~札幌市「三角山放送局」を舞台に~
~半構造化インタビュー調査~
片野未由希・岩瀬有紀乃・臼井沙織・重本菜摘 市川晃康・大倉拓也・岡井勇麿
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Miyuki KATANO, Yukino IWASE, Saori USUI , Natsumi SHIGEMOTO Akiyasu ICHIKAWA, Takuya OOKURA, Yuuma OKAI
中京大学現代社会学部現代社会学科 3年生(片野)・2年生(他6名)(2011年度)
以下のインタビュー調査は、担当教員(加藤晴明)が実施してきたコミュニティ FM パーソナリティのインタビュ ー音源を素材にして、そのトランスクリプトとコーディング作業を実施したものである。基本的には、半構造化イ ンタビューをベースにしながら、各班ごとに、コーディングを工夫してまとめている。インタビューの実施は以下 の期間である。
〈インタビュー実施:2002 年〉
◆4 月 02 日(水曜日):
五十嵐礼子さん:「三角山ひろば/エッセイタイム読み語りグループ「トトロの会」」(水曜日)
新田郷子さん:「三角山タウンボイス アナタガ主役」(水曜日)
コチェフ・アレクサンダーさん:「三角山ひろば/世界探検隊」(水曜日)
大和秀嗣さん:「三角山ひろば/歌謡クロニクル」(水曜日)
◆4 月 03 日(木曜日):
武田朱里さん:「三角山モーニング」(火曜日・木曜日)
山本陸美さん:「ぽかぽか・三角山ガールズレポート」(木曜日)
小山素子さん:「三角山タウンボイス アナタが主役」(火曜日)
深澤雅一さん:「魅惑のレディオショー三角山ゴールデン」(金曜日)
福田浩三さん:「三角山ひろば・耳をすませば」(木曜日)
藤原香奈さん:「魅惑のレディオショー三角山ゴールデン」(金曜日)
ダニー千葉さん:「三角山ひろば・オールディーズバットグッディーズ」(火曜日)
◆7 月 13 日(土曜日):
志羅山美香さん:「三角山リレーエッセイ・花よりダンゴ」(土曜日)
小濱正道さん:「三角山リレーエッセイ・藻岩染」(土曜日)
山本 強さん:「三角山リレーエッセイ・サイバー塾」(土曜日)
永野善弘さん:「三角山リレーエッセイ・サヴァザヴァフレンチ」(土曜日)
小山 孝さん:「三角山リレーエッセイ・三角山音楽通信」(土曜日)
青砥 純さん:「三角山モーニング・懐かしの流行歌を訪ねて」(金曜日)
後藤祐次さん:「三角山リレーエッセイ・日本フォーク史」(土曜日)
丸山哲秀さん:「三角山リレーエッセイ・先生人生」(土曜日)
◆7 月 15 日(月曜日):
板垣敬子さん:「ぽかぽか・三角山ガールズレポート」(月曜日)
石川純子さん:「三角山タウンボイス アナタが主役」(月曜日)
山本 弘さん:「三角山ひろば・週刊ジャズ日和」(月曜日)
◆7 月 16 日(火曜日):
佐藤美伸さん:「ぽかぽか・三角山ガールズレポート」(火曜日)
相沢明子さん:「ぽかぽか・コンサドーレ GO WEST!」(火曜日)
小山素子さん:「三角山タウンボイス アナタが主役」(火曜日)
吉岡 学さん:「三角山タウンボイス アナタが主役・吉岡学のヒーリングタイム」(火曜日)
山本博子さん:「三角山タウンボイス アナタが主役・飛び出せ車イス」(火曜日)
浅沼 修さん:「三角山ひろば・時計台のある町」(火曜日)
◆12月13日(金曜日):
安田誠子さん:「魅惑のレジィオショー三角山ゴールデン・エッセイタイム」(金曜日)
成松郁子さん:「魅惑のレジィオショー三角山ゴールデン・エッセイタイム」(金曜日)
◆12月14日(土曜日)
遠藤美紀さん:「三角山リレーエッセー・独立指南」(土曜日)
庄田佳也乃さん:「三角山リレーエッセー・夢ゆうえんち」(土曜日)
樫田一恵さん:「三角山リレーエッセー・名作映画」(土曜日)
箭原 顕さん:「三角山リレーエッセー・MUSIC BOX」(土曜日)
◆1.はじめに
私とラジオの接点を強いて挙げようとするならば「車」しか思い浮かばない。若者とラジオとの接点はそれくらい 少ないのだ。私たちにとって決して身近とはいえないメディアであるラジオ。しかし、近年相次ぐ地震や豪雨などの 災害などによって、それは再び注目されつつある。特に地域に密着したコミュニティ FM への注目度は著しい。私たち はその、コミュニティ FM のひとつである三角山放送局に注目。コミュニティパーソナリティを対象に分析を行った。
無償で定期的に放送をする彼ら。自分でネタを探し、苦労をしてまでパーソナリティをするのは何故か。そこには一 体どんな魅力が存在するのか。
◆2.インタビュー項目
今回の調査では三角山パーソナリティ8名のインタビューを比較する。下記のものがインタビューの主な質問をま とめたものである。
1.いまの仕事、番組について 2.これまでのキャリア
3.番組の“語り(声を発信する)”中で考えていること
4.パーソナリティを支えるもの/メディアの中に登場し語る魅力は?
5.リスナーとのコミュニケーション/ヒューマン・ネットワークは?
6.メディアの中の自分は“誰”?
7.将来について
これらの質問を参考に以下の点に着目して・・・
①キャリア
②魅力/快感/快楽
③リスナーとのコミュニケーション/ヒューマン・ネットワーク
④メディアの中の自分
⑤自信/誇り
⑥継続願望
◆3.インタビュー内容より
●コチェフさん
①キャリア
加藤:あの、ちょっと戻りますけど、今までの自分の人生の中で、まあいろんなことやっておられるけど、そのメデ ィアとか放送とかに関わって、喋ったとか、出演したとか、そういう経験ってあるんですか?
コチェフ:えーとですね、それは私事と言いますか個人的な事情なんですが、私の母がテレビのプロデューサーをず っと30年間位やってまして、
加藤:ブルガリアの?
コチェフ:そうです。ドラマとかも作ってるんですけど、そういった関係で、出してって言ったら脇役とか道を渡る 人とかで出してくれるとは思うんだけど、そういうのじゃなくて、現場を見るのが好きだったんですよ。撮ってる現 場、撮影現場だとか。
加藤:喋る、でも自分が出て喋るのは今回が初めてなんでしょう?
コチェフ:そうですね。今回が。はい。
加藤:そういう「放送」は、全然経験がない?
コチェフ:ないですね。はい。
加藤:いきなりできちゃうものなんですね?
コチェフ:いきなりできちゃうもんです。
②魅力/快感/快楽
加藤:ちょっと難しい質問なんですけど、そうやって苦労してつくったとして、ただ読むだけじゃなくてそこに自分 が思いを込めて、解説して喋ってる。で、その一番の楽しさとか快感って何ですか?
コチェフ:僕自身は、それはわりとはっきりしてまして。僕自身は、ある意味、できるだけずるく冷たく生きるって いうことを、胸にしてまして、まあ普通の言葉で言えば、悩み事があるとすれば、金関係だっていうふうに考えてて ですね。あんまり人間との触れ合いとかそういったもので、自分の生活や活動全般に、わざと取り入れないようにっ してるっていう部分がありますよね。それに対する、つぐない、だと考えてます。要するに例えば僕は、ここで番組 やってるという事に対して、公衆もあってとか、そういうわけじゃないですよね。単純にものづくり精神なんですよ。
だから、
加藤:ものづくりか。番組という。
コチェフ:そうですね。これは俺の物だって、俺が作ったんだって。別に金でもなく、何でもなく、趣味なんだよね、
って、言えるようなものが。
利害関係抜きに無しに物を作っているってことだよね?
コチェフ:そうです。何の利害もないからね。
③リスナーとのコミュニケーション/ヒューマン・ネットワーク
加藤:ブースの中で自分が考えていること、あるいは誰に向かって喋っているのですか?あそこに入っている時。リ スナーが浮かぶ?
コチェフ:浮かびますね。わりかし。わりかし浮かびますけど、どうなんでしょうね。
加藤:何考えてるの?
コチェフ:わりと、うーん。それはすっごい難しい質問ですけど、
加藤:結構みんなに聞いてるんだけども。意外と知り合いのリスナーが浮かぶとか、だって、不思議じゃないですか。
目の前にいないんだから。
コチェフ:まあ。
加藤:ラジオとかNHKとか聞いても闇の中に喋ってるだけみたいな。
コチェフ:まあ、それはありますね。いや、だから、常にどういう人が聴いてるんだろうなーって。のは、あって。
なんか。ファックスを送って下さいとかリクエスト送って下さいってのは僕は本当に真剣に思って、まあくどく言っ たら番組になりませんけど。ほんとに、たまにはもうしつこく言いたくなるんですよ。どんな人が聴いてるのかめっ ちゃ気になるんですよほんとに。うん。
加藤:自分としては、なんかこう願いとか思いとかってあるんですか?
コチェフ:ラジオに対して?
加藤:いや、聴き側に対して。伝えたいこととか。
コチェフ:僕は、できれば、理想郷って考えたらですよ。例えばファックスを送ったりメール送ったり、電話、リク エスト?こういう情報を流して欲しいこういう曲を流して欲しい。
で、単純にあるべき姿っていうのは、喋ってる人なんてどうでも良くて、喋ってる人の思惑ってのはコメント的に伝 えればいいのであって、聴きたいものっていうのは、市場原理で作られるべきだと思ってるんですよそこは。
④メディアの中の自分
加藤:この番組はやっぱり、見ていてそういう余計なこと考えずに、唯一の自分の世界観が。
コチェフ:そうですね。
加藤:唯一、素の自分の世界観が。唯一、素の自分を出すときなんじゃないですか。
コチェフ:そうかもしれないです。普通は、
加藤:自分が癒されてない?
コチェフ:それはかなりありますね。
加藤:ねえ。
コチェフ:普段は、涼しい顔して自分が考えてないこと言わなきゃいけないじゃないですか。
加藤:ここでは自分を出せるわけだから。しかもさ、出す舞台としてはいい舞台だと思うんだ。