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ドキュメント内 Microsoft Word - 高速船-表紙.doc (ページ 149-152)

第三部 競争力と企業戦略 -アーカーヤーズのケーススタディーを中心にー

2. アーカー・ヤーズ

2.1 一般情報

アーカーは、このように大規模且つ地理的に分散したグループの発展に明らかに成功していると いう点で、欧州唯一のグループというわけではない。ダーメンもまた、同様のグループを発展さ せたが、戦略は多少異なる。第1に、ダーメンは、完全にではないが、主として小型船に集中し た。第2に、販売・マーケティング・設計・エンジニアリング業務の多くはオランダのダーメン

を通じて集中化した。オランダ本社は、多くの場合、契約主体となっている。船主にとってみれ ば、船舶の一部、あるいは大部分が傘下の造船所で建造されるとしても、オランダの本社造船所 とのみ調整すればよい。アーカー・グループは、これに比べてより多くの自主性を各造船所が有 していると思われ、各造船所の規模は大きい。

アーカーASAグループの2004年の内部再編を受けて、アーカーヤーズは、特に造船部門で、親 会社のとってきた買収戦略の継続を明確にした。2000年以前から保有するノルウェー、ドイツ、

フィンランドにある造船所と、2000年以降にルーマニア、ブラジル、ノルウェーで買収した造船 所に、2006年にはウクライナ、フランス、ノルウェーの4施設を投資と買収により加えた。2007 年年頭には、ベトナムへの新たな投資により建造能力を増強し、この新施設は2009年に完全稼 働する。これによりアーカーの保有造船所は、世界で約2万人以上を雇用する18ユニットに達 する。グループは最近になって韓国のSTXグループに株式の39.2%を買収されたが、グループ の欧州経営陣は、戦略的な管理を維持する可能性が高い。この買収は、欧州委員会の承認対象と なっている。株主の大幅変更を受けて、アーカーは2007年10月末、グループに対して新戦略オ プションに関するアドバイスを行なう外部の財務コンサルタント、Arctic Securities ASA と J.P.Morganを指名した。これらのアドバイスがグループの将来的なM&A戦略に大きな影響を 与えたり、経営構造に変化を招くかどうかを推測することは難しい。

アーカーの最近の買収戦略の継続の成功は、2年間(2005年と2006年)の会計年度を通じた顕 著な建造能力と生産性の向上及び好調な財務状況に見て取れる。グループの部分的な再編・合理 化があった2004 年を除いて、この成功戦略は、はじめて低コスト国のルーマニアで買収を実施 した2000 年にまで遡る。グループは、最近の業績下方修正にも関わらず、一見して成功してい ると思われる。アーカー側は、業績下方修正は造船所とサプライチェーンに過大な負荷がかかっ たためとしている。

ベトナムなどの新興造船国、あるいはブラジル、ウクライナ、ルーマニアのような造船国として 確立したその他の低コスト国への進出は、アーカーの最新の戦略の中心を成している。これまで のところ、経験豊富で技術の進んだ北欧の経営チームとの結合により、かつてはその大半が生存 競争に喘いでいたような多様な造船所を含むグループをうまく運営する方法を導入することに、

なんとか成功している。プロジェクトはしばしば造船所の間で共有され、稼働能力を効率的に利 用し、有利な生産コストを利用するために、分散したリソースを効率よく活用する。新規に買収 した造船所のための統合プロセスの中心は、すべてのビジネス部門と地域のユニットを通じて適 用される共通の企業価値の導入である。グループ内企業が共有する基本的価値観は次の6つを内 包する:「健康、安全、環境問題に関する包括的な個人の責任」、「目標・目的に沿った結果を確実 にもたらすこと」、「顧客の信頼の構築」、「チームの努力に基づいた功績」、「経営者による実地運

営」、「経営陣と従業員の直接的で率直な対話」。

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