子衣
→胞衣しいれしや
→頓嗽時疫
→瘟疫痣黶
『彙解』に、「痣黶は俗にあざと呼ぶ」とある。「あざ」・「ほやけ」・「ひやけ」・「あかあざ」。
●母斑。母斑は単血管腫の一種で、先天的なものをいう。(母斑の名は、西洋で一般に、母 が妊娠中に火災を見ると、その子に斑が生じるということから、この名ができた。)また、遺 伝で生じる場合は、出産後数週~数ヶ月で発症するが、その後に生じることは少ない。
子癇
子冒。『外臺秘要』に初めて出る。
『医通』に、「妊娠すると体が虚し、風を受けると、口噤・背強ばり冒悶して人事不省となる。
これを風痙という。また子癇ともいう。重い時は角弓反張する」とある。
『医言』に、「子癇が起こるのは胎児のためではない。妊婦にだけ起こっている疾患であり、
妊癇というべきである」とある。別に、子懸と呼ぶ症があるが、おそらく西洋医学でいう妊婦 の胃痙を指すか。
「しかん」・「身重でかんのひきつる病」。
●妊婦急癇。分娩前あるいは直前に起こる癲癇状の痙攣をいう。また、分娩後に起こるも のを産婦搐搦または産婦痙攣という。
耳疳
→耳瘡自汗
『入門』に、「眠っているかどうかとは関係なく、朝夕浸々として汗が出るのを自汗という。」と ある。『小言』に、「自汗は発散によらず、汗が出る」とある。
別に、盗汗という名があり、『傷寒論』に出ている。
『素問』には「これを寝汗という」とある。睡眠中の発汗である。
「ひあせ」・「ねあせ」。
●多汗症。発汗が多いのをいう。汗は汗腺から分泌する無色の液で、ある種の臭気を帯び ている。
子気
→胎水子宮癰
『内秘』に詳しい。「子宮(こぶくろ)の病」。
●①卵巣炎。原因は妊娠及び産後の他、卵巣の損傷・過度の性交・月経中の感冒及び子 宮病による月経不順などである。
②卵巣嚢腫。炎症産生物の分子が離開して膿を醸成することで起こる。その症状は憎寒を 発し、持続的な劇痛などがある。
衄血
鼻衄血・鼻衄・鼻紅・鼻紅出。衄は『説文』に、「鼻から血が出る」とある。
『正宗』に、「これを鼻出血という」とある。
『霊枢』では、鼽衄という。
原因が打撲損傷による場合は、漢方医学では折傷じくと呼ぶ。古く、衄血を肺の出血とした のは、言うまでもなく誤謬である。
「はなぢ」。
●鼻孔出血。鼻孔から出血するもので、普通片方の鼻孔から漏出する。出血多量で脱力 する虞がある場合以外は治療の必要はない。
歯撃
→齲歯枝指
了枝。『撰兵必携』所載の多指・多趾の症はこれである。
指の横に別の指が生じ、枝の形に似ているところから、この名がある。中には七指あるい は八指が生じることもある。けれども俗にまとめて六指と呼ぶ。
「六指」。
●指趾過剰。指趾の数が通常より多いものをいう。過剰の指趾は必ず短小で、他の指趾と 癒合し短屈し発育不十分である。
歯衄
齦血。『医通』に、「血が歯縫中あるいは歯齦中から出るのを歯衄という」とある。
「歯齦より血の出る病」。
●歯根出血。歯齦の出血で、通常よく見る症状である。抜歯後に多量に出血する場合もあ る。
耳衄
「耳の穴より血の出る病」。●外聴道出血。外聴道の出血で、聴道の損傷及び息肉の膿潰などから起こり、あるいは転 移性失血(月経閉止・慢性の痔の血閉止)になって生じることもある。
耳湿
→聤耳子腫
→胎水刺傷
竹木刺。「つききず」・「とうみぬき」・「とげをたつ」。
●刺傷。刀・剣・鎗・銃剣あるいは竹木などの尖端で受けた創痍をいう。
孖生
→孿胎子嗽
→咳嗽時瘡
→揚梅瘡痔瘡
痔は『素問』に出ている。『三因方』に、「痔は大沢の中に小山があり、突出して峠になるような」とある。峠は山が屹 立する状態である。これは痔核の隆起を形容していると思われる。
この病には外痔・内痔の別がある。 『玄珠』に、「脱糞前に出血するのを外痔といい、脱糞 後に出血するのを内痔という」とある。
「ぢの病」・「しりの病」。
●痔疾。痔疾の名はきわめて意味が広く、直腸粘膜の鬱血が原因となる症状を指して一般 に痔疾と称する。
耳瘡
耳疳・耳痛。「耳の中のはれて痛む病」。
●耳道炎。外聴道の炎症をいう。その症状は炎症による熱・疼痛が激しく、最終的には化 膿するか消散する。
孖胎
→孿胎歯蟲
→齲歯児枕痛
→瘀血腹痛湿陰瘡
『百効』に、「腎虚により風湿が侵入し、邪気が生じる。痒瘡を生じ、悪化して汁出る。形は 疥瘡に似ている。湿陰瘡という」とある。「いんきんたむし」。
●陰部水泡疹。陰嚢・陰茎・大陰唇・会陰などに生じる水泡疹をいう。
歯痛
→風牙耳痛
①耳疼。 「耳いたみ」・「から耳」。●耳神経痛。耳の中に分布する神経の疼痛で、よく見られる病気である。
②耳瘡
失栄
→委中毒失栄は頸項及び耳の前後に生じるものをいう。
●癌腫。贅腫のうち悪性のもので、隣接する組織を侵蝕し劇痛を起し、截除しても再発しや すいなど、猛悪の性を具えたものの総称である。
失音
「しゃがらごえ」・「しおからごえ」・「こえかれる」。●声門麻痺または嗄声。 声門麻痺は、喉頭の動きをコントロールしている神経が麻痺する ものである。その神経とは上下の喉頭神経で、麻痺になる原因は上下で異なる。 嗄声は、
慢性・急性の二種類ある。原因には機能的なものと器質的なものがある。特に、ヒステリー
傾向の者は感情の変動によって起きることが多い。
膝蓋風
→鶴膝風湿瘑瘡
「水泡」・「かゆがり」。●小水泡疹。炎症性滲出物を含む細小の表皮隆起で、発斑及び蕾疹から始まり、痒みが 続き、湿潤性皮膚または乾燥した痂皮におおわれた皮膚が残る。
失気
→昏冒実血疝
→横痃失臭
「鼻のきかぬ病」。●嗅覚脱失。通常鼻カタルまたは鼻痔から起こる。けれども、その部位に分布する神経の 麻痺によることもある。
失精
『医言』に、「失精は睡眠中に精液を遺失するのをいう」とある。また、張介賓の説を引用し て、「夢の内容に関係なく精液が自然と出るのを滑精という」とある。『回春』に、「夢の内容に関係なく精液が自然と出るのを精遺滑という。」とある。
『医通』に、「夢の内容に関係なく自遺するのを精滑という。」とある。
「もうぞう」。
●遺精。性欲を催すことなくして、夜間あるいは昼間に精液が漏出し、そのために身体が衰 弱するものをいう。
湿泄
→泄瀉湿瘡
→疥瘡 湿気が原因で起こるのをいう。それでこの名がある。漆瘡
木生。『正宗』に、「漆瘡は一般に木生という」とある。
『入門』に、「漆瘡は生漆に近寄り毒にあたることで、顔面が痒くなり、目の周りが腫れ、少し 赤く痒い所を掻くと襞縟になる。重い場合は全身が豆のような杏のようなものができ、膿焮 痛が出る」とある。
「うるしかぶれ」・「うるしにまける」。
●漆毒疹。漆に触れて生じる疹をいう。その人の性質により、炎症性の小水疱疹ができる ことがある。上肢及び顔面部にできることが多い。稀に下肢や陰部にできることもある。
湿痺
→脚気・痛風失味
あじなえ。●味覚障害。熱病あるいは腸胃疾患から起こる場合が多いが、稀に味覚神経の麻痺によ る場合もある。
膝遊風
→鶴膝風『準縄』に、「片側の膝痛が上下に引き、ひどくは腫れず、少し赤くなるのは膝遊風という」と ある。
湿爛
→紅爛湿聾
→耳聾耳 聹
耵 「耳垢のかたまり」。●軟毛・白屑・膩脂・粘液などでできる。耳疾患で、たまたま耵聹を除くことで治癒すること がよくある。
紫癜風
→癜風耳疼
→耳痛刺撞眼
眼の刺し傷をいう。『金鑑』所載の被物撞破も刺撞眼の別名である。刺創後に翳が生じるの を、漢方医学では撞刺生翳という。「つきめ」。
●角膜を刺創するものをいう。傷害部の大小深浅によって種々の障害を起こす。
時毒
→痄腮指痺
指端痙攣は癇が原因であると考える説がある。「ゆびのすじつまり」。
●指端痙攣。拇・中・食指の三指、または拇指の屈筋に強直性あるいは間代性の痙攣があ り、痙攣性屈伸するために写字などが困難になるのをいう。
子病
→悪阻耳風
→聤耳時復秤星
→星翳視物弓状
『五雑俎』に、「この疾患になると、見る物すべてが曲って見える。弓弦界尺の類は、みな鈎 のように見える」とある。『怪疴一得』に、「昔ある家に一人の女性がいた。物が弓状に見える。真っ直ぐな界尺も曲 がった鉤棒のように見える」とある。
『眼科錦嚢』所載の斜形眼はこれに含まれる。
「真直なものが曲ってみえる目の病」。
●視野の中で雲霧が下方から上方に移動するように見える。また物が正しく見えず、真っ 直ぐな物も歪斜あるいは弯曲しているように見える。
膩粉
→軽粉毒紫泡
→疔毒子冒
→子癇嗜眠
「めったと眠る病」・「ねむり病」。●嗜眠は昏睡の軽いもので、揺り起こすと覚醒しやすいものである。(→昏睡)
霜腫
→凍瘡積聚
『霊枢』に出ている。積聚が臟腑に生ずることの説明は、『難経』に詳しい。
癥瘕・癖積・疝塊・癥結・痃癖・塊癖。癥はつまり積、積はつまり癥、これは同じもので別物 ではない。また癖ともいう。瘕はつまり聚、聚はつまり瘕、これらも同じもので別物ではな い。また、これを疝といい、痃という。結局、積聚の別名である。癥は積の意味で、腹内の塊 が手に触れる(徴する)ものをいう。瘕は仮の意味である。聚の聚散するのは、その形が仮 のもので、ある時は顕はれ、ある時は隠れ、確定できないのをいう。疝は『説文』に腹痛とあ る。後世、小児の腹中に塊があるのを癖といい、婦人にある場合を瘕というようになった。
「はらのしこり」。
●腹内壅積。ヒューランド氏は、「この病気は、胆液・粘液・血液などが貯留し変性すること で、腹内臓器が閉塞する諸病の通称である。」と言っている。
積聚衝逆
→奔豚気雀斑
→黧黒斑雀盲
→雀目雀卵斑
→黧黒斑斜頸
→拗頸蛇身
→蛇皮邪祟
魅祟・鬼病。世間でいう狐憑(『医言』に出ている)もこれに含まれる。
浅田栗翁が、「邪祟を全身強直に対照するのは妥当とはいえないか。全身強直は木強病 に近い。けれども今のところ確信はない。女性の場合は臓躁という」と言っている。紹介して 参考に供する。
わが国の俗説に、狐狸犬猫の類が女性をだまして邪祟をおこすという説がある。地方によ り種々の異名がある。筑紫の地方では河伯の邪祟・髪切の呼び名がある。この症は特に女 性・小児に多い。温風が吹いてきたと思うと、毛髪が根本から抜け落ち、突然に息絶えたか と見えるがしばらくして生き返る。聞いてみると、寒熱往来があったという。関東でいう鎌鼬 がこれである。周防長門の近郊では、狐附・犬神・土瓶などの邪祟がある。けれども私自身 はまだ経験したことがないため、それがどのようなものかわからない。
「鬼神」・「ものつき」・「とりつきもの」。
●全身の筋が強直を起こし、奇異な症状を呈するものである。原因は精神病・舞踏病・ヒス テリー・萎黄病・重病後の衰弱・チヒユス・脳膜炎・泥沼毒・エーテル及びコロロホルムの中 毒などで発症し、通常少女及び妊婦に多いと言われる。
斜馬目
→偏視繍毬風
→腎嚢風重繭
→胼胝重舌
痰包・子舌・蝉舌風・子舌脹。『金鑑』に、「舌下が腫突して舌に似るものを重舌という」とある。
『指掌』に、「蝉舌風は別名子舌という」とある。
『玉機』に、「舌下の後に一つの小さな舌子が生じる。これを子舌脹という」とある。