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る可能性 はきわめて低 い もの と判断 して、それ以上の調査は実施 しないこととした。

調査が進行 し、全体の状況がほぼ明 らか となって きた10月20日には、現地説明会 を開催 した。それに先だって、

19日 に報道機関対象の記者発表 を行った。

今回の調査では、調査 区南東側 に、

 2号

遺構 とした大規模 なゴミ穴が確認 され、膨大な量の木簡や木製品が出 土 した。調査の進め方 との関係で、この

2号

遺構 とその周辺が、最後 まで作業が残 ることとなった。10月末 には、

他の区域の調査 はほぼ終了 し、

 2号

遺構 とその周辺の調査 に集中 して取 りかかることとなった。多量の遺物の出 土 により、作業 は難航 したが、11月 16日 に最終状況の全景写真 を撮影 した。その後、

 1号

遺構で出土 した犬の骨 格 な どの特殊 な遺物 を、 ウレタンで包埋 して取 り上げる作業などを行いつつ、撤収作業を進め、11月23日には全 ての作業 を終了 した。

なお、本建物の付帯工事 として実施 された、渡 り廊下取設工事は 9月18日に、汚水管迂回工事は12月17・ 21・

25日に立会調査 を実施 した。いずれにおいて も、江戸時代の遺構 。遺物は検出されなかった。

③記録方法

調査 にあたっては、建物建設予定区域の方向に合わせて、

 3mグ

リッ ドを作成 した (図20)。 調査 に際 して設 定 した基準点の国土座標値 は、以下の とお りで、基準点の位置は図201こ示 した。平面直角座標系 は、

X系

である。

グリッ ドは、北で28° 18′ 18〃 西偏 している。

BK7‑A 

日本測地系

 X=‑193,381.587  

世界測地系

 X=‑193,072.854 Y=+  1,784.902      Y=+  1,485.011

BK7‑B 

日本測地系

 X=‑193,367.362  

世界測地系

 X=‑193,058.630

Y=+ 1,811.315        Y=+ 1,51■

424

なお、本年報 に も掲載 した、現在使用 している縮尺500分の1地形図な どは、旧来の 日本測地系 によるものであ る。そこで当面の間、基準点の国土座標値は、 日本測地系 と世界測地系の座標値 を、両方 とも掲載することとし ている。掲載図版中の座標値 について も、 日本測地系か、世界測地系の ものか、それぞれに明示 している。

遺構の実測は、平面図・断面図 ともに縮尺1/20を基本 とした。ただ し、

 1号

遺構で検出された犬の全身骨格 に ついては、等倍で実測図を作成 している。

近世の遺跡は、その場所が近代以降に様々に利用 されている場合が多 く、必然的に近代以降の攪乱が多数存在 することとなる。 また頻繁 な建て替えなどにより、多数の変遷段階が認識 されることがほとんどである。 このよ うな場合、古い段階では、新 しい段階の遺構 による破壊 を受け、保存状況が良 くない場合が多い。攪乱や後世の 遺構 による破壊 を遺構実測図で表現する場合、通常は線の太 さを最 も細 くして表現する方法がとられている。 し か し、遺構 の数が多 く複雑 に切 り合 う場合、線の太 さの違いだけでは、必ず しも判 り易い表現方法 とは言えない 場合 もある。そ こで先の年報18に引 き続いて、攪乱や後世の遺構 による破壊部分 を、破線で表現 した。 これは、

新潟県新発 田市の新発 田城跡の調査報告書 などで試み られている方法である (鶴巻 ほか1997)。

記録写真 は、

35mmの

カラー リバーサル とモ ノクロを基本 として使用 し、全景写真 などでは、

 6×

7のカラー リバーサルとモノクロ写真 を撮影 している。調査状況の写真撮影にあたっては、調査区全域の変遷段階を合わせ て、それぞれの段階での全景写真 を撮影することが望 ましいことは言 うまで もない。 しか し今回の調査では、調 査区全体 に広がる整地層がほ とん どな く、遺構 を掘 り上げて含 まれる遺物 を確認するまで、それぞれの遺構の帰 属時期 を決定で きなかった。そのため、調査途中に変遷段階を設定す ることは難 しく、段階ごとの全景写真 を撮 影することは不可能であった。次善の策 として、で きるだけ頻繁に広域での写真 を撮影するようにしたが、全景 写真 を撮影 したのは、

 2層

上面 と最終状況の2回だけとなっている。

④遺構の名称 について

近世遺跡の調査 においては、多種多様 な遺構が検出される。その際、遺構 の詳 しい用途 まで判明する場合 もあ る一方で、遺構の形状か らしか名称 を付 け られない もの も存在する。そのため、異 なる基準での名称が混在する 場合が多い。本来は、同一基準での命名が望 ましいが、作業 を進める上での判 り易 さとい う点 も無視で きない。

今回使用 した遺構名称は、次の通 りである。

建物・柱列・杭列・石列・溝 。畝状遺構

土坑・井戸・池状遺構・石敷遺構 ・桶埋設遺構・桝埋設遺構・ピッ ト・落ち込み

これ ら以外 に、大規模 なゴミ穴が

2基

確認 された。 これ らは検出時には池 になる可能性 を考 え、

 1号

池・

2号

池 と呼称 したが、調査の進行 とともにゴミ穴であることが明 らか となった。そのため、池 とい う呼称 はふ さわし

くな くなって しまった。 もともとゴミ穴 として掘 られたのか も判然 としないため、

 1号

遺構・

2号

遺構 との名称 を使 うことに した。 ピッ ト以外の、各時期 ごとの遺構 の一覧 を、表8に掲げてお く。

柱穴な どのピッ トについては、建物や柱列 を構成す ることが現場で判明 している場合で も、ピッ ト番号 として、

全体で一連の通 し番号 を現地で付 けた。根 固状の礫が検出され、掘 り方が判然 としない場合 も、ピットとして一 連番号 を付 けている。川内地区での調査 の場合、遺構が複雑 に重な り合 うと、現場での検討では、組み合 う全て の柱穴 を確認で きない場合が多い。調査後の図面整理の過程で、建物跡や柱列を確認 している場合が多数を占め る。現地で組み合 うことが判明 した ものについて柱番号 を付す と、その後に同 じ建物跡 などを構成することが判 明 したピッ トの番号 と、柱番号が前後す る場合が生 じる。整理後に柱番号 を付け直す と、現地での呼称 との間で 混乱 をきた しかねない。そのため、現地で付 ける遺構名称 は、通 し番号のピッ ト番号 に統一 し、建物跡や柱列を 構成するピッ トについては、図面整理後 に柱番号 を新 たに付 ける形で、名称 を変更 している。表9。 10に、現地 で付 した遺構名称 と、本報告 にあたっての遺構名称の対照表を示 している。遺物に付 された注記は、全て現地で の遺構名称 となっている。

土坑 については、 ピッ トとの区分 を、 どこにするか とい う点が問題 となる。基本的には規模の大 きなものを土 坑 としている。 また、 ピッ トとして名称 を付 けたが、土坑 とした方が良い と考えられるものについても、名称を 変更 した。溝 については、素掘 りの もの も、石組溝 も、合わせて通 し番号 を付 けた。 また、木樋が埋められたも の も、溝 として名称 を付 けた。

③遺物の取 り上 げについて

近世以降の遺跡の調査 においては、それ以前の時代 の遺跡 と比較すると、遺物の出土量が極めて多 くなるのが 通常である。その際、破片では特徴が判別 し難い瓦な どについて、全てを取 り上げるか否かが問題 となる。

当セ ンターの調査 においては、江戸時代 に遡 る可能性がある遺物 については、全 て採集することを基本方針 と している。今 回の調査では、明治時代 の早い時期 と考 えられ、畑の耕作土 として利用 された可能性のある、

 2層

より下位の層序か ら出土 した遺物 については、基本的に全ての遺物 を採集 している。それより上位の整地層や現 在の表土 は、 まとめて1層として、明 らかに近現代の もの以外 について、遺物 を回収 した。ただ し、

 1層

と攪乱 か ら出土 した遺物の内、瓦 については、一定の基準 を設けて現地で選別を行 った。瓦は、江戸時代のものと、明 治以降の ものを識別す ることが、破片 の場合 ほ とん ど不可能なもの も多い。そこで、長 さと幅の判明するもの、

軒瓦、刻印や線刻のあるもの、その他特殊 なものについては採集するとい う基準 を設 けた。刻印や線刻の有無な どについては、土壌が付着 したままでは判別が難 しいので、高圧洗浄機で土壌 をおお よそ落 とした上で、上記の 基準 に当てはまる資料のみを収集 している。

⑥整理作業

今 回の調査 では、木簡 を始め とす る木製品が、調査終盤 に大量 に出土 した。出土遺物の水洗 と注記の作業 は、

調査 中に一部実施 していたが、多 くが調査終盤 に出土 したため、本格的な整理作業 は調査終了後 に開始す ること となった。調査終了 と同時 に、木製品の水洗作業 を優先 して開始 した。最初 に木簡の水洗 を行 い、続いてその他 の木製品の水洗 を実施す ることとした。結果的に、木簡の水洗作業だけで当年度末 まで費や こととなった。引 き 続 き翌年度は、木簡以外の水洗 と注記か ら、整理作業 を進めた。なお注記作業 は、瓦や土師質土器 などは、 自動 注記機械 を利用 して行 った。

当セ ンターでは、調査の翌々年度中に整理作業 を終 え、報告書 を刊行す ることを基本方針 としていた。しか し、

2000年度 に調査 を実施 した仙台城跡二の九第17地点の調査成果 を掲載 した年報18の刊行が、予算上の問題な ども あ り、大 きく遅れることとなった。 また、二の丸第17地点の整理作業 も、全般 に遅れていた。その影響 を受け、

二の丸第17地点に引 き続いて整理作業 を実施す る予定の、当地点の整理作業 と報告書刊行 も遅れることとなった。

2004年度 に年報18を刊行す る目処がたったため、本年報 は2005年 度に刊行す ることとした。 しか し、多数の木簡 を始め、報告書 に掲載す ることが必要 な資料の数が膨大 なため、一つの冊子 とす ると、頁数が大 きくふ くらむこ とが明 らか となった。当セ ンターの整理作業 と報告書刊行 は、毎年度ほぼ同 じ予算額で進めている。特定の年度 だけ報告書の買数が増大 し、E「刷費が大 きくなることは、他 の事業費 を圧迫す ることとな り難 しい。そのため、

本年報 は

5分

冊 に分 け、第

1分

冊 を2005年度 に、第

2〜 5分

冊は、作業の進行 にあわせて順次刊行す ることとし た。

近世遺跡の調査 では、様 々な材質の遺物が出土す る。水浸木製品の ように、材質 に応 じて特有の取 り扱 いを必 要 とする もの も多いことか ら、遺物の種類 ごとに整理作業 を進めている。遺物の各種類 ごとの細かな整理作業の 方法、それぞれの分類基準ついては、第

2分

冊 に掲載す る遺物の報告の各項 目の中で記述す る。

図面 ない し写真 を、本報告書 に掲載 した遺物 については、種類 ごとに以下の頭文字 を決め、その下 に通 し番号 の登録番号 を付 けている。実測図・写真図版・観察表の番号 は、いずれ もこの登録番号 に統一 している。遺物 を 管理する台帳 も、全て この登録番号 をもとに作成 してお り、保管 にあたって も、 この登録番号 を基礎 に管理す る

ようにしている。

原始・古代の遺物 縄文土器・須恵器

:C

江戸時代以降の遺物 磁器

iCJ

土師質土器

:CH

:T

古銭

:MC

石製品

iS

木簡

:WT

ガラス製品

:G

石器

iST

陶器

:CT

瓦質土器

:CG

軟質施釉土器

:CN

土製品

:CO

古儀 以外 の金属製 品

IMO

木製 品

:W    

漆 塗製 品

:WL

その他 の遺物

:OT

ドキュメント内 東北大学埋蔵文化財調査年報19 第1分冊 (ページ 53-57)

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