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の7節 で明 らか となった知的特別支援 学校 にお ける社会科学習指導の特性 と評価 を踏まえ、

収集 した社会 科学習指導事例の1事 例 を基に、改善指導案 を開発す る。

第1節 改善指導案の開発の視点

改善指導案を開発す るにあたっての開発 の視点 を述べる。

(1)思 考判断に重点を置 いた学習 内容 と学習方法の設定

知的障害児 は、脳 の思考判断に関す る部位 に何 らかの障害があ り、思考判 断能力を形成する こと力梱 難であるといわれてきた。 しか し、最近 の研究結果注1)に よって、その発達は緩やか なが ら思考判 断能力を形成す ることが可能で あることがわかってきた。

/しか し、学習指導要領 には、恵考判断に関す る具体的な内容 がなく、知的特別支援学校 にお ける社会轡 習指導事例においても・思考判断 に鯨 をおいた社会科学習鱒 事例㌍ 事例 し か ない な ど、思考判断能力形成 をね らい とした社会科学習指導に対す る認知 と実践が行なわれ ていない ごとが明 らかになった。 、

そこで、改善指導案においては、思考判断に重点を置いた社会科学習指導事例 「 上手なお金 の使い方」を用いて、思考判断の能力形成をより高める学習内容 と学習方法を設定することと

し た。,

思 考 判 断 に 重 点 を 置 い た 学 習 内 容 は 、学 習 指 導 要 領 に は 具 体 的 な 内 容 が な い た め 、社 会 科 学 習 指 導 事 例 で 扱 わ れ た 「お 金 」 に関 す る 学 習 内 容 を選 択 す る こ とに す る。 「お 金 」 に は2つ の 側 面 が あ る。 ユ つ は 「社 会 事 象 」 の 経 済 にお け る 「お 金 」、 つ ま りお 金 は 生 産 、 販 売 、 消 費 と い う経 済 全 体 を 通 じて 循 環 す る も の で あ る と い う側 面 で あ る 。 も う1つ は 「公 共 施 設 」 の 公 共 物 と し て の 「お 金 」 で あ る。 お 金 を 持 っ て い る こ と で 、 全 国 ど こ に 行 っ て も 買 い 物 が で き る と い う、物 々 交 換 の 仲 介 役 と して の 側 面 で あ る。 こ の2つ の側 面 に 関 連 性 を持 た せ る こ とで 、 「お 金 」 の 意 味 や 利 用 方 法 を理 解 す る こ とヵ弐で き る と考 え られ る 。

思考判断に重点 を置いた学習方法 ば 学習指導要領には具体的な記述がないた め、社会科学 習指 導事例で扱 われた 「 お金」に関する学習方法の中か ら適切 なものを選択す るこ とにす る。

お金 が生産、販売、消費 とい う経済全体を通 サて循環す るものであるとい う 「 社 会事象」の経 済 におけ る 「 お金」について理解す る学習 においては、絵図を用いた経済のモデルを、黒板に 掲示 し、お金の流れを視覚的に捉え させ、循環 している ことを理解 させ る学習方法 を行 な う。

全 国 ど こで も使 う こ とが で き る 「公 共 施 設 」 の 公 共 物 と して の 「お 金 」 に つ い て理 解 す る学 習 に お い て は 、 買 い物 の シsミ レー シ ョ ン を通 し て 、 そ の 公 共 性 と利 用 す る方 法 を身 に つ け る 学 習 方 法 を行 な う。

これ ら2つ の学 習方 法 を 中心 に行 な うこ とで 、予 算 と商 品 の金 額 を比 べ た り、 貿 うもの を選

択す る思考判断 に関す る能力を身 につけ、お金の持つ2つ の意味の理解 と、利用方法の習得を

図 る。

(2)単 元名 「 上手なお金(P使 い方」の改善指導案 開発の視 点

思考判断に重点を置いた学習 内容 と学習方法 を基 に、改善指導案開発の視点を述べ る。

改善指導案の基にするのは、 「 上手 なお金の使 い方」(事例16)で ある。 この社会科学習指 導事例 を用 いる理 由は、以下の点か らである。

①本事例 力§ 思考判断 に重点を置いた知的特別支援学校におけ る社会科学習指導事例である。

②上手にお金 を使 うため に 「 欲 しい もの」と 「 必要なもの」とい う基準 を設 けていることが、

評価 でき るものの、まだその基準が曖昧で、生徒が理解す るためには改善が必要である。

③ お金 の流れを理解す る学習では、多 くの生徒が流れ を理解で きていなかった。流れを理解 しやす くす る工夫が必要である。

④筆者が(事 例16)の 調査に行ってお り、その授業記録、資 料が豊富で ある。

次ペー ジに 「 上手なお金 の使 い方」(事 例16)の 学習指導略案 を載せ る。

r上 手 な お 金 の 使 い方 」(事 例16)の 改 善 す る点 は 以 下 の 点 で あ る 。

日本 の お 金 や 世 界 の お 金 を 見 せ る こ とで 、 興リを 持 た せ る こ とが で き て い る もの の 、授 業 の 内 容 が 多 く な り、 十 分 に 時 間 が 確 保 で き ず 、 中 途 半 端 な 内容 に な っ て しま っ て い る。 内容 の精 選 化 が 必 要 で あ る。

絵 図 化 し た お 金 の流 れ を 理 解 させ る 際 に 、そ の 内 容 を理 解 す る こ とが で き ず 興 味 を 失 ら て し ま う生 徒 が い た 。 家 庭 、 会 社 、 お 店 、 国 、銀 行 とい った 視 点 か ら お 金 の 流 れ を理 解 させ るの で は な く 、 お 金 は 流 れ る もの で あ り、 そ の 過 程 で 家 庭 や 会 社 、お 店 を 通 る も の で あ る とい う逆 説 的 な 説 明 に よ り、 お 金 は循 環 す る もの で あ る とい うこ とを 理 解 させ る 。

お 金 の 上 手 な 使 い 方 を知 る 際 に 、 「必 要 な も の 」 と 「欲 しい も の 」 と い う基 準 で は 、 説 明 が 不 十 分 で あ り、判 断 の拠 り ど こ ろ とす る 基 準 が わ か り に くか っ た。そ こ で 、判 断 の 基 準 と して 、

「必 要 な も の 」 とは 学 校 や 家 庭 生 活 で必 要 不 可 欠 な も の 、 「欲 しい も の 」 は お 金 に余 裕 が あ っ た 場 合 に 買 う もの と い う基 準 を 示 す 。 ま た 、 「必 要 な も の 」 と 「欲 しい も の 」 そ れ ぞ れ に優 先 順 位 を っ け させ る こ とで 、 貿 う際 の 基 準 を 明確 に す る。

以上 の よ うな開発 の視点を基 に、改善指 導案 を開発す る。

社会科指導略案

1.ね ら 炉

・お金は働 いて得るものであ りζ大切に使わ なければな らない ことに気づかせ る。

・お金の上手な使 い方を理癬す る。

・買 い物学習で㌧計画的な買 い物ができるよう準備をす る。

2、 単 元

上手なお金の使い方

第2節リ学 部社 会科 「 上手 なお金 の使い方」の改善指導案の囲発例 中学部社会科 「 上手なお金の使い方」の改善指導案 の開発例を挙げる。

(1)r上 手なお金 の働 、 方」の単元計画

① 単 元 目標

○ お 金 は 働 い て 得 る も の で あ り、 無 駄 遣 い を して は い け な い ご とに気 づ く こ と が で き る。

(態度形成)

○上手なお金の使い方を考えることができる。(思考判断) 0買 い物 をす るための方法を身につける。(生 活能力形 成)

○お金 が循 環 してい ることを理解す る。(知識理解)

②単元設定の理由

知的特別支援学校にお ける中学部社会科の目標は 「 社会 の様子,働 きや移 り変わ りについて の関心 と理解 を深 め,社 会生活に必要 な基礎的な能力 と態度を育てる。」 とな ってお り、知的 障害児の社会 生活 に必要な基礎的な能力、づま り知的障害児 の思考力 と判断力 、そ して生活能 力 を育成す る ことが求め られている。 しか し、知的障害児 の思考力や判断力を育成す る実践を これまで、行 なってお らず、思考力や判断力 の育成 が不足 している。

そ こで、知 的障害児の思考力や判断力の育成 を目的 と した単元を設定す る。

単元 は、知 的障害児の思考力や判断力 を育成す ることができ る内容 としてrお 金」を扱 う。

買い物 にお いて、予算 と商品を比較す ることや 、複数 の商品か ら目的 に合 った商品を選択する ことで、 「 お金」 の使い方 を考えるとい う思考判 断に関す る能力の育成 が図れ ると考 えられ る か らで ある。また τ お金」は生徒の身近 にあ り、生徒 の興味関心 も高い ことか ら学習効果力塙 くなるこ とが予想 され る。また 「 お金」の大切 さを知 ってお くことは極 めて重要で、その使い 方や 大切 さを身 につけておかない と、大きな問題 に発生す る可能性がある。これ らの理 由か ら

「 お金」 に関す る単元 を設定す る。

「 お金3の 具体的な学習 内容 は、お金 の流れを理解す る内容 と、上手なお金の使 い方 を考え る内容か ら構成 され る。

お 金 の 流 れ を 理 解 す る 学 習 方 法 で は 、お 金 は 社 会 を 循 環 す る もの で あ る と い う こ と を黒板 に 掲 示 した モ デ ル を通 して 理 解 させ る 。 上 手 な お 金 の 使 い 方 で は 、 まず 、 買 い 物 の シ ュ ミ レー シ ョン を 通 して 、 無 駄 遣 いす る とお 金 が足 りな く な り、 考 え て 使 う こ とが 求 め られ る こ と を理 解 させ る。 次 に 、 買 い 物 を す る際 に は 、 「必 要 な も の 」 つ ま り学 校 や 家 庭 生 活 で 必 要 不 可 欠 な も の と、 「欲 しい も の 」 つ ま り聯 金 に 余 裕 が あ つ た 揚 合 に 買 う もの と い う基 準 を示 し、 「必 要 な も の 」 と 「欲 しい も の 」 そ れ ぞ れ に 優 先 順 位 を つ け させ る こ と で 、 買 う際 の 基 準 を さ ら に明 確 に させ る。 そ して 、次 の 総 合 学 習 で 行 わ れ る 「買 い 物 学 習 」で 買 う リ ス トを 作 成 す る こ と で 、 「欲 しい も の 」 とr必 要 な も の 」を 区 別 す る実 践 を行 な う。 これ らの 学 習 内容 と学 習 方 法 を 通 して 、 知 的 障 害 児 の 思 考 判 断 力 の 育 成 と、 お 金 の 大 切 さ の 理 解 、 お 金 の 使 い 方 を 身 に つ け る こ とが で

き る と考 え ら れ る 。

③単元指導計画(全2時 間)

第1時 「 お金の大切 さを知 ろ う」

第2時 「 上手なお金の使い方 を知 ろう」

(2)第1時 「お 金 の大 切 さ を知 ろ う」

①本時 の 百穣

○お金 は無駄遣い してはいけないことに気づ くことができる。

○お金 が循 環 していることを理解す ることができる。

② 授業展 開(11240分) 学習活動

①お金 渉循環 してい ることを理解す る

・お金 は家庭 や会社、お店な どを循環 して い る もの であ ることを理解する

② 買 い 物 の シ ュ ミ レ ー シ ョ ン を 通 して 、 計 画 的 な 買 い 物 を し な い と、 必 要 な も の が 買 え な い こ と を 理 解 す る レ

・商 品 が 多 数 並 べ て あ る と こ ろ か ら、指 定 され た 商 品 を 選 ん で 、 買 う

・商 品 が 多 数 並 べ て あ る と こ ろ か ら、好 き な 商 品 を 選 ん で 、買 う(お 金 が 不 足 す る ケ ァ ス)

指導上の留意点

・授業の開始時 に、黒板 に今リの 授業の予定を書き、

授業内容 が1つ 終わる度に、黒板 に書いた予定を消 してい く

・黒板にお金 の流れ を示 したモデル を貼 る 。

・お金は もともと循環 していて、その途 中に家庭や会

社、お店 を経 由 してい るのだ とい うことを理解 させ