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ドキュメント内 Taro-江戸病名録.jtd (ページ 63-67)

馬鞍瘡

「くらずれ」。

●鞍傷。臀部・内股の軟部が馬鞍で擦傷するのをいう。この傷は膿瘡に変生しやすい。

肺痿

肺臓の縮まる病。

●肺臓閉縮(この対照はこじつけの感があるが、先人の対照に従う)。肺気胞が膨張不全 であるのを言う。先天性肺萎・後天性肺痿・圧迫性肺痿の三種類に分けられる。

梅花翳

→星翳

梅核気

『回春』に、「梅核気は吐こうとしても出ず、飲み込もうとしても飲み込めない」とある。

「梅のたね」・「弾丸(たま)のごときもの食道にかかりおる心地」。

●痙攣性嚥下困難症・ヒステリー球。食道炎あるいは胃や子宮・脳髄・脊髄の疾患の反射 作用として、あるいは併発症として生じる場合が多い。特にヒステリー・恐水病患者などが 食道の一部に痙攣状の攣縮を起こすことがよくある。

黴痔

本間玄調が、「黴毒が肛門に出ると痔に似る。黴痔という。元々痔ではない。肛門の結毒で ある。黴瘡の治療法でなければ治らない」と言っている。

「かさの毒」と総称する。

●黴毒性疣贅。堅い息肉で、疼痛はなく根脚が広がり、扁平に隆起し、肛門周囲・陰茎・陰 唇に多く生じる。あるいは乳房・口内粘膜・口角などに生じることも少なくない。

背脊痛

「せぼねの痛む病」。

●脊髄炎。慢性の場合が多い。急性の場合は薄膜炎を併発する。経過はほとんど脳炎と 同じである。

売瘡

→黴瘡

梅瘡

→黴瘡

楳瘡

→黴瘡

黴瘡

梅瘡・楳瘡・売瘡という。

黴瘡は、宋・元・明以降に黴と呼ぶようになった。字音の仮借は会意による。

『説文』に、「黴は物が長期間雨にあたり、青黒くなる。この症も物が雨気にあたって青黒色 となるのに似ていることから、黴瘡という」とある。

古医書を見ると、この病は古くは稀であって、後世に多くなった。『素問』・『本草』・『金匱』な どに陰瘡・陰蝕瘡の名が載っているが、そこで論じている症状を見ても漠然としていてはっ きりしない。

わが国でのこの病の流行は肥前より始まり諸国に蔓延すると聞いている。鎌倉時代の医学 書に、これを載せて唐瘡と呼んでいる。

「かさ」・「そうどく」・「しつ」・「ひえ」・「とんこ」(加賀)。

●黴毒。直接感染伝染病の一種で、人から人に伝わる病である。最近、真黴毒と類黴毒の 二毒説が言われるようになった。それ以降、男女交接によって伝染する疾病すべてを黴毒 と呼ぶのは不適当であるということになった。それで黴毒という時は必ず全身病をあらわ す。わが国でのこの病気の起源を探ると、元和の初年(オランダ・イギリス国との通商が始 まった年)にはすでにこの病気が伝染していた。

肺脹

紀州の就安斉玄幽が、「肺脹は腹肚脹満ではなく、風寒暑温の邪が肺を侵し、そのために 肺気が流通しなくなり、肺葉脹満して喘を起こす」と言っている。この説にしたがって病名を 対照するには少しこじつけの感がないわけではないが、先人も対照しているところから、と りあえずこの説に従うことにする。

浅田栗翁の説には、「肺脹というのは、西洋医学でいういわゆる肺炎であって、越婢加半夏 小青龍加石などを処方する症状である。」とある。

●肺気腫。しばしば喘急の原因となる。気胞が膨大する症状を言う。この病気になるのは、

大部分中年以上の人である。

黴毒眼

→結毒眼疾

肺癰

この名称は『霊枢』に出ている。

『金匱方論』には、「口中辟々として燥き欬すると、胸中が隠々と痛む。脉は数・実。肺癰の ために欬して膿血を唾出する」とある。

『医統』には、「肺癰は、常に全身の熱があり、欬嗽・短気・膿血を吐出する」とある。 ●肺 臓膿瘍。通常必ず肺臓炎に継発する。胸膿症を合併することもある。

黴癧

本間玄調が、「下疳や便毒を誤治し、その毒が頸項に上ると瘰癧のようになる。わが流派 ではこれを黴癧と呼んでいる。」と言っている。

香川太仲はこれを結毒瘰癧と呼んでいる。

「かさの毒がくびにふきでる」。

●黴毒性腺病。黴毒患者の腺が腫大したものをいう。その形は小さく硬いが消散しない。ま た、化膿しにくい。

背僂

→佝僂病

肺労

→労瘵

胭 →蓆瘡

馬牙瘡

『入門』に、「口内や歯茎に白点が生じ、食事することができない。鵝口のことではない。少 緩救ふべからず」とある。

『彙解』の馬牙瘡の部に、「鵝口瘡は舌の上に生じ、馬牙瘡のように口内や歯茎には生じな い」とある。

口疽はこれに含まれる。

「口中のただれる病」。

●ジフデリ性口内炎。虚弱な小児に特発したり、汞毒シケウルボイグ単純口内カタルの治 療を怠った場合や咽部ジフテリの病機作用が口内に蔓延したことで生じる。

白眼痛

『金鑑』の註に、「白眼痛は俗に害白眼と呼ぶ。その症状は赤くならず腫れもせず、疼痛す る」とある。

黴毒に起因するものは黴毒眼という。その時は、「かさめ」・「しつめ」。

●①虹彩膜炎。通例角膜と強膜の接する所に一帯の血絡があらわれ、瞳孔が拡張・収縮 機能を失い、正常でなくなるものである。この病気は隻眼の者に多い。

②網膜炎。照眼鏡を使って初めて識別できるもので、他にはっきりとした症状はない。眼底 の症状は網膜曇暗及び血液充張を起こす。

白牛疾

→癩病

白血

→帯下

はくさ

→走馬疳・牙疳

白珠子

→鵝口

白帯

→白帯下

白帯下

白帯・白沃・湛濁。 帯下の一症。

→帯下。

白濁

『彙解』に、「白濁は男子の小便排泄が米?汁のようなものをいう」とある。

「どろどろした小便の出る病」。

●膀胱カタル。急性のものは稀で慢性のものが多い。慢性症の尿は溷濁で、放置しておく と膠液が層になり沈殿する。この沈殿は多量の粘液球と膿球によるもので、これに変性の 尿中に生じたアンモニアと膿とが相和して膠状になったものである。

白頂瘡

白屑風・屑風・白屑・雲脂・頭垢・頭花・頭灰・梅花疙。

「かしらのあか」・「いろこ」・「ふけ」・「きい」。

●白癬屑。白色で微細な糠のような表皮の鱗屑が夥しく剥離するもので、毛髪の生えてい るところに生じる。

白癜風

白癜・白駁風・白點風・白斑風。

「しらはた」・「しろなまず」。

●白斑。皮下色素の欠乏が原因で異常な白色になるのをいう。全身白色の場合は先天的 なものである。

白禿

→白禿風

白禿瘡

→白禿風

白禿風

白禿・白禿瘡・鶏糞禿。

『医林集要』の小児門に、「頭上白禿瘡は一般に鶏糞禿と呼ぶ」とある。

「しらくも」・「ほしのくそ」・「はたけ」。

●頭部鱗癬。黄色円形で乾燥した血液の痂皮の下面は凸隆し、表面は陥凹し、周縁は皮 膚から多少隆起する。

白内障

「しろそこい」・「うみそこい」(『眼科錦嚢』所載)。

●結晶レンズあるいは透明膜様嚢の曇暗で、時には先天的なものもあるが、老年になり、

さまざまな条件で発することが多い。また、糖尿病と合併することもある。

白 症

疕 →蛇皮

白沃

→白帯下

馬 傷

齩 「馬にかまれた傷」。

●日常馬を使役する者、特に騎兵・砲兵及び馬丁は最もこれにかかりやすい。

はざくろ

→鵝掌瘡

歯塩

「はじお」。

●歯石。津唾中の土分が沈殿し歯牙に凝着するもので、歯牙の清浄を怠った者に多い。

破傷風

破脳傷風・金創痙。

漢方医学で破傷風というのは、特に創傷で痙攣が生じる症をいう。傷口から風を引き入 れ、これを誘発することが多い。それでこの名がある。

『金鑑』に、「破傷風の証、皮肉を破傷することで、風邪が経絡に侵入し、初期には寒熱・牙 関緊急を発する。重症の時は全身が角弓反張の状態になり、口から涎沫を吐き、四肢が痙 攣し、安まる時がなく、人事不省となる」とある。

●偶発的な創傷の疾患で、最も危険な種類の創傷継発症である。

はすね

→頭瘡

はたけ

→蛇皮・乾癬

発頤

→痄腮

八脚虫

陰蝨・陰虫・毛虱・陰阜虱・匍匐虱・陰虱・三角虱。

「とびじらみ」・「つびじらみ」・「けじらみ」。

●陰毛虱。虱が身体のうち毛の生える部分に棲息するが、特に陰部に生ずる場合が最も 多い。

抜歯損

「歯を抜いた後より血の出る病」。

●抜歯後出血。歯槽下底の歯動脈から、あるいは齦肉が長期に病んでいる場合に齦肉組 織から出血するものである。

搐 →搐搦

髪内生虱

「あたまにしらみたかる」。

●頭虱。虱が頭髪で生育する。幼虱は卵から九日目に孵化し、十八日で成虫となり、卵を 生殖する。

発乳

→乳癰

発背

→癰疽

魃病

→脾疳

髪瘤

→粉瘤

馬刀挟

癭 →瘰癧

馬刀瘡

→瘰癧

鼻痔

鼻中息肉・瘜菌・瘜肉。

医学書に、「鼻蛇が増大し、鼻中に壅閉するものを、鼻癰という」とある。鼻蛇は鼻中の息 肉が延長して、その形が蛇に似ているところから、この名がある。鼻癰・鼻蛇は共に鼻痔が 増大したものをいうと思われる。

「鼻たけ」。

●鼻粘膜贅肉。形状は円状・葉状・茎根から懸垂するものなどである。その色は蒼白ある いは蒼生で、感覚はなく、大きさは豆大より胡桃大ぐらいである。稀に異常に発育するもの もある。

鼻蛇

→鼻痔

はにわり

→二形

破脳傷風

→破傷風

はばきがさ

→臕瘡

馬脾風

元代の杜思敬が『済生抜粋方』で、「暴喘は一般に馬脾風という。あるいは、風喉ともいう」

と言っている。『医通』の鎖喉風、『鍼灸聚英』の走馬喉、『医統』の走馬喉風などは、馬脾風 のことを言っている。

馬脾風と呼ぶのは、急性の劇症のものである。馬の字を加えているのは、早いという意味 からである。

症状の軽いものは脾風、喉風と言う。

今村亮翁は、「この病気は昔からあったが、喘病の中に含めて、特に区別しなかった」と言 っている。喘病とは、一般に「疾息」の呼び名であって、『素問・霊枢』以降、「喉門喘鳴」も含 めて、こう呼んでいる。気道の上口が痰沫の為に粘着し呼吸の出入を妨げられ、呼吸の度 に喉から音が出る症状を言う。ところが、今日ではこの病気を他と区別しないわけにはいか ず、明代の樓英に至り、『医学綱目』に取り上げ、項目を別にした。後代の医師もそれに従 っている。

●急性喉頭炎の一種で、喉頭粘膜に偽膜を生じる。この病気は伝染性のものではない。春

・秋に冷湿の空気に触れて、この病気になる。二歳から十歳ぐらいの男児に多い。乳児や 大人でかかる者は少ない。

跛病

跛蹩。(「蹩」は『説文』では「跛」と書いてある。)

『説文』に、「歩き方が正しくない」とある。

『五音篇海』に、「足の偏廃である」とある。

「趝跛(ちんば)」・「びっこ」。

●跛行。転倒などの外傷で起こる場合が多いが、腺病あるいはリウマチ毒の転移などで継 発することも少なくない。

蹩 →跛病

はやくさ

→小児赤遊丹

ドキュメント内 Taro-江戸病名録.jtd (ページ 63-67)

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