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3.4 岩石の物理特性を考慮した探査技術の研究―変換解析の適用性検討―

3.4.3 コア試料による試験結果

3.3.5 まとめ

圧縮抽水による間隙水抽出の前処理として、

窒素雰囲気での試料加工で、SO4イオン濃度の 変化を確認した結果、試料加工に伴う酸化の影 響は小さいと考えられた。一方、コア採取後の 保存期が120日を超えるような試料では、SO4、

Caイオン濃度の変化が認められ、コア表面から の酸化の影響が内部に及ぶことと、間隙水から 炭酸塩などの沈殿の生成が示唆された。保存期 間中の水質変化を少なくするためには、試料採 取後の酸化を少なくし、抽水を速やかに実施す ることが重要である。

3.3.6 今後の課題と展開

間隙水水質の評価を目的とした圧縮抽水技術 に関しては、今回の前処理方法に関する検討に あわせて、岩石種や抽出条件による水質変化に 関する検討など(中田ほか、2007)、汎用的な間 隙水抽出方法の確立に向けての課題の検討が必 要となる。

幌延地域の岩石への抽出技術の適用にあたっ ては、これらの検討結果を踏まえた条件設定を 行い間隙水抽出を行う。

3.4 岩石の物理特性を考慮した探査技術

図 3.4-1 岩石物理学による変換解析の考え方

表 3.4-1 岩石物理学による解析技術の概要

図 3.4-2 電気・自然γ線・中性子検層データによる透水係数の解析フロー(鈴木,2002 に基づく)

比抵抗、弾性波速度(P 波速度、S 波速度)を計 測し、間隙率は飽和重量と乾燥重量を計測して 算出した。

図 3.4-3 に岩石供試体により得られた各種物

理特性の相関を示す。図3.4-3 (a)は間隙率と地 層比抵抗係数Fとの関係で、Fは次式(3.1)で示 すKatsube and Hume(1983)による式より求める ことができる。

c w

r

F  

1 1

1  

、(F=aφ-m) (3.1)

ここで、ρrは岩石の比抵抗、ρwは間隙水の比 抵抗、ρcは表面伝導に起因する比抵抗、F は地 層比抵抗係数、φは間隙率、a、mは岩種に依存 する係数を示す。

これより、間隙率と地層比抵抗係数との関係 で、負の相関が明瞭に認められ、声問層、勇知 層、稚内層の順に間隙率は減少し、地層比抵抗

図 3.4-3 岩石コア試料による各種物理特性の関係

(a)間隙率と地層比抵抗係数,(b)P 波速度と S 波速度,点線は動ポアソン比を示す,(c)間隙率と弾性波速度,

(d)間隙率と動ポアソン比,(e)間隙率と動弾性係数,(f)間隙率と動せん断弾性係数

図 3.4-4 他地点の岩石試料も含めた物性値の関係

(a)間隙率と地層比抵抗係数(結晶質岩も含む),(b)P 波速度と S 波速度(堆積岩飲料),

点線は動ポアソン比を示す。点線四角印は幌延試料の物性値の範囲を示す。

係数は増大することがわかる。

図3.4-3 (b)はP波速度とS波速度の関係を示 す。両者には正の相関が見られる。図3.4-3 (c) は間隙率と弾性波速度との関係を示す。P 波速 度、S 波速度とも負の相関を示す。図3.4-3 (d) は間隙率と動ポアソン比の関係を示す。両者に は正の相関が見られる。図 3.4-3 (e)および図

3.4-3 (f)は間隙率と動弾性係数およびせん断弾

性係数との関係を示す。両者には負の相関が認 められる。声問層と稚内層に認められる相関性 に対し、勇知層はいずれの相関図においてもは ずれる傾向を示す。図 3.4-4 は他地点でのコア 試料での計測データも含めた相関図を示す。図

3.4-4 (a)は結晶質岩もあわせた間隙率と地層比

抵抗係数との関係、図3.4-4 (b)は他地点の堆積 岩試料を含むP波速度とS波速度の関係で、点 線四角印の範囲が幌延試料の範囲となる。

HDB-1~HDB-11 孔の岩石供試体を使用して

行われた弾性波速度試験(P波速度、S波速度) 、 一 軸 圧 縮 試 験 結 果 (核 燃 料 サ イ ク ル 開 発 機 構, 2004)より各種弾性係数を算出し、一軸圧縮強度 との相関を求めた(図3.4-5)。図3.4-5 (a), (b)は 弾性波速度(P 波、S 波)と一軸圧縮強度との関 係で正の相関が認められる。間隙率および動ポ アソン比と一軸圧縮強度との関係では負の相関 が見られる(図3.4-5 (c), (d))。弾性係数(動弾性 係数Ed、せん断弾性係数Gd)と一軸圧縮強度に は正の相関が認められる(図3.4-5 (e), (f))。一方、

P 波速度および間隙率と一軸圧縮強度の関係で は、勇知層だけが相関からはずれる傾向を示す。

図3.4-6は、S波速度およびせん断弾性係数と一

軸圧縮強度との関係を両対数上にプロットし、

最小二乗法により算出した回帰式を示す。せん 断弾性係数の方が若干一軸圧縮強度との相関係 数が大きいため、次節の物理検層結果から一軸 圧縮強度 σc へのクロスプロット法に基づく変 換式として、せん断弾性係数と σc との相関式 (図3.4-6 (b))を使用することにした。