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○神田  隆

ドキュメント内 プレナリー (ページ 44-47)

山口大学大学院医学系研究科 神経内科学

【略歴】

1981年3月 東京医科歯科大学医学部医学科卒業

1985年3月 東京医科歯科大学大学院医学研究科卒業(医学博士)

1985年6月 東京都立神経病院神経内科医師(主事)

1988年6月 東京医科歯科大学医学部附属病院神経内科助手

1990年1月  同休職、米国南カリフォルニア大学神経学教室リサーチフェロー 1992年1月 米国ヴァージニア医科大学生化学・分子生物学教室研究員 1999年4月 東京医科歯科大学医学部附属病院神経内科講師

2000年1月 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科認知行動医学系脳 行動病態学講座脳神経機能病態学部門助教授

2004年9月 山口大学医学部脳神経病態学講座神経内科学教授 2006年4月 山口大学大学院医学系研究科神経内科学教授

現在に至る

血液脳関門(BBB, blood-brain barrier)と血液神経関門(BNB, blood-nerve barrier)は全身循環系と中枢神経、末梢神経を つなぐインターフェースである。中枢神経実質と末梢神経実 質はそれぞれBBB、BNBによって末梢循環系から切り離さ れることで健常性を維持する一方、BBB、BNBが存在する がゆえに神経栄養因子などの一定以上の大きさを持つ蛋白分 子が神経実質に届かず、神経疾患治療が発展するのあたって の大きな隘路となっている。逆に言うと、BBB、BNBを人 為的に操作することが可能になれば、①バリアー機能の強化、

バリアー破綻の修復による神経実質の恒常性の維持と回復、

②バリアー機能を抑制することによる神経実質への薬剤到達 の促進、という2つの全く異なる方向性をもつ創薬のチャン スが生まれる。

我々はヒトBBB、BNBを構成する条件的不死化細胞株を作 成し、単層培養ないし共培養の条件下で各種サイトカイン、

患者血清などのバリアー機能に対する効果を観察してきた が、これらのin vitroのシステムは、in vivoの状態に近づく ほど実際の生体内で起こっている事象を反映することが明ら かになってきた。今回の発表では、我々が世界に先駆けて開 発した脳微小血管内皮細胞、脳由来ペリサイト、アストロサ イトの3種の細胞からなる新規BBBモデルと、末梢神経微小 血管由来内皮細胞、末梢神経由来ペリサイトの2種の細胞か らなる新規BNBモデルを提示する。この2つのモデルは構成 する細胞が相互に接着してin vivoに近似した状態を再現で きており、炎症細胞浸潤や各種サイトカイン、患者血清のバ リアーに対する効果を評価するのに最適のモデルと考えてい る。研究成果の一部を紹介する。

最近我々はNMOSDでBBB破綻を惹起する自己抗体の存在 を同定し、その標的分子がGRP78であることを報告した

(Shimizu F et al. Sci Transl Med 2017)。GRP78抗体をマウ スに全身投与することでBBB機能の低下が惹起されること も明らかにされており、この抗体を用いて一時的、ないし部 分的にBBB/BNBを開大させ、その間にモノクローナル抗体 製剤を含む高分子物質を神経実質内へ導入するという治療戦 略も成立し得るものと思われる。上記モデルを用いた基礎実 験をもとに臨床応用へとつなげたいと考えている。

26 日 シ ン ポ ジ ウ ム

ホットトピックス 01

5月24日(木)8:00 ~ 9:40 第1会場 (さっぽろ芸術文化の館1F ニトリ文化ホール)

En

Chairs:MikioShoji 

DepartmentofNeurology,Hirosaki UniversityGraduateSchoolofMedicine, Japan

HiroshiMori 

DeptofClinicalNeuroscience,OsakaCity UniversityMedicalschool/TamiyaHospital, Japan

≪Objective≫

To verify the natural course and effects of disease modyfing therapy of Alzheimer's disease, many cohort studies are now ongoing. DIAN and preclinical AD study are outstanding observation study of preclinical and symptpmatic stages oif AD. A4 and DIAN-TU are prominent clinical trials of anti-Aß antibodes for autosomal dominantly inherited AD and Amyloid PET positive sporadic AD. Here we provide most advanced findings of these cohort studies and reserches and discuss prospective development for disease modifying therapies.

Co-hostedby:JapanSocietyforDementia Research

HT-01-1 The Dominantly Inherited Alzheimer Network (DIAN)- Japan

○ MieHirohata

Department of Neurology, Institute of Brain Science, Hirosaki University Graduate School of Medicine, Japan

【Curriculum Vitae】

Dr.MieHirohataistheSeniorCoordinatorintheClinicalCore oftheDominantlyInheritedAlzheimerNetwork(DIAN)-Japan, basedattheDepartmentofNeurology,HirosakiUniversity GraduateSchoolofMedicine.Sheisaspecialistforneurologyand psychiatry.ShereceivedherMDandherPhDinNeurology,both fromKanazawaUniversityGraduateSchoolofMedicine.Following postdoctoralbasicresearchon β-amyloidand α-synuclein proteins,shepursuedfurthermedicalandpsychiatrytrainingat NationalHospitalOrganization(NHO)NagoyaMedicalCenter.

In2015,shebeganworkingatNHOHanamakiHospitalasthe DirectoroftheNeurologysection,andalsoheadedtheirMedical CenterforDementiaandrelateddisorders.ShejoinedHirosaki UniversityandDIAN-Japanin2017.Shehasbeenfocusingonthe clinicalfeaturesandtherapeuticagentsinAlzheimer'sdisease(AD)

andα-synucleinopathies.Sheiscurrentlyinvolvedininvestigation intofamilieswithautosomaldominantADinJapan.

Individuals from families with autosomal dominant Alzheimer's disease (ADAD), while representing less than 1% of all persons with Alzheimer's disease (AD), have been greatly valuable for assessment biomarkers in preclinical AD. The disease has a predictable age at onset, and provides an opportunity to clarify the series of pathophysiological changes over decades in clinical, cognitive, neuroimaging, and cerebrospinal fluid biochemical markers of AD. Highly penetrant mutations in presenilin (PSEN) 1, PSEN2, and amyloid precursor protein

(APP), cause ADAD and are linked mechanistically in each mutation alters the normal processing of APP such that brain amyloid β proteins (Aβ) or the ratio of Aβ1-42/Aβ1-40 is elevated.

The Dominantly Inherited Alzheimer Network (DIAN) has been led by Washington University School of Medicine in St. Louis since 2008, which is an international multicenter research partnership and consists of a long-term observational study, basic science studies and clinical trials in individuals at-risk for ADAD. The DIAN Observational Study (DIAN-Obs)

is conducted in the United States, Australia, Europe, Asia and South America, and involves researchers, clinicians, genetic counselors, individuals and families.

In Japan, research teams studying ADAD families with genetic mutations have been working and connecting with DIAN. We teamed up with Washington University, and established the DIAN-Japan organization, which consists of 4 participating clinical research sites and around 15 Cores:

Administrative, Clinical, Biomarkers, Genetics, Imaging, and medical ethics. DIAN-Japan Observational Study started in 2016, enrolling 9 participants from Japanese ADAD family members. Before any work was done, DIAN-Japan established its own cultural appropriate protocol.

DIAN and DIAN-Japan are informing the neuroscience of ADAD and potentially common sporadic forms of AD, and contributing toward developing the most effective biomarkers and clinical trial protocols.

23 シ ン ポ ジ ウ ム 日 24 日 神経疾患の克服を目指して 06

5月26日(土)15:00 ~ 17:00 第3会場 (さっぽろ芸術文化の館3F 蓬莱の間)

公募 Jp

OC-06-4 世界初の肥厚性硬膜炎モ

デルを用いた創薬

○眞﨑 勝久

九州大学病院 神経内科

【略歴】

2003年 大分医科大学医学部医学科卒業  2004年 九州大学病院神経内科 2005年 九州労災病院神経内科 2007年 済生会福岡総合病院神経内科 

2008年 九州大学大学院医学研究院神経内科学博士課程 2012年 九州大学神経内科助教

2016年  シカゴ大学神経内科研究員 現在に至る

加入学会:日本神経学会(専門医)、日本内科学会(認定医、総合内科専門医)、

日本神経免疫学会

肥厚性硬膜炎(hypertrophic pachymeningitis: HP)は、脳・

脊髄硬膜の炎症性線維性肥厚を来す難治性疾患で、病態は未 解明で動物モデルもない。私たちは2011年にHP全国調査を 実施し、HPの二大原因がANCA関連疾患とIgG4関連疾患で あることを報告した。一方、LatY136F変異マウス(Latマウス)

はTh2優位の免疫応答とリンパ球増殖を呈し、マウスIgG1

(ヒトIgG4に対応)の増加を認め、多臓器に線維化を来たす ことからIgG4関連疾患のモデルとされるが、神経系は検索 されたことがない。今回、Latマウスを用い、世界初のHP動 物モデルを作成して病態解明を目指す。脳・脊髄の硬膜を含 む形でLatマウスの病理標本を作成し、3、6、13週齢の硬膜 肥厚や炎症細胞浸潤、神経実質への炎症の波及など病理学的 な網羅的解析を施行した。また、ガドリニウム造影MRI(1.5  Tesla)を施行し硬膜炎症の有無を評価した。Latマウスは自 発的に脳硬膜、特に上矢状静脈洞周囲から炎症細胞浸潤が開 始し、週齢とともに線維性変化を伴うことを発見した。炎症 は特に前頭部や脳幹部に強く、頸髄レベルの硬膜でも一部認 められた。一方で脳実質内に異常所見は見られなかった。硬 膜の炎症細胞はT細胞、B細胞、マクロファージ、形質細胞、

好中球と多彩であるが、IgG1陽性細胞が顕著に浸潤してい た。組織免疫染色およびウエスタンブロットの検討により、

肥厚した硬膜では線維化形成に重要なTGF-βとTGF-β受容 体の発現が亢進し、SMAD2/3の発現亢進とリン酸化が確認 された。さらに同部位では多数の線維芽細胞やコラーゲン沈 着が認められた。TGF-βシグナルを抑制し線維化を防止する irbesartan (AT1-blocker)を3週齢から3週間経口投与したと ころ、脳硬膜や末梢臓器の炎症細胞浸潤や線維性変化が大き く改善した。硬膜炎症および治療効果は造影MRIを用いた放 射線学的解析でも裏付けられた。ヒト剖検組織を用いた病理 学的検討では、IgG4関連HP患者のみならず、ANCA関連HP 患者や原因不明HP患者の硬膜でもTGF-βやSMAD2/3が発現 亢進していることを見出した。以上より、LatマウスはIgG4 関連HPの動物モデルとなり得ることを世界で初めて証明し、

TGF-βシグナルを標的とした新規治療がヒトHPに応用でき る可能性を初めて実験的に提示した。

OC-06-5 血液脳関門、血液神経関

門モデルから創薬へ

○神田  隆

山口大学大学院医学系研究科 神経内科学

【略歴】

1981年3月 東京医科歯科大学医学部医学科卒業

1985年3月 東京医科歯科大学大学院医学研究科卒業(医学博士)

1985年6月 東京都立神経病院神経内科医師(主事)

1988年6月 東京医科歯科大学医学部附属病院神経内科助手

1990年1月  同休職、米国南カリフォルニア大学神経学教室リサーチフェロー 1992年1月 米国ヴァージニア医科大学生化学・分子生物学教室研究員 1999年4月 東京医科歯科大学医学部附属病院神経内科講師

2000年1月 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科認知行動医学系脳 行動病態学講座脳神経機能病態学部門助教授

2004年9月 山口大学医学部脳神経病態学講座神経内科学教授 2006年4月 山口大学大学院医学系研究科神経内科学教授

現在に至る

血液脳関門(BBB, blood-brain barrier)と血液神経関門(BNB, blood-nerve barrier)は全身循環系と中枢神経、末梢神経を つなぐインターフェースである。中枢神経実質と末梢神経実 質はそれぞれBBB、BNBによって末梢循環系から切り離さ れることで健常性を維持する一方、BBB、BNBが存在する がゆえに神経栄養因子などの一定以上の大きさを持つ蛋白分 子が神経実質に届かず、神経疾患治療が発展するのあたって の大きな隘路となっている。逆に言うと、BBB、BNBを人 為的に操作することが可能になれば、①バリアー機能の強化、

バリアー破綻の修復による神経実質の恒常性の維持と回復、

②バリアー機能を抑制することによる神経実質への薬剤到達 の促進、という2つの全く異なる方向性をもつ創薬のチャン スが生まれる。

我々はヒトBBB、BNBを構成する条件的不死化細胞株を作 成し、単層培養ないし共培養の条件下で各種サイトカイン、

患者血清などのバリアー機能に対する効果を観察してきた が、これらのin vitroのシステムは、in vivoの状態に近づく ほど実際の生体内で起こっている事象を反映することが明ら かになってきた。今回の発表では、我々が世界に先駆けて開 発した脳微小血管内皮細胞、脳由来ペリサイト、アストロサ イトの3種の細胞からなる新規BBBモデルと、末梢神経微小 血管由来内皮細胞、末梢神経由来ペリサイトの2種の細胞か らなる新規BNBモデルを提示する。この2つのモデルは構成 する細胞が相互に接着してin vivoに近似した状態を再現で きており、炎症細胞浸潤や各種サイトカイン、患者血清のバ リアーに対する効果を評価するのに最適のモデルと考えてい る。研究成果の一部を紹介する。

最近我々はNMOSDでBBB破綻を惹起する自己抗体の存在 を同定し、その標的分子がGRP78であることを報告した

(Shimizu F et al. Sci Transl Med 2017)。GRP78抗体をマウ スに全身投与することでBBB機能の低下が惹起されること も明らかにされており、この抗体を用いて一時的、ないし部 分的にBBB/BNBを開大させ、その間にモノクローナル抗体 製剤を含む高分子物質を神経実質内へ導入するという治療戦 略も成立し得るものと思われる。上記モデルを用いた基礎実 験をもとに臨床応用へとつなげたいと考えている。

26 日 シ ン ポ ジ ウ ム

ドキュメント内 プレナリー (ページ 44-47)