に記
号
Bで示した﹁マクリ﹂について見ることに
する︒大原流﹁マクリ﹂は音をマクリ返す意味の旋律型
で︑一つの方向から他調に変移させる働きを持っ
てい
る
︒
アタリサンアタリニこの旋律型に対応する縁山流
の﹁ 当
=ご﹁︑
当 一
ご
は ︑
アタリサン
当を三回つづければ﹁当=ごになり︑二回であれば
﹁当 コ
ごである︒つまり︑縁山流では大原流の﹁
マク
リ﹂を
﹁ 当 ﹂
に置きかえているところに︑その重要な特
色があると
言え
よう
︒
さらに記号Cの大原流﹁マクリ
﹂の
個所に対応する縁
オンマキ﹁
押巻
﹂の部分を検討してみると︑縁山流﹁押山流の
巻﹂は押してその勢いで音をまくようにして二律上昇さ
せる︒つまり両流とも音が基音より上昇することは共通
であるが︑縁山流では︑とくに四ケ所のうち二ケ所まで
が
﹁ 三
段上り﹂に展開してゆくところに特色があると恩
っ 。
つぎに記号Dに示した大原流﹁ソリ﹂の部分は対比さ
せると︑縁山流では﹁
ナヤ
シ押
﹂の
旋律型の個所にあた る︒大原流の
﹁ソ
リ
﹂は︑小川貫良氏によると商音また
は徴音より︑なめらかに三律ソリ上って︑またもとの音
になめらかに下降し︑更にもとの音ぐらいまで上昇するn
この
﹁ ソ
リ﹂には呂性と律性の二種があるが︑呂性のソ
リは浅く
( 一
律)︑律性の
ソリ
は深く反る
( 三
律)と言
われている︒このソリのように︑基音より上昇し︑また
もとの基音になめからに下降するものに縁山流では︑
﹁ソリ﹂︑
﹁引
込
﹂︑﹁ナ
ヤシ
﹂︑﹁暁鳥﹂がある︒この四種
の唱えは︑実唱の音と意識ともに高く上昇する度合の程
度によって︑区別されている︒さらに
﹁ ナ
ヤシ押﹂
はナ
ヤ
シの あ
と押して唱えるのである︒
つぎに記号Eで示した大原流﹁ソリ
﹂の
個所には︑縁
山流では﹁
ソル
﹂
にな
っており︑縁山流﹁ソル﹂は基音
より二律上昇する﹁如﹂︑
﹁ 養 ﹂
ほとんど同じであり︑そ
のままであると思える︒
つぎに記号Fで示した大原流﹁
ユリ
一ご の
とこ
ろは
︑
縁山流では
﹁二 重
由﹂
にな
っている︒﹁由﹂の技法は大
変な差があるが両流ともソリを二回つづけることは同じ
‑ 159‑
表5
実唱五線譜 実日目音 原曲
一越調 平調 五音
手 上無(1ド) 宮 反宮 3)3)
執 上無(1ド) ,呂」一・ 反宮 羽
" 蝿
錫 驚鏡(,シ) 羽 下羽 反徴
也 伊百 円
杖 貰鐘(ラ) 徴 徴 角
当
4 E z i
平調(ミ) 呂 商 ,邑ム ‑ウ 盤渉(シ) 徴 羽 徴
願
6bu
ガ ア 下無(177) 商 角 商宮 衆
a
シ 且a
ジ ーa
ウ 断金1(レ) 宮 変商( 低 含 )
‑ 160 ‑
実日目五線譜 実P/]¥音 原幽
一越調 平調 五音
壬aFL x 平調(ミ) 商 商 ,呂~
大 平調(ミ) 商 商 昌
施 平調(ミ) 商 商 ,昌~
1 l
ミ、 平調(ミ) 商 商 F昌~
刀三 断金(#レ) ,邑Aー. 変商
ジ f
古
日
持 jE
神(ド仙)4一越 ,呂ーι. 嬰羽・p邑+変羽~・ 嬰羽・+実
話 j 胃 )
神仙4一越 ,邑~ 嬰羽・,邑aーー・+変羽・ 嬰羽・+道
言語起
一越(レ) ,邑ーー. 宮 嬰羽供・養
‑* タ ヰ
一越(レ) ,呂4ー. p呂~ー・ 嬰羽下無 角 角 商
( .ファ)
, 玉ム .
断金(1ミ) 商 変商 反宮
‑ 161 ‑
である︒つぎに記号Gで示した大原流﹁ユリ二・キリ﹂
の個所は縁山流では﹁三段上り﹂
にな