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「エヴェンキ族⾃治旗草原管理条例」

第五章 ソロン・エヴェンキの牧畜経済におけるジューの役割と意義

附表 1 「エヴェンキ族⾃治旗草原管理条例」

(出所: 鄂温克族⾃治旗http://www.ewenke.gov.cn/Item/24639.aspx 政府ホームページ発布時間:2016 912⽇、2018.11.8閲覧)

(2000329⽇開催のエヴェンキ族⾃治旗第九回⼈⺠代表⼤会第⼆次会にて議決され、200111 21⽇に内モンゴル⾃治区第九回⼈⺠代表⼤会常務委員会第27会議で施⾏が批准された。)

第⼀条 草原保護、管理、開発、合理的利⽤、牧畜業の発展推進、⽣態環境の保護と改善を⽬的として制 定された。「中華⼈⺠共和国⺠族区域⾃治法」、「中華⼈⺠共和国草原法」、「内モンゴル⾃治区草原管理 条例」のこれらの法律と法規を根拠に⾃治旗の実際に結合させ制定した。

第⼆条 本条例が⾃治旗⾏政区間区域内のすべての草原に適応する。

第三条 ⾃治旗⼈⺠政府畜牧⾏政管理部署が⾃治旗⾏政区域内の草原管理⼯作の責任を負う。各ソム

(郷、鎮、⽯炭鉱地区)畜牧総合管理部署が各管轄区域内の草原管理⼯作の責任を負う。⾃治旗草原監理部 署及びソム毎に草原監理員を設けその区域内の草原の監理を⾏う。

第四条 ⾃治旗境内の草原は法律に基づいて全⺠と労働群衆の集体所有である。

⾃治旗⼈⺠政府が法律に基づいて全⺠所有の事業機関(事業単位)と部隊に配分した草原、未開発利⽤の 草原とその他の集体所有ではない草原はすべて全⺠所有とする。法律規定にて国家所有とする以外の牧区集 体経済組織使⽤の草原が、労働群衆集体所有とする。

第五条 草原所有権の確定後、書⾯登録を⾏う。全⺠所有の草原は⾃治旗⼈⺠政府が使⽤者に「草原使⽤

証」を発⾏し、使⽤権を確認する。集体所有の草原草原は⾃治旗⼈⺠政府が「草原使⽤証」を発⾏し、草原 所有権(条例法⽂のまま記載、以下に現れる「所有権」も同様)を確認する。

第六条 ⾃治旗⼈⺠政府が関連法律法規に基づき、本条例を規定し、⺠族の利益と⺠族⾃治地域の経済建 設、少数⺠族の⽣産と⽣活の保護と援助、などを原則とし、同⼀の⼟地の⼆重配分と草原所有者と林業権利 証⼆重発⾏による草原権属紛争を処理する。⾃治旗の意⾒は⾃治区⼈⺠政府の批准と必要とする。

第七条 草原所有者は請負機関と個⼈に草原配分と請負を負わせることができる。草原の請負は、請負側 と配分側(具体的には⾃治旗⼈⺠政府)が法律に基づいて契約書を協定し、双⽅の権利、義務、保護管理建設と 責任を明確させ、草原請負経営権を確認する。集団所有(=国家所有)の草原は本集団の経済組織成員での 請負であり、請負期間は30年以下でないこと。

第⼋条 草原所有権、使⽤権、請負権は法律に保護され、如何なる機関と個⼈は侵害してはならない。

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草原の請負経営権は、⾃治区関連規定により移転できる。集団所有草原の請負権が本集団内経済組織或い は個⼈へ移転される場合、請負側と移転側が同時に申請を提出し、ガチャー村⺠委員会会議の三分の⼆以上 の成員の同意の上、ソム(郷、鎮、鉱区)⼈⺠政府が批准する。

⾃治区以外の期間或いは個⼈へ流転される場合、⾃治旗政府の批准が必要である。草原は本集団経済組織 以外の機関或いは個⼈へ請負経営を流転する期間は30年を超えてはならない。草原の売買と変相売買を禁ず る。

第九条 法律による草原権⼒所属を変更する場合、草原管理部署へ申請を提出し、草原権⼒所属の変更の 際に、⾃治旗政府の承認が必要とされ、変更登録を⾏い、草原所有権或いは使⽤権証書を変更する。

第⼗条 草原使⽤権ある組織或いは個⼈が以下の⾏為を⾏った場合、⾃治旗⼈⺠政府が法律に基づき使⽤

権を回収し、「草原使⽤証」を取り消す。

(⼀)草原を使⽤する組織が取り消されている場合、或いは⾃治旗から転出した場合

(⼆)連続⼆年以上草原を使⽤していない場合

(三)批准無しで草原利⽤⽬的を各⾃で変えた場合

(四)期間内に必要な整備を⾏わず不合理な利⽤により⾃治旗草原管理部署にて重度退化の草原と認定さ れた場合

草原請負経営の転出を受ける組織或いは個⼈が以上の何れかの項⽬に反した場合、元請負⼈が請負経営権 を回収し請負権転出契約を解除することができる。

第⼗⼀条 ⾃治旗は草原有償使⽤制度を実⾏する。⾃治旗草原有償使⽤⽅法は⾃治旗⼈⺠政府が制定す る。

第⼗⼆条 ⾃治旗と各ソム(郷、鎮、鉱区)⼈⺠政府が、本⾏政区域内の草原に、全⾯的に観測し、草原 の保護、管理、建設、利⽤の総合企画を制定し、草原の⽣態バランスと永続利⽤を保障する。⾃治旗の草原 に対して、3年毎に⼀回の重点調査と10年毎⼀回の全体調査を⾏う。

第⼗三条 各ソム(郷、鎮、鉱区)⼈⺠政府が⾃治旗⼈⺠政府の草原主幹関連部署と⼀緒に、本⾏政区域 内の草原を類型、年度によって載畜頭数を個別に規定する。草原使⽤者、請負経営者がソム(郷、鎮、鉱 区)⼈⺠政府の確定した載畜頭数(载畜量)、牧⺠⼀⼾毎に家畜飼養頭数(牲畜的饲养量)を毎年定め、年 末の舎飼い頭数(年末存栏量)、越冬⽤⼲し草の量を確認して飼育頭数を確定し、草と家畜のバランスをと

ることとする。

過放牧による草原劣化、砂漠化に関して、⾃治旗⼈⺠政府主管部署が草原使⽤者と請負経営者に対して、

放牧禁⽌(禁牧)、草地育成(封育)、輪牧利⽤(轮牧)、牧草の播種(⼈⼝植草)、境界柵(草库伦)の

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設置などを実施し、牧草回復と同時に家畜の栄養剤等処⽅(调剂处理牲畜)、家畜頭数と草地⽣産⼒のバラ ンスを図る。飼料作物種⼦栽培(筆者注:トウモロコシなど)⾏う。

第⼗四条 ⾃治旗⼈⺠政府は、牧草と飼料の種⼦⽣産圃場整備を⾏い、飼料種⼦栽培、技術導⼊、飼料穀 物の調達(引进)、適応試験(驯化)を推進する。

第⼗五条 ⾃治旗は法律に基づいて基本草牧場保護制度を実施する。以下の草牧地を基本草地とする。

(⼀)草刈り専⽤地

(⼆)牧草播種地

(三)牧草と飼料の栽培専⽤地

(四)種⼦⽣産圃場(牧草種⼦⽣産基地)

(五)牧畜試験場

(六)常時放牧専⽤⾃然草地。

または、退耕措置により牧草地に戻した⼟地を基本草地とする。如何なる組織、個⼈も基本牧草地を他の 利⽤⽬的で利⽤することを禁ずる。

第⼗六条 ⾃治旗と各ソム⼈⺠政府は、草原所有者、使⽤者、請負者の優遇政策を策定するとともに様々 な形式で草原の利⽤開発を推進する。遠辺地域の草原、草原劣化、砂漠化、塩害の可能性のある草原地等の 利⽤開発を⾏う組織或いは個⼈の⽀援を⾏う。

第⼗七条 ⾃治旗とソム⼈⺠政府は草原地域内の村々を結ぶ道路の合理的な建設し、交通標識を設置し、

維持管理を強化しなければならない。⾞輛は道路を離れて草原を通⾏してはならない。

第⼗⼋条 如何なる組織と個⼈であろうとも草原の開廃は厳重に禁じられる。国家による国⼟総合管理に 基づいた草原開発が必要な場合は、⾃治旗⼈⺠政府の草原主幹部署と⼟地管理部署が、意⾒要望を批准権の ある直上の⼈⺠政府(筆者注:この場合はエヴェンキ族⾃治旗⼈⺠政府がフルンボイル市⼈⺠政府)へ提出 し承認を受けなければならない。

第⼗九条 以下の地区での草地開発を禁ずる。

(⼀)表⼟層50センチ以内、森林ネット保護のない砂漠化しやすい地区

(⼆)10度以上の傾斜

(三)⼀年当たり平均降⽔量350ミリ以下の灌漑施設のない地区

(四)主な牧畜道と牧畜飲⽔地、岩塩など(筆者注:アルカリ塩基でモンゴル語では「ホジル」という)

の摂取場

(五)⼟地に関する権利の帰属紛争がある⼟地。

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第⼆⼗条 草原の使⽤者または請負経営者が、牧畜業の発展のために関連規定と 統⼀規格に基づいて家 畜の集約的飼育と⽣態適合的な経営を⾏う場合には、牧草と飼料⽤作物栽培を認める。

第⼆⼗⼀条 草原における事業はそれぞれ新規実施、拡⼤、改変に際して、環境への影響に関する報告書 において、建設プロジェクトの汚染と草原⽣態への影響を評価し、予防措置を規定しなければならない。そ の上でこれらの事業は法律に定められた⼿続きに従って環境に関連する政府部署の承認を受けなければなら ない。

第⼆⼗⼆条 ⼯業廃⽔、廃棄ガス、廃棄ゴミと有害物質による草原の汚染を防⽌し、⽣活ゴミの廃棄地を 指定し、廃棄物の総合的再利⽤と汚染物処理を適切に⾏う。草原への汚染が確認された場合、⾃治旗⼈⺠政 府環境保護主幹部署は、法律に基づいて原因を作った組織と個⼈に対し規定期間内の元状回復と損失賠償を 請求する責任がある。

第⼆⼗三条 借地放牧、野⽣植物の採集、資源探査、建設⼯事、井⼾掘削、鉱⼭採掘、採⽯、砂利採取、

電線架設、上⽔道管等の埋設、仮施設の設置などを⾏う場合、関連法律の遵守に加えて以下の規定に従わな

ければならない。

(⼀)実施者は草原所有者、使⽤者、請負経営者の同意を得ること

(⼆) 借地放牧と家畜搬送の場合を除いて、実施者は⾃治旗⼈⺠政府草原主幹部 署が発⾏した「臨時作業許可書」を受領しなければならない

(三)関連規定により草原保護費⽤を納付しなければならない

(四)指定された時間、地点、範囲内で活動を⾏い、承認された⽤具のみを使⽤

すること

(五)草地の表⼟層保護策を適⽤し、牧畜⽣産と牧⺠の⽣活施設を守らなければ ならない。

第⼆⼗四条 国家建設のために集団所有地を収⽤する場合、その⼟地を使⽤する組織は補賞⾦(草原補償 費)を納付しなければならない。牧畜業の就業者に対する⼀⼾当たり(筆者注:⼀⼾の請負権は各世帯の⼀

⼈の代表者名で登記されている)補償⾦(安置補助費)の基準は、草地の収⽤直前の五年間の平均⽣産額の8 から15倍とする。国家建設のために集団所有の草地を借⽤した場合でも、元の使⽤機関または個⼈に損失を 与えた場合には、本条上記の規定に従う。

第⼆⼗五条 以下の何れかの⾏為によって本条例の規定に違反した場合、⾃治旗⼈⺠政府草原主幹部署或 いは委任を受けた草原監理部署は⾏政処分を科す。犯罪に⾄った場合は法律に従って刑事責任を問う。

(⼀)草原(本⽂では草地と記す)を違法売買或いは転売した場合、違法⾏為を停⽌するよう命じ、違法 所得を没収し、取引額の1倍から2倍⾦に相当する罰⾦を科す。

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