• 検索結果がありません。

コミュニティパーソナリティの〈語り手意識〉(3)

ドキュメント内 Microsoft Word - 加藤晴明2011社会調査本文.doc (ページ 79-105)

~札幌市「三角山放送局」を舞台に~

犬飼真未・大澤志織・鈴木夏穂・塚本路恵 林 史弥・松岡真大・山崎愛子

Mami INUKAI, Shiori OSAWA, Michie TSUKAMOTO Humiya HAYASHI, Masahiro MATSUOKA, Aiko YAMAZAKI

中京大学現代社会学部現代社会学科 2年生(2011年度)

以下のインタビュー調査は、担当教員(加藤晴明)が実施してきたコミュニティ FM パーソナリティのインタビュー 音源を素材にして、そのトランスクリプトとコーディング作業を実施したものである。基本的には、半構造化インタ ビューをベースにしながら、各班ごとに、コーディングを工夫してまとめている。インタビューの実施は、2002 年~4 年である。

◆はじめに

今や全国に 200 局以上も存在しているコミュニティ FM。このコミュニティ FM が人々に支持されている要素の一つと して、語り手であるパーソナリティの魅力が深く関係していると私たちは考えた。彼らパーソナリティがコミュニテ ィ FM というメディアを通じて語る中で、一体どのような要素がリスナーの心をつかんでいるのだろうか。私たちはコ ミュニティ FM におけるパーソナリティの持つ特性、表現者像というものを彼らのインタビューの中から抽出し、メデ ィア表現者としてのパーソナリティ像を調査した。ここからは私たちがインタビューの中からカテゴリー化した要素 を一つ一つ取り上げ、実際にインタビューから得られた発言を織り交ぜながらコミュニティ FM のパーソナリティ像を 考察していく。

最初に、今回調査の対象となったパーソナリティを紹介したいと思う。

初めに、ラジオに親しみがあり子供に向けた正しいラジオを目標にしている深沢さん。

子供のころから霊感が強くカウンセリングなども行っている吉岡さん。

ラジオには憧れがあり、ブース内で心がけていることは聞いてくれている人がいることという小山さん。

また、元放送部で放送経験に対しては誰よりも知識がある、小山さん。

元ミュージシャンで、ラジオ放送を通して音楽環境を変えていきたいと取り組んでいる箭原さん。

ナレーションの仕事を主にしていて、勉強のためにパーソナリティになった佐藤さん。

演劇部、映画、よさこいといった様々な経験を持った樫田さん。

レコード会社でアーティストの紹介のコーナーをきっかけにラジオの世界に入った相沢さん。

コミュニティ FM を通して地域をつなげるラジオを目指す千葉さん。

そして、最後に病気によって視力を失ってしまったが、ラジオによっていろいろな人とのつながりを見出すことに 成功した福田さん。

以上 9 人の個性あふれる面々のインタビュー結果をもとにトランスクリプトを行い、FM コミュニティのパーソナリ ティについて考察してみた。

◆パーソナリティになったきっかけ

三角山放送局パーソナリティの方々へのインタビュー結果から、パーソナリティになったきっかけとして、主に以 下の二つのグループに分けられる。

タイプの下は、インタビューの抜粋部分である。都合によりインタビュー内容を省略したり要約したりした方もい る。※()内はインタビュアーの加藤の発言である。

◇タイプ①:希望型

●雑誌の募集から

●人との出会いを求めて

●ラジオは憧れの場であり、職としたい

●リスナーに届けたい思い・内容がある

●ラジオは勉強となる場(他の職にも繋げたい)

藤原さん<以前水産業に務めていたパーソナリティ>

・(ここに来るきっかけは?)

雑誌に募集が出てて。

たまたま放送局っていうか 「何かやりたい」って思った時にたまたま見つけて。

・(ラジオで喋りたかった?)

いや、何でもよかったんです。丁度会社を丸3年働いて、仕事に慣れてきて。でも今度は何か趣味のことをやろう と思って。

なんでもいいからとりあえずいろんな人に出会ってみたい。

佐藤さん

・(なぜプロを目指したのか?)

もともとナレーションの仕事をやっていて、いろいろな仕事司会などをしていて、ラジオはとっても勉強になる から行ってきなさいと言われた。

・(オーディションに行った理由は?)

テレビを見ていたりとかして、そういうナレーションを聞いたりして、募集記事、フリーペーパーで“無料でア ナウンス教えます”を見て。

深澤さん

・子どもたちに向けてやりたいんですよ。

・小中高生が聴ける。それで大人も聴ける正しいラジオはやろうと。

・ラジオは身近だった。ラジオに憧れていた。

小山さん<小中高校生の時に放送や司会の経験がある>

・もともとラジオがものすごく好きだった。

・発信するならラジオっていうのがすごくあって、そのイベントの企画などをやっていた時に、何度かゲストでラ ジオ出演をしていたときに、やっぱりこれが(ラジオ)一番好きなんだよなっていうのがあったんですよね。

◇タイプ②人脈型

●友人からの紹介

●社長からの誘い(社長と知人である)

●三角山放送局関係からの誘い

●友人・社長両者からの誘い

千葉さん

・友達の紹介でね、僕はもう出るつもりはなくて、原稿でお手伝いをする、音源でお手伝いをするっということだっ たんですね。でもパーソナリティいないからもうやっちゃってみようって。

相沢さん

・昔、ここの社長がSTVにいた時に、私も丁度STVに出ていたんですよ。1コーナーを担当していたりして。そ ういう付き合いがあったので社長とは知り合いだったんです。

(それは社長から声が掛かってということですか?)

そうですね。務めていた所がレコード会社で、アーティストを紹介するというコーナーで出てたんですよね。それ で何度かコーナーに出て、この商売でやっていこうと思って。 会社を辞めてこの世界に入ったんですね。

樫田さん

・ある番組にゲスト出演した後にそれからしばらくたってプロデューサーの杉沢さんから電話がかかってきてラジオ に出ないかい?って言うから。

福田さん<視覚障がいのあるパーソナリティ>

・所長がね、今度こんな放送局できたからちょっと見学に行かないかって誘われて、その時に入って、自分達が今ま でやってきた甲斐があって、その会の話をちょっと喋らないかって。

・この放送を通じて、病気のPRできないかという気持ちもあったわけさ。

吉岡さん

・自身の職であるカウンセリング・ヒーリングで三角山放送局の社長との接点があった。また、友人からもラジ オの紹介を受けていた。

以上のインタビューから必ずしもアナウンサーや放送関係に携わりたいという理由だけでなく、全く放送関係に経 験がなくても放送局の社長との人脈や地域の人脈でパーソナリティになる人々もいる。

細かく見ていけば上記にあげたタイプの細分化したものが複合している人もいるが、大きくはこの希望型と人脈型 に分けられるだろう。

◆コミュニティ FM への足の踏み入れ方

経験のない人がラジオをやることになったきっかけは以下のものがある。

・紹介、勧めによる ・オーディション ・知り合い、関わりを持つ ・商売でやる

・スカウト

・現在のラジオに対しての不満 ・雑誌による募集

・喋るのが好き(周りから思われる)

・ゲスト出演 ・何度か経験がある ・現在の仕事の延長線上

これらを踏まえ、以下の3つのパターンに振り分けることができる。

・自分からやろうと決めた 『自発型』

(オーディション、雑誌による募集、商売でやる)

・他者からの勧め、紹介 『人脈型』→【人脈がある】

(現在のラジオに対しての不満、現在の仕事の延長線上、ゲスト出演、何度か経験が ある)

『自発型』には次のような傾向が見られる。

・オーディション

加藤:あの最初のオーディションでわぁって集められた段階で、

小山:はい。そうです。オーディションでまいりました。

・雑誌による募集

藤原:雑誌に喋りたい人大募集という募集が載っていたため。

・商売でやろう

相沢:勤めていたところがレコード会社でアーティストを紹介するというコーナーで

出たんですね。それで何度かコーナーに出て、この商売でやっていこうと思っ て。会社を辞めてこの世界に入ったんですね。

このことから、自発型には自分の意思でラジオという世界に入っている。また、喋ることが好きな人であるとも考 えられる。

『異色型』には次のような傾向が見られる。

・現在のラジオに対しての不満

深澤:子どもたちがこんな放送をきいていたら、やばいなぁと思ったんですよ。

→現在のラジオ番組のあり方に不満を持ち、自分がそれを変えていきたいと思う。

・現在の仕事の延長線上

加藤:あの、それってあれですか、今回ラジオっていうのは仕事(シンガー、作曲、

ボイストレーナー)のやっぱり延長でというか、そういう形でもっているの かなと?

箭原:そうですね。はい。

→自分の現職を活かして番組に出演する。

このことから、異色型にはラジオに関して自分の考えをきちんと持っている人や現職と結びつけている人がいる。

『人脈型』には次のような傾向が見られる。

・社長さんとの繋がり

加藤:先ほどキャリア20年とおしゃっていましたけど、なぜいまここにこうしてお

られるんですか?

相沢:昔ここの社長がSTVにいたときに、私も丁度STVに出ていたんですよ。1

ドキュメント内 Microsoft Word - 加藤晴明2011社会調査本文.doc (ページ 79-105)