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﹄ ひ

ドキュメント内 甲南女子大学学術情報リポジトリ (ページ 117-141)

・ 初 稿 本

詞 ﹃ 八 衛

一   証 例

0  刊本 詞﹃ 八衝

﹄ 初 稿 本 詞﹃ 八衛

﹄ 当は 初

︑ 活 用 語 の活 用 型 の分 類 とそ の所 属 例 語 を列 記 す る こと に主 眼 が あ たっ

︒ そ の意 味 で 活﹃ 用 言 の冊

﹄子 の延 長 線 上 にあ る︒ そ れ に証 例 を加 え る こ と にな たっ のは

︑ おそ ら く語 の活 用 型 類分 に おけ る確 実化 を 意 図 し て のこ と であ ろう が︑ そ れが 同じ く 活﹃ 用 言 の冊 子

﹄ の延 長 線 上 にあ てっ かな り の証 例 を 挙げ る 詞﹃ つか

﹄ひ の影 響 を受 け た こと も おそ ら く 間 違 いな い︒ 詞﹃ つか

﹄ひ に つ いて は 付﹁ 節

﹂ で述 べる こと にな るが

︑ 詞﹃ つか

﹄ひ が 活﹃ 用 言 の冊

﹄子 を 見 て たい こ と は確 か であ る

︵← 付 節 三︶︒ 初﹁ 稿 本

﹂ の証 例 後は の行 間

︒欄 外 への 書 入 れ あで てっ

︑ そ の証 例 が如 何 な る資 料 に基 づ い て加 え られ た かは 明 ら か で はな いが 後︑ 加で えら れ たも の であ る こと 確は かで

︑ 証 例 が 加 えら れ て体 裁

︒内 容 と も に 刊﹁

﹂本 殆と 同ど じ にな たっ

︒ 初﹁ 稿 本

﹂ と証 例集 とし て かな り 刊﹁ 本

﹂ に近 い や﹁ ち また 不

﹂用 とは

︑ 当 然 のこ とな が ら 刊﹁ 本

﹂ の証 例 成 立 の跡 辿を る 欠に かす こと の出 来 な い資 料 であ る︒ 刊﹁

﹂本 の証 例 数 は︑ 証例 有を す る例 語が 四 三 二語 で︑ そ

ぬT 語が 八六 七例

︑ 平 均 し て 一例 語 当 た り の証 例 は 二

〇 例 とな る︒ 初﹁ 稿 本

﹂の 証 例 は殆 ど が後 の書 入 で︑ 総 論 の 一四 例 除を いて 二八 八例 であ る

︵抹 消 一二 例 を 含 み︑ 出 典 だ け のも の三 例 同︑ 一証 例 重 出 一例 計︑ 四例 を除 く︶︒ 証 例 有を す る例 語 は 七一 九語 平︑ 均 し て 一例 語当 た り 証の 例 は 一

・六 例 であ る︒ 絶 対 数 にし ても 割 合 にし ても

︑ 刊﹁ 本

﹂ が 多 い︒ 刊﹁ 本

﹂ はよ り多 く の例 語 によ り多 く の証 例 が付 く︒

第二節

 

「やちまた不用」と『詞つかひ』・初稿本『詞八衝』100

春 庭 はよ 多り く の証 例 を 求 め︑ 語 の活 用 型 を より 確 実 にし よう と し た︒

②   詞﹃ つか

﹄ひ 詞﹃ つか

﹄ひ の例 語 が 活﹃ 用言 の冊 子

﹄ の例 語 に拠 たっ とな ると

︑ 活﹃ 用言 冊の

﹄子 が 基 本 的 証に 例 を有 す るも の で な く

︑ 存在 す る僅 少 の証 例 も後 の書 入 れ あで てっ

︑ し た が てつ 詞﹃ つか

﹄ひ も 本来 証例 を伴 う も ので は な いが

︑ い つ の時 点 でか

︑ 詞﹃ つか

﹄ひ 証は 例 を 有 す るも のと な たっ

︒ そ れは

① 土 佐 日記 ノ歌 二手 ヲ ヒ テ 云ゝ 々 コ レ ハヒ︲

列 ヒ︲冽

引洲 ル ヨリ 云 ル也 たま 古今 二声 ハシ テ潤 ハミ ヌエ 時 鳥 我衣 手 ノ ヒ ツプ カラ ナ ン コン ハヒ ツ ル フト 云 ハザ レバ 格 ノ違 ヘル ニ似 タ ント 上 二云 ル如 ク ヒ︲月 ヒー ツー 又 ヒ︲列 ヒ︲ 

冽 測Ч ヅ ルト 春秋 ノ語 也 サ レ ハ金 葉 ノ池 ニヒ ツ松 の 云 々 ト ア モル ル モ シ ノタ ラ ヌ誤 ハニ ア ラズ ヒヅ 云 々 ト ヨて

グ ニテ 語 格 叶 リヘ 土 佐 日記 ニヒ︲

列 ゝ︲ト ア カル ラ ハヒ︲

列 ト モ云 ベキ コト ハ論 ナ シ 又土 佐 日記

︻下 ノ廿 一丁

︼ ア マ雲 ノ ハ カル ナ リ ツ ル カ ツ ラ川 袖 ヲ ヒ テ モゝ ワタ リ ヌ 哉ル 又 云土 佐 日 記 ニヒ︲

列 ゝ︲ト ア ル ハ調 列 卜 云列 ゴ 当 リ テ 云 ル也 コ ハ他 語 ノ例 フ 以 テ云 ト キ ハ手 ヲ メラ テシ 云ト 二同 じ 然 ヲル 手 ヲ ヒチ テト 云 テ ハ引 刻 刈 レー列 卜 云 二同 じ 古 今集 ノ 袖 ヒチ テ モ袖 ヲ ト ナ キ故 ヒニ チ テ ト ハ云 り 調 刈 レ︲列 云卜 二同 じ 若 袖 フト ラア バ必 ヒ︲列 ゝ︲卜 云 ベシ ヒ︲列 冽目 ハ 自 語 也 ヒ テ ヒ ツ ル ハ故 語也 然 レ ハ此 抄 にも 右 の こと く挙 ル ハ悪 シ ヒ︲列 ヒー冽 ヲ 格一 ト シ テ其 類 二納 メ ヒ︲列 ヒ︲

ツ ルヲ 一格 ト シ テ其 類 二納 ム ベ シ

︵第 十 七巻

︶ の よ う に語 の活 用 型 定決 に関 わ てっ 一つ の語 多に く の用 例 を 挙げ 持 論 を 述 べる 例証 も あ るが

︑ 多 く は︑

② l松 風 廿 一丁 エハ 日 御の 物 忌 あ く 日 にて 云 々︒

  2拾 イ七 ノ五 壺云 間 よ り星 のあ くゆ と み え つる は蛍 の空 に飛 にそ 有 り け る︒   3常 云 和大 物 語 にも リア ク ト アリ  ︒ 4常 追 考 いき ま き きい ま く  源 氏 若 菜 上 ノ廿 二丁 イ キ マ

101 第 四章 証例 と例 語

キ玉ヒシカドトアリoイキホヒヲフルフト注セリ︒ 5常追加うつぶきうつぶく 低ウナメルトヨメリ 頭ヲ 低ル也正三位二出︒       ︵第壱の巻︶ など例語に対してその用例と出典を書く証例である︒粗粗数えてみると︑﹃詞つかひ﹄の例語は﹁凡例の巻﹂と形容詞 の﹁第廿六巻﹂ ﹁第廿七巻﹂の三巻を除く動詞の巻々だけで一七〇八語︑その証例は五九四例である︒ 一語当たり〇・ 二五例ほどになる︒刊本﹃詞八衛﹄が動詞の巻々の例語一五〇八︑その証例九三二︑ 一語当たり〇・六二であるから 一例語当たりの証例では凡そ﹁刊本﹂の半分くらいの割合ではあるが︑かなりの証例を有していることになる︒

③ 初稿本﹃詞八衝﹄ 初稿本﹃詞八衛﹄の証例は︑例語一二四三︑総論中の証例一四を除く証例二八八︑ 一例語当たりの証例の割合〇・ 二︒﹁初稿本﹂は証例を欠くのが本来の姿で︑その証例は行間・欄外への書入れであった︒証例数が少ないのは当然の ことである︒それが証例を加えるようになった理由は明らかではないが︑活用型分類と例語と証例を有する文献を他 に求めれば﹃詞つかひ﹄が最も近くに存在している︒﹁初稿本﹂がその証例の列挙を﹃詞つかひ﹄に倣ったとすると︑ 両者に共通する証例が三四例∩初稿本﹂証例の一二%︶であることはいかにも少なく数字上では何の関係もないかの ようで︑他に範とした何らかの資料があったことも予想されるが︑何かに拠って行間・欄外に書き込んでいったそれ が何であるかは今のところ特定できない︒ただ︑﹁初稿本﹂が証例を挙げることになったことの一つに﹃詞つかひ﹄の 存在があったことは認められよう︒

﹃詞つかひ﹄と初稿本﹃詞八衛﹄とに共通の二五証例︵総論中の証例③lを含む︶を﹁初稿本﹂の証例によって次 にすべてを挙げておく︒これらの証例がこの後︑どのように推移していくか︑下段に﹁不用﹂︒﹁刊本﹂におけるその

第二節

 

「やちまた不用」 と『詞つかひ」・ 初稿本 『詞八衛』 102

証 例 の有 無 を記 し て くお

︵有

〇は

︑ 無 は

× で示

︶す︒

③ l  土 左 日 記 似 きべ  2 字 鏡 勝 足奈 戸 久 馬 3  後 撰物 名 oあ ゆぐ と 4  日 本紀

︹神 代

︺ 恙 恨  5 続 紀 宣 命 加 孫 奪昆 6  書 紀持 統 巻 詐 求テ 二幸 帰 一 ルコリ

あ り

総論   にる 七o オ    不

×

︒刊

○ な へぐ

︒十 四 オ    不

×

・刊

○ あ ゆぐ

・十 四 オ    不

×

・刊

○ ふづ く

︒十 四 オ    不

×

・刊

○ かす ふ

︒十 七 ウ

︒附 箋     不○

・刊

○ こぶ る o十 八ウ   不

×

・刊

× あら ぶる o十 八ウ     不

× 刊・

○ まな ぶ る o十 八  ウ   不

× 刊・

○ いば む

︒二 十 一オ     不

×

・刊

○ あ や む る o二 十 ウ二     不

×

︒刊

× し こづ 二︒ 十 三  ウ   不

×

︒刊

○ し こづ

︒二 十 三  ウ   不

×

・刊

○ さい るつ o二 十 三ウ

︒附 箋     不

×

・刊

○ さい

つる o二 十 三 ウ

・附 箋     不

× 刊︒

○ み つ

︒二 十 四 オ    不

×

・刊

○ ひ つ 二︒ 十 四 オ    不

×

・刊

16  15 14  13  12  11  10  9   8   7 詔 詞解 六 ノ四 十 四丁 荒備 流 こ ハ俗 言 の格 也 他 例に な し 載千 集 序 此 歌 の道 を ま な ふ る こ とを 聞 云に 々 ト ア リ テ 書 紀 神武 屯 衆 居 之

︻屯 衆 居 此 云 恰 皮 潤萎

︼ 千 載恋 二 人 のあ や め ん 続 宣紀 命 語 ま治 を 給し つる に云 々 字 鏡 譜 語ハ 也 士心 己 豆 と あ り 古 事 記 上 に喘 伊 佐 知 伎 とあ り て 千

載 哀傷 む ね にみ つ思 ひ 金 春 一  池 に ひ つ松 の

又下に哭伊佐知流とありこは此活にやたゞし=割

の格也ちあるは俗言いふへきをいさるとつ ︱と利

20  19  18  17 103 第四章

 

証例 と例語

30  29     28  27  26 25  24  23  22  21

拾 遺 恋 五 空 に み つ思 ひ の云 々                                    み つ

︒二 十 四 オ    不

×

・刊

× 同 み つ涙 哉                                                     み つ

︒二 十 四 オ    不○

・刊

○ 土左 日 記 手 を ひ て さヽ む さも し ら ぬ 云 々                        ひづ る o二 十 四 オ    不

×

・刊

○ 又 か つら 川 袖 を ひ て ゝも ン﹂ もれ ひた せを ひ てと いふ てに 上 に同 じ 此他 み て ゝな と ふい も同 じ 約 り な り ひづ る o二 十 四 オ    不

×

・刊

○ 古 事 記 下 

︿歌

﹀ 都 久 由美 能 許夜 流許 夜 理 母                       ン﹂ や る o二 十 五 ウ    不

× 刊・

○ 古 事 記 上 圭目 山 に日 か迦 久 良 婆                                  か く る o二 十 五 ウ    不〇

・刊

○ 書 紀 神 代 俵 媚 と あ り を お のか な 定 かな らず                    おも ね る o二 十 六 オ    不

× 刊・

○ 字 鏡 焚 貧ハ 煩 阿 夫 留 とあ  り                         あ ぶ る o二 十 六 オ

・附 箋     不

×

・刊

○ 又万 葉 二 堅 塩 乎 取都 豆 之 呂比 云 々と あ る ろ ひ ハリ の延 ハリ た るに て つゞ し 也り つゞ し る o二 十 六 オ

・附 箋     不○

・刊

○ 落 く ぼ ちり はら ひ そ ゝく  り                                 そ くゝ る o二 十 六 ウ    不〇 刊・

○ 本日 紀欽 明 巻 考 二窺   古 今 一云 々                           あな ぐ る o二 十 六 ウ    不

× 刊・

○ 日本 紀崇 神 急 居

︻︱

︱此 云 菟岐 干︼ あと る ハ此 活 さ まと 聞 え たり つき う る o二 十 八 ウ      不

×

・刊

○ 字 鏡 に譜 与己 と須 あ り                                      よ こす o三 十 オ      不

× 刊・

○ 祝 詞 鎮 火 祭 あ たは し 賜 ひ つと 申 給 ふ とほ り此 活成 へし           あ たは す

︒三 十 ウ      不

× 刊・

第二節

 

「やちまた不用Jと『詞つかひ』。初稿本 『詞八衝』104

34  33  32  31 新 年 祝 詞 見 霧  志                                           は る かす o三 十 ウ      不○

・刊

○ 后撰 物 名 おし あ ゆが すな                                     あ ゆが す o三 十 ウ      不

×

・刊

○ 万葉 一  仁 宝 播 散 麻 思 乎                                 にほ はす o三 十 ウ

︒附 箋       不

×

・刊

○ 藤 ば か まな と の野 辺 を にほ ハす な ど いふ ハさ あ る ま じ き事 にあ らざ れ バ 四段 の活 と ハす る也 にほ はす る o三 十 二オ

・附 箋       不

×

・刊

○ 35 

大 和 か いわ が ね て つ ゝみ た り                              わが ぬ る o三 十 三 オ      不

× 刊・

○ 右 の三 四 例証

︵総 論 の 一例 を 除 く

︶中

︑ 不﹁

﹂用 刊﹁ 本

﹂ 無に もい の 例三

︑ 不﹁

﹂用 無に く 刊﹁ 本

﹂ に有 るも の 二五 例

︑ 不﹁ 用

﹂ に有 り 刊﹁ 本

﹂ に無 いも の○ 例

︑ 不﹁

﹂用 刊﹁ 本

﹂ に有 るも の六 例 で︑ こ の数 値 は 詞﹃ 八衛

﹄成 立過 程 おに け る 不﹁

﹂用 の位 置 を 示 す も の とし て意 味 が あ る︒ 先 行 資 料 の証 例 が 刊﹁ 本

﹂ に至 る ま で にど のよ う に取 捨 選択 さ れ︑ そ れ ぞ れ の資 料 が ど よの う な 位 置 を占 め る か は︑ 以 下 述に るべ

︒ 一一 や﹁ ち ま た 不 用

﹂ 0  証 例 や﹁ ち ま た 不

﹂用

︵以 下

︑ 多 く 不﹁

﹂用 称と す

︶る は 例証 カ ー 集ド であ る︒ 本 居宣 長 記 念館 の 本﹃ 居 家寄 贈品 目 録

﹄ 第 二門 文 書 第 一部 未 表 装 第 二類 草稿 雑 稿 残 篇 番 号 三 の六 二 に 詞﹁ の カー ド 十 三束 数 百枚

﹂ と 記載 さ れ て いる

︒ 付添 調の 査 票︑ 全﹁ 文 又 は要 旨

﹂の 欄 に 春﹁ 庭 の語 法 研究 上 に用 いた 品 詞 カの ード の内 属に す る附 箋 に や﹁ ち また 不 用

﹂ と あ る︒ く わ くし は 調査 を要 す る︒ カー

ド は全 部 を 十 東四 に仮 綴 し てあ

﹂る

︵調 査 票 に訂 正 が あ てっ 十︑ 三束 を十 四束 に訂

︶正 と あ る

︵本 書 資 料 番 号 18︶o

ドキュメント内 甲南女子大学学術情報リポジトリ (ページ 117-141)

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