• 検索結果がありません。

ぜ♂♂♂♂♂

4.2. オーステインにおける法律事務所

まずオーステインにおける弁護士(aHorney)についての数字を見てみよう。 the State

Bar or Texasが提出した資料によると、 Travis County (オーステイン市を含む行政区分)

における登録された弁護士の数は、 1981年以来、増加を続けている(図表4‑ll)。専門分 野についてみてみると、 1990年代からその分布が変りつつあるようだ。 Travis County Attorney Section(弁護士が任意に参加する分科会)に出席している弁護士の数を調べてみ ると、これらの数は厳密性を欠いているもの、その変化の傾向を読み取ることができる。

伝統的にオーステインは訴訟、行政法、一般法、不動産法、遺言および信託、環境法とい

った分野が訴訟の大半を占めていた。これは行政機関が集まった街であることを考えると

不思議ではない。しかし1990年代に入ると若干変化g阿見られる。 1990年代以来、ハイテ

ク関連に関わる分野、例えば知的財産法、商法(business law)、コンピュータと技術、が 急速に伸びている。

図表 4‑11オーステイン(トラビスカウンティー)の弁護士数推移

8000 7000

6000

5000

4000

3000

2000

1000

0

蔓 

● Travis County

(Austin)

ロBrazos County

(Bryan/Co"ege Stati on )

♂♂♂♂ぜ♂♂♂♂♂

source: State Bar of Texas

図表4‑12 トラビス・カウンティー弁護士分科会参加者数推移

rateofincrease (2000/1995)  涛2 1995  1999 

ⅠncreaseSection(+)       

intellectualpropertylaw  S R 5% 澱R 5% 途R 9% 

computerandtechnology  S R 4% 釘R 6% 澱R 6% 

corporatecollnSel  32 2R 5% 澱R 5% 途R 8% 

taXationlaw  #R R 5% 釘R 10% 迭R 5% 

busineSSlaw  R 11%  R 12%  R 11% 

Decreasesection(‑)       

litigation 涛b R 24%  RR 17%  "R 24% 

realestate,probateandtruSt 涛B紊BR 17%  3 23%  R 17% 

administrativeandpubliclaw 涛 R 25%  2R 10%  rR 21% 

enVironmentalandnatural resources 塔2 2R 15%  "R 5% 唐R 10% 

consumerlaw 塔2 2R 7% 澱R 5% 迭R 5% 

governmentallawyers 塔2 2R 5% 澱R 5% 釘R 5% 

oil,gas,andminerallaw 塔2 2R 7% 澱R 3% 迭R 5% 

entertainmentandsportlaw 田b緜rR 3%  R 3%  R 2% 

womenandtbelaw 田b緜rR 4%  R 6%  R 2% 

alternativedisputeresolution 鉄r BR 7% 途R 2% 釘R 4% 

individualrightandresponSibility 鉄 R 2%  R 0  R 1% 

Source: State Bar or Texas

オーステインはテキサス州の州都であることもあり、常に多くの法律事務所があった。

その多くは20年以上の長い歴史をもっていた。一般的に州都には多くの多様な連邦政府の 出先機関や地方自治体組織がある。これは多くの法律業務があることも意味している。オ ーステインに基盤をおく伝統のある法律事務所1930年から1940年の間に設立された。

McGinis Lochridge & Kilgore LLP, Clark, Thomas, Winter & Newton, Brown, Moroney &

Clark Hartline, and Graves, Doughrty, Hearon, 良 Moodyなどはオーステインで設立され

た伝統ある法律事務所である。

1980年代後半までには、オーステインのハイテク企業は、技術や創業について詳しい弁 護士事務所を徐々に必要とするようになった。もし弁護士が技術に詳しければ、企業はテ クニカル・アドバイザーと弁護士の両方を雇う必要もなくなるし、それによってコストも 削減できる。しかしながら、その当時、 IPOやIPなどハイテク関連を扱える弁護士事務所 はほとんどなかった。オーステインの初期の起業家は当時の様子を以下のように語ってい

る:

(10年前のオーステインでは)ハイテクスタートアップ やストック・オプションを扱える弁護士はほとんどいま せんでした。企業がどう動くかについて真に理解してい る弁護士も、一人か二人だったのではないでしょうか7。

4. 3.他地域からの流入

他地域から弁護士事務所がオーステインに進出しはじめたのは、 1970年代後半からであ った。このとき、ほとんどはヒューストンやダラスなどテキサス州内に本拠地をおいてい た。彼らは早くから支店をおくとともに、オーステインのビジネスの成長によって、 1990 年代後半には弁護士事務所は規模を拡大させたり、ビジネスの幅を拡大させたりした。例

えばダラスに本拠地をおくテキサス最大の弁護士事務所、 Akin Gump, Strauss, Hauer, 良

Feldはオーステイン支社を、 1978年に作った。それを成長し、 2,000年には75名の弁護士

を擁している。ヒューストンに拠点をおくFulbright, 良 Jawarski LLPも同年、オーステ インに進出した。次ぎの年にはThomson 皮 Knight LLP (Dallas), and Hughes & Luch LLP

(Dallas)がオーステイン事務所を設置した。

1980年代半ば、ちょうどオーステインがMCCの誘致に成功し、ハイテク機運が高まって いる頃、第二グループの弁護士事務所が大挙してオーステインにやってきた。 Baker, &

Bolts LLP (Houston), Jenkens &Gilchrist PC (DaHas), andHaynes andBooneLLP (Dallas)

などがその例である。彼らはオーステイン事務所を強化した。 1992年、ダラスをベースと

するWi‑nsted Sechrest & Minickが、 1994年には同じくDallasベースのLocke Purnell

Rain Harrelが7名の弁護士でオーステイン事務所を開業した。このころまではテキサス 州内の弁護士事務所が多かった。

しかし1990年代半ばに入ると、′シリコンバレーからの弁護士事務所が殺到する(図表4

‑13)。カリフォルニアに拠点をおくBrobeck, Phileger&Harrison、 GundersonDettmer、

Gray CaryWare & Freidenrich、 and Wilson, Sonsini, Goodrich & Rosati, and Skjerven

Morrillなどがその例である。彼らはシリコンバレーで築き上げたネットワークと経験を武 器にオーステインのハイテク市場を席巻した。

国表4‑13 オーステインにブランチをもつカリフォルニアベースの弁護士事務所

弁護士事務所名  本拠地  オーステイ  在オーステイン  クライアント (オーステインの企業 またはオーステインにあるブラ ンチ) ン事務所  弁護士数  開設年  (2000‑2002) 

Brobeck,Pbleger &Harrison  SanFrancisco  1994  82ー60  Samsung,Ⅰ2,Concero, Nokia 

Gunderson Dettmer  MenloPark  1997  20‑3  MotiVeCommunication, VignetteCorp,Lane15 Software,ThlogySoftware 

GrayCary,Ware &Freidenricb  PaloAlto  1998  37ー32  Microtune,Crossroad Systems,EXtremeDeVices, PiXelMagic 

WilsonSonsini, Goodrich,& Rosati  PaloAlto  1999  32ー28  HP.AOL,Sun Microsystems, AppleComputer 

SkjervenMorrill  SanJose  1999  32ー0  HP.AOL,Sun Microsystems, ADpleComputer 

Source: HP or each law firm and Austin Business Journal, Austin American Statesman

1994年、カリフォルニア州サンフランシスコに拠点をおくBrobeck, Phileger&Harrison

が40名の弁護士を擁しオーステイン事務所を開設した。 Brobeckはオーステインに来る以

前から、 Tivoli Systems, AtriumTechnology, U.S. Medical Products, TadpoleTechnology,

and Austin Venturesなど、オーステインのハイテク企業およびVCと仕事をしていた。

Brobeckがオーステインに進出する前は、これら企業は契約を結ぶとか法律上の相談をする たびにサンフランシスコまで飛行機にのって飛ばなくてはならなかった。そのような状況

をみて、 Brobeckの弁護士、 Carmello Gordianがオーステインにサテライト・オフィスを

おくことを提言し説得した。 Brobeckのオーステイン進出についてスポークス・ウーマンの Nancy Davisは以下のように説明している。 「オーステインにはハイテク企業の集積があり

ます。でもスタートアップと働ける弁護士が不足しました」。 Brobeckは公的・私的フアイ

ナンシング、企業パートナーシップ、吸収合併、そして商法に焦点を当てていくつもりで

ある。 Brobeckが他のカリフォルニアの弁護士事務所に先駆けてオーステインで仕事を始め たことによって、オーステインにシリコンバレーのラフでカジュアルな文化が定着し、ロ ーカルビジネスを拡大させた。

Brobeckに引き続き、1999年、WiほonSonsini Goodrichがオーステインに進出した。Wilson

SonsiniGoodrichは1961年にカリフォルニア州パロアルトで設立され、シリコンバレーの

発展と成功の立役者であった。彼らの主要顧客は、 Apple Computer, Hewlet卜Packard, Kliner Perkins Caurield & Byers(VC),Netscape Communicationsなどである。彼らもオー

ステインに進出する前に、すでにオーステインのハイテク企業を顧客としていた。例えば

National Instruments lnc, Acuity Corp, Spinal Concepts, and Jato Technologiesなど

である。

他地域からの弁護士事務所の流入に対し、地元オーステインの弁護士事務所は、ハイテ ク産業の発展にも関わらず慎重な意思決定を行っている。老舗弁護士事務所であるClark,

Thomas 良 WhinterのシニアパートナーのLarry McNeilは以下のように述べている。 「着実

な成長が重要なのです。一夜にして急激に伸びるものではないのです。我々はゆっくり確 実な成長を好みます。」

4. 4. IPO LIP

オーステインの外側から進出してきた弁護士事務所は、いくつかの分野でオーステイン 地元の弁護士事務所を圧倒した。第一に、弁護士事務所に雇われている弁護士の数の変化 をみてみよう。オーステイン、ダラス、ヒューストン、カリフォルニアと4つに分けて弁 護士数の推移をみてみると、 Clark Thomas以外のオーステイン・ベースの弁護士事務所は その数を年々減らしている(図表4‑14)。他方、ダラス、ヒューストンに拠点をおく弁護士 事務所はオーステイン・オフィスを強化し、多くの弁護士を雇い入れている。 2001年には VinsonElkinsがオーステインで最も多くの弁護士を雇っている弁護士事務所となった。カ

リフォルニアの弁護士事務所のオーステイン進出の歴史は浅いが、急速な勢いで数を増や

している(図表4‑14)。 Blobeckは1994年にオーステインにきたときは20名以下であっ

たが, 1999から2000年にかけて弁護士の大量採用とカリフォルニアからの人員異動

によって一挙に人数を増やした。 2001年には弁護士数からみると、オーステインで第三の

弁護士事務所となっている。

図表4‑14 弁護士事務所別(地域別)弁護士数推移

120

100

80

60

40

20

0

1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 19992000 2001

I+Clark. Thomas. Winters & Newton Austin

+Brown,Maroney. & Clark Hart‖ne Austin ーMcGinis Lochridge a KHgore LLP

+Graves, Doughrty, Hearon & Moody

Baker & Botts Vinson & Elkins Fulbright a Jaworski Akin, Gump, Strauss. Hauer & Feld Vinson & EJkins

Fulbright a Jaworski

Akin. Gump, Strauss, Hauer & FeJd

= Wilson Sonsini Goodrich a Rosati PC

‑Gray Cary Ware & Friederich LLP

‑Brobeck, Phleger & Harrison LL.P

第二に弁護士事務所にとって,ハイテク企業のIPOを助けることは重要な役割である。

彼らベンチャー企業に法的な支援を提供する。 1995年から2001年にかけて、オーステイン では29の企業がIPOを果たした。しかし引受人および発行人を請け負った弁護士事務所は、

オーステインのそれは0であり、カリフォルニア(40%)、ニューヨーク(22%)、ダラス・

ヒューストン(18%)であった。

図表4‑1‑5 オーステインの企業のIPO (25社)を支援した弁護士事務所の立地

(1995‑2001)

L AustR unknown

*included in underwriter's lawfirms and issuer's lawfirms

source: ipo.com, ipodata.com, Great Austin chamber of commerce

第三にハイテク企業にとって、知的所有権は技術を秘密にしておく強力な保護的手段で ある。ベンチャー企業はしばしば弁護士や法定代理人を雇い、知的所有権に関する問題を 扱ってもらう。オーステインにも知的所有権を扱える弁護士事務所はあったものの、ダラ ス、ヒューストン、カリフォルニアに比べると数が少ないといわざるをえない。

以上のようにIPOや知的財産権などのような新企業創造が多い地域、例えばヒュースト ン、ダラス、カリフォルニアにある弁護士事務所は、オーステインを凌駕していた。換言 すれば、オーステインのスタートアップは外部の知識を利用していた。オーステインの弁 護士事務所はハイテク企業のニーズに対応してそのサービスを変化させてこなかった。そ の結果、オーステインのスタートアップたちは他地域の弁護士事務所に依存せざるをえな かったのである。

他地域からオーステインに弁護士事務所が参入するにつれ、優秀な弁護士をめぐる弁護 士事務所間の競争も激しくなり、弁護士事務所の給料も上昇した。大規模な弁護士事務所 も、優秀な新卒の弁護士をめぐって全米の水準ではりあわなければならなくなった。基本 的に進出した弁護士事務所は主要なメンバー以外は地元採用をしたので、テキサス大学オ ーステイン校からの卒業生がその対象となった。例えばカリフォルニアに拠点をおく Brobeckは新卒の弁護士に対して年間15万ドルの給料を支払っている。ヒューストンに拠

点をおくVinsonElkinsは10.5万ドルである(図表4‑16)。オーステインに拠点をおく弁

護士事務所はこの水準に追随しなかった(図表4‑16)が、全体としてオーステインの弁護

士の給与水準は上昇した。