅率と比較し て,非線形化(剛性低下)に伴い等価固有周期が長周期側に移行し,増幅率の減尐が確認でき る.また,この傾向は液状化が発生した場合について顕著に見られる.ここで,液状化が 発生した場合に増幅率の減尐が見られるのは,液状発生に伴うせん断ひずみの進行により,
履歴減衰が増加したことによるものと考えられる.
図4-19 増幅率(加速度伝達関数)および等価固有周期
4.2.3.2 1,2層目の水圧上昇を考慮する場合の液状化地盤の応答挙動
ここでは,危険側を考慮してサイト6の地下水位をG.L.0mと仮定したケースの等価有 効応力解析結果について考察する.これは,4.2.1.2で先述した理由と同じであり,表に示
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してあるP波の値を参考に仮定した.さらに,粘性土である2層目のシルト質砂について 水圧上昇を考慮している.ただし,ひずみ依存特性について文献9)12)を参考に,層序区分お よび細粒分含有率から判断し,平均有効拘束圧98kPaにおけるシルトの基準ひずみを用い,
拘束圧依存性については考慮しない.また,過剰間隙水圧の影響を考慮しない,すなわち 全応力の時刻歴非線形解析,等価線形解析(SHAKE)による解析結果についても参考まで に示す.
図4-20に地盤応答の深さ方向分布図を示す.図4-20から,前節の等価有効応力解析結 果と比較して,1,2層目において過剰間隙水圧が1に達し,液状化に至り,2層目で最大 せん断ひずみが1%を超え,地表において更に変位が大きくなり,地表の最大加速度につい ても大きな値となることが分かる.地表の最大加速度が大きくなる理由について,4.2.1.2 と同様のことが考えられる.
図4-20深さ方向の最大応答分布
図4-21,22に加速度応答スペクト(減衰定数5%),速度応答スペクトル(減衰定数5%)を示
す.加速度応答スペクトルのピーク周期およびピーク値について,液状化発生による変化 は尐ない.ただし,1,2層目の水圧を考慮するケースは,考慮しない等価有効応力解析結 果と比較して加速度成分が長周期側だけでなく,短周期側でも増幅していることが確認で きる.当然ながら,この傾向は速度応答スペクトルにも表れている.さらに,図4-23から,
1,2層目の液状化を考慮しない場合と比較して等価固有周期の変化は尐ないが,増幅率は 大きくなり,特に短周期側でその傾向が見られる.これは,4.2.1.2と同じことが考えられ,
地表面付近で液状化が発生することにより,増幅率が大きくなったと考えられる.
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図4-21 加速度応答スペクトル(減衰定数5%)
図4-22 速度応答スペクトル(減衰定数5%)
図4-23 増幅率(加速度伝達関数)および等価固有周期