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アッラーについて偽りを捏造し、その啓示を拒否するほど、甚だしい不義 の者があろうか。罪を犯す者は、決して成功しないのである。

クルアーン第10章ユーヌス章 第1節~27節

17. アッラーについて偽りを捏造し、その啓示を拒否するほど、甚だしい不義 の者があろうか。罪を犯す者は、決して成功しないのである。

要点:クルアーンの奇跡 解説:

 前節までに、不信者の主張を二つあげてきた。一つが人間である預言者への 啓示を信じられないことである。二つ目がムハンマドの言葉が真実ならば、今 すぐにでも懲罰を与えてみよとの主張である。ここでは、三つ目の不信者の主

第1回タフスィール研究会報告第10章ユーヌス章 1節~27節

張である。それはムハンマドの預言者性への疑念であり、クルアーンへの疑念 である。

 そこで、不信者たちは預言者ムハンマドに一つのことを要求した。それは、

このクルアーン以外の別のクルアーンを持ってくるように要求した。または、

このクルアーンの内容を改ざんすることを要求した。

 イブン・アッバースが次のように伝えている。多神教徒の 5 人が使徒とクル アーンを揶揄していた。彼らは、アルワリード・イブン・アルムギーラ・アル マフズーミー、アルアース・イブン・ワーイル・アッサハミー、アルアスワド・

イブン・アルムッタリブ、アルアスワド・イブン・アブドヤグース、アルハー リス・イブン・ハンザラである。「ほんとうにわれは、嘲笑する者に対し、あ なたを十分に守ってやる」(15 章 95 節)

 使徒がマッカの多神教徒たちに、クルアーンとその明らかな明証を語ったと きのことである。彼らは使徒にむかって、「これとは別のクルアーンを持って 来なさい。それともこれを改ざんしなさい。」と言った。つまり、彼らの神々 を否定しない内容が書かれてあるものを、または彼らが来世や審判を信じてい ないことが書かれていないものを持ってくることを要求した。または、懲罰の 約束を示した節をほかの節に替えることを要求した。

 彼らのこのような要求の真意は、彼らの要求が実施されたならば、クルアー ンがアッラーの言葉であるとの使徒の主張を崩すためである。

 アッラーは使徒に次のように反論するように命じた。「わたしは自分の裁量 でこれを改ざんすることは出来ない。ただ、わたしに啓示されたものに従うだ けである。わたしがもし主に背いたならば、偉大な日の懲罰を本当に恐れる。」

つまり、使徒の役割はただ、啓示されたことを伝えるだけであり、彼らの要求 に対する答えはただそれを拒否するだけで十分であるとした。

 それから、アッラーは使徒が彼らにクルアーンを持ってきたことの正当性を 明らかにした。アッラーは使徒に「アッラーの御心なら、わたしはあなたがた にそれを読誦せず、またかれは、あなたがたに教えられなかったであろう。」

と言わしめた。つまり、その意味するところは〔アッラーがあなたがたにクル

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アーンを聞かせないことをお望みならば、私はあなたがたにこのクルアーンを 持ってくることもなかった。あなたがたに読み聞かせることもなかった。だが、

アッラーの命令によって私はクルアーンを読み聞かせたのである。私はアッ ラーの許しを得て、クルアーンをあなたがたのもとに持ってきたのである。私 がそうするのはまさにアッラーの意図である。もし、アッラーが私をあなたが たのもとへ遣わすことを、またあなたがたに教えることを望まなったならば、

アッラーは私を遣わすことはなかったはずである。しかし、アッラーはあなた がたにこのクルアーンを遣わしたのは、そこに導きと幸があるからである。〕

である。

 「われはまさに啓典を彼らに下し、知識によって詳しく述べた。これは信じ る人々への導きであり、慈悲である」(7 章 52 節)

 預言者ムハンマドの言葉を証明するために「その(啓示)前に、わたしは確 かにあなたがたの間で、一生ほどの(40 年の)歳月を過ごした。」と預言者に 言わしめた。つまり、その意は〔私は啓示が下る前の 40 年間、私はあなたが たに何かを語るわけでもなく、何かを教えることもなかった。〕そして、「あな たがたは未だ悟らないのか。」と問いかけている。つまり、〔あなたがたは 40 年間、あなたがたとともに生活してきた、文字を読むことも書く事も出来ない 文盲の人間がこのようなクルアーンをもってくることができたことについて考 えを巡らせることはできないのか。これは私が作ったのではなく、人知を超え た神の技であり奇跡であることに考えが至らないのか。〕と迫っているのであ る。

 このことはクルアーンが奇跡でありアッラーの言葉であることの証左となっ ている。その証明として、当時のアラブの人々はアラビア語の表現や正確さな ど非常に長けていたが、それでも彼らはクルアーンに匹敵する一文でも持って くることができなかったからである。

 「言ってやるがいい。『たとえ、人間とジンが一緒になっても、このクルアー ンと同じようなものをもたらそうと協力しても、とうていこのようなものをも たらすことはできない」(17 章 88 節)

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 そして、次の節で、この世の中で、つぎの二種類の人間よりも罪深い人間は いないことを明らかにしている。一つはアッラーに配偶者や子供の存在を考え たりする者である。もう一つが、アッラーの明らかな印(啓示)を嘘呼ばわり して、アッラーの印を拒否する者である。これらに対して、アッラーは「決し て成功しない」と彼らの結末を明らかにしている。つまり、多神教徒は来世に て決して幸せになることはないと言っている。

  まとめ:

1. 多神教徒からの二つの要求:一つはクルアーン以外のものを持ってくるこ と、もう一つが一部を改ざんすることである。この要求の目的はクルアー ンを軽蔑、嘲笑することであり、または預言者を試すことになった。

  彼らの要求はクルアーンに書かれている彼らの神々を否定することを抹消 することであり、または来世の懲罰を書き換えることであり、ハラールを ハラームにすることであり、その逆もあり、また、来世の懲罰をクルアー ンの中から抹消してしまうことであった。

2. 預言者の対応は、多神教徒の要求を拒否し、クルアーンがアッラーの言葉 であることを主張するだけで十分であった。使徒の重要な役割は啓示され たものを伝えることである。

3. クルアーンを守る確固たる態度とクルアーンの教えを実践する信仰の基本 には、来世での懲罰に対する恐怖がある。「わたしがもし主に背いたならば、

偉大な日の懲罰を本当に恐れる。」

4. クルアーンの啓示は人類すべてに向けたものである。マッカの多神教徒に だけ向けられたものではない。

5. クルアーンはアッラーの言葉である。その証明として、クルアーンの文章 表現や内容は人知を超えたものであると当時のアラブ人に認められていた ことである。さらに、ムハンマドが文字を知らずに育ったことがあげられ る。また、誰一人として、クルアーンの文章に匹敵する文章を作ってくる ことができなかったことである。

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6. 最も不義なる行為はアッラーに対して虚偽を作り上げることであり、アッ ラーの言葉を変えることであり、アッラーの言葉に追加することである。

7. 不義を行う者には来世で成功はない。

(9)「偶像崇拝と偶像による執り成し」

18. 彼らはアッラーの外に、彼らを害せず、また益のないものに仕えて、「これ