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コンピュータリテラシーに関するアンケート調査報告 平成14年度概要

ドキュメント内 情報教育研究センター年報 2002 (ページ 48-56)

由紀子 キーワード :情報教育、コンピュータリテラシー、アンケート

Yukiko, OKADA

情報教育研究センター助手

Research for the Computer Literacy of College Students(2002)

1.はじめに

大学の情報教育が直面している課題の一つに、家庭 環境、小・中・高等学校・その他の教育機関の情報教 育などから生じた、学生のリテラシー能力の違いが挙 げられる。平成15年度から高等学校に新設される普通 教科「情報」(必修)では、「情報A」「情報B」「情報

C」の3科目のうちから1科目以上を各学校が選択す

ることが決まっており、学校間の指導内容の違いが、

ますます学生の格差を広げることが予想される。した がって、学生が入学時にどのような知識や技能を身に つけて大学に入学してきたのかをできるだけ迅速に把 握することが大学の情報教育のカギとなる。

そのため、情報教育研究センター(以下、センター と略す)では、平成13年度より、学生の入学時のリテ ラシー能力のレベルやばらつきを把握するためコン ピュータリテラシーに関するアンケート調査を実施し ている。

平成13年度の調査結果によると、大学入学以前に

「パソコン経験がある」(88.0%)、「インターネット 経験がある」(72.0%)という結果で、「大学に入学す るまでに一度もパソコンに触れたことのない学生」か ら「ワープロ専用機やパソコンを10年以上前(小学校 時代)から利用してきたベテランや、大学入学時に既 に情報関連の資格を取得している実力派までが混在し ていることがわかった。

本学では、これら学生の入学時の知識や技能のばら つきを改善し、より高いレベルの情報教育を推進する ため、平成13年度から1年生全員(一部学科を除く)

に外部講師(アウトソーシング)を利用した基礎的な 情報教育科目「情報活用の基礎」関連科目(前期必修)

を開講し、1年生前期の内にパソコンの基本的な使い 方や知識を習得させている。

その結果、平成13年11月(「情報活用の基礎」関連 科目終了後)にセンターが実施したアンケート調査

(情報活用の基礎100問チェック)では、入学直後

(平成13年5月)に実施した同じ内容の設問を選び、

その理解度を比較したところ、13項目中12項目に大き な学習効果が見られた。その取り組みの成果を検証す るため、平成14年度も昨年度同様のアンケート調査を 実施し、学生の現状を把握した。

本稿では、平成14年5月にセンターが実施した、

「コンピュータリテラシーに関するアンケート調査」

の結果を報告する。

2.調査概要

調 査 目 的 本学のコンピュータリテラシー能力 の実態を探る

調 査 対 象 武庫川女子大学・同短期大学部の1 年生

調 査 方 法 マークカード及びアンケート用紙に よる回答

「初期演習」の時間に実施 調 査 期 間 平成14年5月

有効回答数 826人

3.調査結果と分析

表2以降の値(%)は全て回答者全体(N)との比 率を示す。また、無回答の表示を全て省いている。

3―1 回答者の所属

この調査の対象となった学生の所属(学部・学科)

を示したものが表1である。有効回答数826人は、平 成14年度の1年生全体(2,889人:平成14年4月11日 現在)の約29%にあたる。(表1)

表1 学部・学科 学部学科 人数 学部学科 人数

大日 54 短日 65 大英 55 短英 54 大教 37 短教 44 大健 48 短人 58 大人 44 短健 46 大環 45 短食 46 大食 46 短生 54 大情 42

大音 41 大薬 47

総合計 826 3―2 大学入学までの情報機器の使用経験

大学入学までの情報機器の使用経験では、「パソコ ン経験者」は前年度より約4%増え、9割を超えた。

しかし、「大学入学までに一度もパソコンの使用経験 がない学生」がまだ全体の1割弱いた。(表2)

表2 大学入学までのパソコンの使用経験

N=826

14年度 前年度差

ある 91.5% +3.5%

ない 8.4 −2.9

大学入学までのインターネットの使用経験では、

「経験者」が前年度より約11%増え8割以上になった が、「未経験者」がまだ2割弱いた。(表3)

表3 大学入学までのインターネットの使用経験

N=826

14年度 前年度差

ある 82.6% +10.6%

ない 17.3 −10.3

大学入学までのインターネットの利用歴では、「1 年未満」の初心者が約48%と最も多く、「5年未満」

「5年以上」を合わせると12.4%となり、1割程の学 生がある程度経験豊富なユーザーであることがわかっ た。また、前年度との比較では、「1年未満」「2年未 満」の経験の浅い学生の割合が減り、「3年未満」「5 年未満」「5年以上」が増える傾向にある。(表4)

表4 大学入学までのインターネットの利用歴

N=826

14年度 前年度差

1年未満 47.8% −10.0%

2年未満 19.5 −4.4 3年未満 19.9 +10.0 5年未満 9.2 +3.8 5年以上 3.2 +2.8

3―3 自宅の学習環境

自宅にある情報機器を調べたところ、「パソコン」

を8割以上の家庭が持っており、「パソコン」はテレ ビのように家庭の必需品となりつつある。また、「プ リンタ」(69.1%)の所有率から、パソコンはあって も自宅でデータを印刷できない学生が12%いることが わかった。また、「プリンタ」「スキャナ」「デジタル カメラ」など、パソコンの周辺機器の所有率が上がっ ており、最近急速に普及している「デジタルカメラ」

の伸びが10%を越えている。ただし、「デジタルビデ オカメラ」を持つ家庭は8.1%とまだ少ない。本学で は、複数の学科で、「デジタルカメラ」や「デジタル ビデオカメラ」で撮影したデータをパソコンで加工・

編集し作品に仕上げるというマルチメディア情報科目 が開講されている。「デジタルカメラ」と「デジタル ビデオカメラ」の所有率の低さから、大学で貸し出し 用の機器を検討する必要がある。(表5)

表5 自宅にある情報機器(複数回答)

N=826

14年度 前年度差 パソコン 81.1% +4.9%

プリンタ 69.1 +9.7 スキャナ 22.0 +9.1 デジタルカメラ 26.9 +10.2 デジタルビデオカメラ 8.1 −1.7 自宅のインターネット利用環境では、「インターネッ トに接続できている家庭」が約7割あった。しかし、

利用家庭は前年度から余り増えていない。インター ネットに接続する方法は、アナログ回線(一般の電話 回線)、ISDN、ADSL、FTTH、CATVなど様々で、

今後、学生の利用形態の調査も必要と思われる。(表 6)

表6 自宅のインターネット利用環境

N=826

(13年度:自宅でのインターネット経験)

14年度 前年度差 ある 69.2% +4.9%

ない 29.8 −5.7

自宅でのパソコン指導者では、「ある」家庭が5割 弱あり、学生の2人に1人は身近にパソコンのことを 聞ける相手を持っている状況である。しかし、その割 合は前年度に比べて10%近く減っている。その理由と して、平成13年度の同様のアンケート調査の結果から、

「パソコンの得意な同世代の友人に聞く」学生が増え ていることが考えられる。(表7)

表7 自宅のパソコン指導者

N=826

14年度 前年度差 ある 48.4% −9.1%

ない 51.5 +9.0 3―4 小・中・高等学校の授業経験 3―4―1 小学校の授業経験

■授業経験

小学校のパソコンを使った授業経験者は全体の約25

%で学生の4人に1人の割合である。文部科学省では 数年前から小学校の「総合的な学習の時間」や各教科 などにおいてコンピュータやインターネットの積極的 な活用を勧めているが、平成14年度の新入生の小学校 での授業経験者の割合は余り多くない。(表8)

表8 小学校でのパソコンを使った授業経験

N=826

14年度 前年度差

ある 24.8% +6.8%

ない 74.9 −6.7

■授業内容

小学校のパソコンを使った授業内容は、「ワープロ」

(41.5%)、「グラフィックス(ペイントを含む)」(35.

1%)、「表計算」(10.7%)の3つが主な内容で、「ワー プロ」が約20%前年度より増えている。「その他」に は、ゲーム(タイピング、国語、算数、動物)、算数、

学習、プログラミング、CD利用、などの回答があっ た。(表9)

表9 小学校の授業内容(複数回答)

N=205

14年度 前年度差 ワープロ 41.5% +19.8%

表計算 10.7 +5.1 グラフィックス 35.1 +4.7 インターネット 4.9 +1.2 その他 25.4

3―4―2 中学校の授業経験

■授業経験

中学校のパソコンを使った授業の経験者の割合は、

小・中・高の中で一番高く、全体の8割弱でその割合 は平成13年度とほぼ同じである。中学校段階では、技 術・家庭科の「情報とコンピュータ」の必修化が計画 され、発展的内容は生徒の興味・関心に応じて選択的 に履修できるようにされている。(表10)

表10 中学校の授業経験

N=826

14年度 前年度差 ある 79.1% +1.3%

ない 20.5 −1.2

■授業内容

中学校のパソコンを使った授業内容は、「ワープロ」

(54.1%)、「グラフィックス(ペイントを含む)」(36.

9%)、「表計算」(18.7%)、の3つが主な内容である。

「その他」には、ゲーム(作成を含む)、教科(英語、

数学、理科、地理、音楽〔作曲、楽譜作成など〕)、学 習、プログラミング(BASICなど)、ホームページ作 成、MS−DOS、ムービーメーカー、タイピング、電 子メール、チャット、Tシャツ作成、CD利用、デジ タルカメラの使い方、設計、カレンダー作成、画面を 見ただけなど、色々な回答が見られた。(表11)

表11 中学校の授業内容(複数回答)

N=653

14年度 前年度差 ワープロ 54.1% +7.8%

表計算 18.7 +2.3 グラフィックス 36.9 +3.0 インターネット 15.3 +8.7 その他 18.1

3―4―3 高等学校の授業経験

■授業経験

高等学校のパソコンを使った授業の経験者は6割弱 であった。普通教科「情報」の実施が近いせいか、前 年度より授業経験者の割合が10%近く上がっている。

(表12)

表12 高等学校の授業経験

N=826

14年度 前年度差 ある 57.6% +9.2%

ない 42.1 −9.1

■授業内容

高等学校のパソコンを使った授業内容は、「インター ネット」(59.7%)、「ワープロ」(48.5%)、「表計算」

(37.0%)の3つが主な内容である。前年度との比較 では、「ワープロ」と「表計算」の割合が減り、「グラ フィックス」と「インターネット」の割合が増加傾向 にある。「その他」には、ホームページ作成、パワー ポ イント 、プ ログラ ミング (

BASIC、COBOL、

JAVA)、レポート作成、フォトショップ、電子メー

ル、タイピング、ゲーム、カレンダー作成、教科(情 報処理、英語、数学、生物、家庭科、音楽〔作曲〕)

の他、中学校同様、画面を見ただけ、という回答があっ

ドキュメント内 情報教育研究センター年報 2002 (ページ 48-56)